“ラストチャンス”をものにした。52キロ級で2017年世界選手権2位の実績を誇る角田が、女子最軽量級に挑戦して優勝。東京五輪の第1次選考会で結果を出し、
代表候補に名乗りを上げた。
「不安だったけど、ほっとしている。負けたら引退じゃないかと思うこともあった。48キロ級でも自分の存在を示せたかな」
最軽量級ではひときわ目立つ身長162センチの寝技師は、52キロ級で海外勢に引けを取らない力も武器にしてきた。渡辺愛子(東海大)との決勝を含む3試合は
ともえ投げ、3回戦は腕ひしぎ十字固めと持ち味を発揮して、初戦から全4試合一本勝ち。これまで1階級下だった選手に、サイズやパワーで勝った。
今夏、出場を逃した世界選手権を観戦した。柔道の聖地、日本武道館で輝く選手を見て「この舞台に立ちたい」と東京五輪への思いを強くした。同大会で52キロ級の
阿部詩(うた、19)=日体大=が2連覇し、1枠しかない五輪代表に近づいた。普段の体重が50キロで減量を苦にしないことも、27歳の決断を後押しした。
今大会は、世界選手権個人戦代表ら有力選手は出場が免除されたため、48キロ級で1番手の元世界女王、渡名喜風南(となき・ふうな、24)=パーク24=との
対戦はなかった。22日開幕のグランドスラム大阪で、直接対決する可能性もある。
「(渡名喜は)男っぽい、格好いい柔道をする。未知の部分が多いけど、優勝して代表になれるように頑張る」
自身を「小心者」と表現する角田の決意。新天地で負けられない闘いを続ける。

角田、東京へ希望!階級転向でオール一本V、渡名喜に挑戦状/柔道
https://www.sanspo.com/sports/news/20191104/jud19110405030001-n1.html

殴り込みをかけた最軽量級で、角田はその特異なスタイルを貫き東京五輪出場へのわずかな望みをつないだ。組めばともえ投げで相手を畳にたたきつけ、
ひとたび寝れば着実に腕をきめる。「ここで勝たないと先はない。この大会で負けたら引退なんじゃないかと思うくらい悩んだ階級変更だったが、しっかり勝てて
本当にホッとした」と相好を崩した。
52キロ級を戦場としてきた関節技の名手だが、18、19年世界女王の阿部詩(日体大)、17年世界女王の志々目愛(了徳寺大職)を抜くことは難しく五輪出場は絶望的
だった。そこで急浮上したのが周囲から勧められた階級ダウン。悩んだが、「今戦わないと後悔する」とチャンスにかけた。
従来はほぼ減量がなかったが、大会前は残り2キロがなかなか落ちず計量前はもう汗が出ないほど絞り切った。それでも持ち味のパワーは52キロ級時代と遜色なく、必殺
のともえ投げ、関節技で次々と実力者を沈めてオール一本勝ち。48キロ級の第一人者である渡名喜風南(パーク24)の対抗馬になり得るには十分過ぎる説得力を持った。
逆転五輪を狙う上で、日本女子の増地克之監督は「今後出る大会を全て勝つことが最低条件」とハッパをかけ、まずは渡名喜や48キロ級の海外選手と相まみえる
GS大阪が試金石となる。日本としては世界女王ビロディド(ウクライナ)打倒が喫緊のテーマでもあるが、ともえ投げと十字固めという2大兵器はその可能性を感じさせる。

角田あるぞ逆転五輪 48キロ級でオール一本V!阿部、志々目いる52キロから転向即
https://www.daily.co.jp/general/2019/11/04/0012846894.shtml