NHK・BSで9月から旧エヴァTVシリーズを放送 [無断転載禁止]©2ch.net
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人気アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のテレビアニメシリーズが、NHK・BSプレミアムで9月16日から放送されることが26日、明らかになった。
HDリマスター版、5.1チャンネルサラウンドで放送される。また、番組の最後では「エヴァ噺(エヴァナシ)」と題し、
毎回さまざまなジャンルの著名人が同作の魅力を語る。
NHKはこれまで「赤毛のアン」「美少女戦士セーラームーン」「日常」「ラブライブ!」「進撃の巨人」などの民放のアニメを放送したことがあり、
「新世紀エヴァンゲリオン」の放送も話題になりそうだ。
「新世紀エヴァンゲリオン」は庵野秀明さんが監督を務めた人気アニメで1995〜96年にテレビ東京系で放送。
主人公・碇シンジが、謎の敵・使徒に対抗する手段を持つ人類として、人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」を操縦し、綾波レイらと戦う……
というストーリー。劇場版アニメも人気を集め、社会現象を巻き起こした。
「新世紀エヴァンゲリオン」は、NHK・BSプレミアムで9月16日から毎週金曜午後11時45分に放送。
まんたんウェブ 8月26日(金)17時27分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160826-00000016-mantan-ent 日テレでもやったし
なんかようやく当時のTVシリーズが正当に評価されてきたって印象があるわ
EOEのときはテレ東で深夜に再放送はしたけど
ただの宣伝で終わってたからなぁ
それぐらい世間が盲目的に「エヴァエヴァ」となっていた時代だった…気がする ラインライブで判ったんだけど綾波とカヲルって未だに人気あるんだね
正直驚いた
どこ見ても今はアスカが人気みたいなのよく見るから シンジ「イインチョ、注目の的だね!」
ヒカリ「うん!」 >>8
アスカが人気とかいうのはフィギュアの売上とかそんなのを論拠に一部言ってるだけでしょ
色んなキャンペーン商品の売れ行き見ても綾波やカヲルは安定しているし、
知名度は相変わらず高いよ カヲルはエヴァ見たことある女ファンをほぼ全員くらいの勢いで掻っ攫っただけで世間的に知名度は高くないだろ
知名度ならシンジの方が高いんじゃね シンジ「お弁当とか、お見舞いの時の
公務とかって」
ヒカリ「うん。鈴原の正体のヒントになってるんだ」
シンジ「トウジってさ」
ヒカリ「うん」
シンジ「熱血漢かな」
ヒカリ「熱血漢かどうかは知らないけど、
運動オンチなんだって」
シンジ「何時も黒いジャージ着てるから、
そんな風には見えないよね」
ヒカリ「うん」 一方通行
「ブォーン!キキィーッ!
お待たせしました。」
鈴原トウジ
「これ、ブラックのロールスロイスのゴーストやないか!?
こんな高級車で練習をするんや?」
一方通行
「いい車で練習をしないと、気品のある運転ができませんよ。
まずは、ハンドルを10時10分の位置に持ってください。
この車はオートマチック車ですので、クラッチで悩む心配はありませんよ。
アクセルをそっと踏んで…。」
鈴原トウジ
「あーっ!塀に車をぶつけちまった!」
一方通行
「大丈夫。保険に入っていますから…。
はじめは車を傷つけるのは当たり前ですよ。
気にせずに運転を続けてください。
うまいうまい、その調子その調子〜
では、この石を左折してみましょう。」 一方通行
「では、私は車を取ってきますから、ちょっと待っててください。」
鈴原トウジ
「あの人、何台車を持っているんや?」
ガロロロ〜〜…、ブルンブルン…。
NERVからトラックを借りた。
一方通行
「お待たせ。」
鈴原トウジ
「あなた、ダンプまで乗っているんですか?」
↓
一方通行
「すごいじゃないですか?
これなら、運転歴30年の大ベテランですよ。」
鈴原トウジ
「我ながら、ハンドルが軽い軽い!」
一方通行
「鈴原さん、ここらでアクセルをもっと踏んでスピードを上げましょう。」 >>12
レイは全般的に強いよね
アスカは濃いオタ相手に強い ヱヴァンゲリオン新劇場版:破 より昼時間
アスカ「ヒカリ・・・だっけ?残飯、食べてもいいわよ」
ヒカリ「え・・・?」
○悪魔電車の中。
ヒカリ「あんな言い方はないよね。アスカ?」
ミサト「洞木さんの言う通りだわ」
レイ「私は、人形じゃない」
シンジ「アスカに惣流も式波も無いんだ。
良かったね」
アスカ「うるさいわね!ちっとも良くないわよ!!」
トウジ「・・・なんや。残飯なら、ワシに言うてくれたら
良かったのに」 ○洞木邸。ダイニングキッチン。エプロン姿で台所仕事
をしているヒカリ。とテーブルに座って考え事を
している、シンジ。
シンジ「同じだって言うから合わせたけど、
・・・そんな筈は無いんだ」
ヒカリ「同じだってば。やり直したんだからさ」
シンジ「やり直した?」
ヒカリ「うん。それでね、式波の名付け親も、
私なんだ」
シンジ「そっか。じゃあ式波って名前にも、何か意味が?」
一冊の本をシンジに渡したヒカリ。
シンジ「陰陽師?・・・夢枕獏先生の本だ」
ヒカリ「式神、っていうのがあるんだけどね。
それで思いついたの」 NHKは次回予告もやってくれるよな?
サービスはカットしないよな? ○洞木邸。寝室。ベッドの照明で1枚の
シャシンを見ているシンジ。
シンジ「人類が滅亡した後も」
ヒカリ「うん」
シンジ「みんな居ますよ、ってカヲル君が
言ってたんだ」
ヒカリ「私達、堕天使の事だね」
シンジ「うん。でもミサトさん綾波、僕にアスカ、カヲル君までは
解るけど」
ヒカリ「うん」
シンジ「イインチョとトウジが居ないんだ」
ヒカリ「ちゃんと、居るわよ・・・」
シンジ「えっ?・・・何処にいるのさ」
ヒカリ「私は碇君の少し右上。ビルの左が鈴原で
ビルの右が鈴原の妹さん」
http://wiki.evageeks.org/images/2/2d/M26_C481_Kimochi_Warui.jpg シンジ「トウジの妹って、僕を監視してた
女の子だ・・」
ヒカリ「サクラちゃん、ていうんだって」
シンジ「このガヴァドンAみたいのが
あの女の子の正体なのか」
ヒカリ「サクラとかミドリとかさ、列車の名前
からとったのかもしれないね」 洞木邸。寝室。暁の頃、二の腕の
ヒカリの頭の重さで目を覚ました
シンジ。と寝息をたてている、ヒカリ。
シンジ「一見救いようの無いラストシーンに
みえるけど」
シンジ「僕達は永遠に生き続ける、って
オチだったんだ」
ヒカリ「うん」 洞木邸。ダイニングキッチン。朝日が差し込んでいる。
パンケーキをひっくり返したシンジ。
ヒカリ「あの石像、両手を広げてるけど
なんでなのかな」
シンジ「十字架のつもりなんだと思うよ」 ○洞木邸。居間。山談義をしているシンジとヒカリ。
シンジ「南アルプスの女王って言われているんだ。
仙丈岳って」
ヒカリ「日光にはさ、男体山ってあるよね」
シンジ「山に男女があるのかなと思うけど」
ヒカリ「うん」
シンジ「拾話のマグマダイバーを観ると、浅間は
間違いなく女であることがわかるんだ」 ミサトさんのエロいシーンはNHK的には大丈夫なんだろうか・・・ シンジ「綾波やイインチョと違って」
ヒカリ「うん」
シンジ「ミサトさんはやっぱり元は人間だったんだよ」
ヒカリ「行動はパターン青だけど、人間としての台詞
割とあったよね」
シンジ「あのカプセルはミサトさんの体が駄目になった時
作動する爆弾だったんだ」 ○洞木邸。寝室の机で何かを描いている
ヒカリ。
シンジ「あの、何描いてるの?」
ヒカリ「漫画描いてるの。悪魔の花嫁って
題名なんだ」
シンジ「面白そうだね。どんな話?」
ヒカリ「天界で私と碇君が愛し合ってたら
神の怒りに触れて、私の体は朽ちていくの。
碇君は悪魔にされて、人間界に追放されるんだ」
シンジ「うん」
ヒカリ「碇君は人間界で外見が私と同じな、私の
生まれ変わりの女の子と出合い、私の為に
体を手に入れようとするんだけど、それは
その女の子の死を意味する訳」
シンジ「うん。それで?」
ヒカリ「碇君はそのうち、その女の子に惹かれちゃって
その女の子の守護神みたいな存在になっちゃうの」
シンジ「・・・小さい風呂敷だけど、畳むのが難しいんじゃ
ないかな。物語を創作する時は最後どうするか
ある程度考えたほうがいいよ」
ヒカリ「・・・うん」 ○洞木邸。寝室。曙の頃、目を覚ました
シンジ。
シンジ「残り、食べてもいいわよって
アスカが言ってたじゃないか」
ヒカリ「うん」
シンジ「あの台詞で、ふと思ったんだけど」
ヒカリ「うん」
シンジ「イインチョってさ、ホントにお弁当作ってた
のかなって。4人分とか」
ヒカリ「・・・作ったってしょうがないもの、
作らないわよ」
シンジ「そういえばそうだね」 残酷な天使のように 少年よ神話になれ
蒼い風がいま胸のドアを叩いても
私だけをただ見つめて微笑んでるあなた
そっと触れるもの求めることに夢中で
運命さえまだ知らないいたいけな瞳
だけどいつか気づくでしょう その背中には
遥か未来目指すための羽根があること
残酷な天使のテーゼ 窓辺からやがて飛び立つ
ほとばしる熱いパトスで思い出を裏切るなら
この空を抱いて輝く 少年よ神話になれ 放送『本日、12時30分、東海地方を中心とした関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました。
住民の方々は速やかに指定のシェルターに避難してください。
繰り返しお伝えいたします…(繰り返し)』
ミサト「よりによってこんな時に見失うだなんて、まいったわねー」 電話『特別非常事態宣言発令のため、現在すべての通常回線は不通となっております』
シンジ「だめかぁ。やっぱり来るんじゃなかった…。
待ち合わせは無理か…。しょうがない、シェルターへ行こう」 オペレーター「正体不明の移動物体は依然本所に対し進行中」
シゲル「目標を映像で確認。主モニターに廻します」
冬月「15年ぶりだね」
ゲンドウ「ああ、間違いない、「使徒」だ」 シンジ「あっ…!」
国連軍「目標に全弾命中!……ぐわあっ!」
シンジ「うわ!」
ミサト「ごめーん、お待たせっ」 シゲル「目標は依然健在。現在も第3新東京市に向かい、侵攻中」
オペレーター「航空隊の戦力では足止めできません!」
司令官A:「総力戦だ!厚木と入間も全部挙げろ!」
司令官B:「出し惜しみは無しだ!なんとしても目標を潰せ!」 司令官B「なぜだ!直撃のはずだ!」
司令官A「戦車大隊は壊滅、誘導兵器も砲爆撃もまるで効果なしか」
司令官B「ダメだ!この程度の火力では埒があかん!」
冬月「やはり、A.T.フィールドか?」
ゲンドウ「ああ、使徒に対して、通常兵器では役に立たんよ」
司令官「分かりました、予定通り発動いたします」 ミサト「ちょっと、まさか、N2地雷を使うわけぇ!?伏せて!」 司令官B「やった」
司令官A「残念ながら、君たちの出番はなかったようだな」
オペレーター「衝撃波、来ます」 ミサト「大丈夫だったぁ?」
シンジ「ええ、口の中がシャリシャリしますけど…」
ミサト「そいつは結構。じゃ、いくわよ」
シンジ・ミサト「せーのぉっ!」
ミサト「ふーっ、どうもありがとう、助かったわ」
シンジ「いえ、僕の方こそ。葛城さん」
ミサト「ミサト…でいいわよ。あらためて、よろしくね。碇シンジ君」
シンジ「はい」 ○洞木邸。寝室。
シンジ「弐拾参話の弐号機って」
ヒカリ「うん」
シンジ「動かなかったのが、まるで
アスカのせいみたいに見えるけど」
ヒカリ「うん」
シンジ「実はそういう事じゃ無いんじゃ
ないか、って思うんだ」
ヒカリ「そう」
シンジ「あの使徒、あっさりと綾波の
ATフィールド突き破ってたから、相当の
実力差があったんだね」
ヒカリ「そうだね」
シンジ「そのあと、僕のほうに向かってきたんだった」
ヒカリ「・・碇君の事が、好きだったんじゃないかな。
あの使徒」
シンジ「うん」 司令官A「その後の目標は?」
オペレーター「電波障害のため、確認できません」
司令官B「あの爆発だ。ケリはついてる」
シゲル「センサー回復します」
オペレーター「爆心地に、エネルギー反応!」
司令官B「なんだとぉっ!」
シゲル「映像、回復します」
司令官達「おお…」
司令官A「われわれの切り札が…」
司令官C「なんてことだ…」
司令官B「化け物め!」 ミサト「ええ、心配ご無用。彼は最優先で保護してるわよ。
だから、カートレインを用意しといて。直通のやつ…そう、迎えにいくのは私が言い出したことですもの。
ちゃんと責任は持つわよ。じゃ」
(しっかしもうサイテー。せっかくレストアしたばっかだったのに、早くもベッコベコ。
ローンが後33回プラス修理費かぁ。おまけに一張羅の服まで台無し〜。せっかく気合入れてきたのに〜。トホホ〜。)
シンジ「ミサトさん…あのー、ミサトさん」
ミサト「ん?なに?」
シンジ「いいんですか?こんなことして…」
ミサト「ああ、いいのいいの。今は非常時だし、車動かなきゃしょうがないでしょ?
それにあたし、こう見えても国際公務員だしね。万事オッケーよ」
シンジ「説得力に欠ける言い訳ですね」
ミサト「つまんないの…かわいい顔して意外と落ち着いてんのね」
シンジ「そ、そうですか?」
ミサト「あれ?怒った?ごめんごめん、おっとこのこだもんねぇ?」
シンジ「ミサトさんこそ、年の割に子供っぽい人ですね」 冬月「予想通り、自己修復中か」
ゲンドウ「そうでなければ単独兵器として役に立たんよ」
冬月「ホゥ、たいしたものだ。機能増幅まで可能なのか」
ゲンドウ「おまけに知恵もついたようだ」
冬月「再度進攻は、時間の問題だな」 アナウンス「ゲートが閉まります。ご注意ください。発車いたします…」
シンジ「特務機関NERV?」
ミサト「そう。国連直属の非公開組織」
シンジ「父のいるところですか…」
ミサト「まっねー。お父さんの仕事、知ってる?」
シンジ「人類を守る、大事な仕事だと先生から聞いてます」 司令官C「今から本作戦の指揮権は君に移った。お手並みを見せてもらおう」
ゲンドウ「了解です」
司令官A「碇君、われわれの所有兵器では目標に対し有効な手段がないことは認めよう」
司令官C「だが、君なら勝てるのかね?」
ゲンドウ「そのためのNERVです」
司令官C「期待しているよ」
オペレータ「目標は依然変化なし」
マコト「現在迎撃システム稼働率7.5%」
冬月「国連軍もお手上げか。どうするつもりだ」
ゲンドウ「初号機を起動させる」
冬月「初号機をか?パイロットがいないぞ」
ゲンドウ「問題ない、もう一人の予備が届く」 シンジ「これから父のところへ行くんですか?」
ミサト「そうね。そうなるわね」
シンジ「(父さん…)」
ミサト「あ、そうだ、お父さんからIDもらってない?」
シンジ「あ、はい、どうぞ」
ミサト「ありがと。じゃ、これ読んどいてね」
シンジ「NERV?父さんの仕事…何かするんですか?僕が」
ミサト「…」
シンジ「そうですね…用もないのに父が僕に手紙をくれるはず、ないですよね」
ミサト「そっか…苦手なのね、お父さんが。私と同じね」 シンジ「凄い!ほんとにジオフロントだ!」
ミサト「そう、これが私たちの秘密基地、NERV本部。世界再建の要、人類の砦となるところよ」 ○洞木邸。居間。
シンジ「23話の使徒の正体は、イインチョだったんだ」
ヒカリ「ヒントは幾つか出てるし、観ればわかるわよ・・」
シンジ「・・綾波の自爆は僕が最初に戦った敵の
自爆と、同じだ」
ヒカリ「効果無かったんだよね?確か」
シンジ「と、いうことは・・・。2人目の綾波と
3人目の綾波は、別人だったんだ!!」
シンジ(・・・あの3人目の綾波は、一体誰なんだ?) ○洞木邸。寝室。
シンジ「イインチョって、違う女の人に化けるのが
得意なんだね」
ヒカリ「うん」
シンジ「僕のところに来たイインチョは映画版の
リリスとされているモノと同じだった」
ヒカリ「そう」
シンジ「そういえば、23話の父さんってさ、
まるでああなるように仕向けている感じ
だったね」
ヒカリ「そうだね」
シンジ「父さんといえば、映画版で裸の綾波の
お腹に手を入れるシーンがあるんだけど」
ヒカリ「うん」
シンジ「何か、意外そうな感じで驚いていたんだ」 シンジ「ミサトさんの家にきた時」
ヒカリ「うん」
シンジ「ペンペンの事が気に入ったみたいだったね」
ヒカリ「あ、これは使える、って思ったんだ」
シンジ「何に使うつもりだったさ」
ヒカリ「要らなくなったモノの処分」
シンジ「そっか」 ○洞木邸。寝室。
シンジ「・・・あの、カヲル君ってなんだったの?」
ヒカリ「ナディアの時は傀儡だったから、
新世紀エヴァンゲリオンでは、私の代弁者に
なってもらったんだ」
シンジ「23話の、父さんの言動は?」
ヒカリ「22話で碇君のお父さんと、教室で
2人だけになったじゃない。あの時に
ああなるようにしておいたの」
シンジ「あの時の父さんは、正気じゃ
なかったんだ・・・」 仕事で観れない…何回も観てるんだけどこういう時ってリアルタイムで観たい
BS受信料払ってないからお知らせ出るんだろうか…進撃の巨人の時は出なかったけど 新しいBlu-rayディスク無いから
仕方なく医龍のドラマを削除した ○洞木邸。寝室。
シンジ「3人めの綾波は、イインチョだったんだよ」
ヒカリ「うん」
シンジ「テレビ最終話でトウジは尻に敷かれる
タイプって言ったけど、イインチョの尻に敷かれるのは
僕のほうだったんだ」 エヴァ噺、クソ芸人とか出されても一般人と変わらないから…
他の人も言ってるけどスタッフの話とかのほうがいいのになあ ○洞木邸。ダイニングキッチン。フライパンのハムエッグを
ひっくり返したヒカリ。
シンジ「23話でアスカがこの家に来てたじゃないか」
ヒカリ「うん」
シンジ「イインチョがアスカを心配して慰めてた様に
見えるけどさ」
ヒカリ「そう?」
シンジ「そうじゃなくて怒ってたんだ」
ヒカリ「そうだよ碇君」 ○洞木邸。ダイニングキッチン。シンジのハムエッグに
ハート型にケチャップをかけたヒカリ。
シンジ「教室で僕がしばらくイインチョを見てた
時のイインチョがこれなんだけどさ」
https://ncache.ilbe.com/files/attach/new/20121125/14357299/100608607/418153682/b80dda4c64832f6a366b8c1d2167b793.jpg
ヒカリ「うん」
シンジ「輪郭がハート型になってるんだ」
ヒカリ「碇君への気持ちを表現してみたんだ」
シンジ「イインチョって面白いね」 ○洞木邸。居間。何かを書いているヒカリ。
シンジ「何書いてるの?」
ヒカリ「シン・エヴァの脚本、書いてるの」
シンジ「僕にも見せてよ」
ヒカリ「うん」
シンジ「イインチョが変身したクロ波が巨大化。
残るのはイインチョと僕とトウジと妹さん。
母さんは宇宙に永久追放か・・・」
ヒカリ「今回は視聴者の予想通りって
感じに、してみたんだ」
シンジ「僕がイインチョと結ばれてから
月日が経ったけど、エヴァの物語は
あんまり変わらないんだね」
ヒカリ「・・エヴァは、くり返しの物語だもの」 これって、エンディングはバージョンがたくさんあるけど、
オープニングは1種類だけだよね? 見たけど音がめちゃ良かった
ホームシアターあって良かったわ ○洞木邸。寝室。
シンジ「アスカを救ってやるには、アスカの首を
絞めるしかないと思っていたんだ」
ヒカリ「それでアスカの首、絞めてたんだ」
シンジ「うん。でも、アスカは苦しむだけだった」
ヒカリ「そう」
シンジ「僕があの時、どうして涙を流した
かというと」
ヒカリ「うん」
シンジ「アスカの腕に巻いてあった包帯が
僕に近づいてきて」
ヒカリ「うん」
シンジ「アスカを救済する方法を、耳元で
ささやいたんだ」 ○洞木邸。寝室。
シンジ「つまり、僕は何も知らないようでいて」
ヒカリ「うん」
シンジ「何もかも、知ってたんじゃないのか?」
ヒカリ「・・そうかもしれないね」 ○洞木邸。居間。
シンジ「そうだ・・・僕は何もかも、知ってたんだッ!」
ヒカリ「そういう事だね。あ、碇クン」
シンジ「え・・・?」
ヒカリ「これ、桜流しの動画」
シンジ「・・・シン・エヴァンゲリオンって」
ヒカリ「そうかもしれないね」
シンジ「・・こんなモノで、逃げ出」
ヒカリ「そんな事より、お昼どうしようか?碇クン」
シンジ「えっと、そうだね。今日は、鰻でも食べにいこうか」
ヒカリ「うん!」 ○洞木邸。居間。
シンジ「ナディアに該当するの、イインチョだったんだ」
ヒカリ「そうかもしれないね」
シンジ「裏コードザビースト、とかやってたけど」
ヒカリ「うん」
シンジ「神の腕なんかより、イインチョのほうが強いんだ」
ヒカリ「別にいいじゃない。そんな事。一番は碇クン
なんだからさ」
シンジ「・・うん」 洞木邸。居間。寛いでいるシンジとヒカリ。
ヒカリ「桜流しで新劇場版が終わりだとしてさ」
シンジ「うん」
ヒカリ「新劇場版、どうだった?碇クン」
シンジ「・・イインチョはやっぱり洞木ヒカリ、あのイメージなんだ」
ヒカリ「そっか」
シンジ「だからメガネのお姉さんとかクロ波とかじゃなくて」
ヒカリ「うん」
シンジ「今みたいに体操着にブルマーとか」
シンジ「制服姿とかエプロン姿とか赤いハイレグレオタードとか」
シンジ「そういうほうがいいや」
ヒカリ「うん」 ○洞木邸。居間。
シンジ「エンディングのクルクル回る綾波とか
歌詞の意味とかって」
ヒカリ「うん」
シンジ「イインチョ用だったのかな」
ヒカリ「どうだろう?そこまではわからないよ私」
シンジ「23話でイインチョになるわけだけど」
ヒカリ「うん」
シンジ「イインチョの中の人って、綾波の中の人の
マネさせたら、多分上手いんだ」
ヒカリ「・・そうかもしれないね」 ○洞木邸。居間。
シンジ「イインチョ、宇多田ヒカリに改名したら?
