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【RPN】文堂珈琲館part1

0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2018/03/14(水) 22:32:02.38ID:6LoKN39l
前身スレ: http://itest.5ch.net/test/read.cgi/mitemite/1519338178/l50

このスレは、文堂珈琲館という架空の喫茶店を舞台に、各々の作ったキャラに成りきって他の客や店員との会話や関係性を楽しむことを目的としています。

反応すること・しやすさを心がけ、一人で暴走するのは避けてください。

以下の(>>2-4あたり)ルールを守って書き込みましょう。
0275名栗 菊久
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2018/03/26(月) 16:48:05.98ID:lA319Wcq
すでに1匹が消えてしまった…
しかも鴨島さんのお店で。一応上方には報告はしたが反応がない所を観ると対象死亡で問題ないようだ。
見ているだけにしていた罪滅ぼしって言っても大したことはできないので、店の痕跡を消す手伝いと、お見舞いに行くことにした。

病室に着くとその子はまだ虚ろなまま天井を見つめていた。
「……」

なにを語ったらいいのか、語らない方がいいのか。自分には決められず。
さすがにゴチャン産フルーツを持ってくるわけにはいかなかったので、国産果物の使ったジュースを置いておいた。
0276【空港第1ターミナル】
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2018/03/26(月) 22:35:08.81ID:i9WjjN4V
空港ゲートに4人のゴチャン人が降り立った。
ニャンティが入院して意識が戻らないと聞き、家族を代表してやって来たのである。
父、祖母、妹、そして中性の兄、の4人であった。
0277【空港第1ターミナル】
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2018/03/26(月) 22:57:13.47ID:i9WjjN4V
名前 ワンパク・ペロティ(中性の兄)

年齢 28歳
肌の色 純白
身長 146cm
体重 62kg
外見 頭の上に中型のマリモがひとつ乗っているような個性的な髪型、5歳児がそっくりな似顔絵を描けるほどシンプルな顔、ビール腹、いつも笑顔

日本の製薬会社に5年勤めていた。現在は同社のゴチャン支点勤務。そのため日本語がペラペラ。
不確かな情報を自信をもって口にするため周囲をかき回すことが多い。親しい人間にはわざと嘘の情報を与えて楽しむサディスト。
小太りのオッサンに見えて実は剣道七段。


名前 ミャンミャン・ペロティ(妹)

年齢 16歳になったばかり
肌の色 薄い褐色
身長 162cm、まだ伸び盛り
体重 47kg
スリーサイズ B82(C)、W49、H83
髪型 ショート

ゴチャンのファッション雑誌「ヤンヤン」の人気モデル。ハーフ顔。三つ隣にかつて住んでいたオランダ人のイケメン似。
父にはまったく似たところがないが、産まれた時、父は「美人さんが産まれたぞぉ」と、とても喜んだ。現在も溺愛している。
ニャンティを「お姉ちゃん」と呼ぶニャンティっ子。
0278【空港第1ターミナル】
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2018/03/26(月) 23:08:36.65ID:i9WjjN4V
名前 ペロティ・ペロティ(父)

年齢 54歳
肌の色 白
身長 132cm
体重 31kg
外見 ワンパクと同じ。ただ、口元に皺があり、頭のマリモが二つあるので区別は容易。

33人の子供の父親。再婚4回。
いくつもの農園を経営している。


名前 ジャガティ・ペロティ(祖母)

年齢 91歳
肌の色 薄い褐色
身長 128cm
体重 21kg
外見 ニャンティにそっくり。違うのは無数の皺と肌の色、そしてオールバックにした総白髪の髪型ぐらい。
実は日本語がペラペラだが理由あってそのことを隠している。
0279【ニャンティの病室】
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2018/03/26(月) 23:29:37.89ID:i9WjjN4V
病室に入るとニャンティが天井を見つめて寝ていた。
「お姉ちゃん、来たよ」と妹のミャンミャンが声をかけても無反応だ。
「ニャンティ? 聞こえてるかい?」父が呼んでもぴくりともしない。

「とりあえず四日間ここにいよう」とジャガティばあちゃんが言った。「きっとこの子はその間に帰って来る」
ばあちゃんがそう言うと本当にそうなる気がして、皆少し気持ちが明るくなった。
「きっとニャンティは生まれ変わろうとしているんだよ」ワンパク兄さんが言った。「二日目だ。明後日、ニャンティは目を覚ます!」
ワンパク兄さんがそう言うとすごく嘘臭くて、絶対にそうならないような気がして、皆また気持ちが暗くなってしまった。

「お姉ちゃん、ミャンを残して死んだら嫌だ!」妹がニャンティの上に突っ伏して泣いた。
「こ、こら」父が叱る。「死ぬなんて……そんな縁起でもない言葉を口に出すんじゃありません」
「とりあえずニャンティがお世話になってるという喫茶店へ挨拶に行こう」ばあちゃんが言った。「わしの呪術に引っ掛かる何かがあるかも知れんしの」
0281ミャンミャン・ペロティ ◆yMVtD19ujY
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2018/03/27(火) 00:55:39.41ID:v0yicNDV
外を歩いていると日本人の頭の軽そうな男の人があたしに声をかけて来た。足下を一緒に歩いてる3人が小さすぎて見えなかったらしい。
「芸能界に興味ない?」
どうやらその手のスカウトみたい。
あたし様を誰だと思ってるの。『ヤンヤン』のトップモデル、ミャンミャンちゃんを知らないなんて、日本人って遅れてるぅ。
とにかくあたしは今、日本人が嫌いだ。どいつもこいつもがあたしの最愛のお姉ちゃんをあんなにした犯人に見えるから。
あたしが睨みながら見下したまま何も言わないでいると、ワンパク兄ちゃんが口を出した。
「ごめんなさい、この子、日本語が喋れないもんで」
嘘つき。お姉ちゃんに付き合って勉強したからそこそこは喋れるよ。でもまぁそゆことにしとく。
「ただ『進撃の巨人』のファンなもんだから、『エレン、家が!』ってのだけ喋れるんですよアハハハハ」
あー、一番最初に覚えたのは確かにソレ。
「エレン! イエガー!」とわざとガイジン発音で大げさに言ってやったら逃げてった。
0282【文堂珈琲館】
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2018/03/27(火) 01:09:17.76ID:v0yicNDV
「どうもこの度は……申し訳ございません。大切な娘さんをお守り出来ず。この鴨島翔昭、不覚の至りです」
Closedの札が表に出ていたので誰もいないのかと思いながらもドアを叩くと鴨島マスターが中にいた。
ニャンティの家族だと説明するとマスターはベトナムコーヒーを二杯とマンゴージュース、そしてウーロン茶を入れてくれた。
「お店、定休日なんですか?」ワンパクが聞く。
「いえ、ニャンティさんがあまりによく働いてくれるので頼り切ってしまっていました。彼女が倒れただけで営業不能になってしまいまして」
「わぁ、それならいい代わりがここにいますよ」ワンパクはニコニコしながらミャンミャンを振り返った。「お前、バイトやれ」
0283【文堂珈琲館】
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2018/03/27(火) 01:24:42.49ID:v0yicNDV
モデル並みどころか日本のトップモデルさえ超えるのではないかと思わせる8頭身16歳美少女に見とれながら、
鴨島は「ウム」と頷いた。お客がごっつ増えるような気がした。

「え……、やだ。お姉ちゃんの側にいたい」ミャンミャンは首を横に振った。

「うんや、やりなさいミャンミャン」
そう言ったのはジャガティばあちゃんだった。
ばあちゃんに言われると、やらなければいけないどころか、やればいいことがあるような気がして来るのが不思議だ。

「ウフフ、決まりだね」ワンパク兄さんが笑った。「でも一人じゃ足りないでしょ? ついでに僕もバイトしちゃおっかな〜」
「うんや。わしがやる」
ジャガティばあちゃんのその言葉に全員が10秒沈黙した。

「えええええ!?」
ワンパクが通訳すると鴨島も顎を外した。

「ミャンミャンに人目を引いとってほしい。その間にわしはニャンティをあんなにしておる源の邪気を見つける」
ジャガティばあちゃんはそう言うと、いそいそとメイド服を試着した。
0285ミャンミャン・ペロティ ◆yMVtD19ujY
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2018/03/27(火) 10:40:00.68ID:I2oa7+iD
「おはよ……。
今日のミャンミャン特製ゴチャン風日替わりランチはDry Curry……。日本語で言うとドライカレー?
フライパンにバターをひき、玉ねぎとハムとピーマンとニンジンとご飯を炒めて、塩コショウとカレー粉で味付けして、隠し味にマヨネーズをちょびっと使いました。
お姉ちゃんみたいな独創性のない、普通のつまらない料理しか作れなくてごめんなさい」
0286【文堂珈琲館(営業中)
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2018/03/27(火) 10:51:41.33ID:I2oa7+iD
ミャンミャンは初めのうちは病院の姉のことばかり考えてアルバイトに気が乗らなかったが、
そのうち人に見られることが大好きなモデル魂のエンジンがかかり、またこの店の制服が可愛いことも手伝って、
ノリノリで接客しはじめた。
たまにスカートからノリノリで飛び出す猫のしっぽを客に指摘されても「しっぽでーす」で済ませた。
0287【文堂珈琲館(営業中)】
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2018/03/27(火) 10:56:51.85ID:I2oa7+iD
ミャンミャンに人目が引きつけられている隙に、ジャガティばあちゃんは邪気の源を探った。
『確かに客が増えるにつれて邪気も増して来おる……。どこじゃ?』
0288町田小枝 ◆ksF2mXy7Y6
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2018/03/27(火) 11:30:13.84ID:I8LV10ed
退院明けの朝、私はニャンちゃんの眠る病室を訪れていた。
殺されかけてショックを受けていた私のことを気遣ったのか、鴨島さんもお医者さんも誰も彼女のことを教えてくれなかったが、今日になって「蛇」の被害に遭い意識不明になっている少女の噂話を耳にして、慌てて駆けつけたのだ。

「ニャンちゃん……、ごめんなさい」

爛れた白い頬をそっと撫ぜ、懺悔する。
もし、自分があの時ネアを引き止められていたなら。あるいは、愛田谷刑事の捜査にもっと協力できていたなら。
そう思わずにはいられなかった。
0289町田小枝 ◆ksF2mXy7Y6
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2018/03/27(火) 11:40:19.02ID:Y65E0uv3
でも後悔しても時は戻らない。
今の私にできるのは、まだどこかで生きているゴゴを探す協力をすることくらいだ。
そのためにも、今日警察が事情聴取にやってきら愛田谷さんの解放を訴えよう。
私は色々と弁護の言葉を考えながら、離れ難い気持ちをこらえてニャンちゃんに背を向け、実家兼職場に向かう。

