X



トップページ創作発表
281コメント167KB
死がテーマの小説を作るスレ 2
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
0001創る名無しに見る名無し
垢版 |
2010/08/03(火) 18:39:00ID:M0C6y4DZ
・題名通り
・前スレ落ちちゃったみたいなので
0136創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/13(日) 15:37:21.16ID:hp4u8m4B
私は貴方の踊りを見たいのではない
貴方が手にしているものの、その真髄を知りたいだけなのだ
0137創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/13(日) 15:38:27.72ID:hp4u8m4B
肉って、アブラ、出すんだよね……ささみばっか食ってたから忘れてたよ……
0138創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/13(日) 15:39:42.74ID:hp4u8m4B
味噌汁に豆腐と油揚げを入れるのはふつう
さらに茹で大豆を入れるのも誤差の範囲
0140創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/13(日) 15:50:04.97ID:hp4u8m4B
なんかずっとスレタイが違ったまま続いていたような気もするけど
直さずそのまま次スレ立てちゃった……


                   
                   
                   
                   
                        ヽ○ノ   姉「まあいいか!」
                         /
                        ノ)
                   
                   


.
0144創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 01:59:39.16ID:A2A/TMxr
本当にやる奴はこんなところで喚いてないで、
きちんと自分で調べて、それなりのことをやっていますよ
0145創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 02:00:14.63ID:A2A/TMxr
品は一般市場に出回っていない
レシピはあちらこちらに出回っている

どうしろと
0147創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 02:03:55.57ID:A2A/TMxr
テレビで報道された斜面犬には引き取り手が殺到するっていうじゃないですか
その心理ですよ
0148創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 02:05:19.73ID:A2A/TMxr
下仁田葱のフライが相変らず美味ぇ……
牡蠣フライなんざこいつに比べりゃ生ゴミだぜ……
0154創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 02:13:20.89ID:A2A/TMxr
どうでもいいと思ってるからちょくせつ本人に言わないだけです
あの人たちも、きっと、そう
0155創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 02:14:30.19ID:A2A/TMxr
災害時にその災害を擬人化して遊ぶのはNGだけど、
平時に気にくわない人へ向かって「お前が死ねばよかったのに」というのは全然OKだよぉ〜(クス
0160創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 02:20:08.94ID:A2A/TMxr
     _人人人人人人人人人人人人人人人_
     >      わりとどうでもいい       <
      ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄

               ヘ(^o^)ヘ 
                  |∧   
                 /
0161創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 02:21:02.95ID:A2A/TMxr
平和宣言系都市が戦争を常職としていた戦国武将を町おこしに使ったって別にいいじゃないですか
時代が違うんですよ
え? 今もそれが常態な国があるって?
場所が違うじゃないですか
くだらないいちゃもんはやめてください
0165創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 02:24:44.77ID:A2A/TMxr
勝手に全人類を巻き込まないでください
これ以上のことがよそ様で起きた時貴方は巻き込まれていたんですか?
0167創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 02:26:12.23ID:A2A/TMxr
何でこんなことで口論できるのかなあ
おめーとてめーの美意識が衝突してるだけの話ですやん
0168創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 02:26:57.92ID:A2A/TMxr
漫画家に思想がないのはあの人がさんざん証明してくれただろうに
いまさらなにを言っとるんだね君は?
0169創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 02:27:42.67ID:A2A/TMxr
そんな私を観察している人もきっといる
その時私は荘子の怯えを知るのだろうか
0172創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 02:31:05.86ID:A2A/TMxr
邪馬台国がのちの大和朝廷になったとか
大和朝廷が邪馬台国を滅ぼしたとかじゃなく、
大和朝廷側が知らないところでどうでもいい国が邪馬台国を滅ぼした可能性ってどのぐらいあるんだろ
0173創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 02:31:46.15ID:A2A/TMxr
リビアでは今も内戦でどんどん人が死んでんねんで!?
なんで戦争SSなんか投下できるぅん?
アンタおかしいで!!!???
0185創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 21:28:12.19ID:A2A/TMxr
「党派を超えて」じゃないです
悪いイメージがついちゃった自党を水に混ぜて薄めてごまかそうとしないでください
あとうるさい
0186創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 21:32:49.22ID:A2A/TMxr
当事者ですか?
だったらそいつぁアンタの個人的な事情じゃあないですか
アタシにゃあ関係のないこって
0187創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 21:34:30.68ID:A2A/TMxr
当事者じゃないんですか?
だったら無関係じゃあないですか
語りたかったらそこのお地蔵さんにでもお相手してもらってくだせぇ
0190創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 21:42:21.75ID:A2A/TMxr
冬野菜もそろそろ終わりかと思うとついついいらん量買っちゃうんだよw
家中生野菜だらけ
0194創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 21:48:14.25ID:ArvcarAJ
.
0195創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 21:48:49.64ID:A2A/TMxr
ゆるゆる食べようと思っていたお菓子に限って
あっという間に食い尽くしてしまう現象について誰か解説してください
02011ninja
垢版 |
2011/03/19(土) 21:59:30.94ID:A2A/TMxr
どれ
0205創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 22:03:30.17ID:A2A/TMxr
しかたがないので色々と調理法を調べてはいるんだけど
すると今度は今の時季にない野菜をむしょうに食いたくなってくるという
0208創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/03/19(土) 22:14:54.16ID:A2A/TMxr
……あそこまで厨二設定てんこもりだと
いっそすがすがしくてもう評価するしかなかったんだ
0218 ◆69qW4CN98k
垢版 |
2011/04/17(日) 19:39:26.63ID:bXRvfaNN
公園のおっさんは座ったままで動こうともしない。
ぼんやりと鳩を眺めてるだけだった。
今日は平日だ。営業中の休憩だろうか?
自販機の缶コーヒーを飲みつつ、俺はおっさんに声をかけた。

「いい天気ですね」

おっさんはちらりと見やったが、すぐに視線を戻した。
まあそうだろうな。
俺だって見知らぬ他人から声をかけられても警戒する。
縊れ鬼の発言が無ければ素通りするだろう。
俺はベンチの隣に座り、またおっさんに声をかけた。

「なんだか眠たくなるようないい天気ですね」

俺の言葉に今度はおっさんがちらりと見た。
なんだコイツといった表情を隠さない。
そんな態度を受け流して、俺は愛想笑いをした。
数秒の沈黙。
おっさんは乾いた笑いを浮かべて口を開いた。

「ああそうだね」
「ですよね」
「このまま眠って死んじまいたいよ」

死ぬ。
死んじまいたい。

『あの人、死ぬわ』

なんだよ。
なんなんだよ。
そう簡単に死ぬとか言わないでくれよ。

「はは、陽気ってやつですか」

俺は内心を隠しながら相槌をうつ。
それを見透かしたのかどうか、おっさんはすかさず俺に質問してきた。

「なあ君、死にたくなった事はあるかい?」

今度は俺が言葉に詰まる。なんてディープな質問だ。
なんだろう、明るい日差しが寒く感じてきた。

「いや、ありませんよ」
「だろうね。君はまだまだ若い」

ふぅ、とため息をつきおっさんは続ける。

「職を失い家族と別れ、アパートも追い出されてしまった。ハハハ」

おっさんは自嘲的に笑う。
俺も愛想笑いするが表情が強張る。
なんと声をかけていいかわからない。
戸惑っている俺に関心を無くしたのか、おっさんは公園を出ようとする。
ベンチから立ち上がり、俺の方を振り返った。
0219 ◆69qW4CN98k
垢版 |
2011/04/17(日) 19:42:31.45ID:bXRvfaNN
「こんな中年に話しかけてくれてありがとうよ、……ええと」
「あ、真司です。佐藤 真司」
「ああ真司君か。そちらの御嬢さんは妹さんかね?」

妹……なんだって?
俺は隣を見た。いつのまにか縊れ鬼がベンチに座ってやがる。
そんなことよりも、この人は見えるのか?