歌上手いんだしさ」
ヒカリ「何言ってるのよ」 ミサト「おっかしいなー、確かこの道のはずよねぇ…」
アナウンス「セントラルドグマの閉鎖通路は現在…」
ミサト「これだからスカート、はきづらいのよね、ここ。
しっかし、リツコはどこいっちゃったのかしら…ごめんね、まだ慣れてなくて」
シンジ「さっき通りましたよ、ここ」
ミサト「でも大丈夫、システムは利用するためにあるものね」 アナウンス「技術局第一課E計画担当の赤木リツコ博士、赤木リツコ博士、至急作戦部第一課葛城ミサト一尉までご連絡ください」
リツコ「あきれた。また迷ったのね」 ミサト「あ、あら、リツコ…」
リツコ「何やってたの、葛城一尉、人手もなければ、時間もないのよ」
ミサト「ごめん!」
リツコ「…例の男の子ね」
ミサト「そう、マルドゥックの報告書による、サードチルドレン」
リツコ「よろしくね」
シンジ「あ、はい」
ミサト「これまた父親そっくりなのよ、かわいげのないところとかね」 ゲンドウ「では後を頼む」
冬月「3年ぶりの対面か…」
マコト「副司令、目標が再び移動を始めました」
冬月「よし、総員第一種戦闘配置!」 アナウンス「繰り返す、総員第一種戦闘配置。対地迎撃戦用意」
ミサト「ですって」
リツコ「これは一大事ね」
ミサト「で、初号機はどうなの?」
リツコ「B型装備のまま、現在冷却中」
ミサト「それほんとに動くの?まだ一度も動いたことないんでしょう?」
リツコ「起動確率は0.000000001%。オーナインシステムとは、よく言ったものだわ」
ミサト「それって、動かない、ってこと?」
リツコ「あら失礼ね。ゼロではなくってよ」
ミサト「数字の上ではね。ま、どの道動きませんでした、ではもう済まされないわ」 シンジ「あの、真っ暗ですよ。顔…巨大ロボット!?」
リツコ「探しても、載ってないわよ」
シンジ「えっ?」
リツコ「人の作り出した究極の汎用人型決戦兵器、人造人間エヴァンゲリオン。その初号機。建造は極秘裏で行われた。
われわれ人類、最後の切り札よ」
シンジ「これも、父の仕事ですか?」
ゲンドウ「そうだ。久しぶりだな」
シンジ「父さん…」
ゲンドウ「フン、出撃」
ミサト「出撃?零号機は凍結中でしょ!?まさか、初号機を使うつもりなの!?」
リツコ「ほかに道はないわ」
ミサト「ちょっと、レイはまだ動かせないんでしょう?パイロットがいないわよ」
リツコ「さっき届いたわ」
ミサト「マジなの?」
リツコ「碇シンジ君」
シンジ「ハイ」
リツコ「あなたが乗るのよ」
シンジ「え?」 ミサト「でも、綾波レイでさえ、エヴァとシンクロするのに7ヶ月もかかったんでしょ!?
今来たばかりのこの子にはとても無理よ」
リツコ「座っていればいいわ。それ以上は望みません」
ミサト「しかし…」
リツコ「今は使徒撃退が最優先事項です。そのためには誰であれ、
エヴァとわずかでもシンクロ可能と思われる人間を乗せるしか、方法はないわ。
分かっているはずよ、葛城一尉」
ミサト「そうね…」
シンジ「父さん…なぜ呼んだの?」
ゲンドウ「おまえの考えている通りだ」
シンジ「じゃあ僕がこれに乗ってさっきのと戦えって言うの?」
ゲンドウ「そうだ」
シンジ「いやだよそんなの、何を今更なんだよ、父さんは僕がいらないんじゃなかったの?」
ゲンドウ「必要だから呼んだまでだ」
シンジ「なぜ、僕なの?」
ゲンドウ「ほかの人間には無理だからなあ」
シンジ「無理だよそんなの…見たことも聞いたこともないのに、できるわけないよ!」
ゲンドウ「説明を受けろ」
シンジ「そんな、できっこないよ…こんなの乗れるわけないよ!」
ゲンドウ「乗るなら早くしろ。でなければ帰れ!
奴め、ここに気付いたか」 リツコ「シンジ君、時間がないわ!」
ミサト「乗りなさい」
シンジ「いやだよ、せっかく来たのに…こんなのないよ!」
ミサト「シンジ君、何のためにここに来たの?だめよ、逃げちゃ。お父さんから、何よりも自分から」
シンジ「分かってるよ…でも、できるわけないよ!」 ゲンドウ「冬月、レイを起こしてくれ」
冬月「使えるかね?」
ゲンドウ「死んでいるわけではない」
冬月「分かった…」
ゲンドウ「レイ」
レイ「はい」
ゲンドウ「予備が使えなくなった。もう一度だ」
レイ「はい」
リツコ「初号機のシステムをレイに書き直して、再起動!」
マヤ「了解。現作業中断。再起動に入ります」
シンジ「(やっぱり僕は、いらない人間なんだ…)」 レイ「キャッ!」
シンジ「あっ…」
ミサト「危ない!」
シンジ「うわぁ!」
メカニックA「エヴァが動いた!どういうことだ?」
メカニックB「右腕の拘束具を引きちぎっています」
リツコ「まさか?ありえないわ。エントリープラグも挿入していないのよ。動くはず無いわ」
ミサト「インターフェースも無しに反応している、というより守ったの…彼を?…行ける!」
シンジ「(にげちゃだめだ‥にげちゃだめだ‥にげちゃだめだ‥にげちゃだめだ‥にげちゃだめだ‥っ)
やります‥僕が乗ります」 メカニック男「冷却終了」
メカニック男「右腕の再固定完了」
メカニック男「ケージ内全てドッキング位置」
マヤ「了解。停止信号プラグ排出終了」
メカニック男「了解。エントリープラグ挿入」
メカニック女「脊髄連動システムを解放、接続準備」
メカニック男「プラグ固定終了」
メカニック男「第一次接続開始」
マヤ「エントリープラグ注水」
シンジ「え?なんですかこれ?」
リツコ「大丈夫。肺がLCLで満たされれば直接血液に酸素を取り込んでくれます。すぐに慣れるわ」
シンジ「ぶはぁ…気持ちわるい…」
ミサト「我慢なさい!男の子でしょ!」
シンジ「うぅ…」
メカニック男「主電源接続」
メカニック男「全回路、動力伝達問題なし」
リツコ「了解」
マヤ「第2次コンタクトに入ります。A10神経接続異常なし」 メカニック女「LCL転化率は正常」
リツコ「思考形態は、日本語を基礎原則としてフィックス。初期コンタクト、全て問題なし」
マヤ「双方向回線、開きます。シンクロ率、41.3%」
リツコ「すごいわね」
マヤ「ハーモニクス、すべて正常値。暴走、ありません」
リツコ「いけるわ!」
ミサト「‥発進、準備!!」 メカニック男「発進準備!第一ロックボルト外せ!」
メカニック男「形状確認!アンビリカルブリッジ、移動開始!」
メカニック男「第二ロックボルト外せ!」
メカニック男「第一拘束具、除去。同じく、第二拘束具を除去。一番から十五番までの、安全装置を解除」
メカニック女「解除確認。現在、初号機の状況はフリー」
メカニック男「外部電源、充電完了。外部電源接続、異常なし」
マヤ「了解、EVA初号機、射出口へ!」 マヤ「進路クリアー、オールグリーン」
リツコ「発進準備完了!」
ミサト「了解。構いませんね?」
ゲンドウ「もちろんだ。使徒を倒さぬ限り我々に未来は無い」
冬月「碇。本当にこれで良いんだな?」
ゲンドウ「…」
ミサト「発進!
(シンジ君、死なないでよ)」 予告
EVAは使徒に勝つ。
だがそれは全ての始まりに過ぎなかった。
父親から逃げるシンジ。
ミサトの傲慢は、自分が彼を救おうと決心させる。
次回、「見知らぬ、天井」。
この次も、サービス、サービスぅ! ○洞木邸。寝室。
シンジ「新世紀エヴァンゲリオンとは」
ヒカリ「うん」
シンジ「命を吹き込まれた、綾波と
アスカの悲劇と」
シンジ「僕と綾波の伝説を覆して
みせたイインチョの物語だったんだ」
ヒカリ「そうだね」
シンジ「綾波とカヲル君だと思ってると
よくわからない劇場版の台詞も」
シンジ「イインチョとカヲル君だとわかれば」
ヒカリ「うん」
シンジ「少し、わかるようなきがするよ」 ○洞木邸。ダイニングキッチン。トーストをかじっている
シンジとヒカリ。
シンジ「加持さんと話してた赤い原付バイク、
イインチョだったんだ」
ヒカリ「前にさ、グランドヒカリって新幹線あったんだ」
シンジ「グランドピアノって、それにかけてるのか」
ヒカリ「私は、ピアノなのかな」
シンジ「三位一体って難しくてよくわからない
けど、そんな感じなのかもしれないね」 ミサト「いいわね、シンジ君?」
シンジ「は、はい」
ミサト「最終安全装置、解除!
エヴァンゲリオン初号機、リフトオフ!」
リツコ「シンジ君、今は歩くことだけ、考えて」
シンジ「歩く…」
リツコ「歩いた!」
シンジ「歩く…」 ミサト「シンジ君、しっかりして!早く…早く起き上がるのよ!」 ミサト「シンジ君、落ち着いて!あなたの腕じゃないのよ!」
リツコ「エヴァの防御システムは?」
マヤ「シグナル、作動しません」
マコト「フィールド、無展開!」
リツコ「だめか!」
マヤ「左腕損傷!」
マコト「回路断線!」
ミサト「シンジ君、よけて!」
マヤ「頭蓋前部に、亀裂発生!」
リツコ「装甲が、もう、持たない!」
シゲル「頭部破損、損害不明!」
マヤ「制御神経が、次々と断線していきます!」
マコト「パイロット、反応ありません!」
ミサト「シンジ君!」 人類補完>委員「使徒再来か。あまりに唐突だな」
人類補完>委員「15年前と同じだよ。災いは何の前触れも無く訪れるものだ」
人類補完>委員「幸いともいえる。われわれの先行投資が無駄にならなかった点においてはな」
人類補完>委員「そいつはまだ分からんよ。役に立たなければ無駄と同じだ」
委員「左様。今や衆知の事実となってしまった使徒の処置、情報操作、ネルフの運用はすべて適切かつ迅速に処理してもらわんと困るよ」
ゲンドウ「その件についてはすでに対処済みです。ご安心を」 ○洞木邸。居間。桜流しを観ているシンジ
とヒカリ。
シンジ「ミサトさんとトウジの妹さんは?」
ヒカリ「カタチを変えて、居るのかもしれないね」
シンジ「この雑草みたいな花が、そうなのかな」
ヒカリ「葛とサクラソウ・・・?」
シンジ「トウジはピアノの椅子かな」
ヒカリ「そうかもしれないね」 シンジ「すると最後に宇宙に飛んで
行ったのは?」
ヒカリ「碇クンのお母さん」 俺、死ぬ前に小学生の頃を一日でいいから、またやってみたい
わいわい授業受けて、体育で外で遊んで、学校終わったら夕方までまた遊ぶんだ
空き地に夕焼け、金木犀の香りの中家に帰ると、家族が「おかえり〜」と迎えてくれて
TV見ながら談笑して、お母さんが晩御飯作ってくれる(ホントありがたいよな)
お風呂に入って上がったらみんな映画に夢中になってて、子供なのにさもわかってるように見入ってみたり
でも、全部見終える前に眠くなって、お部屋に戻って布団に入る
みんなのいる部屋の光が名残惜しいけど、そのうち意識がなくなって...