「……あれ?」

店にいくと、看板がopenになっていた。
鴨島さんが一人で営業しているのだろうか。
不思議に思いながら扉を開けると、見知らぬメイド服の老女と美女が同時にこちらを振り返る。

「間違えました」

私は開けたばかりの扉をばたんとしめた。
0290愛田谷 善三 ◆EPkAgKK0tw
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2018/03/27(火) 13:21:35.38ID:Kvycbz1f
 ようやく自由の身に戻った。
 町田さんが俺のために身を尽くして疑いを晴らしてくれたのだ。やはり彼女も俺のことを……?
 しかしよくも二日間も拘留してくれやがったものだ。
 それどころかあのままだと懲戒免職になるところだった。ったく、髪の匂いを嗅ぎまくったぐらいで辞めさせられてはかなわない。

 俺は彼女の無事を確かめるために文堂珈琲館へ急いだ。
 扉を開けるとあの小さいほうのネコみたいなふざけた店員がいた。たった二日で80ぐらい歳をとっていたが興味なかった。
 もう一人見慣れない女の店員もいた。美人だがガキだ。美人だがガキじゃないかと自分に言い聞かせた。
 町田さんの姿が見えない。マスターに聞こうと近づいたがやたら怖い顔をしている。
「町田さんに会わせてください」
 そう言った途端追い出された。……なんだってんだ……?
0291ミャンミャン・ペロティ ◆yMVtD19ujY
垢版 |
2018/03/27(火) 20:14:40.55ID:TpoRzlDj
身なりの綺麗なおばさんが店に入って来た。
「らっしゃ〜い」と声をかけると、鴨島サンから「店長です」と紹介された。
お姉ちゃんからよく話を聞いてた人だ。優しくて愛にあふれた人だって。店長サンとは聞いてなかったけど。
入院してたと聞いてたので「このたびはゴシュウショウサマでした」と言ってぺこりとしたら変な顔をされた。
まぁワンパク兄ちゃんに教えてもらった日本語だから変だろうのは想定内。
「いつもお姉ちゃんがお世話になってます。妹のミャンミャンといいます」
自己紹介したらあっちも自己紹介し返して来たけどその名前、お姉ちゃんから100回は聞かせれてるからとっくに覚えてる。

「こちはジャガティおばあちゃん」と紹介すると、おばあちゃんは店長サンの顔を下からじーっと見つめてた。お姉ちゃんみたい。
そだねー、日本語がわからないもんねー、と通訳したけどやっぱりじーっと見つめたまま。
店長サンの顔を……。
あれ?
なんかずれてる。
顔というより……肩?
0292ジャガティ・ペロティ
垢版 |
2018/03/27(火) 20:15:20.36ID:TpoRzlDj
『なんと……そんな所におったんか、ニャンティよ』
小さなニャンティの魂が、町田小枝の肩にちょこんと腰掛けておった。
よほど怖い目に遭ったのか、その服をぎゅっと掴んで。
0293【ちぇちら荘、ニャンティの部屋】
垢版 |
2018/03/27(火) 23:25:28.87ID:wrUlMPAs
昔からこういうことはあった。
ニャンティは自分を消してしまいたいほど怖い目に遭うと、体を捨てて魂だけ逃げ出してしまうのだ。
ただ今まではせいぜいすぐ側にいる誰かのポケットの中などに逃げ、
怖いものが去ったらすぐに体に戻ったものだが。

「よっぽど怖い目をしたんだよ。可哀想に」
ジャガティばあちゃんは皆を集めて話した。
「まぁ、しかし、とりあえずニャンティは見つけた。あとは体に帰してやるだけじゃが、邪魔をしとる何者かがおる」
「何者かって何者なんだい?」ペロティパパがとぼけた質問をした。
「わからんから何者かなんじゃが……」と突っ込んだ上でばあちゃんは続けた。
「しかし、あの喫茶店にそれがおるのは間違いない。邪気をひしひしと感じるでの。それを倒せばニャンティは目を覚ます」
0294【ちぇきら荘、ニャンティの部屋】
垢版 |
2018/03/27(火) 23:27:43.13ID:wrUlMPAs
「それで……」ワンパクが言った。「ばあちゃんはその邪気キャラの設定をもう用意しているのかい?」
「うんや、なんも」ばあちゃんは首を横に振った。「誰かが設定してくれんかのぅ……と思うちょる」
ワンパクがずっこけた。

『これがわしの最後の戦いにぬるかもしれんのぅ……」
そう思いながら、ジャガティばあちゃんは鉄の数珠を擦り合わせた。
0295愛田谷 善三 ◆EPkAgKK0tw
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2018/03/28(水) 00:38:50.50ID:T2ls8sF7
 ニャンティ・ペロティも襲われて入院していたとは知らなかった。
 町田さんはそこにいるかもしれない、と直感して行ってみる。

 残り香はあった。しかし彼女はもう帰ったあとだった。

 ニャンティ・ペロティは植物人間になったとのことだ。
 実際、今、俺の目の前で、目を開けたまま死んだように横たわっている。

 しかし本当に生きてんのかコレ?
 俺は軽〜い気持ちでニャンティの口の中に指を突っ込んでみた。
 あったかい。湿ってる。
 生きてるわ。ってかなんだこれ気持ちえぇ……。

 町田さんの強烈な残り香が俺を狂わせる。
 俺はニャンティの口の中に自分の指を入れたり出したりを繰り返すのに夢中になっていた。

 こんなに気持ちえぇんや……人の口ん中って。
 よく見りゃコイツの唇、ピンク色で可愛いな……。
 どんな味かな、吸ってみたら……。

 そこへ看護師さんが入って来て俺を二度見した。
「口の中に異物の残留はないようだ」
 適当なことを言いながら俺は病室を逃げ出した。
0296町田小枝 ◆ksF2mXy7Y6
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2018/03/28(水) 01:24:13.35ID:DXOnf0WK
「グェーグェー!」
「ひゃー!?」

ミャンちゃんに鳥の鳴き真似?をしながら右肩に飛びつかれるなどなんやかんやあって、私はニャンちゃん(生霊)が自分の肩の上にいることや、ジャガティさんが邪気という不思議パワーをミャンちゃんの影で探していることを知る。

「じゃあそのエプロン、やめません?」

その萌キュン用エプロンでは目立って仕方ないだろうと、普段用の茶色いエプロンを持ち出す。
しかし、客にも前世紀の遺物と罵られたそのエプロンは「白いやつの方がいいってさ」とあっさり拒絶され、虚しく風に揺れた。
これはこれでシックでいい感じなのに……。
0297町田小枝 ◆ksF2mXy7Y6
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2018/03/28(水) 01:36:37.74ID:XtzmXOr4
そんな感じで色んな用事がすんで夜になり、最後に鴨島さんを見送ったあと、私は静まり返った店内を見渡す。
ジャガティさんが言うには、この店の中になにか邪気持ちの人がいるらしい。

『凪、今も邪気眼って使えるかな?』
『次の日曜は手伝わない。今決めた』
『そんなぁーというか、次のどころか前の日曜もいなかったけど……』
『うるさい黙れ。俺も暇じゃないんだ』

なにか分かればと思い、昔邪気眼の使い手だった従弟の凪にメールを送ってみるが、大いにすねられた。
あ、いや、そうだった。凪はあの目の暴走に苦しめられていたのに私ときたら……。

『ごめん、嫌なこと思い出させて(><)
あと忙しいのに昨日はありがとう。
無理はしないでね!』
『ああもう……心底イラつく。
ほんっと相変わらず人の心のキビンとか、
イタミとか、わかってないよね。
気持ち悪いウザイ気味が悪い。
おなじ人間とか信じらんない氏ね』

「なるほど、考えたなあ」

私はふふっと笑って携帯を閉じる。
昨日病室に置かれていた謎の軟膏といいこのメールといい、本当に素直じゃない。
そこが可愛いんだけどね。
0298町田小枝 ◆ksF2mXy7Y6
垢版 |
2018/03/28(水) 01:46:01.13ID:DXOnf0WK
……いけない、真剣に原因特定をするつもりが、つい和んでしまった。でもそういえば、と私は少し前のことを思い出す。
そう、邪気キャラにうってつけの設定を持ったなにかがこの店にいたような……。
あの、盛り塩を見てるとなにか思い出せそうな気がするんだけど……。
うーん、最近色々あったからか記憶が混乱している。
明日ジャガティさんに相談してみようかな。
結局思い出せそうにもないので、私はさっさと寝床につくことにした。
0299城山 出雲男(ズモー)
垢版 |
2018/03/28(水) 08:32:00.71ID:6rRGRhK6
「のす!」
0300【文堂珈琲館1階】
垢版 |
2018/03/28(水) 08:42:15.50ID:6rRGRhK6
ズモーは久し振りに店を訪れ、モーニングを3人前食った。
小枝には何も言わず、小枝がお詫びを言いに来ても「のす!」とも言わず、目も合わせなかった。
大口を開けてパンケーキ3枚重ねて放り込む。

「いくら食べてもお腹が空くのよ〜〜〜」
ズモーの隣にお腹に大きな穴の空いた女性がいて、血まみれのパンケーキを食べていた。
口から入れるたび、パンケーキがお腹から飛び出し、テーブルの上の皿に戻る。
つまりテーブルが相当低く、お腹よりも下にあったわけだが、彼女は気にしていなかった。

「あの2匹は違うの」
ジャガティばあちゃんは小物を見る目で見送った。
0301ミャンミャン・ペロティ ◆yMVtD19ujY
垢版 |
2018/03/28(水) 08:49:01.69ID:6rRGRhK6
「おはよっ。
今日のランチはちょっとゴチャン風にしてみたよ!
牛肉ラーメン定食です。
隣のラーメン屋さんから借りて来たスープと麺にトロットロになるまで煮込んだゴロゴロの牛肉を乗せました。
新しいお客さんをお待ちしてます。お部屋暖かくして待ってるね! ミャンと気持ちいいことしよ?」
0302愛田谷 善三 ◆EPkAgKK0tw
垢版 |
2018/03/28(水) 10:45:50.66ID:1EyXJsRz
 牛肉ラーメン定食とやらを食す。
 この店、味が落ちたの何でかね。
 化学調味料の嫌な匂いが味覚を麻痺させる。
 前はもっと自然な味がしてたんだがね。

 ところで俺は今更ながら合点が行った。
 ネアが町田さんを食べずに立ち去った理由。
 それは強烈なまでの彼女のフェロモンだったに違いない。
 俺にはとんでもなく甘美なこの女の匂いが、同じ女であるネアにはとんでもない悪臭だったのだ。
 なんか少し悔しい気もするけどそのおかげで町田さんは助かったのだ。