「……違ったかね?」
「あ、え……ま、まあ妹みたいなもんです」
「そうか大事にしなさいな」

そういうと、とぼとぼと歩いて行こうとする。
その背には夕日の陰がさして、なんだか哀愁を感じさせた。

「あ、あの」

俺はおっさんに声をかけた。

「なんだね」

おっさんは振り向いた。

「また……会えますよね?」

俺の言葉におっさんは自嘲気味に笑った。
乾いた笑い。やつれた、疲れた笑い。

「さあ……どうだろうねぇ……」

とぼとぼと、おっさんは去ってゆく。
俺にはそれをとめる術がない。
ただ黙って見送るしかできなかった。
おっさんが去ったあと、俺は縊れ鬼に尋ねた。

「見えるのか?」
「なにが?」

興味なさそうに髪をくるくると弄る少女。

「お前の姿だよ。おっさんには見えてたのかってことだよ」
「貴方は見える。あの人も見える。それだけのことよ」
「でも大学じゃ気づかれなかったぜ?」
「見えない人がいた、それだけのことよ」
「じゃあ……」

ごくり、と俺は唾を呑みこんだ。

「あの人が死ぬって……どういうことだよ?」
「そのままよ」

少女は顔色ひとつ変えない。
可愛い顔してもやはり化け物か。
0220 ◆69qW4CN98k
垢版 |
2011/04/17(日) 19:44:04.60ID:bXRvfaNN
「おまえが……あの人を殺すのか?」
「よしてよ」

少女は俺を見つめた。
なにを馬鹿な、といった蔑みと憐みの目。

「他の人を探すと言ったわ、でも今はあなたに憑りついている。そんなことは出来ないわ」

そうだった。俺はこいつに憑りつかれているのだった。

「じゃあなぜおっさんが死ぬと?」
「ひとつ、教えてあげるわ」

縊れ鬼は真っ直ぐな目で俺をみつめる。
瞳の中に俺が写ってるのが見える。
これが瞳の中に吸い込まれるってやつか。

「他人の死と、私の存在はまったくの別物、そして―――」

すっく、と少女が立ち上がる。

「あなたは私が憑り殺す。失敗したけどね」

ひゅうと風が吹いた。
気がつくと夕日は傾いて影が濃くなっている。
俺も立ち上がり、縊れ鬼にむかってこたえた。

「面白え……やってみろよ」

俺も公園を出ることにした
バイクにまたがり、エンジンをかけてそのまま走り去る。
縊れ鬼をほっといて一人で帰る。
なんだかもやもやしてやりきれない気持ちだ。
アパートに帰ると鍵を閉めて、夕食をかっこんだ。
シャワーを浴びてその日は早めに寝た。
0221 ◆69qW4CN98k
垢版 |
2011/04/17(日) 19:46:03.43ID:bXRvfaNN
朝、胸が苦しくて目が覚めた。
布団の上で少女が正座している。
目が合うと少女は答えた。

「おはよう」

ちくしょう、鍵はかけたのに。さすがは縊れ鬼、化け物ってやつか。
大家にオートロックについて意見をいうべきだろうか。
TVをつけながら洗面所にいくと、ニュースキャスターの声が耳に入ってくる。

「昨日、○○県××市で事件がありました―――」

○○県××市。
俺の住んでる場所じゃないか。
じゃばじゃばと顔を顔を洗いながら耳をそばだてる。

「××市の□□公園内で、男性が首を吊っているのが発見されました―――」

ぴくり。俺は手を止めた。
ニュースキャスターがつづける。

「発見したのは清掃員。所持品などから警察は鈴木 栄五郎(53)さんと断定、
着衣の乱れもなく自殺とみて捜査を進めています」

何故か俺の頭の中で、昨日のおっさんの姿が浮かんだ。
自殺したのはあのおっさん。俺はそう確信した
鈴木 栄五郎。
あのおっさんらしい名前じゃないか。
ははっ、なんだろうな。なんだろうな、この気持ち。
俺は無性にやるせなくなって、
再び布団へと潜った。
そんな俺に縊れ鬼が無神経に声をかけてくる。