そしてそのまま死にたい ○洞木邸。居間。
シンジ「僕は、もう一度会いたいと思った」
ヒカリ「・・私達が、道路に立ってるシーンだね」
シンジ「うん。カヲル君の隣で駐禁の違反してる
黒っぽい車」
シンジ「あれ、トウジかな」
ヒカリ「うん」 ○洞木邸。寝室。
シンジ「新劇は、桜流しで終わりだ」
ヒカリ「碇クンとアスカの間のガラスが、伏線に
なってたんだね」
シンジ「うん。今回は涙じゃなくて」
シンジ「僕と、触れあう事だったんだ」 録画はしてるけど当時の気分を味わうため出来るだけ放送時間に見てる
考察なんか全部わすれて素直な気持ちで初めから見るつもり
やっぱインパクトというか雰囲気が独特だよね
鬱モードに入ったのは後半とか言われてたけど第二話にしてこの雰囲気だものね ○洞木邸。寝室。
シンジ「劇場版では僕がイインチョの中に、
あの、その・・・」
ヒカリ「うん」
シンジ「山の方に向かってく、大勢の人達の
描写もあった」
ヒカリ「新劇場版はそういうの、なかったね」
シンジ「何か、唐突に終わった感じだ」
ヒカリ「うん」 ○洞木邸。居間。
シンジ「エヴァの核心部、メインイベントは」
ヒカリ「私と碇クンがひとつになって・・・。
その後」
シンジ「賢者モードになった僕が、イインチョと
カヲル君から説教を受けるシーンなんだ」
ヒカリ「閉塞の拡大って、いうんだよね」
シンジ「それをまだ、やってないよ!」
ヒカリ「別にいいじゃない。こうして
一緒に居るんだからさ」
シンジ「うん」 シンジ「新劇のコミック版、でないのかな」
ヒカリ「新世紀エヴァンゲリオンのコミックは
凄く売れたんだよね」
シンジ「あんな感じで描けば登場キャラの
ファンの人に、売れると思うんだ」
ヒカリ「うん」 テレビ「昨日の特別非常事態宣言に対する政府発表が今朝、第一…」
テレビ「今回の事件には…」
テレビ「在日国連軍の…」
ミサト「発表はシナリオB-22か」
マヤ「はい、爆心地における汚染の心配はありません。使徒のサンプルはエヴァに付着していたもの以外はまだ何も。
そうです、模擬シミュレーションの通り、その99.9%が蒸発したものと思われます」
ミサト「またも事実は闇の中ね」
リツコ「広報部は喜んでいたわよ。やっと仕事ができたって」
ミサト「うちもお気楽なもんねぇ」
リツコ「どうかしら。本当はみんな恐いんじゃない?」
ミサト「あったりまえでしょ…」 委員「ま、そのとおりだな」
委員「しかし碇君、ネルフとエヴァ、もう少しうまく使えんのかね?」
委員「零号機に引き続き、君らが初陣で壊した初号機の修理代。国が一つ傾くよ」
委員「聞けばあのオモチャは君の息子に与えたそうではないか」
委員「人、時間、そして金。親子そろっていくら使ったら気が済むのかね?」
委員「それに君の仕事はこれだけではあるまい。人類補完計画、これこそが君の急務だ」
委員「左様。その計画こそがこの絶望的状況下における唯一の希望なのだ。我々のね」
キール「いずれにせよ、使徒再来における計画スケジュールの遅延は認められん。予算については一考しよう」
委員「では、後は委員会の仕事だ」
委員「碇君、ご苦労だったな」
キール「碇、後戻りはできんぞ」
ゲンドウ「分かっている。人間には時間がないのだ」 ミサト「やっぱクーラーは人類の至宝、まさに科学の勝利ね」
リツコ「シンジ君が気付いたそうよ」
ミサト「で、容体はどうなの?」
リツコ「外傷は無し。少し記憶に混乱が見えるそうだけど」
ミサト「まさか、精神汚染じゃ!」
リツコ「その心配はないそうよ」
ミサト「そう…そうよねー、いっきなりあれだったもんね」
リツコ「無理も無いわ。脳神経にかなりの負担がかかったもの」
ミサト「心…の間違いじゃないの?」 初見で1話と2話見たけど独特の雰囲気だな
コンビニに寄るシーンだけでも他と違う空気
なんなんだろう
今後鬱展開になるらしいが1話見たら鬱になるの分かるわ
見続けられるかやや不安 >>122
ここはコピペキチガイが住み着いてるのでこっちのスレで語ろう
【BSプレミアム】旧エヴァ初見専用スレ [無断転載禁止]2ch.net
http://hayabusa6.2ch.net/test/read.cgi/eva/1474240827/ >>123
おお、初見専用のスレがあったのか
サンクス 作業員「オーライオーライ!」
作業員「よーし、そのまま!」
ミサト「…エヴァとこの町が完全に稼動すれば、いけるかもしれない」
リツコ「使徒に勝つつもり?相変わらず楽天的ね」
ミサト「あら、希望的観測は、人が生きていくための必需品よ」
リツコ「…そうね。あなたのそういうところ、助かるわ」
ミサト「じゃ」 アナウンス「第一内科のウガイ先生、ウガイ先生、至急、第一外科のアズマ先生までご連絡ください」
アナウンス「E事件の医療会議は予定通りに行われます。担当者は第2会議室へ集まってください」
リツコ「よろしいのですね、同居ではなくて」
冬月「碇たちにとってはお互いにいない生活が当たり前なのだよ」
リツコ「むしろ、一緒にいるほうが不自然、ですか…」 ミサト「一人でですか?」
ネルフ職員「そうだ。彼の個室はこの先の第6ブロックになる。問題は無かろう」
シンジ「はい」
ミサト「それでいいの?シンジ君」
シンジ「いいんです。一人のほうが。どこでも同じですから」
ミサト「…」 リツコ「なんですって?」
ミサト「だから、シンジ君は私んとこで引き取ることにしたから。上の許可も取ったし。心配しなくても子供に手ぇ出したりしないわよ」
リツコ「当たり前じゃないの!まったく何考えてるの、あなたって人は!いっつも…」
ミサト「相変わらずジョークの通じない奴…」 ミサト「さぁーて、今夜はパーっとやらなきゃね」
シンジ「何をですか?」
ミサト「もちろん、新たなる同居人の歓迎会よ」 主婦A「やっぱり、引っ越されますの?」
主婦B「まさかここが本当に戦場になるとは思ってもみませんでしたから」
主婦A「うちも主人が私と子供だけでも疎開しろって」
主婦B「疎開ねぇ。いくら要塞都市だからと言ったって、何一つ当てにできませんものね」
主婦A「昨日の事件思い出しただけでもぞっとしますわぁ」 ミサト「すまないけど、ちょーっち寄り道するわよ」
シンジ「どこへですか?」
ミサト「うふ、い・い・と・こ・ろ!」
シンジ「なんだか寂しい街ですね…」
ミサト「時間だわ」
シンジ「すごい!ビルが生えてく!」
ミサト「これが使徒迎撃専用要塞都市…第3新東京市。私たちの街よ。
そして、あなたが守った街…」
シンジ「…」 ミサト「シンジ君の荷物はもう届いてると思うわ。実は私も先日この町に引っ越してきたばっかりでね…さ、入って」
シンジ「あの…お邪魔します」
ミサト「…シンジ君、ここはあなたの家なのよ」
シンジ「た、ただいま…」
ミサト「おかえりなさい」 ミサト「まあ、ちょーっち散らかってるけど、気にしないでね」
シンジ「これが…ちょっち?」
ミサト「あ、ごめん、食べ物を冷蔵庫に入れといて」
シンジ「あ、はい…
氷…つまみ…ビールばっかし。どんな生活してるんだろ。あの、あっちの冷蔵庫は?」
ミサト「ああ、そっちはいいの。まだ寝てると思うから」
シンジ「寝てる?」 ミサト「いっただきまーす!」
シンジ「いただきます…」
ミサト「んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、ぷはーっ!かぁーっ!やっぱ人生この時のために生きてるようなもんよねぇ。
食べないの?結構旨いわよ、インスタントだけど」
シンジ「いえ、あの、こういう食事、慣れてないんで…」
ミサト「だめよ!好き嫌いしちゃあ!」
シンジ「あっ、いや、あ、違うんです…あのぉ…」
ミサト「楽しいでしょ?こうして他の人と食事すんの」
シンジ「あ、あ、はい…」 ミサト「じゃあ、次いくわよ…ジャンケンポン!ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!あー悪いわねーシンジ君。
よし、公平に決めた生活当番もこれでオールOKね!」
シンジ「はい…」
ミサト「さて、今日からここはあなたの家なんだから、何にも遠慮なんて要らないわよ」
シンジ「あ、あ、はい…」
ミサト「もー、はいはいはいはいって、辛気臭いわねえ。おっとこのこでしょう!しゃきっとしなさいしゃきっと!」
シンジ「はい…」
ミサト「まあいいわ、いやなことはお風呂に入って、パーっと洗い流しちゃいなさい!風呂は命の洗濯よ」 ペンペン「ワキャキャキャキャキャキャキャ!」
シンジ「うわああああああ!みみみみミサトさーん!」
ミサト「なに?」
シンジ「ああっ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あれ?」
ミサト「ああ、彼?新種の温泉ペンギンよ」
ペンペン「クワッ」
シンジ「あ、あれ…」
ミサト「名前はペンペン。もう一人の同居人。それより、前、隠したら?」
シンジ「うわあっ!」
ミサト「チトわざとらしくはしゃぎすぎたかしら?見透かされているのはこっちかもね」 シンジ「(葛城ミサトさん…か。悪い人じゃないんだ…)」
(ミサト「風呂は命の洗濯よ」)
シンジ「(でも、風呂っていやなこと思い出すほうが多いよな…)
(父さんと…)綾波レイか…」 リツコ「レイの様子はいかがでしたか?」
ゲンドウ「………」
リツコ「午後、行かれたのでしょう?病院に」
ゲンドウ「後20日もすれば動ける。それまでに凍結中の零号機の再起動を取り付ける予定だ」
リツコ「つらいでしょうね、あの子達」
ゲンドウ「エヴァを動かせる人間は他にはいない。生きている限りそうしてもらう」
リツコ「子供たちの意志に関係なく、ですか?」 ミサト「そう、あんな目に遭ってるのよ…また乗ってくれるかどうか…」
リツコ「彼のメンテナンスも、あなたの仕事でしょう?」
ミサト「恐いのよ…どう触れたらいいか分からなくて…」
リツコ「もう泣き言?自分から引き取るって、大見得切ったんじゃない」
ミサト「うっさい!
(あの時、私はシンジ君を自分の道具としてみていた…リツコと同じか…)
(あの使徒を倒したというのに…)嬉しくないのね…」 シンジ「(ここも、知らない天井…当たり前か、この街で知っているとこなんて、どこにも無いもんな…)」
(ミサト「ここは、あなたの家なのよ」)
シンジ「(なんでここにいるんだろう…)」 シゲル「頭部破損、損害不明!」
オペレータ「活動維持に問題発生!」
ミサト「状況は!?」
マヤ「シンクログラフ反転、パルスが逆流しています!」
リツコ「回路遮断、塞き止めて!」
マヤ「だめです、信号拒絶、受信しません!」
ミサト「シンジ君は!?」
マコ「モニター反応無し、生死不明!」
シゲル「初号機、完全に沈黙!」
リツコ「ミサト!」
ミサト「ここまでね…作戦中止、パイロット保護を最優先!プラグを強制射出して!」
マヤ「だめです、完全に制御不能です!」
ミサト「なんですって?」 オペレータ「エヴァ、再起動!」
マヤ「そんな、動けるはずありません!」
ミサト「まさか…」
リツコ「暴走!?」
冬月「勝ったな」 リツコ「A.T.フィールド!?」
ミサト「だめだわ、A.T.フィールドがある限り」
リツコ「使徒には接触できない!」
シゲル「左腕復元!」
ミサト「すごい…」
マヤ「初号機もA.T.フィールドを展開…位相空間を中和していきます!」
リツコ「いいえ、侵蝕しているのよ…」
ミサト「あのA.T.フィールドをいとも簡単に…
自爆する気!?」 ミサト「エヴァは…?」
リツコ「あれがエヴァの…」
ミサト「本当の姿…」 シゲル「回路、接続」
オペレータ「システム回復、グラフ正常位置」
マコト「パイロットの生存を確認」
リツコ「機体回収班、急いで!」
ミサト「パイロット保護を最優先に!」
シンジ「ああ、あっ…うわあああああああ!!!」 ミサト「シンジ君…開けるわよ…。
一つ言い忘れてたけど、あなたは人にほめられる立派なことをしたのよ。胸を張っていいわ。
おやすみ、シンジ君。
がんばってね」 ○洞木邸。寝室。
シンジ「ミサトさんって、イインチョと入れ替わってたんだ」
シンジ「参号機を動かしてたのと、松代に出かける
〜怪我をしているミサトさん、はイインチョだった」
ヒカリ「怪我の場所と台詞で、わかる?」
シンジ「リツコさんのお母さんにバアサンって
言ってたのもイインチョだから、新劇の脳味噌汁が、
ギャグとして成立するんだね」
ヒカリ「うん」
シンジ「最後にミサトさんがカタチだけでも残る理由って
そういう事なんだ」
ヒカリ「うん」 一方通行
「こいつ、疑似シン化形態を超えているぞ!
シンクロ率は400%以上なのは間違いない!」
御坂美琴
「ついに、フォースインパクトの扉を開いたのね…。
インデックスは一体何をやっているのかしら?」 一方通行
「ガフの扉がまだ閉じないぞ!
シンジ君はゼーレへの保険なのか?
後四マツは済んだ!しっかりしろ!シンジ君!
ぐずるな!せめて、御坂やインデックスを助けろ!男だろ!
ついでに、少しは世間を知るんだ!」 ○洞木邸。寝室。
シンジ「リツコさんのお母さんに殺された
女の子がイインチョだとすると、13話の
使徒の正体はイインチョ、って事になるじゃないか」
ヒカリ「そういえばさ、団地の部屋に似たような
黒いシミがあったね」
シンジ「零号機がパイロット拒絶して
暴走した原因って、なんだろう?」
ヒカリ「パイロットが私だったから、とか
かなあ」
シンジ「成功した時に口からでたのは
泡じゃない何かで、綾波は最初から
イインチョの分身だった。ダミーはそれ用に
造ったんだ」
「23話は、どういう事?」
シンジ「もう要らなくなった、って事かな?
アスカと、同じだ」
ヒカリ「うん」
シンジ「でも、初号機の中に居る本物の綾波
もちゃんと居たんだよ」
ヒカリ「・・・え?」
シンジ「僕が病院のベッドにいる時、現れたんだ。
目が赤くなくて、ちょっと、おぼろげな感じ」
ヒカリ「そうだったんだ」
シンジ「うん」 ○洞木邸。ダイニングキッチン。トーストをかじっている
シンジとヒカリ。
シンジ「7話のミサトさんもイインチョだったね。あ、ネルフに
居たのは本物のミサトさんだったけど」
ヒカリ「うん。JAのデザインも、私のイメージなんだ」
シンジ「モニターではイインチョが敗北していて、それで危機が
回避されたというオチだった」
ヒカリ「たらい回しの電話って、怪獣と関係あるのかな」
シンジ「3つまでわかったよ」
ヒカリ「そういえば、時田って人」
シンジ「ブラックホール第3惑星人みたいな台詞、言ってたね」 ○洞木邸。居間。
ヒカリ「12話の使徒の元ネタって、なんだったの?」
シンジ「イデオンにでてくる、ガンド・ロワじゃないかな」 予告
新たな生活を、状況に流されるまま送るシンジに、友人が生まれるはずも無かった。
だが、EVAのパイロットである事実は、彼を人気者にする。
次回、「鳴らない、電話」。
この次も、サービスしちゃうわよんっ! リツコ「おはようシンジ君、調子はどう?」
シンジ「慣れました、悪くないと思います」
リツコ「それは結構。エヴァの出現位置、非常用電源、兵装ビルの配置、回収スポット、全部頭に入っているわね?」
シンジ「多分…」
リツコ「では、もう一度おさらいするわ。
通常EVAは有線からの電力供給で稼動しています。非常時に体内電池に切り替えると、
蓄電容量の関係でフルで1分、ゲインを利用してもせいぜい5分しか稼動できないの。
これが私たちの科学の限界ってわけ。お分かりね」
シンジ「はい…」
リツコ「では昨日の続き、インダクションモード、始めるわよ。
目標をセンターに入れて。
スイッチオン。
落ち着いて、目標をセンターに」
シンジ「スイッチ…」
リツコ「次」
マヤ「しかし、よく乗る気になってくれましたね、シンジ君」
リツコ「他人の言う事にはおとなしく従う、それがあの子の処世術じゃないの?」
シンジ「目標をセンターに入れてスイッチ…目標をセンターに入れてスイッチ…目標をセンターに入れてスイッチ…
目標をセンターに入れてスイッチ…目標をセンターに入れて…」 テレビ「それではスタジオから、松崎のシノハラナツコさーん!
テレビ「はい、おはようございます、シノハラです!今朝は何と、西伊豆の松崎へ、ダイビングに来てるんですよ!
本日も西伊豆地方は今日も快晴!予想最高気温は…」
シンジ「ねえ、ミサトさん…もう朝なんですけど…」
ミサト「ん〜、さっきまで当直だったの…今日は夕方までに出頭すればいいの…だから、寝かせて〜」
シンジ「じゃ、僕…」
ミサト「今日、木曜日だっけ!?燃えるゴミ、お願いね〜」
シンジ「…はい」
ミサト「学校のほうは、もう慣れた?」
シンジ「ええ…」
ミサト「そう、行ってらっしゃい…」
シンジ「行ってきます…」 ミサト「ううん、うーん…はい、もしもし…なんだ、リツコか…」
リツコ「どう?彼氏とはうまくいってる?」
ミサト「彼?…ああ、シンジ君ね…転校して二週間、相変わらずよ…いまだに誰からも電話かかってこないのよね…」
リツコ「電話?」
ミサト「必須アイテムだから、ずいぶん前に携帯渡したんだけどね、自分で使ったり、
誰からもかかってきた様子、ないのよ…あいつ、ひょっとして友達いないんじゃないかしら」
リツコ「シンジ君て、どうも友達作るのには不向きな性格かもしれないわね…ヤマアラシのジレンマ、って話知ってる?」
ミサト「ヤマアラシ?あのとげとげの?」
リツコ「ヤマアラシの場合、相手に自分の温もりを伝えたいと思っても、身を寄せれば寄せるほど、
体中の棘でお互いを傷つけてしまう。人間にも同じことがいえるわ。
今のシンジ君は、心のどこかで痛みに怯えて、臆病になっているんでしょうね」
ミサト「ま、そのうち気付くわよ…大人になるってのは近づいたり離れたりを繰り返して、お互いがあんまり傷つかずに済む距離を…見つけ出す、ってことに…」 ケンスケ「ギューン!ダダダダダダダダ!グワーン!