 しかしゴゴはそうは行かない。
 ヤツは恐らくこの匂いが大好物だ。
 ネイチャー・ワールドにいた時もメスの動物ばかり襲って食べていた。
 また、ネアがこの店に入って来たということについても気になる。
 臆病なアーニマンが普通、人間のいる店の中に入って来るか?
 この店に何かヤツらを誘引する邪気を発しているものがあるとしか思えない。
0303愛田谷 善三 ◆EPkAgKK0tw
垢版 |
2018/03/28(水) 10:57:44.51ID:1EyXJsRz
「この店に何か、たとえばネズミとかアリとかが誘き寄せられるような物とか、何か置いてはありませんかね?」
 俺はカウンター越しに町田さんに聞いてみた。
 どうしても唇に目が行く。
 指、突っ込んだらどんなだろう……。
 俺は足を組んで劣情を隠した。

「買い出し行ってきますー」と言いながらミャンミャン・ペロティがすぐ横を通った。
 コイツもガキのくせになかなかの女の匂いを発してやがる。
 だが、言わせて貰えれば牛乳の匂いが強すぎる。
 レバー、生卵、牛乳。この3つが同時に同程度に発酵し、血生臭さとすえた臭いと乳臭さのハーモニーを醸し出している町田さんの圧勝だ。
0304創る名無しに見る名無し
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2018/03/28(水) 11:10:20.12ID:1EyXJsRz
 店を出てスーパーへ行くまでには水島うつろが殺された例の公園を通る。
 春の強い風に乗ってミャンミャンの牛乳臭い香りは公園内まで漂い、茂みに身を隠していた獅子の鼻腔をくすぐった。
 ゴゴには獲物に恐怖を与えてから殺す趣味はない。
 むしろ出来るだけ恐怖を与えずに一瞬で仕止める。
 それは王者の優しさかもしれなかった。

 突然、公園の植え込みを裂いてライオンのような男が現れた。
 茶色い髪は顔のぐるりを覆い、筋肉の鎧は更に金色の体毛で包まれている。
 開かれた大きな口は全て鋭い犬歯だった。
 その口が真っ直ぐにミャンミャン・ペロティに突進してきた。
0305【あながしら公園】
垢版 |
2018/03/28(水) 13:14:52.76ID:6rRGRhK6
ゴゴの一噛みは空を切った。
スカートの中から黒いしっぽが屹立している。ひらりと横へ飛んでかわしたミャンミャンは、
地面に立つと体を大きく見せるためのファイティング・ポーズをとった。

「にゃんにゃにょよ!」
細いしっぽの毛は派手に逆立ち、タヌキのようになった。黒いショートヘアーも同じく逆立ち、猫耳のようになった。
「にゃんにゃにょよにゃんにゃにゃにゃ!!?」
威嚇しているのかパニクっているだけなのかよくわからない声を発し、精一杯ゴゴを牽制する。

「……ナカマ?」ゴゴが低い声で呟いた。
「誰が仲間だーーー!」ミャンミャンは長い爪を構えた。
しかし猫がライオンに敵うはずもない。
0306【あながしら公園】
垢版 |
2018/03/28(水) 13:34:37.43ID:6rRGRhK6
これはピンチに見えて、ある意味チャンスなのだろうか? ミャンミャンは考えていた。
このまま文堂珈琲館へ誘導すれば、刑事さんの言っていた邪気の源をゴゴは示してくれるかもしれない。
邪気の源がわかれば、おばあちゃんがお姉ちゃんを元に戻してくれるかもしれない。
でもお客さんやマスター、店長のいる店内へこれを連れて行くなんて、ちょっと出来ない。下手しなくても大惨事になる。
大体こいつより自分のほうが足が速いなんて確証は……ないけど自信はある。
脚の速さには自信がある。

昔TVかなんかで見たのを思い出した。
ライオンは脚の速い動物を狩る時、追い回して走らせて、疲れるのを待つ。
でもあれは複数でチームを組んでこそ出来る作戦だ。
1対1なら、逃げ切れる。
そう思うのに、怖くてそいつに背を向けることが出来なかった。

『どうしよう、どうしよう、どうすればいいの』
ミャンミャンは自分を大きく見せるためのファイティング・ポーズをとったまま動くことが出来なかった。
ゴゴはゆっくり横へ動き、確実な次の一撃を狙っている。
「助けて! 誰か助けて!」結局普通の女の子のように、そう叫ぶことしか出来なかったのである。
0307ジャガティばあちゃん ◆qatBfkL6N.
垢版 |
2018/03/28(水) 13:44:07.52ID:6rRGRhK6
「見つけたぞい!」
トイレ掃除から出て来たわしは、遂に邪気の源を見つけた。
そいつは禍々しいほどのドス黒……いやどちらかというとドス桃色の邪気を発して目の前におった。

とどめの確信が欲しかったわしは、町田小枝に聞いてみた。
「お前さんが蛇に襲われた時、そいつは何か言っとらんかったか? たとえば>>262あたりで?」
おっと、いかん。つい日本語が出てしまった。
わしが日本語を解することは誰にも知られてはいかんことじゃというのに……。後でしっかり口止めしておかねばの。
0308愛田谷 善三 ◆EPkAgKK0tw
垢版 |
2018/03/28(水) 16:57:55.54ID:2r33Z3Eo
「は? 俺だっていうのか?
そりゃ無理があるだろ
俺が邪気だってんなら俺んとこ来るはずだろ、なんで喫茶店に来るんだ?」
0309【文堂珈琲館1階】
垢版 |
2018/03/28(水) 19:26:12.04ID:6rRGRhK6
「うんや。お前さんじゃ」
ジャガティばあちゃんはビシリと言った。
「町田小枝が襲われた日、お前さん、もしやこの店に上着を忘れて行かんかったかえ?」
「そ、そういえば……」愛田谷は心当たりがあった。
「お前さんの上着のポケットに『エロマー』が住み着いておるのじゃ。そいつが春の発情シーズン真っ盛りの獣を惹きつけておるのじゃ」
「エ、エロマー??」
「エロ魔みたいなもんじゃ。そしてニャンティは、エロマーに取り憑かれたお前さんから町田小枝を守るため、自分の体に帰れずにおるのじゃ!」
愛田谷は『無理やりじゃね?』みたいな顔をした。それを見てばあちゃんは付け加えた。
「……たぶん」
0310【文堂珈琲館〜公園前】
垢版 |
2018/03/28(水) 21:12:31.76ID:XtzmXOr4
議論はどうやってエロマーを追い出すかに移行し、「塩水一気飲みはどうですか?」と悪気なく笑う小枝に恐れをなした愛田谷による上着を捨てればいいじゃないという提案でまとまる。

「じゃあこれ、捨ててくるよ」

渋々と言った様子で立ち上がった愛田谷だが、いざ上着を捨てようとすると、なんとも言えない離れがたさを感じて躊躇っていた。
質に出すことも捨てることも燃やすこともできずにうろうろしていると、彼の耳に「助けて」という悲痛な叫びが届く。
慌てて駆けつけた先では、ミャンミャンとゴゴが対峙していた。
0313【あながしら公園】
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2018/03/28(水) 23:34:57.16ID:6rRGRhK6
ミャンミャンの叫びに応えて声がした。
「ひとつ、人の世の生き血をすすり……」
ゴゴが声のするほうを振り返ると、小さな犬みたいなのがマリモをひとつ頭に乗せて歩いて来るのを見た。
「ふたつ、ふらちな悪行残名……」
「ワンパクお兄ちゃん!」
ミャンミャンは嬉し涙を流して叫んだ。普段は頼りないけれどこんな時にはなんて頼もしい、剣道七段の兄だ。
「みっつ、ミャンミャンをいじめるこのライオンを……」
最後まで言わせずゴゴが噛みついた。
ワンパク兄さんは木の葉のように軽やかに攻撃をかわし、着地した。
「怖くないぞ、怖くなんかないぞ」そう自分に言い聞かせると手に持っていた木刀を前に構える。
「出た! 必殺の仕込み刀ね?」ミャンミャンがヨイショした。
「いや、日本だと銃刀法に触れてしまうんでね、ただの木刀だよアハハハハ」
「それでどう倒すのよーー!」
またゴゴが襲いかかったがワンパクは水のように受け流した。
「ミャンミャン、聞け。倒すの無理だ。逃げなさい」
「お兄ちゃんは?」
「兄さんは大丈夫だから。全力で走りなさい」
「ラジャー!」
素早くそうミャンミャンが答え、走り出そうとした時だった、足手まといが現れたのは。
0314【あながしら公園】
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2018/03/29(木) 00:00:08.76ID:IbeLvxAI
「こっちだライオンめー!」
そのゴチャン語の叫び声がしたほうを見て二人は顎が外れるほどの悲鳴を上げた。
ペロティパパがゴルフクラブを持って臨戦体制だったのだ。
「パパパパパパ……パパ!?」
ゴゴはしかし、ちらりと一瞥しただけで無視した。
「こっちを向けライオンめー!」
そう叫びながらゴルフクラブを降り下ろしたが、まったく届いてなかった。
「パパに何が出来るのよーー!」
「パパ逃げて! パパさえいなければ僕らも逃げれるから!」
「去レ、雄ドモ」とゴゴが喋った。「俺ガ喰イタイノハ女ダケダ」
「娘は私が守るー!」
そう叫んで躍りかかったパパをゴゴは易々とねじ伏せ、脚で踏みつけた。
「オイ、マリモ。コイツを助ケタケレバ娘ヲ渡セ。サモナケレバこいつヲ喰ウ」
「よーし食べろ! 私を食べろ!」パパは嬉しそうに言った。
ワンパク兄さんは何も出来ずにいる。
ミャンミャンが木刀を奪ってゴゴめがけて駆け出そうとするのを止めるのが精一杯だった。
しかし足元に転がるものを見つけ、これはと閃いた。
0315【あながしら公園】
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2018/03/29(木) 00:13:17.43ID:IbeLvxAI
足元に転がるそれはミャンミャンがスーパーで買って来た1kgの牛肉のかたまりだった。
ワンパク兄さんはそれを両手に持ち、お供えするようにゴゴに差し出した。
「高級な和牛肉でございます。どうか、これで、ひとつ……」
ゴゴの顔に怒りが浮かんだ。
「俺ヲ馬鹿ニスルノカ?
俺ガ喰イタイノハ女ダト言ッタロウ!」
そう吠えると差し出した牛肉を弾き飛ばした。
弾き飛ばした方向からちょうど愛田谷が駆けつけて来た。
牛肉をキャッチした愛田谷は、自分の上着にそれをくるんでゴゴの前に投げた。
牛肉とエロマーが合体し、それは一瞬にしてゴゴを夢中にさせるマタタビと化した。
0316【あながしら公園】
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2018/03/29(木) 00:18:52.65ID:IbeLvxAI
ゴロゴロと喉を鳴らして愛田谷の上着をペロペロ舐めるゴゴを背に、ワンパク兄さんが言った。
「あとの処置はお任せします。お休みなさい」
0317名栗 菊久
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2018/03/29(木) 01:41:22.02ID:svBSg0ic
店に駆けつけた頃にはほとんど方が付いているように見えた。
何かよくわからないものをしゃぶりまくっているもう一方の獣とゴチャン人が数人…私は懐から超強力な麻酔弾が装填された銃を取り出して構えた。恐らく一発で倒れるだろうとは思うが、なにせあの躯体のどこに当てればいいかわからなかった。