「あら、学校に行くのかと思ったけど」
「うるせえな、気が変わったんだよ。妖怪さんには人の気持ちなんかわかんねーだろうよ」

俺はTVをBGMにして再び眠りにつくことにした。
ああうんざりだ。今日は目覚めが悪い。
そんな日は寝なおすにかぎる。
0225 ◆69qW4CN98k
垢版 |
2011/05/01(日) 23:13:57.43ID:sHWw7luu
気が付くと俺は舟の上にいた。
両手足を拘束され、ご丁寧に足枷には重りがつけられている。
顔を動かし辺りを何とか見回すと、両岸には沢山の人、人、人。
どうやら俺は川べりにいるようだった。
周りの人間は盛んに声を荒げて叫んでいる。

「有罪! 有罪! 有罪!」

なんだ、いったい何なんだ。
俺は状況がまったくつかめていない。だいいちここはどこだ。
振り向くと、同じ舟の上に身なりの良さそうな御仁が一人いる。
両脇に武装した兵をはべらせ、険しい声で叫んだ。

「これより裁判を執り行う!」

兵が俺の肩を掴み、無理やりと起こす。
押さえつけられた俺は身動きできず、事の成り行きをただ黙って聞いていた。

「被告人は少女と同棲するという過ちを犯した!」

その声に怒号と罵声の歓声があがる。
御仁は片手をあげて制した。
少女? いったい何のことだ?
困惑する俺を無視して周りはさっさと事を進ませる。

「この罪許し難し! よって神前にこの者の身柄を問うことにする!」

周りの奴らによく見えるように、兵たちが俺を抱え上げた。
歓声がよりいっそうと大きくなる。

「清らかなる水へとその者を投げ込み、水に拒否され浮かんで来れば有罪、焚刑へと処す!
水が受け入れれば無罪、この者の罪は許される!」

ああなるほど、浮かばなければ助かるのね。

「……て、ちょっと待て」

浮かばなければ無罪って、水の中じゃ息ができないだろうが。
反論しようとした俺を、兵は勢いよく水へと叩き落とした。
ざばんずぶずぶと俺は水中へと沈んでいく。
叫ぼうとするがゴボゴボと口から泡を出すだけで何もできない。
頭上に見える水面はどんどんとその濃さを増してゆく。
俺の視界もどんどん暗くなっていく。冷たくなっていく。
ドプン、と川底についた。
ごぶりと吐いた水泡が上へ上へと上がっていく。
ああ寒い。
顔につく砂土が冷たい。川の水が冷たい。
冷たい。暗い。そして意識は朦朧としてくる。

(これが、死か……)

何故か怒号の歓声が良く聞こえる。
轟々と鳴るその音を聞きながら、俺の意識は飛んで行った。
0226 ◆69qW4CN98k
垢版 |
2011/05/01(日) 23:14:52.38ID:sHWw7luu
目が覚めた。
ふと顔をあげるとやはり奴が布団の上に鎮座していた。
涼やかな声で、目があった俺に挨拶をする。

「おはよう」

そういって布団の上から離れた。
少女、縊れ鬼は何も語らない。
部屋の隅で鎮座すましているだけである。
時計を見てみると朝と呼ぶには遅い時間帯だ。
いつもならとっくに大学へと向かっているはずなのだが、俺は気分が乗らなかった。

―――あの人、死ぬわ

少女はそう呟き、そして一人死んだ。
また外へと出かければ、誰かが死ぬのではないのか?
そう思った俺は大学もいかずに部屋でゴロゴロしていたのだった。
少し退屈だが近辺の訃報を聞くよりかはずっといい
なあに、まだ慌てるような単位じゃない。
縊れ鬼は憑りついてるせいか、ずっと一緒に居る。
見かけは少女だが、理解しがたい面妖不可思議な力を持っている、そう俺は確信していた。
自分の仕業ではないと言ったが、いまいち信用できない。
化け物。
そう、コイツは化け物だからだ。
だが俺は別段恐いと思わなかった。
殺す、と言われたがこうして俺は生きてるし、外見が少女の姿を恐れろって方が難しい。
こうして数日過ごしているが、別段何も起きない。
かくして俺は引き籠り体験を謳歌していたのである。
俺は指を縊れ鬼にむけて勝ち誇った。