なに?委員長?」
ヒカリ「昨日のプリント、届けてくれた?」
ケンスケ「え、あ、いや、トウジのうち、なんか留守みたいでさ…」
ヒカリ「相田君、鈴原と仲いいんでしょう?2週間も休んで、心配じゃないの?」
ケンスケ「大怪我でもしたのかなあ?」
ヒカリ「ええっ、例のロボット事件で?テレビじゃ一人もいなかったって…」
ケンスケ「まさか…鷹巣山の爆心地、見たろ?入間や小松だけじゃなくて、三沢や九州の部隊まで出動してるんだよ。
絶対、10人や20人じゃ済まないよ…死人だって…
トウジ…」
ヒカリ「鈴原…」 トウジ「何や、ずいぶん減ったみたいやなぁ」
ケンスケ「疎開だよ、疎開。みんな転校しちゃったよ。町中であれだけ派手に、戦争されちゃあね」
トウジ「喜んどるのはおまえだけやろなぁ、生のドンパチ見れるよってに」
ケンスケ「まあね…トウジはどうしてたの?こんなに休んじゃってさ。
この間の騒ぎで、巻き添えでも食ったの?」
トウジ「妹のやつがな…
妹のやつが瓦礫の下敷きになってもうて、命は助かったけど、ずっと入院しとんのや。
うちんとこ、オトンもオジイも研究所勤めやろ?今職場を離れるわけにはいかんしな。
俺がおらんと、あいつ、病院で一人になってまうからな。
しっかし、あのロボットのパイロットはほんまにヘボやなあ!むちゃくちゃ腹立つわ!味方が暴れてどないするっちゅうんじゃ!」
ケンスケ「それなんだけど、聞いた?転校生の噂」
トウジ「転校生?」
ケンスケ「ほら、あいつ。トウジが休んでる間に転入してきたやつなんだけど、あの事件の後にだよ。変だと思わない?」 ヒカリ「起立!」
老教師「えー、このように、人類はその最大の試練を迎えたのであります。
20世紀最後の年、宇宙より飛来した大質量の隕石が南極に衝突、
氷の大陸を一瞬にして融解させたのであります。
海洋の水位は上昇し、地軸も曲がり、生物の存在をも脅かす異常気象が世界中を襲いました。
そして、数千種の生物とともに、人類の半分が永遠に失われたのであります。
これが世に言う、「セカンドインパクト」であります。
経済の崩壊、民族紛争、内戦、その後生き残った人々もありとあらゆる地獄を見ました」
シンジ「ん…あ…」
老教師「だが、あれから15年、わずか15年で私たちはここまで復興を遂げる事ができたのです」
コンピュータのモニター「碇君があのロボットのパイロットというのはホント? Y/N」
シンジ「はっ!」 老教師「それは私たち人類の優秀性もさる事ながら、」
コンピュータのモニター「ホントなんでしょ? Y/N」
老教師「皆さんのお父さん、お母さんの血と、汗、涙、努力の賜物と」
シンジ(キー入力)「''''YES」
老教師「言えるでありましょう」
シンジ(キー入力)「(リターンキー)」
クラス「ええーっ!」
老教師「そのころ私は根府川に住んでいましてねえ。今はもう海の…」
ヒカリ「ちょっとみんな、授業中でしょう!席に着いてください!」
女子「あー、またそうやってすぐに仕切るー!」
男子「いーじゃん、いーじゃん!」
ヒカリ「よくない!」
女子「ねえねえ、どうやって選ばれたの?」
女子「ねえ、テストとかあったの?」
女子「恐くなかった?」
女子「操縦席ってどんなの?」
シンジ「いや、あの、そういうの、秘密で…」
男子「えー、なんだよそれー!」
女子「ねえねえ、あのロボット、なんて名前なの?」
シンジ「よくわかんないけど、みんなが、エヴァとか初号機って…」
女子「エヴァ?」
男子「必殺技は?」
シンジ「何とかナイフっていって、振動が…えっと、超音波みたいな…」
女子「でも凄いわ、学校の誇りよねえ!」
老教師「で、ありますから…ああ、では今日はこれまで」
女子「碇君、どこに住んでるの?」
女子「旧市街のほう?」
ヒカリ「起立、礼!ちょっと、みんな、最後ぐらいちゃんと…」
女子「凄いよねー」 トウジ「済まんな、転校生、わいはお前をなぐらなあかん。なぐっとかな気がすまへんのや」
シンジ「…」
ケンスケ「悪いね…こないだの騒ぎであいつの妹さん、怪我しちゃってさ…ま、そういうことだから…」
シンジ「…僕だって、乗りたくて乗っているわけじゃないのに」
トウジ「…!」
シンジ「…」
レイ「…非常召集…先、行くから」 ○洞木邸。寝室。
ヒカリ「ねぇ、10話の使徒の元ネタって、何だったの?」
シンジ「セガのUFOキャッチャーだよ。でも中に僕の本当の
体が入っていた、って事なのかな」
ヒカリ「アスカが妊婦さんの恰好になってUFOキャッチャー
をして、それを取り損ねたって話なんだね」
シンジ「うん。ところであの回、プールに現れたアスカは
イインチョだったんだね」
ヒカリ「うん」
シンジ「後、桜流しにも出てくるね、ゴンドラ。どうして
ゴンドラなんだろう・・」
ヒカリ「どうしてだろうね」 ○洞木邸。居間。
ヒカリ「11話の使徒って」
シンジ「変圧器と亀を足して2で割った
様な使徒だったね。虫の類とは何の
関係も無いよ。行動はウミガメの産卵で
選挙カーが卵なんだ」
ヒカリ「日向さんが高い橋から覗いて
見つけたのよ。だから高橋覗」 ○洞木邸。居間。
シンジ「1話から6話の途中までイインチョで
6話の途中から母さんだった」
ヒカリ「初号機の話?」
シンジ「うん」 ○洞木邸。寝室。
ヒカリ「5番目の使徒が現れた時の
初号機は誰も居ない状態で」
シンジ「つまりイインチョも母さんも居ない
状態で、5番目の使徒の正体が
イインチョなんだ」
ヒカリ「羽は塔ノ沢のところに置いて
あったの」
シンジ「それで、次がミサトさんなんだね」
ヒカリ「うん」 放送『ただいま、東海地方を中心とした、
関東・中部の全域に、特別非常事態宣言が発令されました。
速やかに指定のシェルターに非難してください。繰り返しお伝え致します…』 シゲル「目標を光学で捕捉、領海内に侵入しました」
冬月「総員、第一種戦闘配置!」
オペレータ「了解、対空迎撃戦、用意!」
マコト「第3新東京市、戦闘形態に移行します」
オペレータ「中央ブロック、収容開始」 オペレータ「中央ブロック、および、第1から第7管区までの収容完了」
シゲル「政府、および関係各省への通達、終了」
オペレータ「現在、対空迎撃システム稼働率、48%」
ミサト「非戦闘員、および民間人は?」
シゲル「既に、待避完了との報告が入っています」 放送『小中学生は各クラス、住民の方々は各ブロックごとにお集まりください』
放送『第7…』
ケンスケ「ええっ、まただ!」
トウジ「また文字だけなんか?」
ケンスケ「報道管制、ってやつだよ。僕ら民間人には見せてくれないんだ。
こんなビックイベントだっていうのに!」 ミサト「碇司令の居ぬ間に第4の使徒襲来…意外と早かったわね」
マコト「前は15年のブランク、今回はたったの3週間ですからね」
ミサト「こっちの都合はお構い無しか。女性に嫌われるタイプね」
冬月「税金の無駄遣いだな」
シゲル「委員会から、再びエヴァンゲリオンの出動要請が来ています」
ミサト「うるさい奴等ね。いわれなくても出撃させるのに」 オペレータ「エントリー、スタートしました」
マヤ「L.C.L.電荷」
オペレータ「圧着ロック、解除」
シンジ「(父さんがいないのに、なんでまた乗ってるんだろう。人に殴られてまで…)」 ケンスケ「ねえ、ちょっと二人で話があるんだけど…」
トウジ「なんや?」
ケンスケ「ちょっと、な?」
トウジ「しゃーないなあ」
トウジ「委員長!」
ヒカリ「何?」
トウジ「わしら二人、便所やー」
ヒカリ「もう、ちゃんと済ませときなさいよ!」 トウジ「で、何や?」
ケンスケ「死ぬまでに、一度だけでも見たいんだよ」
トウジ「上のドンパチか?」
ケンスケ「今度いつまた、敵が来てくれるかどうか、分かんないし」
トウジ「ケンスケ、おまえなぁ…」
ケンスケ(軍人口調で)「この時を逃しては、あるいは、永久に!」
ケンスケ「なあ、頼むよ、ロック外すの手伝ってくれ」
トウジ「外に出たら、死んでまうで?」
ケンスケ「ここにいたって分からないよ。どうせ死ぬなら、見てからがいい」
トウジ「あほ!何のためにネルフがおるんじゃ」
ケンスケ「そのネルフの決戦兵器って何なんだよ?あの転校生のロボットだろ?この前もあいつが俺達を守ったんだ。
それをあんな風に殴ったりして。それも二度も」
トウジ「う…」
ケンスケ「あいつがロボットに乗らない、なんて言い出したら、俺達死ぬぞ。
トウジには、あいつの戦いを見守る「義務」があるんじゃないのか?」
トウジ「しゃーないなぁ。おまえ、ホンマ、自分の欲望に素直なやっちゃなあ」 ミサト「シンジ君、出撃、いいわね?」
シンジ「はい…」
リツコ「よくって?敵のA.T.フィールドを中和しつつ、パレットの一斉射、練習通り、大丈夫ね?」
シンジ「はい…」
ミサト「発進!」 ケンスケ「凄い!これぞ苦労の甲斐もあったと言うもの!おっ、待ってました!」
ケンスケ「出た…」 シンジ「目標をセンターに入れてスイッチ、目標をセンターに入れてスイッチ、目標をセンターに入れてスイッチ…」
マヤ「A.T.フィールド、展開」
ミサト「作戦通り、いいわね?」
シンジ「はい」 トウジ「なんや、もうやられとるで!?」
ケンスケ「大丈夫…」
ミサト「予備のライフルを出すわ。受けとって!シンジ君?…シンジ君!?」
ケンスケ「あっちゃー、やっぱ、殴られたのが効いてるのかなぁ」
トウジ「う、うるさいな!」 シゲル「アンビリカルケーブル、断線!」
マコト「エヴァ、内蔵電源に切り替わりました!」
マヤ「活動限界まで、後4分53秒!」
ケンスケ「こっちに来る!」
ケンスケ・トウジ「うわああああああああああああ!」
ミサト「シンジ君、大丈夫?シンジ君!?ダメージは?」
マコト「問題なし、いけます」 ミサト「シンジ君のクラスメート?」
リツコ「何故こんな所に?」
トウジ「なんで闘わんのや?」
ケンスケ「僕らがここにいるから、自由に動けないんだ!」
マヤ「初号機、活動限界まで、後3分28秒!」
ミサト「シンジ君、そこの2人を操縦席へ!」 ミサト「2人を回収したのち一時退却、出直すわよ!」
リツコ「許可のない民間人を、エントリープラグに乗せられると思っているの!?」
ミサト「私が許可します」
リツ「越権行為よ!葛城一尉!」
マヤ「初号機、活動限界まで後3分」
ミサト「エヴァは現行命令でホールド、その間にエントリープラグ排出、急いで!」
ミサト「そこの2人、乗って!早く!」
トウジ「なんや、水やないか!」
ケンスケ「カメラ、カメラが…」
マヤ「神経系統に異常発生!」
リツコ「異物を2つもプラグに挿入したからよ!神経パルスにノイズが混じっているんだわ!」 ミサト「回収ルートは34番、山の東側へ後退して!」
トウジ「転校生、逃げろゆうとるで!転校生!」
シンジ「逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ」
マコト「プログレッシブナイフ、装備!」
ミサト「シンジ君、命令を聞きなさい!退却よ!シンジ君!」
シンジ「わああああああああああ!」
ミサト「あの、バカ!」
シンジ「うわああああああああ!」
マヤ「初号機、活動限界まで後30秒!28、27、26、25」
シンジ「うわああああああああ!」
マヤ「14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1!」 マヤ「エヴァ初号機、活動を停止」
マコト「目標は、完全に沈黙しました」
トウジ「…」 トウジ「今日で、もう3日か…」
ケンスケ「俺達が、こってりと叱られてから?」
トウジ「あいつが学校に来んようになってからや」
ケンスケ「あいつって?」
トウジ「転校生や、転校生…あれからどないしとんのやろ…」
ケンスケ「心配なの?」
トウジ「別に、心配、っちゅうわけじゃ…」
ケンスケ「トウジは不器用なくせに強情だからね…
あの時、別れ際にでも謝っておけば、3日も悶々としないで済んだのに。
ほら、転校生の電話番号。心配だったら、かけてみたら?」
トウジ「…」 ○洞木邸。寝室。
シンジ「6番目の使徒の元ネタって、なんだろう」
ヒカリ「入れてたのは、戦艦2隻だったね」
シンジ「そうか、あの使徒はコンセントの挿し込み口
なんだ・・。話は変わるけど、メガネのお姉さんが
僕にオシリ向けてたのは」
ヒカリ「バックロールエントリー」
シンジ「・・そういう事なんだ」
ヒカリ「うん」 ○洞木邸。寝室。
シンジ「最初に戦った使徒って、何だった
んだろう」
ヒカリ「顔が二つあったじゃない。大きいのと
小さいの。」
シンジ「・・・そうか。トウジの妹さんって、瓦礫の
下敷きになったんじゃないんだ。僕が
直接ケガさせちゃったんだ・・・」 ○洞木邸。居間。
シンジ「花瓶の水って、そういう事だったのか」
ヒカリ「14番目の使徒は?」
シンジ「神の腕か・・。紙の腕」
ヒカリ「あの腕って、きっとプリントの紙なんだよ。
それに授業拒絶してたわよ」
シンジ「あの使徒、先生だったんだ」 ○洞木邸。寝室。
ヒカリ「9番目の使徒の正体って
なんだったのかな?」
シンジ「あれは選挙カーが使徒の
本体なんだ。ヒカリになって街に
ヒカリが戻った。つまりイインチョじゃないか」
ヒカリ「うん」 予告
自分の心を克服できず、ミサトからも逃げ出すシンジ。
だが組織は、少年をあっさりと連れ戻す。
そこに優しい言葉は無かった。
次回、「雨、逃げ出した後」。この次も、サービス、サービスぅ! ミサト「あいつ、今日もずる休みするつもりかしら…
シンジ君!?起きなさい。いつまで学校を休む気?もう5日目よ。
初号機は完全に直っているのよ。
パイロットのあなたがそんなことでどうするの?シンジ君?
はっ…家出か…無理もないわね」 ○洞木邸。寝室。
シンジ「8話の赤白のミサトさんは
イインチョで、6番目の使徒の性別は
女なんだ」
ヒカリ「どうして女だ、ってわかるのよ」
シンジ「コンセントの受け口だからね・・。
あの使徒は僕とアスカを咥えていて」
ヒカリ「赤のジャケットと深緑のブーツ」
シンジ「うん。6番目の使徒は、ミサトさん
だったんだよ」 ミサト「シンジ君!?」
トウジ&ケンスケ「うっ…」
トウジ「あの、えっと」
ケンスケ「碇君と同じクラスの、相田と鈴原と申します」
ミサト「相田君と鈴原君…」
トウジ&ケンスケ「はい!」
トウジ「わし…僕が鈴原です」
ミサト「あ、もしかして、初号機のエントリープラグに入った!?」
トウジ「はい!」
ケンスケ「ええ」
トウジ「その節はとんだご迷惑をおかけしました!」
トウジ&ケンスケ「実は」
トウジ「あれから碇君がずっと休んでらっしゃるので、気になって見に寄らせてもろたんですが…」
ミサト「シンジ君はね、今、ネルフの訓練施設にいるの」
トウジ「ああ、そうですか…」
ケンスケ「これ、机に溜まってたプリント…碇君の」
ミサト「わざわざ悪いわね。ありがと」
トウジ「ほな、僕ら失礼します」
ケンスケ「碇君によろしくお伝えください」
ミサト「ええ、伝えるわ。じゃ」
ケンスケ「これは予想外の展開だな」
トウジ「えらい別嬪さんやったなあ」 車内放送「次は長尾峠、長尾峠です。お出口、右側に変わります」
駅の放送「本日は、第3新東京市、第7環状線をご利用いただき、まことにありがとうございます。
この電車は当駅にて回送電車となります。どちらさまもお忘れ物の無いように、ご降車ください」
シンジ「…………帰らなきゃ…」 映画「本当に探知できなかったんですか!」
映画「そうだ、直径数十ミリの物体が、光速の数十パーセントと言う速度で南極に激突したのだ!」
映画「われわれの科学では予知も防ぐこともできなかったんだ!」
映画「外は地獄よ!これじゃ何のための科学なの?」
映画「現在、地軸変化による大気流動は3%に減少しました」
映画「じゃあ、少しは落ち着いたのかしら?」
映画「だめです、津波がきます!秒速230mで接近中!」
映画「先生!脱出しましょう!」
映画「いや、私にはここにとどまる義務がある!」
映画「先生!死ぬことは簡単です!しかし、あなたには世界の地獄を見つめる義(務が…)」 ミサト「14歳だもんね…人類の存亡を背負わせるのは、やっぱ酷よね」
リツコ「でも、私たちはエヴァの操縦を、14歳の子供達に委ねざるを得ないのよ」
ミサト「分かってる」
リツコ「で、シンジ君から連絡は?」
ミサト「……」
リツコ「無いの?」
ミサト「…無いわ。彼、もう戻らないかもしれない」
リツコ「どうするつもり?」
ミサト「別に…戻らないなら、その方がいいかも」
リツコ「なぜ?」
ミサト「この間の戦闘の後でさ…」 ミサト「どうして私の命令を無視したの?」
シンジ「ごめんなさい…」
ミサト「あなたの作戦責任者はあたしでしょ」
シンジ「はい」
ミサト「あなたには私の命令に従う義務があるの。分かるわね?」
シンジ「はい」
ミサト「今後、こういうことの無いように」
シンジ「はい」
ミサト「あんたほんとに分かってんでしょうね?」
シンジ「はい」
ミサト「あんたねぇ、なんでも適当に、はいはい言ってりゃいいってもんじゃないわよ!」
シンジ「分かってますよ、ちゃんと。もういいじゃないですか、勝ったんだから」
ミサト「そうやって表面だけ人に合わせていれば楽でしょうけどね、そんな気持ちでエヴァに乗ってたら、死ぬわよ!」
シンジ「いいですよ、そんなの」
ミサト「いい覚悟だわ、と言いたいとこだけど、誉められると思ったら大間違いよ、碇シンジ君」。
シンジ「誉められるも何も、どうせ僕しか乗れないんでしょ、乗りますよ」 リツコ「なるほどね」
ミサト「あの子にとってエヴァに乗ることが苦痛でしかないのなら、もう乗らないほうがいいわ。絶対死ぬもの」
リツコ「でも、パイロットは必要よ」 ケンスケ「ダダダダダダダダ、ドカーン!」
ケンスケ(軍人風にその1)「小隊長殿!」
ケンスケ(軍人風にその2)「行け、相田、行くんだ!」
ケンスケ(軍人風にその1)「しかし、自分は小隊長殿を置いては進めません!」
ケンスケ(軍人風にその2)「バカモン」
ケンスケ(軍人風にその1)「わあーっ!」
ケンスケ(以下通常モード)「よっ…と…ん…転校生…碇ーっ!」 ケンスケ「トウジのやつさ、反省してた。妹に説教されたらしいよ。私たちを救ってくれたのは、あのロボットなのよ、って。
小学校低学年に説教されるな、っての。ほんと。な?
夜はいいよな、あのうるさいセミが鳴かないから。小さいころは静かでよかったけど、毎年増えてる」
シンジ「生態系が戻ってる、って、ミサトさんが言ってた」
ケンスケ「フーン、ミサトさんね。まったく羨ましいよ、あんなきれいなお姉さんと一緒に住んでて、エヴァンゲリオンを操縦できて…
ああ、一度でいいから、思いのままにエヴァンゲリオンを操ってみたい!」
シンジ「やめた方がいいよ。お母さんが心配するから」
ケンスケ「ああ、それなら大丈夫、俺、そういうのいないから。…碇といっしょだよ」 ケンスケ「飯、食うだろ?」
シンジ「うん…」
シンジ「いつもこんなことしてるの?」
ケンスケ「ん、うーん、まあな」
シンジ「ゲリラ戦にでもなったときのための、訓練?」
ケンスケ「こんなおもちゃで何ができるんだよ、好きでやってるだけさ」 諜報部員「碇シンジ君だね」
シンジ「はい」
諜報部員「ネルフ保安諜報部のものだ。保安条例第8項の適用により、君を本部まで連行する。いいね」
シンジ「はい」 トウジ「そんでお前、黙って見てただけやっちゅうんかい!?」
ケンスケ「んなこと言ったって、相手はネルフの保安諜報部、プロなんだよ」
トウジ「それがどないしたんや!お前それでもマタンキ付いとんのか?」
女子「やだー!」
女子「変態!」
女子「サル!!」
ケンスケ「勝てない喧嘩するやつはバカなの。マタンキは関係ないの」 ○洞木邸。居間。
シンジ「目標を、センターに入れてスイッチ・・・」
ヒカリ「4番目の、使徒の時だね」
シンジ「うん」
ヒカリ「元ネタと正体、わかったんだ」
シンジ「うん」
ヒカリ「私にも教えてよ」
シンジ「・・・ゴメン」
ヒカリ「・・・え?」
シンジ「元ネタの最後は、き」
シンジ「僕に言えるのは、それだけなんだ」
ヒカリ「隠し事する気なの?私にも教えてよっ!!!」
シンジの首を絞めるヒカリ
シンジ「わ、わかったよ!耳をかして」
ヒカリの耳元で説明するシンジ
ヒカリ「・・・・・・」 ○洞木邸。寝室。
シンジ「7番目の使徒はイインチョで」
ヒカリ「ファンタジアの回だね」
シンジ「わざわざ6階で6回
練習したんだ」
ヒカリ「分裂すると甲がアスカで
乙が綾波さん」
シンジ「対応した相手が、ちゃんと
決まっていたんだよ」 ○洞木邸。居間。
シンジ「・・勘違いしてるヒト、いるかな」
ヒカリ「いるかもしれないわよ」
シンジ「4番目の使徒の元ネタは
とある道具なんだ」
ヒカリ「あのエピソードは、なにからなにまで
意味があるのよ」
シンジ「それがわからないと、正体が
判明出来ないように作ってあるよ」 ミサト「しばらくね」
シンジ「はい」
ミサト「この2日間ほっつき歩いて、気が晴れたかしら?」
シンジ「別に…」
ミサト「エヴァのスタンバイできてるわ。乗る?乗らないの?」
シンジ「叱らないんですね、家出のこと」
ミサト「……」
シンジ「当然ですよね、ミサトさんは他人なんだから」
ミサト「……」
シンジ「もし僕が乗らない、って言ったら、初号機はどうするんですか?」
ミサト「レイ、が乗るでしょうね。乗らないの?」
シンジ「そんなことできるわけ無いじゃないですか。彼女に全部押し付けるなんて。大丈夫ですよ、乗りますよ」
ミサト「乗りたく無いの?」
シンジ「そりゃそうでしょ、第一僕には向いてませんよ、そういうの。だけど、綾波やミサトさんやリツコさ…」
ミサト「いい加減にしなさいよ!人のことなんか関係ないでしょう!嫌ならこっから出て行きなさい!エヴァや私たちのことは全部忘れて、元の生活に戻りなさい!