パンッ

乾いた音がして弾丸が放たれた。命中し獣はピクッと反応しこっちを睨んだ。我に帰ったようでイキナリ襲いかかってきた。
反撃しなくてはと思い、銃を捨てサッと構えた。重心を低くし、腕で防御と索敵をする。軍式戦闘術の基本の構え。獣が両手で切り裂こうと向かってくる。
その爪が私の喉笛を切り裂くより前に右の正拳が顔面にねじ込まれた。まさに出鼻を挫くと言った感じだろか。
そして動きの止まった瞬間、間髪入れずにキックを入れた。右手と同時に腰に連動して足が出ていたのだ。
0318ミャンミャン・ペロティ ◆yMVtD19ujY
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2018/03/29(木) 11:28:09.69ID:5yHZvIP6
「格闘中なので今日の日替わりランチは手抜きです。ごめんね(≡・x・≡)
『胡椒餅セット』をどうぞ。米粉で作った皮にゴロゴロの豚肉と野菜で作った胡椒風味の餡を入れて焼いたのを近所の胡椒餅屋さんで買って来ました。
ど○兵衛きつねうどんと一緒にどうぞ、お兄ちゃん」
0319【あながしら公園】
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2018/03/29(木) 11:40:58.49ID:5yHZvIP6
麻酔弾が3発撃ち込まれ、動きの止まったライオンを皆で囲んで見ていた。
「よく見たらおもしろい顔してるね」ミャンミャンが言った。
「警察はこれどうするつもりかな。死刑とかになるのか?」ワンパク兄さんが言った。
「ライオンが死刑って変……」
「でもただのライオンじゃないからね。2本足で歩くし」

見世物になっているライオンを見ているうちに、ペロティパパはライオンが可哀想になって来た。
このライオン、言葉を喋った。言葉を喋るということは人間だ。
きっと故郷に家族もあるに違いない。
可愛い子供達が何人いるのだろう。
パパが死んだら子供達は泣くだろう。

「ねぇ、この人、アフリカかどこか知らないけど、故郷に帰してあげられないかなぁ」
ペロパパは自信なさげな笑いを浮かべて言った。
0320創る名無しに見る名無し
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2018/03/29(木) 15:02:36.47ID:gMCn8K5v
 愛田谷は無表情にゴゴの額を撃ち抜いた。
 彼のベレッタは気づかれぬような改造が加えられており、威力を5段階で調節することが出来る。
 最も威力を強くすれば厚さ10cmの鉄板をも貫通する。彼は威力最大でもう15発撃った。
「バケモノが襲って来た。何発撃っても倒れず向かって来た。やむなく急所を撃って殺した。ということで頼む」
そう言うとパトカーのサイレンの鳴り響くほうへ踵を返した。
0321ミャンミャン・ペロティ ◆yMVtD19ujY
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2018/03/30(金) 12:14:35.82ID:RWTacQHS
今日は日本滞在最後の日。

お姉ちゃんはまだ店長サンの肩の上にいるらしい。
よっぽど居心地がいいのだろうか。
すぐに起こすと絶対「いい肉がタダで手に入った」とか言って獅子肉の何かを作りそうな予感がしたので皆でしばらく放置した。
今夜あたり店長サンに病室へ来てもらって肩の上からそっと移してもらおう。

最後の日ということで、本日のランチはおばあちゃんが担当することになった。
ワンパクお兄ちゃんに指示を出して製薬会社から食材を取り寄せていた。
ということは……まさかアレを作るつもり?? アレはゴチャン人のあたしでもキツいのに、日本人に果たして食べれるかな?
0322ジャガティおばあちゃん ◆qatBfkL6N.
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2018/03/30(金) 12:23:26.45ID:RWTacQHS
「本日のランチは『ゴチャンミミズのステーキ』ですじゃ。
無駄な装飾や添え野菜は省き、簡素に鉄板の上で踊るミミズらだけを食すのが通じゃでの。
焼きうどんのようにつるっと行け。
讃岐うどんのようにコシがあり、味つけせんでも肉の味が濃厚じゃから余計な調味は加えておらん。
滋養強壮に効果がありまくり、これを食べた後は元気出まくって走り出したくなること請け合いじゃ」
0323家永遠音
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2018/03/30(金) 18:30:18.79ID:kJa+sfEO
100%マンゴージュースを頂こうかしら。

あら、このお店、ピアノを置いてるのね。アップライトだけど。
でもブルースにはアップライトが似合うからちょうどいいわ。

私はかわいい歌歌い。
「ドラゴンボール」に出て来るミスター&#183;ポポをデコったら私になるわ。
つまり超かわいい。
歌ったらもっとかわいくなるのよ。まるでジャングルに住むお姫様みたいに。

ねぇマスター。
1曲だけでも歌わせてくれないかしら。
0324鴨島翔昭
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2018/03/30(金) 20:48:38.21ID:5Pf45cKd
「どうぞ」
0325創る名無しに見る名無し
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2018/03/31(土) 17:36:48.88ID:5JRu+pLQ
家永 永遠音はピアノを弾き、歌い出した。
下手だった。ピアノも歌もゲロが出るほど下手だった。
0326町田小枝 ◆ksF2mXy7Y6
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2018/03/31(土) 21:09:06.22ID:yNCrxrAV
ネアとゴゴ、それからエロマーは無事倒されたらしい。
ジャガティさんから報告を受け、私はほっとすると同時にすぐにでも病院に向かいたかったけれど、獅子肉がどうこうと止められた。
肉食獣の肉は美味しくないとかいうけど、多分ミミズステーキよりましだったなーと思いながら安定のゴチャン料理を見下ろす。
昨日までの、けっこう美味しいミャンちゃんの料理とニャンちゃん&ジャガティさんの料理、どっちが本来の感じなのか……。
マリモさんたちの料理もちょっと見てみたかったけど、一方が「むごいことおぉぉ」と愚図って大変なことになっていたので遠慮し、ハンカチとお冷を出しておいた。

「町田さん、3番テーブルにオレンジジュースをお願いします」
「はい!了解です」
「あ゛〜ああ〜♪」

全てが終わったからだろうか、賑やかな店内にいると心からほっとしてきて、つい頬がゆるゆるになってしまう。
お父さんの大切なお店で、大切な居場所になりつつあるこのお店が無事で本当に良かった。
ついついにやけてしまう口元を手のひらで覆い隠しながら、私はぱたぱたとジュースをいれるために厨房へ向かったのだった。
0327家永& ◆TTePLfMexU
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2018/04/01(日) 01:10:21.97ID:nOUWHA2Q
Dream of a land my soul is from
I hear a hand stroke on a drum

Shades of delight
Cocoa hue

Rich as the night
Afro blue


Elegant boy, beautiful girl
Dancing for joy delicate whirl

Shades of delight
Cocoa hue

Rich as the night
Afro blue


Two young lovers face to face
With undulating grace


They gently sway
Then slip away to some secluded place


Shades of delight
Cocoa hue


Rich as the night
Afro blue
0328【ニャンティの病室】
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2018/04/01(日) 10:44:57.46ID:JC0z2LIO
ニャンティの目に約一週間ぶりに生気が戻った。
まばたきをまったくしないので被せられているゴーグル越しに大きな瞳がキョロキョロと動いた。
まるで寝てる間に知らない家に連れて来られた赤ちゃんみたい、とミャンミャンは思った。
「機嫌はどうだい?」とペロティパパがちょっと言い間違えた。
「気分はどうだい?」とワンパク兄さんが言い直した。
「ここは天国?」とニャンティが弱々しく唇を動かした。
その途端目からドバーと滝の涙を流しながらミャンミャンが抱きついた。
「そうさ、天国だよ」とワンパク兄さんが微笑んだ。「僕もパパもミャンもタロイモにあたって死んだのさ。だから先に天国に行ってたニャンティに会えたんだ」
「え! ここは天国だったのかい!?」ペロパパが辺りを見回してたじろいだ。
「ミャン……。ダメではないか、お前だけは死んではいけない。戻りなさい」ニャンティは真面目な顔で叱った。
「僕らはいいのかよ!?」パパと兄さんが声を揃えて突っ込んだ。
ミャンミャンは何も答えず、ただ姉さんの頬にキスの嵐を浴びせた。
0329【ニャンティの病室】
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2018/04/01(日) 19:58:09.21ID:mmMh+twW
「お帰り、ニャンティ」
「ばあちゃんの声だ」
ニャンティは見回したが、ジャガティばあちゃんの姿は見つけられなかった、背が低すぎて。
「さすがおばあちゃん、霊界と会話が出来るのですね?」
「馬鹿言ってんじゃないよ」
ジャガティばあちゃんはひょいと寝ているニャンティの上に飛び乗った。
ニャンティは号泣した。
「おばあちゃんも死んだのですか!? 死んだらダメだ! ニャンティが一番死んだら悲しい人はおばあちゃんです!」
ミャンミャンがウンウンと頷いた。他の二人も深く納得し、3回頷いた。
おばあちゃんは可愛い中性の孫の額を人差し指で叩き、言った。
「ミャンの唇は冷たかったのかい? お前は生きてるんだよ。もちろん皆、生きている」
ニャンティはしばらく上目遣いで記憶を辿った。身体を離れてからの記憶はない。一番最後の記憶は……、蛇。
プヤーー! と一声叫んでからニャンティはミャンミャンの胸にしがみついて、言った。
「へびさんもう、いなくなった?」
0330創る名無しに見る名無し
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2018/04/02(月) 11:18:08.63ID:pTaUHPsB
4人が帰国する日の朝、ミャンミャンのスマートフォンに国際電話がかかって来た。
「やぁミャンミャン、ちゃんとメシ食ってる?」
「どうしたの、ボブ?」
ボブと呼ばれた男はアメリカンドラマっぽいゴチャン語で続けた。
「日本にいるって聞いたんだけど、まだいるの?」
「今日帰るつもりだけど」
「あぁ、それストップ。ちょうどよかった。君にチャンスがあるんだ、日本にさ」
「チャンスって?」
「小粟ジュン主演の映画の準主役のオーディションだ。台湾からやって来た異母兄妹の役を募集してる。君にうってつけだと思ってね」
「でもあたし台湾人じゃないわ」
「どうせ日本語しか喋らないよ。現に募集要綱に『国籍不問、日本人でもOKって書いてある」
「そんなもんなんだ?」
「そんなもんさ。受けるかい?」
「でも女優なんてやったことないわ」
「そのほうが変なクセとかがなくていいそうだよ。君はチャーミングだし、日本語が喋れるし、度胸もある。しっぽもあるけどね。
調べてみたけど特にゴリ押しされてそうな受験者もいない。君なら絶対受かると思って電話したんだ。やってみなよ」
ミャンミャンは暫く考えた。祖国ゴチャンではトップモデルの自分だけど日本では無名の挑戦者ということになる。プライド的にはちょっと嫌だ。
でもこれはゴチャンだけで有名人の自分が、日本のみならずアジア圏で有名になれるチャンスかもしれない。
何より、とミャンミャンは考えた。これは大好きなお姉ちゃんともっと一緒にいられるチャンスだ。
「受けるわ」ミャンミャンは答えた。「小粟ジュンみたいなオッサンには興味ないけど」
0331【文堂珈琲館】
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2018/04/02(月) 11:23:04.87ID:pTaUHPsB
芸能事務所の社員だと名乗る男が入って来て、言った。
「あのぅ、お店の中にコレ貼らせて貰ってもいいですか?」
映画のオーディションの募集チラシだった。
鴨島マスターはざっと目を通してから穏やかに言った。
「ほう、これは面白そうですな。どうぞどうぞ」
0332【文堂珈琲館】
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2018/04/02(月) 11:35:35.88ID:pTaUHPsB
 次世代のアイドル女優募集!

