福岡・南筑高の古賀若菜が3位に入り、東京五輪出場に望みをつないだ。
日本屈指の“寝技師”に、古賀が実力を見せつけられた。52キロ級から階級変更した角田夏実(了徳寺大職)との準々決勝は、開始1分12秒で関節技を食らって一本負け。
相手が得意とするともえ投げの研究を重ねてきたが、巧みに懐に入られて腕ひしぎ十字固めに持ち込まれた。「体勢を変えられて(腕を)伸ばされた。今までにない経験だった」。
2017年世界選手権52キロ級銀メダリストの技術に、脱帽するしかなかった。
だが、ここから切り替えて敗者復活戦で一本勝ちし、3位決定戦は不戦勝。試合後の強化委員会でグランドスラム大阪(22〜24日)の出場が決定した。48キロ級第一人者の
渡名喜風南(パーク24)や角田との再戦へ、「東京五輪レースに残るために負けられない」と気合を入れ直した。 (伊藤瀬里加)
立川莉奈(福岡県警、女子52キロ級で4年連続の2位)「緊張してしまい、自分の組み手をすることができなかった。(今年から福岡県警所属となり)午前中に稽古して
午後からトレーニングをしているが、男子を相手にすることが多くなり、思い切り技をかけられるようになった」

高校生の古賀若菜が東京五輪に望み 柔道48キロ級3位に食い込む
https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/556623/

階級が変わっても、角田の持ち味は不変だった。得意のともえ投げや関節技を駆使した試合運びで全4試合を一本勝ち。「闘い方は52キロ級と一緒で、
とりあえず勝つことに集中した」。渡辺との決勝では、最初にともえ投げで技あり。約30秒後、同じ技で今度は完璧に畳に沈めた。
52キロ級では2017年の世界選手権で銀メダルを獲得した。だが、18年以降は阿部詩(日体大)が同選手権を連覇。2番手の志々目愛(了徳寺大職)の壁も高い。
角田は普段の体重が53キロほどで減量も可能と判断して決断。初めて48キロ級で臨んだ9月の全日本実業個人選手権で頂点に立った。
減量後の感覚の違いに苦しんだが、10月に48キロ級での今大会挑戦を最終決定。「この大会で負けるなら引退なんじゃないかというくらい悩んだ」という中で結果を残した。
1番手の渡名喜風南(パーク24)との差について、増地克之監督は「まだまだ差はある。これからの大会を全て勝つことが最低条件」と指摘する。身長162センチは
この階級では高身長。加えて、52キロ級でも「パワーがある方」と自覚する。渡名喜が4戦全敗の世界ランキング1位のビロディド(ウクライナ)に対抗できるような力強さ
を見せられればチャンスはある。
「期間は短いけど、2020年に向けて、できる限り精いっぱいやりたい」。いばらの道を歩む覚悟を語った。

「負けたら引退じゃないか」48キロ級に下げた角田オール一本勝ちV
https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/556617/