あんたみたいな気持ちで乗られるのは、迷惑よ!」
シンジ「……」 リツコ「サードチルドレンは、明日、第3新東京を離れます。
ゲンドウ「では、初号機のデータはレイに書き換える。
リツコ「しかし…」
ゲンドウ「零号機の再起動実験の結果のいかんによらず、初号機での実験に移る。
マルドゥク機関の報告によると、フォースチルドレンはまだ見つかっていない」
リツコ「パイロットの補充は利かない、と言うことですか?」 シンジ「あの、ミサトさんはどこですか?一言お別れを…」
諜報部員「君はすでにネルフの人間ではない。どのようなことも教えられない」 ケンスケ「碇ーっ!」
トウジ「忘れもんや!」
シンジ「あの、ちょっといいですか?」 シンジ「あの、ありがとう」
ケンスケ「トウジ、しゃべれよ!ほら!」
トウジ「碇、二発もどついたりして悪かった、わしのこともどついてくれ!」
シンジ「そんなことできないよ!」
トウジ「頼む!せやないとわしの気が済まん!」
ケンスケ「こーゆー恥ずかしいやつなんだよ、ま、それで丸く収まるんなら、殴ったら?」
シンジ「でも…」
トウジ「はよう!時間ないんやろ!?」
シンジ「じゃ、一発だけ…」
トウジ「ようし!こんかい!」
シンジ「ンッ!」
トウジ「待ったーッ!手加減、なしや」
シンジ「うん。フンっ!」
ケンスケ「いたたたた!」
シンジ「どうしてここが?」
ケンスケ「勘、ってやつだよ。ここんとこ、何十人、って言う同級生を見送ってきたんだ」
トウジ「碇が居らんのやったら、いずれわしらもこの町から出て行かんならんようになるやろう。
せやけど、わしら、なにもいわれへん。エヴァの中で苦しんでる碇の姿、見てるからなあ。
碇のこと、ゴチャゴチャ抜かすやつが居ってみい!わしがパチキかましたる!そない辛気臭い顔すんなや」
ケンスケ「元気でな」
トウジ「頑張れや」
シンジ「あの…」
諜報部員「時間だ」 諜報部員「こら!」
シンジ「殴られなきゃならないのは僕だ!僕は卑怯で、臆病で、ずるくて、弱虫で…」
諜報部員「これ以上、手を焼かせるな」 リツコ「行っちゃったわね。これでよかったの?」
ミサト「ヤマアラシのジレンマか。
身を寄せるほど相手を傷付ける、こういうことか…
あの子、ああいう言い方でしか自分の気持ちを伝えられないんだわ」 駅の放送「2番線に、厚木行き、特急リニアが参ります。危ないですから、黄色い線の内側までお下がりください」
駅員「2番線の電車は、4時20分発、厚木行きの政府専用特別列車です。一般の方は柵の内側には入れません。
なお、許可の無い方のご乗車はかたく禁じられております。くれぐれも、ご注意ください」
(ミサト「頑張ってね」) ケンスケ「おい、あれ…」
トウジ「あの時の別嬪さんや」 駅の放送「まもなく、4番線に、強羅行き各駅停車が参ります。
危ないですから、黄色い線の内側までお下がりください。小さいお子様をお連れの方は、特にご注意ください」
駅員「4番線の電車は、4時32分発、強羅行き折り返しの各駅停車です。
ご利用の皆様は、ご乗車になってお待ちください」
駅員「はい、まもなく電車が入ります、黄色い線の内側まで下がってください」 シンジ「た、ただいま…」
ミサト「おかえりなさい」 予告
他人との接点を最小限にとどめ、生きていく綾波レイ。
彼女が心を開くのは、碇司令だけだった。
自分より父に近い少女に、シンジは戸惑う。
次回、「レイ、心の向こうに」。 ○洞木邸。寝室。
ヒカリ「10話の8番目の使徒って?」
シンジ「A17って17番目の天使
って事じゃないかな」
ヒカリ「あの使徒、アスカと戦ってたわね」
シンジ「目を攻撃されて、宿に着いた
時には目がよく見えなかったんだ」
ヒカリ「そういえば、あの宿のお風呂
本日殿方って、なってたわよ」
シンジ「スーツがベッタリとか肌がプクプク
とか、つまり膨れてたのはアスカで、それを
水で冷やしたって事だと思う」
ヒカリ「ラスト2人の会話」
シンジ「知ってたんだミサトさん。アスカの事」 ○洞木邸。居間。
シンジ「ケンスケって、イインチョと同じ点が
頬にあった」
ヒカリ「うん」
シンジ「ケンスケは、零号機が暴走した
時に父さんが掛けてたメガネを
使って作られたんだ」
ヒカリ「うん」
シンジ「綾波がメガネを大事に持っていたのは」
シンジ「役目が終わった時に、涙で消えて
もらうのに、必要だったからなんだね」 ○洞木邸。ダイニングキッチン。鼻唄を唄いながら
昼食を作っているヒカリ、と椅子に座って
考え事をしているシンジ。
シンジ「トウジが僕の事、センセって言ってたんだ。
先に生まれる。天使としてかもしれないけど」
ヒカリ「鈴原が言ってたオトンとオジイって、誰なんだろうね?」
シンジ「オトンが副司令で、オジイがキール議長ってのは」
ヒカリ「髪型は似てるけど」
シンジ「母親は母さんかな」
ヒカリ「碇クンのお母さんのキャラからすると、そうかも
しれないね」 ○洞木邸。居間。チェロで閉塞の拡大
を弾いてみたシンジ。
ヒカリ「チェロの演奏、上手いんだね碇クン」
シンジ「僕は父さんから先生のところに
預けられたんだけど、その先生に
教わったんだ」
ヒカリ「何の先生なんだろうね、その先生」
シンジ「お医者さんだと思う。30歳位の
女の人だった」
ヒカリ「そうなんだ」
シンジ「うん。イインチョの洞木って、もしかして
チェロの事なのかな」
ヒカリ「そうかもしれないね」 ○洞木邸。居間。
ヒカリ「みんな、現実に帰ったみたいだね」
シンジ「僕はヒトが多くて騒がしいの苦手
だからね・・。ちょうどいいや」
ヒカリ「うん」 ○ミサトのマンション。で、過ごしている
シンジとヒカリ。
ヒカリ「9話の玄関のドアは古い感じで、
いつもと違ってたね」
シンジ「僕達がココで暮らしてた時の様子を
表現した回なんだ」
ヒカリ「2012年頃かな」
シンジ「うん」 ネルフ本部・第2実験場
22日前
ゲンドウ「起動開始」 リツコ「主電源、全回路接続」
マヤ「主電源、接続完了。起動用システム、作動開始。
稼動電圧、臨界点まで、後0.5、0.2、突破!」
リツコ「起動システム、第2段階へ移行」
オペレータ「パイロット、接合に入ります」
オペレータ「システムフェーズ2、スタート」
オペレータ「シナプス挿入、結合開始」
オペレータ「パルス送信」
オペレータ「全回路、正常」
マヤ「初期コンタクト、異常無し」
オペレータ「左右上腕筋まで、動力伝達。オールナーブリンク、問題なし」
マヤ「チェック2550(ニーゴーゴーマル)まで、リストクリア」
リツコ「第3次、接続準備」
マヤ「2580(ニーゴーハチマル)までクリア」
絶対境界線まで、後0.9、0.7、0.5、0.4、0.3、パルス逆流!」 オペレータ「第3ステージに、異常発生!」
オペレータ「中枢神経素子にも、拒絶が始まっています!」
リツコ「コンタクト停止、6番までの回路を開いて!」
マヤ「だめです、信号が届きません!」
マヤ「零号機、制御不能!」
ゲンドウ「実験中止、電源を落とせ!」
リツコ「はい!零号機、予備電源に切り替わりました!」
オペレータ「完全停止まで、後35秒!」
リツコ「危険です、下がってください!」
マヤ「オートエジェクション、作動します」
ゲンドウ「いかん!」
オペレータ「完全停止まで、後10秒、8、7、6、5、4、3、2、1、0」
リツコ「特殊ベークライト、急いで!」
ゲンドウ「レイ!」 ゲンドウ「ぐわっ!ぐぅううう!
レイ!大丈夫か!レイ!」
レイ「……」
ゲンドウ「そうか……」 リツコ「綾波レイ14歳、マルドゥックの報告書によって選ばれた最初の被験者、ファーストチルドレン。
エヴァンゲリオン試作零号機専属操縦者。過去の経歴は白紙、全て抹消済み」
ミサト「で、先の実験の事故原因はどうだったの?」
リツコ「いまだ不明。ただし、推定では操縦者の精神的不安定が、第一原因と考えられるわ」
ミサト「精神的に不安定?あのレイが?」
リツコ「ええ、彼女にしては信じられないくらい、乱れたのよ」
ミサト「何があったの?」
リツコ「分からないわ。でも…まさか…」
ミサト「何か、心当たりがあるの?」
リツコ「いえ、そんなはずはないわ」 アナウンス「B3ブロックの解体、終了。全データを、科学技術局一課、分析班に提出してください」
シンジ「これが…僕たちの敵なのか…」
リツコ「なるほどね…コア以外はほとんど原形をとどめているわ…ほんと理想的なサンプル…ありがたいわ」
ミサト「で、何か分かったわけ?」 ミサト「何これ?」
リツコ「解析不能を示すコードナンバー」
ミサト「つまり、わけわかんない、ってこと?」
リツコ「そう。使徒は粒子と波、両方の性質を具える光のようなもので構成されているのよ」
ミサト「で、動力源はあったんでしょ?」
リツコ「らしきものはね。でもその作動原理がまださっぱりなのよ」
ミサト「まだまだ未知の世界が広がってるわけね」
リツコ「とかくこの世は謎だらけよ。たとえば、ほら、この使徒独自の固有波形パターン」
シンジ「うっ」
ミサト「どれどれ?これって…」
リツコ「そう。構成素材の違いはあっても、信号の配置と座標は、人間の遺伝子と酷似しているわ。99.89%ね」
ミサト「99.89%って…」
リツコ「改めて私たちの、知恵の、浅はかさってものを思い知らせてくれるわ」 ゲンドウ「オーケイ、いいぞ、止めろ!」
冬月「これがコアか?残りはどうだ?」
男「それが…劣化が激しく、資料としては問題が多すぎます」
ゲンドウ「かまわん。ほかは全て破棄だ」
男「はい!」 ミサト「どしたの?」
シンジ「うっ、いえ、別に…」
ミサト「あのねえ、そういう顔して別に、っていわれてもね、気にかけてください、心配してください、って言われてるようなもんなんですけどね」
シンジ「あの…父さん、手に火傷してるみたいなんだけど…」
ミサト「火傷?」
シンジ「どうしたのかな、って思って…」
ミサト「火傷って…知ってる?」
リツコ「あなたがここにくる前、起動実験中に零号機が暴走したの、聞いてるでしょ?」
シンジ「はい」
リツコ「その時パイロットが中に閉じ込められてね」
シンジ「パイロットって、綾波ですよね?」
リツコ「碇司令が彼女を助け出したの。過熱したハッチをむりやりこじ開けてね」
シンジ「父さんが?」
リツコ「手のひらの火傷は、その時のものよ」 女子「いけいけいけいけーっ!」
女子「いけヒデコーっ!」
男子「させるかぁーっ!」
男子「ああー!」
男子「惜しい!」
男子「次、決めてくぞーっ!」
男子「おー!」
女子「やだ、スケベーっ」
女子「エッチぃー」
トウジ「みんな、ええ乳しとんなあ」
女子「なんか、鈴原って、目つきやらしー!」
女子「碇くーん!」 トウジ「お、センセエ!なに熱心な目で見てんのや」
シンジ「いや、別に…」
ケンスケ「綾波かぁ?ひょっとして!?」
シンジ「ち、違うよ!」
ケンスケ「まったまた!あ・や・し・い・な!」
トウジ「あ、綾波の胸、綾波の太もも、綾波の」
トウジ・ケンスケ「ふ・く・ら・は・ぎ!」
シンジ「だから、そんなんじゃないって」
ケンスケ「だったら、何見てたんだよ」
トウジ「わしの目はごまかされへん!!」
シンジ「どうしてあいつ、いつも一人なんだろう、って思ってさ」
トウジ「へ?」
ケンスケ「ハァ?」
トウジ「ああ、そないいうたら、1年のとき転校してきてから、ずぅっと友達いてないなあ」
ケンスケ「なんとなく、近寄りがたいんだよ」
トウジ「ほんまは性格悪いんとちゃうか?」 ケンスケ「エヴァのパイロットどうしだろ?シンジが一番よく知ってるんじゃないの?」
トウジ「そりゃそうや」
シンジ「ほとんど口、聞かないから…」 アナウンス「エヴァ初号機は第3次冷却に入ります。第6ケイジ内は、フェーズ3(スリー)までの各システムを落としてください」
マヤ「先のハーモニクス、およびシンクロテストは異常無し、数値目標をすべてクリア」
オペレータ「了解。結果報告は、バルタザールへ」
マヤ「了解」
オペレータ「エントリープラグのパーソナルデータは、オールレンジにてメルキオールへコピー。データ、送ります」
オペレータ「メルキオール了解、回路接続」
オペレータ「第3次冷却、スタートします」
マヤ「CBL、循環を開始」
オペレータ「廃液は、第2浄水システムへ」
オペレータ「各蛋白壁の状態は、良好。各部、問題なし」
オペレータ「零号機の再起動実験まで、マイナス千五十分です」 リツコ「何よ、これー!」
ミサト「カレーよ」
リツコ「相変わらず、インスタントな食事ねえ」
ミサト「お呼ばれされといて、文句を言わない」
シンジ「ミサトさんは?」
ミサト「あはっ、私はねー…ヘッヘェ、ジャーン!ここに入れちゃって!どっぶゎ〜っと!」
シンジ「本気…ですか?」
ミサト「やーねー、いけるのよー」
シンジ「じゃあ…」
ミサト「最初っからカレー味のカップ麺じゃね、この味は出ないのよ〜。
いっただきまーす!スープとお湯を、少な目にしておくのが、コツよー」
シンジ・リツコ「う…ぐっ…」
リツコ「これ作ったの、ミサトね!」
シンジ「はい…」
ミサト「分かる〜?」
リツコ「味でね!レトルトを原料に、よくここまで…
今度呼んでいただけるときは、シンジ君が当番のときにしていただけるかしら?」
ペンペン「クウッ…クゥウウー……クワッ…クギュウウウウウ……(ぱたん)」
シンジ「ん?」
リツコ「シンジ君、やっぱり引っ越しなさい!がさつな同居人の影響で、一生を台無しにすること無いわよ」
シンジ「もう慣れましたから…」
ミサト「そ〜よ〜、リツコ〜。人間の環境適応能力を侮ってはいけないわ〜。
大体引っ越すったって…あら…シンちゃん…も一本お願い!」
シンジ「はい」
ミサト「手続き面倒よ。シンジ君、本チャンのセキュリティーカード、貰ったばっかりだもの」 リツコ「あ、忘れるところだったわ!シンジ君、頼みがあるの」
シンジ「なんですか?」
リツコ「綾波レイの更新カード。
渡しそびれたままになってて、悪いんだけど、本部に行く前に彼女のところへ届けてくれないかしら」
シンジ「はい。…」
ミサト「どーしちゃったのー?レイの写真をじーっと見ちゃったりしてー」
シンジ「あっ、わっ、いや…」
ミサト「ひょっとして、シンちゃん…」
シンジ「ち、違うよー!」
ミサト「まったまた、テレちゃったりしてさ。レイの家に行くオフィシャルな口実ができて、チャンスじゃない!」
シンジ「からかわないでよ、もう!」
ミサト「ウフフフフ、すーぐむきになって、からかい甲斐のある奴ー」
リツコ「ミサトと同じね」
ミサト「がぁ!」
シンジ「僕はただ…同じエヴァのパイロットなのに、綾波のことよく分からなくて…」
リツコ「いい子よ。とても。あなたのお父さんに似て、とても不器用だけど」
シンジ「不器用って、なにがですか?」
リツコ「生きることが…」 ○マンション11階。寝室。
シンジ「弐号機が活躍している時、イインチョは
いつも別のところに居たじゃないか」
ヒカリ「うん」
シンジ「ミサトさん、3号機、使徒、3人目の綾波とか」
ヒカリ「2-Aのクラスメイトには、母親が居ないんだって」
シンジ「弐号機は、キョウコさんじゃなかったんだよ。
その魂も」 ○マンション11階。布団の中。シンジとヒカリ。
シンジ「弐号機は、アスカがプレゼントされたサルの
ヌイグルミを、キョウコさんが生物にして巨大化
したモノなんだとおもう」
ヒカリ「うん」
シンジ「10話の綾波は、乗ったことが
無くても動かせる自信があったんだ」 ○マンション11階。居間。
ヒカリ「初号機の体は?」
シンジ「イインチョが、リツコさんのお母さん
を怒らせたのは、初号機の体を用意
する為だった、というのはどうかな」
ヒカリ「赤木ナオコ博士の脳はMAGIに、
体はエヴァ初号機に。作ったのは赤木リツコ博士」
シンジ「ミサトさんに変身したイインチョが、初号機は
リツコさんが作ったって言ってた。その体に
母さんが乗り移ったんだ」
ヒカリ「そして私が碇クンのお母さんを
追い出すのに7カ月かかった」
シンジ「母さんの体は、どうなったのかな」
ヒカリ「エヴァ零号機になったのよ、きっと」
シンジ「そうかもしれない」 ○マンション11階。居間。
シンジ「でも、零号機の頭はMAGIが
入る様な空間があるし、髪型をみると
零号機がリツコさんbフお母さんかも
しれないんだ」
ヒカリ「初号機の体が、碇クンのお母さん
なのかな」
シンジ「・・良く、わからない」
ヒカリ「うん」 ○マンション11階。居間。
24話
リツコ「あなたに抱かれても嬉しくなくなったから。
私の体を好きにしたらどうです。あの時みたいに」
ゲンドウ「君には失望した」
ヒカリ「あの時、って?」
シンジ「きっと、リツコさんのお母さんが零号機に
なった時の事なんだ」
ヒカリ「猫が死んだというのは?」
シンジ「猫というのはリツコさんのお母さん、
零号機の事だと思う」 ○マンション11階。布団の中の
シンジとヒカリ。
ヒカリ「裸で差し出された赤木
リツコ博士は」
シンジ「もう少しで零号機2世に
されるところだったんだ」
ヒカリ「エヴァって怖いね」
シンジ「うん」 シンジ「ごめんください…
ごめんください。碇だけど…綾波、入るよ。
………綾波のかな?」
注)風呂場からレイが裸で出て来る
シンジ「いや、あの……僕、別に…」
注)シンジは誤ってレイを押し倒してしまう レイ「どいてくれる?」
シンジ「あ、あの…」
レイ「何?」
シンジ「え、いや、僕は…その…僕は、た、頼まれて…つまり…何だっけ…カード、カード新しくなったから、届けてくれって(ゴクリ)
だから、だから別にそんなつもりは…
リツコさんが渡すの忘れたからって…ほ、ほんとなんだ。それにチャイム鳴らしても誰もでないし、鍵が…開いてたんで…その…」
注)レイはシンジを無視し、家を出て、NERV本部へと向かう。シンジもそれを追いかける アナウンス「セントラルドグマは現在開放中です。ルート3へは、第4直通ゲートを利用してください」
シンジ「これ、綾波の新しいやつ…リツコさんに頼まれて…」 シンジ「さっきはごめん…」
レイ「何が?」
シンジ「あの、今日、これから再起動の実験だよね。今度はうまく行くといいね。
ねえ、綾波は恐くないの?またあの零号機に乗るのが」
レイ「どうして?」
シンジ「前の実験で、大怪我したんだって聞いたから…平気なのかな、って思って」
レイ「あなた、碇司令の子供でしょ?」
シンジ「うん」
レイ「信じられないの?お父さんの仕事が」
シンジ「当たり前だよ!あんな父親なんて!