「こうして外に出なければ事故も起こせまい。ふはは勝った!」

笑う俺に少女は無反応だ。少しは反応しろちくしょう。
食を取らなくてもいいと言ったが、それは本当だった。
ずっと佇み様子をうかがっている。少女の方からの行動はない。
いや、寝入ったらいつのまにか伸し掛かってくるが。
おかげで悪夢続きだ。ぐっすりと寝た気がしない。

(待てよ……)

ひょっとして、このまま少しずつ寝不足で衰弱させていく心づもりなのか。
毎夜布団の上にいるから悪夢を見るのではなく、少女が居るから悪夢を見るのではなかろうか。
憑り殺されるというのはこういうことなのだろうか。
なんという計画殺人。
俺はいつのまにか術中に嵌っていたのかもしれない。
何とか対抗策を考えねば。

グゥ……

あれこれ悩んでいると俺の腹がなった。じっとしていても減るものは減る。
冷蔵庫を開けても蓄えは少ない。
このまま籠城策を続けても良いのであろうか。
明らかに単位と食費と時間が奪われてしまっている。
ひょっとして俺のやっているのは無駄なことではなかろうか。
何かを成さねばならないとは思ってはいるが、何をすればいいのかわからない。
俺は死ぬ気はない。他人の死を見る気もない。
……死とは、なんだ?
人を殺そうとするコイツは、何なんだ?
0227 ◆69qW4CN98k
垢版 |
2011/05/01(日) 23:17:26.80ID:sHWw7luu
一人死ねば成仏、そして死んだ者があたらしい「鬼」となる。
まるで鬼ごっこだな。
鬼に捕まった者が鬼となり、別の犠牲者を探す。
負の連鎖。
生者は鬼から逃げなければ死んでしまう。
だが……はたしてそうなのか。
縊れ鬼に憑かれた者は死んでしまう。
そして、俺は間一髪で助かった。

(本当に、そうなのか?)

俺は死んでない。少なくとも今のところは。
そして俺が引き留めたにせよ、コイツはここにいる。
他人を殺してないコイツが居る。
でも、おっさんは死んだ。
人は鬼、死を運んでくる存在から逃げようとする。
古今死から逃れた人がいるだろうか。
遅かろうが早かろうが人は死ぬ。
縊れ鬼の存在に関わらず人は死ぬ。
縊れ鬼が殺せば、人は鬼と化す。

(鬼とは、死とは……なんなんだ?)

ふさぎ込む俺の思考を玄関のチャイムが現実へと呼び戻した。
来訪者の心情を表しているかのようにピンポンピンポンとけたたましい。
新聞の勧誘ではこうはいかない。
俺は覗き穴で相手を確認することもせずにドアを開けた。

「よう」
「後藤」

玄関の前には、俺の友人の後藤が立っていた。

「いや良かったぜ。チャイム鳴らして起きてこなかったら救急車呼ぶ所だった」
「馬鹿、まずは携帯にかけろよ」
「かけろってお前……充電しとけよな」

充電?
ああ、そういうことか。
どうやら引き籠ってるうちに携帯の電源が切れていたらしい。

「ああ、悪い。まあ中に入れよ」
「言われんでもそうさせてもらうぜ」

俺は後藤を中へと招き入れた。
縊れ鬼のことが少し気になった俺は、両方を確認した。

縊れ鬼は相変わらず部屋の片隅に鎮座している。
後藤は差し入れの袋をごそごそと何かやっていた。
どうやら見えてはなさそうだ。

―――あの人、死ぬわ

おっさんは見えた。そして死んだ。
後藤には見えてはいない。
大丈夫、大丈夫だ。
0228 ◆69qW4CN98k
垢版 |
2011/05/01(日) 23:18:28.35ID:sHWw7luu
「まあよかったぜ、しばらく顔見せないから気になってな」
「悪いな。まあ……風邪みたいなもんさ」