来年公開予定の小粟ジュン主演映画『金魂2』のヒロインを募集します。
主人公「宇治金時」の台湾からやって来た異母兄妹の妹「巫女神楽」役を募集します。
「新しいタイプのアイドル女優を発掘する」ことが主旨ですので演劇経験はあってもなくても構いません。

【参加資格】
15歳〜35歳の健康な女性
国籍不問、日本人でもOK
0333【文堂珈琲館】
垢版 |
2018/04/02(月) 11:40:06.40ID:pTaUHPsB
以下のテンプレに従ってどなたでもお気軽にご応募下さい。

【名前】・
【年齢】・
【身長、体重、スリーサイズ】

【趣味】・
【特技】・
【自分を動物にたとえると?】


【一言アピール】
0334【文堂珈琲館】
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2018/04/02(月) 11:41:53.66ID:pTaUHPsB
抜けていました。以下のテンプレでお願いします。

【名前】・
【国籍】・
【年齢】・
【身長、体重、スリーサイズ】

【趣味】・
【特技】・
【自分を動物にたとえると?】


【一言アピール】
0335【文堂珈琲館】
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2018/04/02(月) 11:46:15.10ID:pTaUHPsB
【名前】・ミャンミャン・ペロティ
【国籍】・ゴチャン民主主義共和国
【年齢】・16
【身長、体重、スリーサイズ】
・162、48、B82(C)、W49、H83
【趣味】・旅行、アニメ鑑賞
【特技】・ゴチャン流格闘術「猫拳」
【自分を動物にたとえると?】
・猫

【一言アピール】
・度胸には自信があります!
0336【文堂珈琲館】
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2018/04/02(月) 11:52:42.19ID:pTaUHPsB
ミャンミャンが書いているのを見て面白半分でニャンティも書いてみた。
もちろん本当に出すつもりはない。自分は女性ではないから資格対象外だと思っているので。

【名前】・ニャンティ・ペロティ
【国籍】・ゴチャン民主主義共和国
【年齢】・19
【身長、体重、スリーサイズ】
・134、38、B61(A)、W56、H67
【趣味】・料理、奉仕
【特技】・どんな狭いところでも通れる
【自分を動物にたとえると?】
・犬

【一言アピール】
・文堂珈琲館をよろしくお願いします。
0337ミャンミャン・ペロティ ◆yMVtD19ujY
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2018/04/02(月) 13:18:16.16ID:pTaUHPsB
「まだお姉ちゃんが本調子でないので今日のランチは私が担当します。
本日のゴチャン風日替わりランチは『鶏の唐揚げ定食』にしました。日本国産の若鶏を使った唐揚げにゴチャン産レモンソルトをかけてお召し上がりください」
0338【文堂珈琲館厨房】
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2018/04/02(月) 13:19:39.08ID:pTaUHPsB
厨房の隅でニャンティがミャンミャンを呼びつけ、「お前の料理は普通すぎる」と説教していた。
0339熊懐杏 ◆TC02kfS2Q2
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2018/04/04(水) 21:56:56.79ID:V8HBgZfo
 今日もくそ生意気な鈴城を蹴っ飛ばしてやった。
 何故なら、鈴城はすぐに嘘をつくからだ。しかも、分かりやすく、子供っぽく、言い訳がましい嘘。
 鈴城とはわたしの演劇部の後輩男子だ。

 「金の斧と銀の斧を作ってくれない?」と、劇で使う小道具を鈴城に依頼した。ヤツは手先が器用だからだ。
 しかし、約束の期日に、物は出来ていなかった。

 鈴城曰く「俺の才能はこんなものじゃない」と。

 ふざけろっ。まずは謝れ。

 しかし、ヤツが後輩だからって、かわいいわたしが甘やかしすぎたからかもしれないと反省するのだった。

 どこかに誠実で、真っ直ぐで、オトナな後輩はいないだろうか。
 男らしく「ごめんなさい」の言える男子はきゅんきゅんしちゃうぞ。しかも、それがイケメンだったらならば。

 そんな妄想をかきたてながら、レトロチックな扉を開く。ここはとある珈琲店。カランコロンと鈴が響き、
「いらっしゃいませ」と出迎えてくれる声がわたしの鼓膜を優しく撫でる。

 カウンターには白髪の老人がグラスを磨きながらにっこりと微笑んだ。
 元・男の子。男子はみな、紳士になる……。きっと。あの、鈴城でさえも。いや、それはないな。

 この店に来たならば、何か一品でも頼まなければならぬ。
 わたしはじっとメニュー表とにらめっこしつつ、財布の中身との交渉を続けた。
 現実と欲望の講和条約を結ぶ会議はひたすら続く。

 久しぶりに訪ねたこの珈琲店。香ばしいかおりがわたしの鼻腔をくすぐって、オトナな気持ちにさせてくれる。
 男子なんてガキだ。この珈琲の味が分かるわたしとは大違いだぞ。アメリカンの優しさは鈴城に分かるか。

 「ご注文はいかがされますか?お勧めは『ゴチャン豚とろラーメン』です」
 「えっと……」
 「『ゴチャントウガラシのつけ麺』もおすすめです」

 ラーメンの出汁の香りすらしない店内なのに、この店はラーメンを用意しているのか……と、
おそるおそるあたりを見渡した。 
 そういえば、いつものかわいい店員さんと違って、お初にお目にかかる子がわたしが目の前にいる。
 褐色の肌にショートにまとめた髪。エプロンの上からでも分かるスタイルのよさ。

 言うなれば『イケメン』だ。いや……彼女は『イケメン』だ。
0340熊懐杏 ◆TC02kfS2Q2
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2018/04/04(水) 21:58:03.40ID:V8HBgZfo
 「えっと……。みかんジュースください」

 胸の奥からこみ上がる鼓動と、休まる暇さえない息遣いに気圧されて、当たり障りの無い注文をするわたし。

 かわいいわたしなのに、かわいいわたしなのに……だからか、この意気地なしっ。清水の舞台に登る前に
敵前逃亡するような、火中の栗を拾う前に水をぶっ掛けちゃうような。鈴城を蹴っ飛ばすことさえ出来るのに。
 理由はきっと、鈴城がイケメンじゃないからだ。イケメンは罪だ。人を狂わせる。

 でも、そんなのはわたしじゃない。かわいいわたしじゃないぞ。
 燦燦と輝く舞台の上で、五万の観衆からの喝采を全身で受ける……はずのわたしだぞっ。
 イケメンなんかに飲まれるなんて、かわいいわたしとは違うんだからっ。
 だって、わたしは演劇部員。視線が釘付けになるのは承知のとおりなんだからっ。

 イケメンは罪だ。わたしはかわいい。
 イケメンは罪だ。わたしはかわいい。
 イケメンは罪だ。わたしはかわいい。
 イケメンは罪だ。わたしはかわいい。

 イケメンは罪だ。わたしはかわいい。

 ちょっと興奮を収めようと、一厘のお花を摘みに行く。ちょっと、ごめんあそばせ……。



 すっきりとした心地よさ。ローファーの足音、木目の床を響かせる。
 ご不浄からの帰り際、扉の脇の壁に一枚のポスターが掲示されているのを目撃した。 
 『次世代のアイドル女優募集』だと……。文字羅列を目で追いかける。

 【参加資格】
 15歳〜35歳の健康な女性
 国籍不問、日本人でもOK 

 なんだと。
 わたしにぴったりなお誘いじゃないか。天はわたしに微笑んだ。
 燦燦と輝く舞台の上で、五万の観衆からの喝采を全身で受るはず。
 だって、わたしは演劇部員。視線が釘付けになるのは承知のとおり。

 ひれ伏せイケメン。わたしの華麗なる演技で圧倒させてくれるわ。
 夢はかなう。たとえ、それがタナボタでも。
0341熊懐杏 ◆TC02kfS2Q2
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2018/04/04(水) 21:59:01.80ID:V8HBgZfo
 つばきをごくりと飲み込んで、わたしは吊るされている応募用紙をぴらりと剥ぎ取って、席に戻り
くまのペンケースからシャーペンを取り出した。一本のペンを手にして誇り高く突き上げるその姿はきっと、
孤高で揺ぎ無い一人の剣豪にも勝ると劣らない……かも。と、思えてきた。
 

【名前】・熊懐杏(くまだき あんず)
【国籍】・日本
【年齢】・14
【身長、体重、スリーサイズ】
・154、49、B84(C)、W58、H85
【趣味】・読書
【特技】・妄想
【自分を動物にたとえると?】
・うさぎ

【一言アピール】
・誰よりもかわいいですっ


 と、書いたところでわたしは悩んだ。些細で、重要な悩み事。女子の半分はお砂糖、もう半分は悩み事で
出来ているって、どこかの誰かが言っていた。ソースがない情報の信憑性は皆無だが、そんなものは後付だ。


【参加資格】
 15歳〜35歳の健康な女性


 わたしは14歳だ。
 厨ニ真っ盛りの女子だ。15歳なんていう未知なる年齢など、よくわからんちん。

 このまま知らん振りのすまし顔で消しゴムを取り出して、『14』の数字を消してしまおうか。
 それでは嘘つきの鈴城レベルと同じじゃないかと、自分で自分を責め立てる。

 「お待ちどうさまです。みかんジュースです」と、イケメンの店員さんが近づいてきた。
 彼女に見られる前にわたしは素早く『14』を消し去り、『15』と記入した。一つや二つ、違っても
オトナたちには分かるまい。たった一年遅くこの世に生を授かっただけだぞ。

 そんなことを考えながら飲んだせいか、みかんジュースが異様に甘く感じた。
0342ピン獣大使ステファニー
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2018/04/05(木) 02:28:35.93ID:Q6lqpHmj
田舎から母と祖母が二人で私に会いに来た。
最近入り浸っている喫茶店で会うことにする。
私の部屋はあんなだから、なるべく入ってほしくない。

「どうだい? ピン獣大使の仕事は楽しいかい?」
おばあちゃんが聞いてきた。
「私は……使命としてやってるだけだから」
「頑張りなよ。あんた、せっかく天下のピン獣大使になれたんだから」
さすがおばあちゃんだ。私の喜ぶツボを知ってる。

そう、アタクシは天下のピン獣大使様。
ピンからキリまでいる魔獣の中でもとびきりピンなの。
しかももう7ヶ月もその地位を保ってる。
他のピン獣大使は大抵3ヶ月以内には辞めて行くのに。私は7ヶ月も続けているのよ!
歴代最長は20年以上という人がいるけど、あれは神だわ。
神になれる人間なんてさすがに一握り。
私にもなれるかな?