う…あの…(パン!) (ゲンドウ「レイ、大丈夫か、レイ」)
(リツコ「その時パイロットが中に閉じ込められてね。碇司令が彼女を助け出したの。
過熱したハッチをむりやりこじ開けてね。掌の火傷は、その時のものよ」) ゲンドウ「レイ、聞こえるか?」
レイ「はい」
ゲンドウ「これより、零号機の再起動実験を行う。第一次接続開始」
リツコ「主電源、コンタクト」
マヤ「稼動電圧、臨界点を突破」
リツコ「了解。フォーマットをフェーズ2へ移行」
オペレータ「パイロット、零号機と接続開始」
オペレータ「回線開きます」
オペレータ「パルスおよびハーモニクス正常」
オペレータ「シンクロ、問題なし」
オペレータ「オールナーブリンク、終了」
オペレータ「中枢神経素子に、異常無し」
オペレータ「再計算、誤差修正無し」
マヤ「チェック2590(ニーゴーキューマル)まで、リストクリア。
絶対境界線まで、後2.5、1.7、1.2、1.0、0.8、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、突破。ボーダーライン、クリアー。
零号機、起動しました」
レイ「了解。引き続き、連動試験に入ります」 冬月「碇、未確認飛行物体が接近中だ。おそらく第5の使徒だな」
ゲンドウ「テスト中断、総員第一種警戒態勢」
冬月「零号機はこのまま使わないのか」
ゲンドウ「まだ戦闘には耐えん。初号機は?」
リツコ「380秒で、準備できます」
ゲンドウ「出撃だ」
リツコ「はい」
ゲンドウ「レイ。再起動は成功した。戻れ」
レイ「…」 シゲル「目標は、塔の沢上空を通過」
マコト「初号機、発進準備に入ります。第1ロックボルト外せ」
シンジ「解除確認」
マコト「了解。第2拘束具、外せ」
オペレータ「了解」
シゲル「目標は芦ノ湖上空へ侵入」
マコト「エヴァ初号機、発進準備よろし!」
ミサト「発進!」 シゲル「目標内部に高エネルギー反応!」
ミサト「なんですって!?」
シゲル「円周部を加速、収束していきます!」
リツコ「まさか!」
ミサト「だめ!よけて!」
シンジ「え!?
うわああああああ!」
ミサト「シンジ君!」 予告
シンジは助かった。
だがその傷は、彼に甘えた言葉を吐かす。
突き放すレイ。
一方ミサトは、使徒に対し、一点突破を試みる。
次回、「決戦、第三新東京市」。 シゲル「目標内部に、高エネルギー反応!」
ミサト「なんですって!?」
シゲル「円周部を加速!収束していきます!」
リツコ「まさか!」 ミサト「だめ!よけて!」
シンジ「え!?うわああああ!」
ミサト「戻して!早く!」 シゲル「目標、完黙!」
ミサト「シンジ君は?」
マコト「生きています!」
マヤ「初号機回収、第7ケイジへ!」
ミサト「ケイジへ行くわ。後よろしく!」
マヤ「初号機、固定完了!」
マコト「パイロット、脳波乱れています、心音微弱!」
リツコ「生命維持システム最大、心臓マッサージを!」
マコト「はい!パルス確認!」
リツコ「プラグの強制排除、急いで!L.C.L.緊急排水!」
マヤ「はい!」 ミサト「いいから、ハッチを開けて!早く!シンジ君…!」 シゲル「敵、荷粒子砲命中、ダミー蒸発!」
ミサト「次!」
シゲル「12式自走臼砲消滅!」
ミサト「…なるほどね」 職員「これまで採取したデータによりますと、目標は一定距離内の外敵を自動排除するもの、と推測されます」
マコト「エリア侵入と同時に荷粒子砲で100%狙い撃ち、エヴァによる近接戦闘は、危険過ぎますね」
ミサト「A.T.フィールドはどう?」
職員「健在です。相転移空間を肉眼で確認できるほど、強力なものが展開されています」
マコト「誘導火砲、爆撃などの生半可な攻撃では、泣きを見るだけですね、こりゃあ」
ミサト「攻守ともにほぼパーペキ…まさに空中要塞ね。で、問題のシールドは?」
職員「現在目標はわれわれの直上、第3新東京市ゼロエリアに侵攻、
直径17.5mの巨大シールドがジオフロント内、ネルフ本部に向かい穿孔中です」
マコト「敵はここ、ネルフ本部へ直接、攻撃を仕掛けるつもりですね」
ミサト「しゃらくさい!で、到達予想時刻は?」
職員「は、明朝午前0時06分54秒、その時刻には22層全ての装甲防御を貫通して、ネルフ本部へ到達するもの、と思われます」
ミサト(後10時間足らずか…)
シゲル「敵シールド、第一装甲版に接触!」
ミサト「で、こちらの初号機の状況は?」
リツコ「胸部第3装甲板まで見事に融解。機能中枢をやられなかったのは、不幸中の幸いだわ」
マヤ「後3秒照射されていたら、アウトでしたけど…」
ケイジ作業員「3時間後には換装作業、終了予定です」
ミサト「了解。零号機は」
マヤ「再起動自体に問題はありませんが、フィードバックにまだ誤差が残っています」
リツコ「実戦は…」
ミサト「まだ無理か…」
ミサト「初号機専属パイロットの容体は?」
マコト「身体に異常はありません。神経パルスが0.8上昇していますが、許容範囲内です」
シゲル「敵シールド到達まで、後9時間55分!」
ミサト「状況は芳しくないわね」
マコト「白旗でも揚げますか?」
ミサト「その前に、ちょっち、やってみたいことがあるの」 冬月「目標のレンジ外、超長距離からの直接射撃かね?」
ミサト「そうです。目標のA.T.フィールドを中和せず、高エネルギー収束帯による一点突破しか方法はありません」
冬月「MAGIはどう言ってる?」
ミサト「スーパーコンピューターMAGIによる回答は、賛成2、条件付き賛成が1でした」
冬月「勝算は8.7%か」
ミサト「最も高い数値です」
ゲンドウ「反対する理由は無い。やりたまえ、葛城一尉」
ミサト「はい」 リツコ「しかし、また無茶な作戦を立てたものね、葛城作戦部長さん?」
ミサト「無茶とはまた失礼ね。残り9時間以内で実現可能、おまけにもっとも確実なものよ」
リツコ「これがねぇ…」 リツコ「うちのポジトロンライフルじゃ、そんな大出力に耐えられないわよ。どうすんの?」
ミサト「決まってるでしょ、借りるのよ」
リツコ「借りるって、まさか…」
ミサト「そ。戦自研のプロトタイプ」 ミサト「以上の理由により、この自走陽電子砲は、本日15時より、特務機関ネルフが徴発いたします。
戦自の人「かと言って、しかし、そんな無茶な…」
ミサト「可能な限り、原形をとどめて返却するよう、努めますので。では、ご協力、感謝いたします。
いーわよ、レイ!持ってってー!精密機械だから、そーっとねー!」
マコト「しかし、A.T.フィールドをも貫くエネルギー算出量は、最低1億8千万キロワット、それだけの大電力を、どこから集めてくるんですか?」
ミサト「決まってるじゃない、日本中よ」 TV(鈴原邸内)「番組の途中ですが、ここで臨時ニュースをお伝えいたします」
TV(洞木邸内)「本日、午後11時30分より」
TV(街頭)「明日未明にかけて、全国で大規模な」
ヘリコプター「停電があります。皆様のご協力をよろしくお願いいたします」
放送「繰り返しお伝えいたします。本日午後11時30分より、」
宣伝カー「明日未明にかけて、全国で大規模な」
放送「停電があります。皆様のご協力をよろしくお願いいたします」 オペレータ「敵シールド、第7装甲版を突破」
ミサト「エネルギーシステムの見通しは?」
オペレータ「現在予定より3.2%遅れていますが、本日23時10分には、何とかできます」
ミサト「ポジトロンライフルはどう?」
作業員「技術開発部第三課の意地にかけても、後3時間で形にして見せますよ!」
ミサト「防御手段は?」
リツコ「それはもう、盾で防ぐしかないわね」
マヤ「これが…盾ですか?」
リツコ「そう、SSTOのお下がり。見た目はひどくとも、もともと底部は超電磁コーティングされている機種だし、
あの砲撃にも17秒はもつわ。二課の保証書付きよ」
ミサト「結構。狙撃地点は?」
マコト「目標との距離、地形、手頃な変電設備も考えると、やはりここです」
ミサト「フーン、確かにいけるわね…
狙撃地点は二子山山頂。作戦開始時刻は明朝0時、以後、本作戦を、ヤシマ作戦と呼称します!」
マコト「了解!」
ミサト「(後は、パイロットの問題ね…)」 職員「初号機パイロットの意識が戻ったそうです。検査数値に問題なし」
ミサト「そう。では作戦は予定どおりに」
職員「了解」
リツコ「でも、彼、もう一度乗るかしら?」
ミサト「二子山決戦、急いで!」 シンジ「ん?あぁ…綾波…?」
レイ「明日、午前0時より発動される、ヤシマ作戦のスケジュールを伝えます。
碇・綾波の両パイロットは、本日17:30(イチナナサンマル)、ケイジに集合。
18:00(イチハチマルマル)、初号機および零号機起動。18:05(イチハチマルゴー)、発進。
同30(サンマル)、二子山仮設基地到着。以降は別命あるまで待機。
明朝日付変更と同時に作戦行動開始。これ、新しいの。寝ぼけて、その格好で来ないでね」
シンジ「ん?…わっ!…ごめん…」 シンジ「…昨日から、謝ってばかりいる…」
レイ「食事」
シンジ「何も、食べたくない」
レイ「60分後に、出発よ」
シンジ「また、あれに乗らなきゃならないのかな…?」
レイ「ええ、そうよ」
シンジ「僕は…嫌だ。綾波はまだあれに乗って、恐い目にあったことが無いからそんなことが言えるんだ!
もうあんな思い、したくない…」
レイ「じゃ、寝てたら?」
シンジ「寝てたらって…?」
レイ「初号機には私が乗る。赤城博士が初号機のパーソナルデータの書き換えの用意しているわ」
シンジ「リツコさんが?」
レイ「じゃ、葛城一尉と赤城博士がケイジで待っているから。さよなら」
シンジ「…」 トウジ「えらい遅いなぁ〜。もう避難せなあかん時間やで」
ケンスケ「パパのデータをちょろまかして見たんだ。この時間に間違いないよ」
トウジ「せやけど、出てけえへんなぁ」
ケンスケ「ん?」
男子生徒「おおっ?」
トウジ「山が、動きよる!」
ケンスケ「エヴァンゲリオンだ!」
男子生徒「おおっ!」
男子生徒「すっげーっ!」
男子生徒「頑張れよー!」
男子生徒「頼んだぞー!」
男子生徒「頑張れー!」
男子生徒「エヴァンゲリオ〜ン!」
男子生徒「おおーい!」
男子生徒「気張っていけよー!」
男子生徒「頑張れー!」
男子生徒「頼むでー!」 シゲル「敵シールド、第17装甲板を突破!本部到達まで、後3時間55分!」
マコト「四国および九州エリアの通電完了」
オペレータ「各冷却システムは試運転に入ってください」
リツコ「精密機械だから、慎重にね」
シンジ「でも、こんな野戦向きじゃない兵器、役に立つんですか?」
リツコ「仕方ないわよ、間に合わせなんだから」
シンジ「大丈夫ですよね」
リツコ「理論上はね。でも、銃身や加速器がもつかどうかは、撃ってみないと分からないわ。こんな大出力で試射したこと、一度も無いから」
ミサト「本作戦における、各担当を伝達します。シンジ君」
シンジ「はい」
ミサト「初号機で砲手を担当」
シンジ「はい」
ミサト「レイは零号機で防御を担当して」
レイ「はい」
リツコ「これは、シンジ君と初号機の方が、シンクロ率が高いからよ。今回はより精度の高いオペレーションが必要なの。
陽電子は地球の自転、磁場、重力の影響を受け、直進しません。その誤差を修正するのを、忘れないでね。
正確にコア一点のみを貫くのよ」
シンジ「そんなこと、まだ練習してないですよ」
リツコ「大丈夫、あなたはテキストどおりにやって、最後に真ん中のマークがそろったらスイッチを押せばいいの。後は機械がやってくれるわ。
それと、一度発射すると、冷却や再充填、ヒューズの交換などで、次に撃てるまで時間がかかるから」
シンジ「じゃあ、もし外れて敵が撃ち返してきたら…?」
リツコ「今は余計なことを考えないで。一撃で撃破することだけを考えなさい」
シンジ「(大ピンチ、って事か…)」
レイ「私は…私は初号機を護ればいいのね」
リツコ「そうよ」
レイ「分かりました」
ミサト「時間よ。2人とも着替えて」
シンジ・レイ「はい」 シンジ「これで死ぬかもしれないね…」
レイ「どうしてそういうことを言うの?あなたは死なないわ。私が守るもの」 シンジ「綾波はなぜこれに乗るの?」
レイ「…絆だから」
シンジ「絆?」
レイ「そう、絆」
シンジ「父さんとの?」
レイ「みんなとの」
シンジ「強いんだな、綾波は」
レイ「私にはほかに何も無いもの」
シンジ「ほかに何も無いって…」
レイ「時間よ。行きましょ。じゃ、さようなら」 時報「ただいまより、0時0分0秒をお知らせします」
マコト「作戦、スタートです!」 ミサト「シンジ君、日本中のエネルギー、あなたに預けるわ。頑張ってね!」
シンジ「はいっ!」
ミサト「第一次、接続開始!」
マコト「第一から、第803(ハチマルサン)管区まで、送電開始!」
オペレータ「電圧上昇中、加圧域へ!」
マコト「全冷却システム、出力最大へ!」
オペレータ「温度安定、問題なし!」
オペレータ「陽電子流入、順調なり」
ミサト「第二次、接続!」
オペレータ「全加速器、運転開始!」
マヤ「強制収束器、作動!」
オペレータ「全電力、二子山増設変電所へ!第三次接続、問題なし!」
ミサト「最終安全装置、解除!」
マコト「撃鉄起こせ!」
オペレータ「地球自転、および、重力の誤差修正、プラス0.0009。電圧、発射点まで、後0.2」
マコト「第七次最終接続、全エネルギー、ポジトロンライフルへ、8、7、6、5」
マヤ「目標に高エネルギー反応!」
マコト「4、」
リツコ「何ですって!」
マコト「3、2、1!」
ミサト「発射!」 シンジ「ぐぅううううッ!」
リツコ「きゃあっ!」
ミサト「ミスった!」 シゲル「敵シールド、ジオフロントへ侵入!」
ミサト「第二射、急いで!」
マコト「ヒューズ交換!再充填開始!」
オペレータ「銃身、冷却開始」
マヤ「目標に再び高エネルギー反応!」
ミサト「まずい!」
シンジ「うゎ!」
ミサト「シンジ君!」 シンジ「綾波!」
リツコ「盾がもたない!」
ミサト「まだなの!?」
マコト「後10秒!」
シンジ「早く…早く!」
注)第2射発射 今度は成功
ミサト「いよっしゃあ!」 シンジ「綾波ッ!うぅ……ぐぅぅぅ…うぅぅぅぅ…」
注)シンジ、零号機のハッチをこじ開ける
シンジ「綾波!大丈夫か!綾波!」 シンジ「自分には…自分にはほかに何も無いなんて、そんなこと言うなよ…
別れ際にさよならなんて、悲しいこと言うなよ…」
レイ「何泣いてるの?ごめんなさい、こういう時、どんな顔をすればいいのか分からないの…」
シンジ「笑えばいいと思うよ…」
注)レイはしばらくシンジを見つめ、やがて笑顔を見せる 予告
迫り来る使徒に対し、民間の開発した人型兵器が、制御不能に陥る。
はたしてミサトは、炉心融解を止められるのか。
次回、「人の造りしもの」。お楽しみに! ゲンドウ「また君に借りができたな」
加持「返すつもりもないんでしょ?彼らが情報公開法をタテに迫っていた資料ですが、ダミーも混ぜてあしらっておきました。
政府は裏で法的整備を進めていますが、近日中に頓挫の予定です。で、どうです?例の計画のほうもこっちで手を打ちましょうか?」
ゲンドウ「いや、君の資料を見る限り、問題はなかろう」
加持「では、シナリオ通りに」 シンジ「…おはようございます…」
ミサト「ふぁ〜〜〜あ…おはよ…。
んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、ぷっはぁ〜〜〜〜、くぅ〜〜〜〜〜〜〜〜っ、朝一番は、やっぱこれよね〜!」
シンジ「コーヒーじゃないんですか?」
ミサト「日本人はね、昔から朝はご飯と味噌汁、そしてお酒、って相場が決まってんのよ」
シンジ「ミサトさんが、でしょ?」
ミサト「な、何よ…」
シンジ「大体、今朝の食事当番は、誰でしたっけ?
ミサトさんがその年でいまだに一人なの、分かったような気がします」
ミサト「悪かったわねぇ〜、がさつで」
シンジ「ずぼらも、でしょ?」
ミサト「うっさいわねぇ〜〜」
シンジ「ご馳走さま」 シンジ「ほんとに今日学校くるんですか?」
ミサト「当たり前でしょ?進路相談なんだから」
シンジ「でも、仕事で忙しいのに…」
ミサト「いいのいいの、これも仕事だからね」
シンジ「仕事…ですか…?」 ミサト「はい〜〜、あら〜〜〜、わざわざありがと〜〜〜。え?少し待っててね」
シンジ「ミサトさん、そんな格好で出て行かないでよ。恥ずかしいから…」
ミサト「はいはい」 トウジ・ケンスケ「おはよ〜碇君!」
トウジ・ケンスケ「では、ミサトさん!行ってきま〜す!」
ミサト「行ってらっしゃい」
トウジ・ケンスケ「おお〜〜〜!」
シンジ「早く行こうよ」 ミサト「皮肉、か…。まぁ、くだけて表情が増えてきたのは、いい傾向かな?」
電話「はい、もしもし」
ミサト「今家を出たわ。後のガードはよろしく」 トウジ「いらっしゃたで〜!」
男子「カッコイイ!誰あれ!」
男子「碇の保護者!?」
男子「なに、碇ってあんな美人に保護されてるの?」
ヒカリ「ばかみたい」
トウジ「はぁ〜〜〜、やっぱミサトさんって、ええわぁ〜〜」
ケンスケ「うん!」
シンジ「そうかなぁ…」
トウジ「あれでネルフの作戦部長やゆうのがまた凄い!」
ケンスケ「うん!」
シンジ「そうかなぁ…」
トウジ「ケンスケ、良かったなぁ、シンジがお子様で」
ケンスケ「まぁ、敵じゃないのは確かだね」
シンジ「(トウジ達はあの人のだらしなさを知らないんだ)」
トウジ「ああ、ああいう人が彼女やったらなぁ〜」
シンジ「苦労すると思うよ」
トウジ・ケンスケ「分かってないねぇ、センセエ。
よっしゃ、地球の平和はお前に任せた!だからミサトさんはわしらに任せろ!」 マヤ「初号機、冷却値をクリア、作業はセカンドステージに移行してください」
シンジ「(地球の平和か…そのためのエヴァ。エヴァって何なんだろう。血の匂いがするエントリープラグ。
なのに、どうして落ち着くんだろう。結局、僕は何も分かってないんだ)」 リツコ「零号機の胸部生体部品はどう?」
マヤ「大破ですからね。新作しますが、追加予算の枠、ギリギリですよ」
リツコ「これでドイツから弐号機が届けば少しは楽になるのかしら?」
マコト「逆かもしれませんよ。地上でやってる使徒の処理も、タダじゃ無いんでしょう?」
ミサト「ほーんと、お金に関してはセコい所ねー。人類の命運をかけてるんでしょ?ここ」
リツコ「仕方ないわよ。人はエヴァのみで生きるにあらず。生き残った人たちが生きていくにはお金がかかるのよ」
ミサト「予算ね。じゃあ司令はまた会議なの?」
リツコ「ええ、今は機上の人よ」
マヤ「司令が留守だと、ここも静かでいいですね」 男「失礼。便乗ついでに、ここ、よろしいですか?