俺と後藤は買ってきた差し入れを肴に雑談していた。
病人と思われる奴に酒とツマミを持ってくるのはコイツらしい。
縊れ鬼はいるのかいないのかわからないほど静かだ。
ちらりと見てみると、つけっぱなしのTVを見つめていた。
あやかしにも受信料は請求できるのだろうか。

「風邪かよ、でも馬鹿にしちゃいけないぜ。こじらせるとやっかいだ」

ああ、と俺は相槌をうって酒を飲む。
俺がもし飛び降りていたら、こうして話すこともなかったんだろうな。
奇妙な事だ。
俺はそんな、自分を殺そうとした奴を引き留めている。
少女の姿をしているから?
他人を殺させようとしたくないから?
自分でもよくわからない。俺はどうしたいのだろう。

「どうした? ぼんやりして」

後藤が話しかけてくる。
むう、いかんいかん。
病は気から。あまり考えすぎるのはよくない。
俺はこうやって生きている、それでいいじゃないか。
UMAだっけ? 未確認生物、それらも確かに存在している。
だいたいそんな感じ。細かいことはあとだ。

「ああ悪いな。ちょいと考え事をしていてな」
「いったいなんだよ?」

訝しがる後藤。俺は横目で縊れ鬼を見た。

「妖怪っていると思うか?」
「はあ!?」

すっとんきょうな声をあげる後藤。
まあそうだろうな。
俺は立ち上がって縊れ鬼の側に移動した。
縊れ鬼は俺と後藤に興味なく、あいかわらずTVを見ている。

「妖怪は自分を殺そうとしている、そしたらお前どうする?」
「はああ!?」

またもや変な声をあげる後藤。
俺はむんずと縊れ鬼の着物を掴んで、後藤の前へ突きつけようとした。
が、持ち上げようとした手は裾を掴んで捲り上げただけだった。
白い肌襦袢が目に映る。下着をつけないというのは本当だったんだ。
硬直する俺と縊れ鬼と、後藤。
最初に沈黙を破ったのは後藤だった。

「やっぱりまだ熱あるみたいだな……帰るわ、俺」

そういうと立ち上がり、すたすたと玄関へと歩き出す。
どうやら本気で帰るようだ。

「お、おい」
「あんまり無理すんなよ。電話すりゃパシリぐらいするぜ」
0229 ◆69qW4CN98k
垢版 |
2011/05/01(日) 23:19:34.22ID:sHWw7luu
バタン、と戸が閉まる。
むう……。
どうやら後藤には縊れ鬼は本当に見えてなかったようだった。
見えない者が縊れ鬼を触れるのか?
それを試してみたかったが、病人扱いされたようだった。

「まあいい」

機会はこの次に。
俺は死なない。見えるけど死んではいない。
後藤は見えてはいない。見えなければ死なない、はず。
他の人も多分、きっとそう。
とりあえず縊れ鬼という存在を、俺以外の人に知ってもらおう。
三人寄れば何とやら、良い知恵が浮かぶかもしれない。

俺の手は着物の裾を吊りあげたままだ。
縊れ鬼は正座したままの姿、着物が捲れあがっている。
白い肌襦袢が目に優しい。
見える奴が居るとするならば、触れる奴もきっといるはず。
俺は縊れ鬼にむかって微笑んだ。

「だよな?」
「……死ねばいいのに」

縊れ鬼は呆れたように呟いたのだった。



・・・続く
0230創る名無しに見る名無し
垢版 |
2011/05/15(日) 21:21:41.56ID:+j8ZFxoZ
上遠野浩平と京極夏彦をミックスしたような作風ですね。
とても面白いです。
続き頑張ってください。
応援してます。
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています

ニューススポーツなんでも実況