0042三連単7−4−3
2019/02/18(月) 13:59:14.33ID:0O4c8bXsおそらくは、彼自身が目撃したであろう、ある風景である
その描写はドストエフスキーの想像とは思えない
なぜなら彼が描いたそういう人は、今日のカジノのどこにでも1人はいるからである
その若い女性のカジノ客はホテルに長く住み着いており
毎日午後決まった時間にルーレットをやりに部屋からおりてくる
彼女はいつも小人を従えていた
彼女は1時間か2時間ルーレット台のテーブルに座り
いつもかなり大き目のお金を賭けて勝ち
時間が来ると儲けがいくらかには関わらず、さっと部屋に戻っていくのであった
彼女の勝ち方をドストエフスキーは、ある程度理解していたと思われる
だが、借金まみれのドストは、カジノで大金を稼ぐしかなかった
だからおそらく無理をしたのだと思う
無理をしなかったら
あるいは、元手がもう少しあったら、あるいは時間がもう少しあったら
ドストはルーレットに勝てていたかもしれない
でも博打に勝てなかったから
ドストエフスキーは世界ナンバーワンの文豪として
世界の文学史に名を残したのだろう
「賭博者」はギャンブラーなら一度は読んで損はない作品だ