母が溜め息をついて言った。
「ピン獣大使とやらもいいけど……そろそろあなたも結婚を考えなきゃいけない歳なのよ? わかってる?」
「ピン獣大使『とやら』!!??」私は即座に反応した。
いや、知っておる。世の馬鹿者どもはわかっておらぬのだ。ピン獣大使の何たるかを知らぬ下級市民も多いと聞く。
ピン獣大使を知らぬなどと、それは「王様って何?」みたいな問題発言に等しいというのに。
「この仕事を志望した動機はなんですか?」みたいなありがちな質問があるが、ピン獣大使にその質問はありえぬ。
ピン獣大使は『志望するもの』ではない。『誰もが憧れるもの』である。国王に誰が聞くだろうか? 「国王を志望した動機はなんですか?」などと!?

母が言った、「ねぇ、ミチコ」
ミチコって言うなーー!!!
「実はあなたに縁談が来ているの。歯医者さんの卵でねぇ」
「はっ、はいしゃ!?……」
「そう。持って来てるんだけど、写真だけでも見てくれないかねぇ?」
見た。身を乗り出して見た。ダメだと思った。前歯が2本、上唇をめくるほどに飛び出している。この人が立派な歯医者になれるわけがないだろと思った。なれるものはせいぜい人生の敗者だろ。
0343ピン獣大使ステファニー
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2018/04/05(木) 02:36:35.56ID:Q6lqpHmj
「最近の子は結婚なんかせんでも生きて行けるもんなぁ、なぁステファニー?」
おばあちゃんが私をちゃんとした名前で呼んでくれた。
「ピン獣大使がお金に困るわけないもんね?」
ウィンクをしてくれた。
「おばあちゃんてば」母がたしなめた。「ピンなんとかとやらがそんなにお金になるんなら皆やってなきゃおかしいでしょ」
また『とやら』が出た。しかも獣大使を省略した。もうほっておこう。
「っていうか何度も聞くけどあなた、騙されてるんじゃないの? 大丈夫なの? それを心配して私達出て来たのよ?」
おばあちゃんがすぐに首を横に振った。「私は違うよぉ。顔を見に来ただけだよぉ」

騙されてるわけないじゃない。店長のあの自信たっぷりな勧誘の言葉が嘘だったとでも言うの?

私は女優になるため上京した。地元では○○町の綾瀬はるかと呼ばれた私だもの。演劇学校なんかに入る必要はなく、すぐにスターになれるものだと信じてた。
オーディションを受けては一次で落とされる日々を繰り返したけど、私はいつか見る目のあるちゃんとしたプロの理解者に会えることを信じてた。
そしてそんなある日、『魔獣館』の店長に拾わ……出会った。店長は言った、「君は千年に一人の逸材。ピン獣大使になれる器だ!」
あの時恥ずかしながらピン獣大使が何なのか知らなかった愚かな私に店長は手取り足取り教えてくれた。何も知らなかった田舎娘の私は店長に洗の……教育を施され、遂には全人類の憧れ、ピン獣大使になったのよ!
ただ最近、本当はちょっと疑問に思い始めてはいる。月100万以上稼げるって聞いてたのに私は一番多い月でも35万しか稼げてない。
そこは騙されてるのかもしれない。
店長がピンはねしてるのかもしれない。
なんかだんだん自信がなくなってきた。
母の前ではいつものホホホ笑いも決まり文句の「おばかさん」も出てこない。
何を照れてるの? ステファニー!
あなたは天下のピン獣大使ステファニーでしょう?
騙されてるんじゃないの? などと愚かな発言をするババアに「おばかさん」をくれてやりなさい!

「とにかくバカな仕事は辞めて故郷へ帰ってきなさい」
母が強制ではない口調で言った。
「恵子おばさんがいい仕事紹介してくれるって。介護施設の……」
「おば」かさん……
「おば?」
「……おばさんによろしく言っといて」

敗北者の気分でトイレに行った。出てすぐの壁にポスターを目にした。
映画のオーディション? 新世代のアイドル募集? あぁ、私のことね。
溜め息をつきながら、私はほぼ無意識にそれに応募していた。
0344ピン獣大使ステファニー
垢版 |
2018/04/05(木) 02:40:24.04ID:Q6lqpHmj
【名前】・山下 美智子
【国籍】・日本
【年齢】・31
【身長、体重、スリーサイズ】
・169、65、B92(E)、W63、89
【趣味】・読書
【特技】・鞭
【自分を動物にたとえると?】
・ピン獣

【一言アピール】
・おばかさん
0345粟子さん
垢版 |
2018/04/05(木) 13:21:40.47ID:t/NJMUxo
【名前】・粟子・モンロー
【国籍】・中国
【年齢】・19
【身長、体重、スリーサイズ】
・158、53、86(D)、58、85
【趣味】・旅行、ギター
【特技】・物真似
【自分を動物にたとえると?】
・「中国の橋本カンナ」と呼ばれています

【一言アピール】
・ニホンゴ マッタク シャベラレマセン
0346ピン獣大使ステファニー
垢版 |
2018/04/05(木) 13:35:28.03ID:Q6lqpHmj
あ。なんかあの橋本カンナにそっくりな子……、最近テレビで見た覚えがある。
あの子も応募するのね。私かあの子のどちらかが輝きそうだわ……

母と祖母は先に帰って行った。私は一人でいつものようにこれから2時間かけて漫画を読みながらクリームソーダを飲む。

祖母からいつものようにLINEが入ってきた。

〔私は応援してるからね!〕
0347スティーブ・スーパーライト ◆LaizEf1KUg
垢版 |
2018/04/07(土) 09:47:59.41ID:+w0WsrXY
おはようございます。
今回のオーディションの審査員長を務めさせていただきますスティーブ・スーパーライトと言います。

ミャンミャンさん、熊懐さん、山下(ステファニー)さん、粟子さんの参加を受け付けました。

まだ参加者募集中です。

 次世代のアイドル女優募集!

来年公開予定の小粟ジュン主演映画『金魂2』のヒロインを募集します。
主人公「宇治金時」の台湾からやって来た異母兄妹の妹「巫女神楽」役を募集します。
「新しいタイプのアイドル女優を発掘する」ことが主旨ですので演劇経験はあってもなくても構いません。

【参加資格】
15歳〜35歳の健康な女性
国籍不問、日本人でもOK

↓のテンプレにプロフィールを明記の上、ご参加ください。
どなたでも、お気軽に。
0348スティーブ・スーパーライト ◆LaizEf1KUg
垢版 |
2018/04/07(土) 09:48:35.57ID:+w0WsrXY
【名前】・
【国籍】・
【年齢】・
【身長、体重、スリーサイズ】

【趣味】・
【特技】・
【自分を動物にたとえると?】


【一言アピール】
0349スティーブ・スーパーライト ◆LaizEf1KUg
垢版 |
2018/04/07(土) 09:52:36.33ID:+w0WsrXY
 審査の流れ

一次審査→二次審査→最終選考の流れとなります。

一次審査は簡単な自己アピールをしていただく予定です。
可愛さをアピールするなり、特技を披露するなり、ご自由にどうぞ。

「一次審査開始」を告げてから二日経って本人の書き込みがない場合には勝手ながら私が代わりになりきらせていただきます。
0350スティーブ・スーパーライト ◆LaizEf1KUg
垢版 |
2018/04/07(土) 09:57:07.33ID:+w0WsrXY
私の自己紹介をしておきます。

【名前】・スティーブ・スーパーライト
【国籍】・日本、出生はアメリカ
【年齢】・41
【身長、体重】
・188、86
【趣味】・ヘビメタ、ギター
【特技】・変身能力を持つ。容姿、声、性格まで他人になりきることが出来る。女性になることも。
【自分を動物にたとえると?】
・狐

【一言アピール】
・お気軽にご参加くださいませ
0351フェニー・ヤン ◆TGs1aWtcq2
垢版 |
2018/04/07(土) 10:02:25.39ID:+w0WsrXY
【名前】・楊紫雰 ヤン・ツーファン(フェニー・ヤン)
【国籍】・台湾
【年齢】・23
【身長、体重、スリーサイズ】
・ヒミツ
【趣味】・食べること
【特技】・甘いものは底無し
【自分を動物にたとえると?】
・金魚

【一言アピール】
・私は可愛い(自分で言う、気持ち悪い(^-^;)
0352鴨島翔昭
垢版 |
2018/04/07(土) 10:16:27.28ID:+w0WsrXY
おや? こんなところにオーディションの応募用紙が落ちている。
ほほう。ニャンティが書いたのですね。
確かにニャンティなら主人公の妹役にピッタリかもしれない。
……おや? 小枝君も書いているではありませんか。
確かに店長の魅力なら芸能人になることも夢ではないどころか勿体ないと思っていましたよ。
でも二人とも控えめな性格だからか、出すことを迷っているようですね。
よしよし、私が出しておいて差し上げましょう。
0353【文堂珈琲館】
垢版 |
2018/04/07(土) 10:16:58.83ID:+w0WsrXY
二人が遊びで書いただけの応募用紙を、鴨島マスターはポストに投函しに出て行った。
0354スティーブ・スーパーライト ◆LaizEf1KUg
垢版 |
2018/04/07(土) 14:53:03.15ID:+w0WsrXY
それでは一次審査を開始します。

