柔道の全国高校選手権第1日は20日、男女の個人戦があり、女子52キロ級は白石響(熊本西)が決勝で藤城心(山梨・富士学苑)に優勢勝ちして初優勝を飾った。
自身初の日本一に、白石は「うれしい。諦めずに、最後は気持ちだった」とはにかんだ。決勝では相手の袖釣り込み腰に何度も倒されそうになりながらもこらえ続けた。
最後は延長2分2秒、「(技は)分からない。大外かな?」と、無我夢中で投げて技ありを奪った。
熊本西の野球部は23日開幕の選抜大会に21世紀枠で出場する。チームには白石の幼なじみやクラスメートもおり、「学校での練習後、同級生の家に集まって
また練習するとか、すごく頑張っている」と刺激を受けている。春休みは関西方面への遠征も兼ねて甲子園で応援する予定。日本一になった勢いを、野球部にも届ける。
大牟田勢2階級制覇 田中73キロ級初V 竹市81キロ級連覇
男子は大牟田(福岡)勢が2階級を制した。73キロ級は田中が初優勝。直後に決勝が行われた81キロ級は竹市が連覇を達成した。田中は「2人で優勝しようと
話していた。自分が勢いをつけてバトンタッチできた」と笑顔を見せた。今年の大牟田は100キロ超級の選手が充実し、団体戦でも国士舘(東京)と並んで
優勝候補に挙げられる。団体メンバーでもある竹市は「一番の目標は団体日本一。万歳するのは明日」と初の栄冠を見据えた。

熊本西・白石初V 女子52キロ級 全国高校柔道
https://www.nishinippon.co.jp/nsp/judo/article/495915/

柔道の全国高校選手権最終日は21日、東京・日本武道館で団体戦が行われ、男子(5人制、勝ち抜き方式)は国士舘(東京)が2年連続10度目の優勝を飾った。
大将に五輪95キロ超級連覇の故・斉藤仁さん(享年54)の次男・立(たつる、2年)を据えた国士舘は、斉藤が左手首の靱帯(じんたい)を痛めていたため、
「斉藤に回さないで、みんなで頑張ろう」と一致団結。準決勝までは副将までの4人だけで勝ち抜いたが、決勝の大牟田(福岡)は大接戦。1―1で大将同士の
対戦に優勝がゆだねられる展開となった。
史上最年少で全日本選手権出場を決めていた斉藤は、まさに超高校級。釣り手に力が入らない状況にもかかわらず、大牟田の大将を得意の内またで投げると、
あまりの勢いに相手の体が1回転して、まさかのポイントなし。だが、斉藤は慌てず、160キロ近い体を軽快に動かし、再び内またに。2分25秒、今度は鮮やかに
一本に決め、優勝を呼び込んだ。
この1試合だけで最優秀選手に選ばれた斉藤。それほど鮮やかな勝利だったのだが、この日まで実戦練習ができなかったとあって「点数をつけたら? 10点、
いくかいかないか、です」と顔をしかめた。それでも「練習できていなくて不安でしたが、仲間がつなげてくれて、不安が吹っ切れました。釣り手が痛くても技
を仕掛けました」。岩渕公一監督は「最後に斉藤を使ったので今日は70点。でも、斉藤もみんなと頑張ろうという気持ちがあったし、他の4人も強い相手
を倒して勝ち抜いた。お互いに思い合っての勝利」と選手をたたえた。
4月29日は同じ日本武道館で全日本選手権に挑む斉藤。「手首の靱帯は痛めましたが、(痛かった)肘と首は大丈夫。全日本は失うものは何もない。
しっかり手首を治して、全身全霊で向かっていきたい。出るからには優勝が目標ですが、絶対に悔いのないような試合がしたい」。昭和最後の全日本選手権は
父が制した。平成最後の全日本は、初優勝を目指すジュニアが、思いきりのいい柔道で旋風を巻き起こしそうだ。

斉藤ジュニア、鮮やかな内またで国士舘連覇に貢献
https://www.hochi.co.jp/sports/etc/20190321-OHT1T50328.html