サンプル回収の修正予算、あっさり通りましたね」
ゲンドウ「委員会も自分が生き残ることを最優先に考えている。そのための金は惜しむまい」
男「使徒はもう、現れない、と言うのが彼らの論拠でしたからね。
ああ、もう一つ朗報です。米国を除く全ての理事国がエヴァ六号機の予算を承認しました。
まあ、米国も時間の問題でしょう。失業者アレルギーですしね、あの国」
ゲンドウ「君の国は?」
男「八号機から建造に参加します。第二次整備計画は、まだ生きてますから。
ただ、パイロットがまだ見つかっていないという問題はありますが」
ゲンドウ「使徒は再び現れた。われわれの道は彼らを倒すしかあるまい」
男「私も、セカンドインパクトの二の舞は、ごめんですからね」 シンジ「じゃあ、南極大陸が蒸発した、セカンドインパクトって…」
リツコ「そう、歴史の教科書では大質量隕石の落下による大惨事となっているけど、事実は往々にして隠蔽されるものなのよ。
15年前、人類は最初の「使徒」と呼称する人型の物体を南極で発見したの。
でもその調査中に原因不明の大爆発を起こしたの。それがセカンドインパクトの正体」
シンジ「じゃあ、僕らのやっていることは…」
リツコ「予想されうるサードインパクトを未然に防ぐ、そのためのネルフと、エヴァンゲリオンなのよ。
ところであれ、明日、予定通りやるそうよ」
ミサト「分かったわ」 ペンペン「クワァッ!」
ミサト「おはよう」
シンジ「お、おはようございます」
ミサト「仕事で、旧東京まで行ってくるわ。多分、帰りは遅いから、何かデバって。じゃ」
シンジ「あっ、はい…」 ミサト「ここがかつて、花の都、と呼ばれていた大都会とはね」
リツコ「着いたわよ」
ミサト「何もこんな所でやらなくってもいいのに。で、その計画、戦自は絡んでるの?」
リツコ「戦略自衛隊?いえ、介入は認められず、よ」
ミサト「道理で好きにやってるわけね」 時田「本日はご多忙のところ、わが日本重化学工業共同体の実演会にお越しいただき、まことにありがとうございます」
皆様には後程、管制室の方にて、試運転をご覧いただきますが、ご質問のある方はこの場にてどうぞ」
リツコ「はい!」
時田「これは、ご高名な赤木リツコ博士、お越しいただき、光栄のいたりです」
リツコ「質問を、よろしいでしょうか?」
時田「ええ、ご遠慮なくどうぞ」
リツコ「先ほどのご説明ですと、内燃機関を内蔵とありますが」
時田「ええ、本機の大きな特長です。連続150日間の作戦行動が保証されております」
リツコ「しかし、格闘戦を前提とした陸戦兵器に、リアクターを内蔵することは、安全性の点から見てもリスクが大きすぎると思われますが」
時田「5分も動かない決戦兵器よりは、役に立つと思いますよ」
リツコ「遠隔操縦では緊急時の対処に問題を残します」
時田「パイロットに負担をかけ、精神汚染を起こすよりは、より人道的と考えます」
ミサト「よしなさいよ、大人げない」
リツコ「人為的制御の問題もあります」
時田「制御不能に陥り、暴走を許す危険極まりない兵器よりは、安全だと思いますがねぇ」
制御できない兵器など、まったくナンセンスです。ヒステリーを起こした女性と同じですよ、手におえません」
客「ハッハッハッハッハッ」
リツコ「そのためのパイロットとテクノロジーです!」
時田「まさか。科学と人の心があの化け物を押さえるとでも?本気ですか?」
リツコ「ええ、もちろんですわ」
時田「人の心などと言う曖昧なものに頼っているから、ネルフは先のような暴走を許すんですよ。
その結果、国連は莫大な追加予算を迫られ、某国では2万人を超える餓死者を出そうとしているんです。
その上、あれほど重要な事件に関わらず、その原因が不明とは。せめて、責任者としての責務は全うしてほしいもんですな。
良かったですねえ。ネルフが超法規的に保護されていて。あなたがたはその責任を取らずに済みますから」
リツコ「なんとおっしゃられようと、ネルフの主力兵器以外、あの敵性体は倒せません!」
時田「A.T.フィールドですか?それも今では時間の問題に過ぎません。いつまでもネルフの時代ではありませんよ」
客「ハッハッハッハッハッ」 ミサト「くっ、この、くそ!たく!あの俗物どもが!どーせうちの利権にあぶれた連中の、腹いせでしょ!腹立つわねー!!!」
リツコ「およしなさいよ、大人げない。
自分を自慢し、誉めてもらいたがっている。たいした男じゃないわ」
ミサト「でもなんであいつらがA.T.フィールドまで知ってるのよ」
リツコ「極秘情報がだだ漏れね」
ミサト「諜報部はなにやってるのかしら」 時田「これより、JAの起動テストを始めます。何ら危険は伴いません。そちらの窓から安心してご覧ください」
オペレータ「起動準備よろし」
時田「テスト開始!」
オペレータ「全動力、開放!」
オペレータ「圧力、正常」
オペレータ「冷却器の循環、異常無し」
オペレータ「制御棒、全開へ」
オペレータ「動力、臨界点を突破」
オペレータ「出力、問題なし」
時田「歩行開始!」
オペレータ「歩行、前進微速、右足、前へ!」
オペレータ「了解、歩行、前進微速、右足、前へ!」
客「おお!」
オペレータ「バランス正常」
オペレータ「動力、異常無し」
オペレータ「了解、引き続き、左足、前へ!」
オペレータ「よーそろ!」
ミサト「へーぇ、ちゃんと歩いてる。自慢するだけのことは、あるようね」
リツコ「……」 時田「どうした?」
オペレータ「変です、リアクターの内圧が上昇していきます!」
オペレータ「一次冷却水の温度も上昇中!」
時田「バルブ開放、減速材を注入!」
オペレータ「だめです、ポンプの出力が上がりません!」
時田「いかん、動力閉鎖、緊急停止!」
オペレータ「停止信号、発進を確認!」
オペレータ「受信されず!」
オペレータ「無線回路も、不通です!」
オペレータ「制御不能!」
時田「そんなバカな!」
客「うわぁぁぁぁ!」 ミサト「ごほっ、ごほっ、ごほっ、ごほっ、作った人に似て、礼儀知らずなロボットね」
オペレータ「加圧器に異常発生!」
オペレータ「制御棒、作動しません!」
オペレータ「このままでは、炉心融解の危険もあります!」
時田「信じられん…JAにはあらゆるミスを想定し、全てに対処すべくプログラムが組まれているのに…このような事態はありえないはずだ…」
ミサト「だけど今、現に炉心融解の危機が迫っているのよ」
時田「こうなっては、自然に停止するのを待つしか方法は…」
ミサト「自動停止の確率は?」
オペレータ「0.00002%。まさに奇跡です」
ミサト「奇跡を待つより、捨て身の努力よ!停止手段を教えなさい!」
時田「方法は全て試した!」
ミサト「いいえ、まだすべてを白紙に戻す、最後の手段が残っているはずよ。そのパスワードを教えなさい」
時田「全プログラムのデリートは最高機密。私の管轄外だ!口外の権限はない!」
ミサト「だったら命令を貰いなさい!今すぐ!」 時田「あ、私だ。第2東京の万田さんを頼む。そう、内務省長官だ」
万田「ああ、その件は矢杉君に任せてある。彼に聞いてくれ」
矢杉「そういう重要な決定事項は口頭ではねぇ。正式に書簡で廻してもらえる?」
時田「では、吉沢さんの許可を取ればよろしいんですね?ええ、ウィッツ氏の承諾は得ておりますから!はい、では!」
ミサト「たらい回しか…」
時田「今から命令書が届く。作業は正式なものだ」
ミサト「そんな、間に合わないわ!爆発してからじゃ、何もかも遅いのよ!」
オペレータ「ジェットアーロンは厚木方面に向かい、進行中」
ミサト「時間が無いわ。これより先は、私の独断で行動します。悪しからず」 ミサト「あ、日向君?
厚木にナシつけといたから、シンジ君と初号機をF装備でこっちによこして。そ。緊急事態」
リツコ「無駄よ、おやめなさい、葛城一尉。第一、どうやって止めるつもりなの?」
ミサト「人間の手で、直接」 時田「本気ですか?」
ミサト「ええ」
時田「しかし内部はすでに汚染物質が充満している!危険過ぎる!」
ミサト「うまく行けば、みんな助かります」
オペレータ「ここの指揮信号が切れると、ハッチが手動で開きますから、バックパックから進入できます」
時田「希望…プログラム消去の、パスワードだ」
ミサト「…ありがとう」 ミサト「目標はJA、5分以内に炉心融解の危険があります。
ですから、目標をこれ以上人口密集地に近づけるわけにはいきません。日向君」
マコト「はい」
ミサト「エヴァを切り離した後は速やかに離脱、安全高度まで上昇して」
マコト「了解」
ミサト「シンジ君」
シンジ「はい」
ミサト「目標と並走し、私を背後部に取り付けて。以後は可能な限り目標の移動を塞き止めてね」
シンジ「乗るんですか?ミサトさんが?」
ミサト「そうよ」
シンジ「そんな無茶な!」
ミサト「無茶は承知よ。ほかにベターな方法が無いの」
シンジ「でも、危なすぎますよ!」
ミサト「大丈夫、エヴァなら万が一の直撃にも耐えられるわ」
シンジ「じゃなくって、ミサトさんが!」
ミサト「ま、やれることやっとかないとね、後味悪いでしょ?」
マコト「目標を肉眼で確認」
ミサト「さ、行くわよ」 マコト「エヴァ、投下位置!」
ミサト「ドッキングアウト!」
シンジ「了解!
追いついた!」
ミサト「後4分も無いわ、このまま乗り付けて!
かまわないわ!やって!
きゃあーっ!」
シンジ「ミサトさん!気をつけて!」
ミサト「凄い熱、こりゃまずいわね…」
シンジ「止まれ!このぉーッ!
ミサトさん、急いで!」
ミサト「ここね」 ミサト「エラー?何よこれ…
間違いない、プログラムが変えてあるんだわ…」
オペレータ「動力炉、臨界点まで後0.2!」
オペレータ「制御棒、作動しません!」
ミサト「こーなったら、一か八かね…
ぐぅぅぅぅ!」
シンジ「ミサトさん!逃げて!」
ミサト「動けーっ!このぉーっ!」
シンジ「ミサトさん!」
ミサト「ぐぅーっ!」 オペレータ「臨界まで、後0.1!」
オペレータ「だめです、爆発します!」
時田「駄目か…」
シンジ「ミサトさん!」 オペレータ「やった!」
オペレータ「内圧ダウン!」
オペレータ「すべて正常値!}
オペレータ「助かったぞ!」
オペレータ「やった!やった!やった!」
リツコ「……あのバカ……」 シンジ「ミサトさん、大丈夫ですか、ミサトさん!」
ミサト「えぇ、もうサイテーだけどね…」
シンジ「良かった、無事なんですね!良かった、本当に良かった。でも凄いや、僕、見直しちゃいました。本当に奇跡は起きたんですね!」
ミサト「ええ…(奇跡は用意されていたのよ、誰かにね)」 リツコ「初号機の回収は無事終了しました。汚染の心配はありません。葛城一尉の行動以外は全てシナリオどおりです」
ゲンドウ「ご苦労」 ミサト「あ゛〜おはよ〜
んぐ、んぐ、んぐ、んぐ、ぷっはぁ〜!くぅ〜〜〜っ!
さて、次は朝シャン、朝シャン。ブラとパンツはどこかいな〜」
トウジ・ケンスケ「おはよ〜、碇君!」
シンジ「おはよう…行ってきます!」
ミサト「いってらっさい〜」 トウジ「はぁ〜やっぱかっこえーなー、ミサトさんは!」
シンジ「僕もそう思ったけど、家の中じゃみっともないよ。ほんと、ずぼらだし、かっこ悪いし、つくづくだらしないし!見てるこっちが恥ずかしいよ」
ケンスケ「羨ましいな、それって」
シンジ「どうして?」
ケンスケ「やっぱ碇ってお子様な奴」
トウジ「ほんまやな」
シンジ「どうして!?」
ケンスケ「他人のおれたちには見せない、本当の姿だろ?それって、家族じゃないか」 予告
ドイツのビルヘルムスハーフェンを出港し、
一路日本へと向かうエヴァ弐号機とそのパイロット。
突然の使徒襲来は、起動した弐号機に初の水中戦闘を強いる。
次回、「アスカ、来日」 ゲンドウ「そうだ。その問題はすでに委員会に話は付けてある。荷物は昨日佐世保を出港し、今は太平洋上だ」 ケンスケ「Mil55-D輸送ヘリ!こんなことでもなけりゃあ、一生乗る機会ないよ。
まったく、持つべきものは友達って感じ!なぁ、シンジ!」
シンジ「えぇ?」
ミサと「毎日同じ山の中じゃ息苦しいと思ってね、たまの日曜だから、デートに誘ったんじゃないのよ♪」
トウジ「ええっ!それじゃ、今日はほんまにミサトさんとデートっすか?この帽子、今日のこの日のためにこうたんです〜!ミサトさ〜ん!」
シンジ「で…どこに行くの…」
ミサト「豪華なお船で太平洋をクルージングよ」 ケンスケ「おおーっ、空母が5、戦艦4、大艦隊だ!ほんと、持つべきものは友達だよなぁー!」
トウジ「これが…豪華なお船…?」
ケンスケ「まさにゴージャス!さすがは国連軍が誇る正規空母、"OVER THE RAINBOW"!」
シンジ「でっかいなあ…」
ミサト「よくこんな老朽艦が浮いていられるものねー」
ケンスケ「いやいや、セカンドインパクト前の、ビンテージものじゃないっすかぁー?」 OTR艦長「ふん、いい気なもんだ。オモチャのソケットを運んできよったぞ。ガキの遣いが!」 ケンスケ「おぉーっ!凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄すぎるーっ!男だったら涙を流すべき状況だね!これは!」
はぁーっ、凄い、凄い、凄い、凄い、凄い、凄ーい……」
トウジ「待て!待たんかい!」
シンジ「ふぁ〜あ…」 トウジ「くっそお…止まれ!止まらんかい!」
アスカ「ハロ〜ォ、ミサト!元気してた?」
ミサト「まあねー。あなたも、背、伸びたんじゃない?」
アスカ「そ。ほかのところもちゃんと女らしくなってるわよ」
ミサト「紹介するわ。エヴァンゲリオン弐号機専属パイロット、セカンドチルドレン、惣流・アスカ・ラングレーよ」 トウジ「何すんのや!」
アスカ「見物料よ。安いもんでしょ」
トウジ「なんやてぇ〜?そんなもん、こっちも見せたるわ!」
アスカ「何すんのよ!
で、噂のサードチルドレンはどれ?まさか、今の…」
ミサト「違うわ。この子よ」
アスカ「フーン、冴えないわね」 艦長「おやおや、ボーイスカウト引率のお姉さんかと思っていたが、それはどうやらこちらの勘違いだったようだな」
ミサト「ご理解いただけて幸いですわ。艦長」
艦長「いやいや、私の方こそ、久しぶりに子供たちのお守りができて、幸せだよ」
ミサト「このたびはエヴァ弐号機の輸送援助、ありがとうございます。
こちらが非常用電源ソケットの仕様書です」
艦長「ハッ、大体この海の上であの人形を動かす要請なんぞ、聞いちゃおれん」
ミサト「万一の事態に対する備え、と理解していただけますか」
艦長「その万一の事態に備えて、われわれ太平洋艦隊が護衛しておる。いつから国連軍は宅配屋に転職したのかな?」
OTR副長「某組織が結成された後だと、記憶しておりますが」
艦長「オモチャ一つ運ぶのにたいそうな護衛だよ。太平洋艦隊勢揃いだからな。
ミサト「エヴァの重要度を考えると、足りないくらいですが。では、この書類にサインを」
艦長「まだだ!エヴァ弐号機および同操縦者は、ドイツの第3支部より本艦隊が預かっている。君らの勝手は許さん!」
ミサト「では、いつ引き渡しを?」
副長「新横須賀に陸揚げしてからになります」
艦長「海の上は、われわれの管轄だ。黙って従ってもらおう」
ミサト「分かりました。ただし、有事の際は、われわれネルフの指揮権が最優先であることを、お忘れなく」
トウジ「かっこえぇ〜」
シンジ「まるでリツコさんみたいだ」
加持「相変わらず、凛々しいなぁ」
アスカ「加持先輩!」
加持「ども!」
艦長「加地君!君をブリッジに招待した覚えはないぞ!」
加持「それは失礼!」 ミサト「では、これにて失礼します。新横須賀までの輸送よろしく」
トウジ「これがデートかいな!?」
ケンスケ「凄い、凄すぎる!!!!!」 艦長「チッ、子供が世界を救うというのか?」
副長「時代が変わったのでしょう。議会もあのロボットに期待していると聞いてます」
艦長「あんなオモチャにか!?バカどもめ!そんな金があるなら、こっちに廻せばいいんだ!」 ミサト「なんであんたがここにいるのよ〜!」
加持「彼女の随伴でね、ドイツから出張さ」
ミサト「迂闊だったわ〜、十分考えられる事態だったのに」
ミサト・アスカ「ちょっと!触らないでよ!」
加持・トウジ「仕方ないだろ!」 アナウンス「第3小隊は予定どおり発艦、到着の第7小隊は、第2デッキに上がってください」
加持「今、付き合ってる奴、いるの?」
ミサト「それがあなたに関係あるわけ?」
加持「あれ?つれないなぁ。君は葛城と同居してるんだって?」
シンジ「えっ、ええ…」
加持「彼女の寝相の悪さ、直ってる?」
アスカ・トウジ・ケンスケ「えぇ〜っ」
ミサト「なっ、なっ、なっ、何言ってるのよ!」
加持「相変わらずか?碇シンジ君」
シンジ「えっ、ええ…あれ?どうして僕の名前を?」
加持「そりゃあ知ってるさ。この世界じゃ、君は有名だからね。何の訓練もなしに、エヴァを実戦で動かしたサードチルドレン」
シンジ「いや、そんな…偶然です…」
加持「偶然も運命の一部さ。才能なんだよ、君の。じゃ、また後で」
シンジ「はい」
ミサト「冗談…悪夢よ、これは…」 加持「どうだ、碇シンジ君は」
アスカ「つまんない子。あんなのがえらばれたサードチルドレンだなんて、ゲンメツ」
加持「しかし、いきなりの実戦で、彼のシンクロ率は、40を軽く超えてるぞ」
アスカ「うそぉ!」 トウジ「しっかし、いけ好かん艦長やったなぁ!」
ミサト「プライドの高い人なのよ。皮肉の一つも言いたくなるんでしょう?」
シンジ「にぎやかで面白い人ですね。加持さん」
ミサト「昔からなのよ、あのぶゎーか!」
アスカ「サードチルドレン!」
シンジ「ん?」
アスカ「ちょっと付き合って」 シンジ「赤いんだ、弐号機って。知らなかったな」
アスカ「違うのはカラーリングだけじゃないわ」
所詮、零号機と初号機は、開発過程のプロトタイプとテストタイプ。
訓練無しのあなたなんかにいきなりシンクロするのがそのいい証拠よ。
けどこの弐号機は違うわ。これこそ実戦用に作られた、世界初の本物のエヴァンゲリオンなのよ。正式タイプのね」
シンジ「あ、あ、なんだろう?」
アスカ「水中衝撃波!爆発が近いわ…」
シンジ「あれは!まさか…使徒?」
アスカ「あれが?本物の?」
シンジ「どーしよう、ミサトさんのところに戻らなくっちゃ!」
アスカ「チャーンス!」 アナウンス「各艦、艦隊距離に注意の上、回避運動!」
副長「状況報告はどうした!」
無線「シンベリン沈黙、タイタス・アンドロニカス、目標、確認できません!」
艦長「くそぉ、何が起こっているんだ」
ミサト「ちわー、ネルフですが、見えない敵の情報と、的確な対処はいかがっすかぁ?」
艦長「戦闘中だ!見学者の立ち入りは許可できない!」
ミサト「これは私見ですが、どう見ても使徒の攻撃ですねぇ」
艦長「全艦任意に迎撃!」
ミサト「無駄なことを…」 加持「この程度じゃ、A.T.フィールドは破れない、か」 ミサト「しかし、なぜ使徒がここに…まさか、弐号機?」 シンジ「ねぇ、どこ行くんだよ!」
アスカ「ちょっとここで待ってなさいよ」
シンジ「なんだよ、もう…」 アスカ「きゃぁあ!覗かないでよ、エッチイ!」
シンジ「ごめん!」
アスカ「なんで男の子って、ああバカでスケベなのかしら!