尚、一次審査が終わるまでは途中参加も受け付けます。
>>347-348に従ってどなたでもご参加ください。
0355スティーブ・スーパーライト ◆LaizEf1KUg
垢版 |
2018/04/07(土) 14:54:03.83ID:+w0WsrXY
【一次審査】

あなたの魅力を自由にアピールしてください。
0356ミャンミャン・ペロティ ◆yMVtD19ujY
垢版 |
2018/04/07(土) 15:05:22.43ID:+w0WsrXY
「1番、ミャンミャン行きまーす」
ミャンミャンは元気よくそう言うと、ゴチャン格闘術『猫拳』の型を披露した。

長テーブルを前に並んだ審査員達の前で、スレンダーだが16歳とは思えないほど発育のいい、しなやかな薄褐色の身体が猫のように踊った。
激しく動くたびに短い黒髪が猫耳のように逆立ち、たまにめくれる白いTシャツの背中に、ジーンズから出ているしっぽのようなものがチラリと見えた。
僅かに緑色がかった大きな瞳が仮想の敵を追い、やがて額から滴る汗が形のよい唇までつたうと、桃色の舌がペロリとそれを舐め取った。
最後に2mを超える高さからの踵落としを決めると、ミャンミャンは息も切らさずにお辞儀をした。

「ありがとうございましたー」
0357ニャンティ・ペロティ ◆qHW3Mv96TA
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2018/04/07(土) 15:29:03.72ID:+w0WsrXY
「2番、ニャンティ・ペロティです。失礼して帰ります」
そう言うなり本当に帰ろうとしたニャンティをミャンミャンが引きずり戻した

「離せ、ミャン! やはり私は帰る! ちょうどバイトの制服を着ているのでこのままバイトに行く!」
「お姉ちゃん、昨日あたしと勝負するって言ってくれたでしょ。あたし闘る気マンマンなんだから」
「私は女の子ではない! この場にいる資格がないのだ!」
「女の子にしか見えないから大丈夫。あっ、あたしお姉ちゃんのアレ見たい! アレやってよ」
「アレか……」

以上ゴチャン語による会話が終わり、ニャンティはゆっくりとことことこと出入り口へ向かって歩き出した。
「子供ぐらい小さいのに決して子供には見えない不思議な魅力がありますな」と審査員の一人が言った。
皆が注目する中、ニャンティはドアを開け、出て行った。
パタンと静かに閉められたドアを全員が放心して見つめる中、ドアと床の1cmの隙間の向こうから、ツインテールの先っちょがにょきっと現れた。
次いでなんだかモフモフした黒い物体が隙間からぐいぐい出て来る。それがニャンティの頭だということに気づくのにそれほど時間はかからかなかった。
やがて顔全体がぽこんという音とともに出て来ると、皆を見回し、ちょっと顔が赤くなった。
「行きます」
そう言うなり勢いよく身体を全部引き抜いた。
「キャー!」
「ぎゃー!」
「きもー!」
悲鳴が会場を包む中、ニャンティは無言でメイド服についた汚れを手でぱんぱんとはたきながら「終わりです」と言った。
0358スティーブ・スーパーライト
垢版 |
2018/04/07(土) 15:48:06.21ID:+w0WsrXY
遅れましたが審査員の皆さま方を紹介します。

審査員長 スティーブ・スーパーライト(41)

審査員

小粟ジュン(主演、35)
橋本カンナ(前作ヒロイン、19)
木の実NANA(女優、71)
恵比須 義数(漫画家、70)
0359ピン獣大使ステファニー
垢版 |
2018/04/07(土) 22:11:56.65ID:EIxH7/FA
「三番ピンじゅ…山下美智子です。よろしくお願いします」

そう挨拶したはいいけど……どうしたらいいの?
鞭を忘れて来てしまった。華麗なるピン獣使いの鞭捌きを見せようと思ってたのに……どうしたらいいの?

大丈夫。大丈夫よ、ステファニー。
私は伊達に他の娘より10歳以上人生経験を積んできてはいないわ。
そう。私には大人の女の武器がある。若い娘にはないもの、それは何? それはテクよ、テク。

……って、私は何をしようとしているの!? 危うく公衆の面前ですっぽんぽんになるとこだったわ。ブラウスのボタンを三つ外したところで我に返ってよかった。
これからどうしよう。外したボタンをまた元に戻したら怪しまれる……って何を怪しまれるの? しっかりしなさい、ステファニー!

私の魅力を見せるのよ。そう、お題は自分の魅力をアピールすることでしょ? 私の魅力って何? 決まってるわ、それはピン獣大使であるということだわ!
鞭は忘れてしまったけど鞭がなくてはその威厳を見せつけることが出来ないなんてピンからキリまでいる魔獣の中のピンであるところのピン獣大使として失格じゃない!
『ホホホ! おばかさん』と一声吠えるだけでいい。それだけで、きっと誰もが跪いて床を舐めはじめるわ。
やるのよ! やるのよ、ステファニー!

「kiroroの『長い間』歌います」

私は胸のボタンを三つ外したまま心を込めて歌った。ブラウスの下に着込んだ赤いボンデージはたぶんギリギリ見えてなかった。
0360熊懐杏 ◆TC02kfS2Q2
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2018/04/08(日) 20:21:40.32ID:O7jKz/i+
 大勢の人前に出るってことなど慣れているはずなのに、大きな舞台ではなくせまっくるしい
雑居ビルの一室だとこうも心臓の瞬きが止まらないのは何故だ。

 ここは来年公開予定の小粟ジュン主演映画『金魂2』のヒロインオーディション会場。
 主人公「宇治金時」の台湾からやって来た異母兄妹の妹「巫女神楽」役が選ばれることになっている。

 「四番、熊懐杏(くまだき あんず)です」

 わたしの名前が響く。生涯でもっとも重い台詞。

 書類審査を終え、ここに幾多の才能が集う。
 拳法を披露する者、自慢の喉で魅了する者。

 主催者であるインターナショナルな男性はじっとわたしたちを品定めする。まるで女衒(ぜげん)のように。

 わたしは……場違いじゃなかろうか。
 ブレザーセーラーの制服に包まれたわたしが来る場所じゃ、とうていなかろうに。
 どう見ても、わたしは普通の中学生だ。ボブショートの黒髪だし、そんなにおっぱい大きくないし、
人様に自慢できるってことならば、この度胸かな。

 軽い気持ちで応募したオーディション、勿論誰にも親にも内緒だし、年齢さえも偽った。
 演劇部だからと人前も演技もドンと来いと、余裕をかます暇も審査員を目の前にして消え失せた。

 テレビやネット知った顔がずらりとわたしを向いて凝視して、これから始まる品定めの支度を整えていた。

 前作の映画主演を勤めるイケメン俳優。九州から来た一万に一人の美少女。伝説の女優。そして……
一見人畜無害なウォンバッド、だけど一口開ければクズ野郎な漫画家がわたしを見つめる。

 ごくりとつばきを飲み込んで、審査員をみなかぼちゃだと思い込む。わたしの特技は妄想だ。
かぼちゃをふとつひとつ棍棒でかち割ってもいい。妄想だけはフリーダム。
 この『宴』を催す左端のインターナショナルな男性が冷めたようなにこやかさで
「で、熊懐さん。自己アピールをお願いします」と書類をチラ見しながらわたしに告げた。
0361熊懐杏 ◆TC02kfS2Q2
垢版 |
2018/04/08(日) 20:22:37.37ID:O7jKz/i+
 「泣きながらけん玉します」

 一瞬、審査員がざわつく。
 ライバルたちも首を傾げる。

 わたしは世界を救う勇者の剣ように、カーディガンのポケットからけん玉を天高く取り出した。
 何のへんてつも特徴もない、木製のけん玉だ。
 コンと大皿の真っ赤な玉を乗せる。その音は著名な棋士の第一手が響くときを思わせた。
 そして、手首を効かせて軽く上へ振ると、深紅の玉はふわりと宙に舞う。
 その瞬間、わたしは手首を90度回し、横向きだった片方の中皿を上にする。

 こん、こん、こん……。

 「もしもしかめよ……かめさんよ」

 リズムよく跳ねる赤い玉、木の音が室内に響く。

 そして、わたしの瞳から涙がほろりと零れてきた。
 レンズに通したかのような視界で、一万に一人の美少女がはっと目を見開く顔が見える。

 「お前の……首は……どこにある」

 一度流れた透明の玉はとどまることを知らず、頬を顎を通じて流れていった。
 伝説の女優さえも手を止める。

 「ちゅ、ちゅのだしぇ……やりぃだしぇ……」
0362熊懐杏 ◆TC02kfS2Q2
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2018/04/08(日) 20:23:52.31ID:O7jKz/i+
 嗚咽に嗚咽を重ねたわたしの声はもはや文字にならず、めのまえのけん玉さえ見えなくなるほどの
涙がぼろぼろと零れていた。これだけ取り乱しているのに、何故かわたしは冷静で、神の視点からわたしを見ているのだった。

 「あ……あ、ぁ、あたまだせぇぇせー、えーん、えーん……ぐひっ」

 膝から崩れ落ちたわたしを抱えてくれたのは、ライバルだったはずの、一番始めに自己アピールを披露した子。
 ごほごほとむせ混むわたしはしっかりとけん玉を握りしめ、それでも心地よいテンポで
「もしもしかめよ」の技を続けていたと、その子は後に教えてくれた。そして、唄を思いっきり間違えていたことを。

 さて、自己アピールを終えたわたしに質問をしたのは右端に座る、白髪頭のウォンバットのような男性だった。
 彼はえへらえへらと笑いながら、独特な九州の訛りで「何を思い浮かべながら演技してたの?」と尋ねる。

 「飼ってた……かめが……。みどりちゃんが……、ひっ。死んじゃったことを」と。
 「くだみゃき……あんじゅでした」と。

 インターナショナルな審査委員長は冷ややかにペンを書類に滑らせていたことぐらいは……分かります。

 それでも、ペットを飼ったことも育てたこともない嘘っぱち全開の応答だ。
 わたしは中学生なのに「女子高生」という嘘っぱちを書いたことを棚において……。

 ウォンバットは「そうなんだ。俺さ、こういうの弱くてさ」と、腹を抱えて、体を揺らしながら笑いを堪えていた。
0363フェニー・ヤン ◆TGs1aWtcq2
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2018/04/08(日) 21:00:12.21ID:gINRF3vP
場違いだった。
みんな凄い。私場違い。
超ヤバイ。どうすればいい。
最初の娘みたいな運動私できない。
次の子の運動もっとできない。
歌は好き。でも日本語の歌難しい。
泣きながらけん玉はクール。私がやったらコールドなる。
超ヤバイ。
ここで私の用意して来たロングロング・グミキャンディーの一気呑みなんか出来ない。したら更にコールド。
きっと部屋が冬に逆戻りね。
私みたいな普通の女の子来たらダメだったね。
来たらダメなとこ来ちゃったね。
何で来たの?
私、何で来たの?
バスで……違うだろ!
そだ。役の女の子台湾人だからだ。
私台湾人。
だからだ。
だから?
だから何?
台湾人受かるなら台湾人みんな受かる。
私だけじゃない。
0364【第一次審査会場】
垢版 |
2018/04/08(日) 21:16:18.10ID:gINRF3vP
台湾から来た高校生にしか見えない23歳の丸顔の女の子は、その場に立ち尽くしたままポロポロと涙を流し始めた。
やがて嗚咽が漏れ、うえーんと泣き出してしまった。

「また泣くんかいっ」小粟ジュンが突っ込んだ。
『さっきの娘のより嘘っぽい』と橋本カンナは思った。
「可愛い……」木の実NANAが呟いた。
恵比須 義数はエヘ、エヘ、エヘと笑いながらポケットからハンカチを取り出して、すぐしまった。

「結構です。よくわかりました」謎のアメリカン人スティーブがよく通る声で言った。
0365【第一次審査会場】
垢版 |
2018/04/08(日) 21:24:13.35ID:gINRF3vP
「でもこの審査員達ってさ」ミャンミャンがニャンティに小声のゴチャン語で言った。「監督も演出家も来てないってどーゆーわけ?」
「おいっ。知らないのか、ミャン?」
「何を?」
「あそこにいらっしゃるスティーブ・スーパーライト様。あのお方は私の大好きなゴチャン映画『踊るバスケ・ファイター』を撮った映画監督であり、演出家でもあるのだぞ?」
「知らんわ」
「にゃにをぅ!?」
「はいはい。熱くなったお姉ちゃん暖かいからホッカイロ代わりに使おうっと」
そう言うなりミャンミャンはニャンティを自分のTシャツの中に入れ、抱っこした。
襟から顔を出したニャンティは、気持ちいいのかそのままそこでヌイグルミのように固まってしまった。
0366スティーブ・スーパーライト ◆LaizEf1KUg
垢版 |
2018/04/09(月) 12:42:27.62ID:qZAh4FFb
残りは粟子さんだけです。

自由に自分の魅力をアピールしてください。
容姿の自慢でも、特技の披露でも、ご自由に。
今日の22時までに開始していただけない場合は不肖私めがなりきらせていただきます。
0367スティーブ・スーパーライト ◆LaizEf1KUg
垢版 |
2018/04/09(月) 12:44:50.90ID:qZAh4FFb
粟子さんの審査が終わるまでは新しい参加者様も受け付けております。
>>348のテンプレに必要事項をご記入の上、自己アピールをお願いします。
0368【審査会場】
垢版 |
2018/04/12(木) 13:03:56.95ID:MaS/+Pj5
粟子さんは日本語がまったく喋れないのでフェニーに通訳をお願いした。
「橋本カンナさんの物真似をします」
ちょうど審査員席にいた本人に隣に立ってもらい、同じ表情で微笑んだ。
審査員席がざわついた。
「おんなじだ!」
「見分けがつかない!」
「いや、でもこれ意味あるんですか?」
「カンナちゃんが出ればいいだけのことでは……」
「カンナちゃんのが若いし」
「日本語喋れるし」
「カンナちゃんにはない、あなたならではの何かを見せてくれませんか?」

フェニーが通訳すると、粟子さんは照れ臭そうに小声で言った。
「小粟ジュンさんになら何されても構わないです」
「よっしゃ!」小粟ジュンだけが万歳した。
それを物陰から山田ユウがじっとりと見つめていた。
0369スティーブ・スーパーライト ◆LaizEf1KUg
垢版 |
2018/04/12(木) 13:12:39.46ID:MaS/+Pj5
第二次審査に移ります。

「楽しい・嬉しい気持ちから一転、悲しい・腹立たしい気持ちに変わる演技」をお願いします。
エチュードです。台詞、シチュエーションはご自由にどうぞ。

月曜日夜22時までに開始していただけない場合は不肖私めが代役をやらせて頂きます。
0370【第二次審査会場】
垢版 |
2018/04/13(金) 13:28:34.52ID:SJKDxlcU
「はい」とニャンティが手を挙げ、進み出た。

「今日は帰ったら冷蔵庫にプリンがあるのです」
無表情の棒読みでそう言った。
そしてニャンニャンニャン♪と誰も知らない歌を調子よく歌いながら歩くと、ツインテールがウキウキと揺れた。

「帰りました」と口で説明し、「冷蔵庫を開けます」と、また説明した。
手で冷蔵庫を開ける動作をし、弾む動作でキョロキョロとプリンを探す動きをし、やがて固まった。
どうやら冷蔵庫内にプリンはなかったようだ。
表情はまったく変わらなかったが、それまでピンピンしていたツインテールがショボーンと垂れたことでそのことが伝わった。

冷蔵庫をパタンと閉めると、また説明を始めた。
「私には33人の兄弟がいますので誰が食べたのかはわかりません。別に食べたかったのなら食べてくれてもいいのですが、
それならそうと私に一言言ってから食べてほしかったです。私の今のこの気持ちは悲しいです。怒りはありません。玄関は
開けっ放しなので兄弟ではなく隣の家の末っ子が入って来て食べたのかもしれません。それでもいいです。でもそれでも
それならそうと言ってくれればいいのにと思います。冷蔵庫にあると思っていたプリンがないのと予めないことを知らされ
ていたプリンがないのとでは」
「はい、ありがとうございました」スティーブが止めた。
0371【第二次審査会場】
垢版 |
2018/04/15(日) 11:25:41.30ID:5+D7bdNy
ミャンミャンがセーラー服を着て登場するなり、言った。
「まーきのっ」
そしてすぐに恥ずかしそうに横を向く。
「まきのさぁ、こないだいつもお昼パンじゃ味気ないって言ってたでしょ? だからさぁ、あたしさぁ……」
そう言って後ろ手に隠していたものを前に出そうとしたところで動きが止まる。
「えっ? ……別れたい? え。飽きた……?」
「やだやだ……! あたし、悪いとこあるなら直すから」
そう言いながら一生懸命涙を出そうとする。
「可愛くなれって言うなら可愛くなる。靴を舐めろって言うなら舐めるから……!」
どうしても涙が出ないので秘密兵器の目薬を取り出し、普通にみんなの前で差した。
「やだよぉ〜……! 捨てないでよぉ〜……! まきのぉ〜!」
ボロボロ目薬を流しながら顔を伏せて崩れ落ちると、しばらく間を置いてから立ち上がり、笑顔で言った。
「終わりです」

それを見ていたニャンティが誰に言うともなく呟いた。
「なるほど。この間ミャンが振ったばかりのマキノ君の演技をしたのですね」
0372熊懐杏 ◆TC02kfS2Q2
垢版 |
2018/04/16(月) 21:15:58.84ID:illA1tSp
 しまった。ネタが被った。と、心の中で呟くしかないだろう。

 『楽しい・嬉しい気持ちから一転、悲しい・腹立たしい気持ちに変わる演技』というお題を頂いて
わたしの気持ちは、架空のデートでいっぱいだった。しかし、先ほど演技を終えたイケメンな女の子と
まったくではないのだが、思いついた内容と似通ってしまったのだ。

 お相手は『お兄ちゃん』と呼べる間の従兄、一緒にデートに出かけて……まで、出来ていたのにご破算だ。

 たった、手を上げるのが遅かったために、二番煎じの烙印を押されてしまうのは心外。
 奥歯をかみ締めながら、わたしは脳内にしまい込んだ幾多のパターンを模索していた。

 女子高生ぐらいの歳の審査委員がニコニコとしている中、わたしは心臓をバクバクと稼動させている。
 相変わらずウォンバットみたいな男性審査委員は何を考えているのか察しがつかない程の不敵な笑み。

 「はいっ」

 もう、どうにでもなれっ。
 手を挙げたのならば、もうやるしかない。
0373熊懐杏 ◆TC02kfS2Q2
垢版 |
2018/04/16(月) 21:20:32.20ID:illA1tSp
 「熊懐杏、いきます。ばかばかしいお笑いを一席」

 会場がざわつく。お題を何だと思っているんだ……と、言わんばかりに。
 わたしはわたしでフル無視を続け、真っ白い会議室の床に正座をし、深々と両手を突いて頭を下げた。
 そして、ゆっくりと元の体勢に戻しつつ、女子高生ぐらいの審査委員のパ○ツが見えそうだな、
ああ。ちらりと見えたぞっ。イメージ通りの純白だ。と邪念を燃やしていた。

 「隣の家に、囲いができたんだって?」

 静けさがあたりを支配する。

 「かっこいいいいい!」

 失笑さえ、起きない。

 「かっこいいいって!マジ?すっごーい!いやー、さすがお隣さんだよ!やった、やった!おじさん!やった!
  この木目が最高なんだよね!敢えて節を残した自然派が!いやー!あっはははははは!!!





  は……。は。
0374jyna
垢版 |
2018/04/16(月) 21:21:20.80ID:illA1tSp
  お隣さん。もういないんだよね。夜逃げってヤツ。優しいおじさんだったのになぁ。
  オトナの事情はなんだかわからないけど、経営破たんってやつ?身なりが良かったし、中小の社長さんだし。
  可愛らしいわんちゃんもいたのになぁ……。シーズーってやつ?ふわっふわした。
  いつもおじさん言ってた。
 『立派な囲いを作るんだ。敢えて節を残した自然派な囲いを』って。

  そして、望みどおりの囲いが出来たと思いきや、突然の夜逃げ。人生はわかりません。
  
  わたしの気持ちとかけまして、『戻ってきてよ』と泣き付かれたおじさんときます。

  その心は『すまん(住まん)』。」

 一筋の光るものを目にためたわたしには、ウォンバットのような悪魔が腹を抱えて笑っているのが見えた。

 
0375熊懐杏 ◆TC02kfS2Q2
垢版 |
2018/04/16(月) 21:21:51.70ID:illA1tSp
  お隣さん。もういないんだよね。夜逃げってヤツ。優しいおじさんだったのになぁ。
  オトナの事情はなんだかわからないけど、経営破たんってやつ?身なりが良かったし、中小の社長さんだし。
  可愛らしいわんちゃんもいたのになぁ……。シーズーってやつ?ふわっふわした。
  いつもおじさん言ってた。
 『立派な囲いを作るんだ。敢えて節を残した自然派な囲いを』って。

  そして、望みどおりの囲いが出来たと思いきや、突然の夜逃げ。人生はわかりません。
  
  わたしの気持ちとかけまして、『戻ってきてよ』と泣き付かれたおじさんときます。

  その心は『すまん(住まん)』。」

 一筋の光るものを目にためたわたしには、ウォンバットのような悪魔が腹を抱えて笑っているのが見えた。

 
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