…アスカ、行くわよ」 艦長「なぜ沈まん!」
トウジ「やっぱエヴァやないと、勝てへんなぁ〜」
艦長・副長「ぐっ!」 アスカ「さあ、行くわよ」
シンジ「へ?」
アスカ「「あんたも、来るのよ!」 シンジ「ねーぇ、プラグスーツに着替えて、どーすんだよ!」
アスカ「あんたバカぁ!?決まってるじゃない、弐号機で、あれをやっつけるのよ」
シンジ「そんなぁ。ミサトさんの許可は?」
アスカ「勝った後に、貰えばいいのよ。
さ、あたしの見事な操縦、目の前で見せてあげるわ。ただし、ジャマはしないでね」 加持「こんな所で使徒襲来とは、ちょっと話が違いませんか?」
ゲンドウ「そのための弐号機だ。予備のパイロットも追加してある。最悪の場合、君だけでも脱出したまえ」
加持「分かってます」 アスカ「L.C.L. Fu"llung, Anfang der Bewegung Anfang des Nerven anschlusses.Ausulo"sung von Rinkskleidung.Synchro-Start.」
シンジ「バグだ。どうしたの?」
アスカ「思考ノイズ!ジャマしないでって言ったでしょう!?」
シンジ「なんで?」
アスカ「あんた日本語で考えてるでしょう?ちゃんとドイツ語で考えてよ!」
シンジ「分かったよ…バウムクーヘン」
アスカ「バカ!!!いいわよ、もう!思考言語切り替え、日本語をベーシックに!
エヴァンゲリオン弐号機、起動!」 無線「オセロウより入電、エヴァ弐号機起動中!」
艦長「なんだと!?」
ミサト「ナイス、アスカ!」
艦長「いかん、起動中止だ、元に戻せ!」
ミサト「かまわないわアスカ、発進して!」
艦長「なんだと?エヴァおよびパイロットは、われわれの管轄下だ!勝手は許さん!」
ミサト「何言ってんのよ、こんな時に!段取りなんて関係ないでしょ!」
副長「しかし、本気ですか?弐号機はB装備のままです」
艦長・ミサト「えっ!?」 シンジ「海に落ちたらやばいんじゃない?」
アスカ「落ちなきゃいいのよ」 ミサト「シンジ君も乗ってるのね!」
シンジ「はい!」
艦長「子供が2人…!」
ミサト「試せる…か?
アスカ、出して!」 シンジ「来た!」
アスカ「行きます!
どこ?」
シンジ「あっち!後58秒しかないよ!」
アスカ「分かってる。ミサト!非常用の外部電源を甲板に用意しといて!」
ミサト「分かったわ!」
艦長「何をするつもりだ!」
アスカ「さあ、跳ぶわよ」
シンジ「跳ぶ?」 甲板作業員「予備電源出ました!」
甲板作業員「リアクターと直結完了!」
甲板作業員「飛行甲板待避!」
甲板作業員「エヴァ着艦準備よし!」
副長「総耐ショック姿勢!」
艦長「でたらめだ!」
アスカ「エヴァ弐号機、着艦しまーす!」
ケンスケ「もったいなぁ〜〜〜い…」
アナウンス「目標、本艦に急速接近中!」
シンジ「来るよ、左舷9時方向!」
アスカ「外部電源に切り替え…切り替え終了!」
シンジ「でも、武装が無い」
アスカ「プログナイフで十分よ」
シンジ「結構でかい!」
アスカ「思った通りよ」
艦長「どうするつもりだ!?」
ミサト「使徒を倒すには、近接戦闘がベストです。
アスカ、よく止めたわ!」
艦長「冗談じゃない、飛行甲板がめちゃめちゃじゃないか!」 艦長「落ちたじゃないか!」
ミサト「アスカ!B型装備じゃ水中戦闘は無理よ!」
アスカ「そんなの、やってみなくちゃわかんないでしょ?」 ケンスケ「もったいなぁ〜〜〜い…」
ミサト「ケーブルの長さは!?」
副長「残り、千二百!」
艦長「どうするんだね!?」
ミサト「何とかなります」 シンジ「何とかしなくちゃ…」
ミサト「ケーブルがなくなるわ!衝撃に備えて!」
アスカ「しまった!」
アナウンス「エヴァ、目標を喪失!」
ケンスケ「今のうちにディスクを…あぁーっ!Yak38改!」
加持「おーい葛城ぃー!」
ミサト「加ぁ持ぃ〜!」
加持「届けもんがあるんで、俺、先に行くわぁ〜。
出してくれ。じゃ、よろしくー、葛城一尉ぃ〜」
トウジ「あぁ…逃げよった…」
アナウンス「目標、再びエヴァに接近中!」 シンジ「また来た!」
アスカ「今度こそ仕留めてやるわ!
何よ、動かないじゃない!」
シンジ「B型装備じゃねぇ…」
アスカ「どうすんのよ!」
シンジ「どうするって…」
アスカ「だらしないのねぇ!サードチルドレンのくせにぃ!」
シンジ「来たっ!」
アスカ「口ぃ!?」
シンジ「使徒だからねぇ…」
アスカ・シンジ「うわぁあああっ!」 アナウンス「エヴァ弐号機、目標体内に侵入!」
トウジ「それって、食われたんとちゃうか?
こりゃまるで、釣りやな…」
ミサト「釣り!?…そう、釣りだわ!」 シンジ「これじゃピンチに逆戻りだ!」
アスカ「うっさいわねぇ!いつまで乗ってんのよ、エッチイ!」
シンジ「でも、何とか離れないと…」
ミサト「アスカ!聞こえる!?
絶対に離さないでね!」
アスカ・シンジ「え!?」 ミサト「艦長」
艦長「なんだ」
ミサト「ご協力をお願いします」
艦長「生き残った戦艦2隻による、ゼロ距離射撃!?」
ミサト「そうです。アンビリカルケーブルの軸線上に無人の戦艦2隻を自沈させ、罠をはります。
その間に、エヴァ弐号機が目標の口を開口、そこへ全艦突入し、艦首主砲塔の直接砲撃の後、さらに自爆、目標を撃破します」
艦長「そんな無茶な!」
ミサト「無茶かもしれませんが、無理ではないと思います」
艦長「分かった」 アナウンス「総員退艦、繰り返す、総員退艦!各フリゲートは、漂流者の救助を急げ!」
艦長「しかし、エヴァはどうする?」
ミサト「心配ありません。あの2人でしたら」 アスカ「ちょっとあんた、人の弐号機勝手に動かさないでよ!」
ミサト「2人とも、作戦内容、いいわね!」
シンジ「何とかやってみるよ」
ミサト「頼むわ!」 アナウンス「全艦、キングス弁を抜きました。Z地点に対し沈降開始」
ミサト「了解、ケーブル、リバース!」
アナウンス「エヴァ、浮上開始!接触まで後70!」
アスカ「ちょっと、いつまでさわってんのよ!どいてったらぁ!」
シンジ「でも、早く口をこじ開けないと、僕らもやられちゃうよ!」
アナウンス「接触まで後60!」
ミサト「使徒の口は!?」
艦長「まだ開かん!」
アナウンス「戦艦2隻、目標に対し沈降中!」
アナウンス「エヴァ、浮上中!接触まで後50!」
シンジ「だめだ!」
アスカ「もう、時間が無いわ!」
アナウンス「目標はテンペストの艦底を通過!」
ミサト「間に合わないわ!早く!」
アスカ「変なこと考えないでよ」
シンジ「何が!」
アスカ「とにかく、考えを集中させるのよ!」
シンジ「分かってる!」
アナウンス「接触まで後15!」
シンジ・アスカ「開け、開け、開け、開け!」
ミサト「撃てェーィ!」 リツコ「また派手にやったわね…」
ミサト「水中戦闘を考慮すべきだったわー」
リツコ「あら珍しい。反省?」
ミサト「いいじゃない。貴重なデータも取れたんだし」
リツコ「そうね……ん?ミサト、」
ミサト「んー?」
リツコ「これはほんとに貴重だわ」 トウジ「ペ、ペアルック!」
ケンスケ「イヤーンな感じ!」 リツコ「シンクロ値の記録更新じゃない」
ミサト「たった7秒間じゃ、火事場のバカ力でしょ」
アスカ「ねぇ、加持さんは!?」
ミサト「先にトンズラ!もう本部に着いてるわよ!あのバァーカ!」 加持「いやはや、波乱に満ちた船旅でしたよ。やはり、これのせいですか?
既にここまで復元されています。硬化ベークライトで固めてありますが、生きてます。間違いなく。
人類補完計画の要ですね」
ゲンドウ「そうだ。最初の人間、アダムだよ」 トウジ「ほーんま、顔に似合わず、いけ好かん女やったなー」
ケンスケ「ま、おれたちはもう会うことも無いさ」
トウジ「センセエは仕事やからしゃーないわなぁ。同情するで、ほんま。
わぁーっ!」
アスカ「ウフッ!
惣流・アスカ・ラングレーです!よろしく!」 予告
心がてんでばらばらのアスカとシンジは、使徒にこてんぱんにのされてしまう。
ミサトは二人の完璧なユニゾンを目指し、一計を講じた。
次回、「瞬間、心、重ねて」
この次も、サービス、サービスぅ! 23話
リツコ「この事は極秘とします。プラグは回収。
関係部品は処分して」
職員「了解」
ヒカリ「この事、って?」
シンジ「2人目の魂が涙で消滅しても、その体は
再利用したんだよ。プラグの中には腕だけしか
無かったんだ」
ヒカリ「どうして腕だけなの?」
シンジ「脱出する為にプラグを中から殴ったら
腕が、もげたんじゃないかな」
ヒカリ「うん」 男子生徒「おい、見たかよ!」
男子「見た見た!」
男子「何が?」
男子「知らねーのか?あの外人!」
男子「外人?」
男子「2年A組に転校してきたんだよ!先週!」
男子「グーだよなぁ!」
男子「惣流・アスカ・ラングレーって言うんだってさ!」
男子「マジにかわいいじゃん」
男子「帰国子女だろ?やっぱ進んでんのかなぁ?」
男子「バカ言え、きっとドイツでつらーい別れがあったんだ、見知らぬ土地で傷ついた心も癒せずにいるんだよ!」
男子「おおーっ!」 ケンスケ「あーあ、猫も杓子も、アスカ、アスカかぁ…」
トウジ「みな平和なもんや」
ケンスケ「毎度ありぃ!」
トウジ「写真にあの性格は、あらへんからなぁ」 アスカ「ハローゥ、シンジ!グーテンモルゲーン!」
シンジ「グ、グーテンモルゲン…」
アスカ「まぁた、朝から辛気臭い顔してェ。このあたしが声かけてんのよ、ちったぁ嬉しそうな顔しなさいよ。
で、ここにいるんでしょ、もう一人」
シンジ「誰が?」
アスカ「あんたバカぁ!?ファーストチルドレンに決まってるじゃない」
シンジ「ああ、綾波なら…」 アスカ「ハローゥ!あなたが、綾波レイね。プロトタイプのパイロット。
あたし、アスカ、惣流・アスカ・ラングレー。エヴァ弐号機のパイロット、仲良くしましょ」
レイ「どうして?」
アスカ「その方が都合がいいからよ。いろいろとね」
レイ「命令があれば、そうするわ」
アスカ「変わった子ね」
トウジ「ほんま、エヴァのパイロットって、変わり者が選ばれるんちゃうか?」 加持「少し、痩せたかな?」
リツコ「そう?」
加持「悲しい恋をしてるからだ」
リツコ「どうして、そんな事が分かるの?」
加持「それはね、涙の通り道にほくろのある人は、一生泣きつづける運命にあるからだよ」
リツコ「これから口説くつもり?でもだめよ、こわーいお姉さんが見ているわ」
ミサト「むぅぅ!」
リツコ「お久しぶり、加持君」
加持「やっ、しばらく」
リツコ「しかし加持君も意外と迂闊ね」
ミサト「こいつのバカは相変わらずなのよ!あんた弐号機の引き渡し済んだんなら、さっさと帰りなさいよ!」
加持「今朝、出向の辞令が届いてね。ここに居続けだよ。また三人でつるめるな。昔みたいに」
ミサト「誰があんたなんかと!
敵襲!?」 シゲル「警戒中の巡洋艦、「はるな」より入電、
「ワレ、キイハントウオキニテ、キョダイナセンコウブッタイヲハッケン。データオクル」
マコト「受信データを照合…波長パターン青、使徒と確認!」
冬月「総員、第一種戦闘配置!」 ミサト「先の戦闘によって第3新東京市の迎撃システムは、大きなダメージを受け、現在までの復旧率は26%。実戦における稼働率はゼロといっていいわ。
したがって今回は、上陸直前の目標を水際で一気に叩く!
初号機ならびに弐号機は、交互に目標に対し波状攻撃、近接戦闘で行くわよ」
シンジ・アスカ「了解!」
アスカ「あーあ、日本でのデビュー戦だって言うのに、どーして私一人に任せてくれないの?」
シンジ「仕方ないよ、作戦なんだから」
アスカ「言っとくけど、くれぐれも足手纏いになるようなことは、しないでね!」
シンジ「う、うん…」
アスカ「なんであんなのがパイロットに選ばれたの?」 アスカ「2人掛かりなんて、卑怯でやだな。趣味じゃない」
ミサト「私たちに選ぶ余裕なんてないのよ、生き残るための手段をね」
シンジ「はっ、来た!」
ミサト「攻撃開始!」
アスカ「じゃ、私から行くわ!援護してね!」
シンジ「援護!?」
アスカ「レディーファーストよ!」
シンジ「ちぇ、後から来たくせに、仕切るなよな…」
アスカ「行ける!」
シンジ「えぇっ!?」
アスカ「ぬぁぁぁぁーっ!」 シンジ「お見事…」
アスカ「どう、サードチルドレン!戦いは、常に無駄なく美しくよ!」 マヤ「本日午前10時58分15秒、2体に分離した目標甲の攻撃を受けた初号機は、駿河湾沖合い2キロの海上に水没、
同20秒、弐号機は目標乙の攻撃により活動停止。この状況に対するE計画責任者のコメント」
(リツコ「無様ね」)
アスカ「もぉ、あんたのせいでせっかくのデビュー戦が目茶目茶になっちゃったじゃない!」
シンジ「何言ってんだよ、惣流が間抜けなことしただけじゃないか!」
アスカ「まぬけぇ〜!?どうしてグズのあんたがそんなこと言えるのよ、図々しいわねぇ!」
シンジ「何だよ!焦って倒そうとするから大変なことになるんだろ!」
アスカ「何よあれ、海の中でドザエモンみたいに!だっさぁ〜」
マヤ「午前11時3分をもって、ネルフは作戦の遂行を断念、」
シンジ「自分だって人のこと言えないくせに!」
マヤ「国連第2方面軍に指揮権を譲渡」
冬月「まったく恥をかかせおって!」
マヤ「同05分、N2爆雷により目標を攻撃、」
冬月「また地図を書き直さなきゃならんな」
マヤ「構成物質の28%を焼却に成功」
アスカ「やったの?」
冬月「足止めに過ぎん。再度侵攻は時間の問題だ」
加持「ま、建て直しの時間が稼げただけでも、儲けもんっすよ」
冬月「いいか君たち、君たちの仕事は何だか分かるか!?」
アスカ「エヴァの操縦」
冬月「違う!使徒に勝つことだ!このような醜態をさらすためにわれわれネルフは存在しているわけではない!そのためには君たちが協力し合って…」
シンジ・アスカ「なんでこんな奴と!」
冬月「もういい…」 アスカ「どうしてみんなすぐに怒るの?」
加持「大人は恥をかきたくないのさ」
シンジ「あの、ミサトさんは?」
加持「後片付け。責任者は責任取るためにいるからな」 リツコ「関係各省からの抗議文と被害報告書。で、これがUNからの請求書、広報部からの苦情もあるわよ」
ミサト「ふ〜」
リツコ「ちゃんと目を通しておいてね」
ミサト「読まなくても分かってるわよ、喧嘩をするならここでやれ、って言うんでしょう?」
リツコ「ご明察」
ミサト「いわれなくったって、使徒が片付けばここでやるわよ。使徒は必ず私が倒すわ」
リツコ「副司令官はカンカンよ。今度恥かかせたら左遷ね、間違いなく」
ミサト「碇司令が留守だったのは不幸中の幸いだったけどさ」
リツコ「いたら即刻クビよ。これを見ることもなく、ね」
ミサト「で、私の首がつながるアイディア、持ってきてくれたんでしょ?」
リツコ「一つだけね」
ミサト「さっすが赤木リツコ博士、持つべきものは心優しき旧友ね〜」
リツコ「残念ながら、旧友のピンチを救うのは私じゃないわ。このアイディアは加持君よ」
ミサト「加持の?」 シンジ「ただいまー、って言ったって誰もいない、か…な、何だこれ!」
アスカ「失礼ね、あたしの荷物よ」
シンジ「なんで惣流がここにいるんだよ」
アスカ「あんたこそまだいたの?」
シンジ「まだって?」
アスカ「あんた、今日からお払い箱よ」
シンジ「え?」
アスカ「ミサトは私と暮らすの。まぁ、どっちが優秀かを考えれば、当然の選択よね。ほんとは加持さんといっしょの方がいいんだけど。
しっかし、どうして日本の部屋って、こう狭いのかしら。荷物が半分も入らないじゃない」
シンジ「あ、わぁぁー!」
アスカ「おまけに、日本人てどうしてこう危機感足りないのかしら?よくこんな鍵のない部屋で暮らせるわね。信じられない」
ミサト「日本人の心情は察しと思いやりだからよ」
シンジ・アスカ「ミサトさん…」
ミサト「お帰りなさ〜い、さっそくうまくやってるじゃない」
シンジ・アスカ「何がですか?」
ミサト「今度の作戦準備」
シンジ・アスカ「どうして?」 ミサト「第7使徒の弱点は1つ!分離中のコアに対する二点同時の荷重攻撃、これしかないわ。
つまり、エヴァ2体のタイミングを完璧に合わせた攻撃よ。
そのためには2人の協調、完璧なユニゾンが必要なの。
そ・こ・で、あなたたちにこれから一緒に暮らしてもらうわ」
シンジ・アスカ「えぇ〜っ!?」
アスカ「嫌よ!昔から男女7歳にして同衾せず、ってね!」
ミサト「使徒は現在自己修復中。第2波は6日後、時間がないの」
アスカ「そんな、無茶な〜」
ミサト「そこで、無茶を可能にする方法。
二人の完璧なユニゾンをマスターするため、この曲に合わせた攻撃パターンを覚え込むのよ。6日以内に、1秒でも早く!」
シンジ・アスカ「はぁ…」
アスカ「ぷいっ!」 トウジ「しかし、シンジの奴どないしたんやろ?」
ケンスケ「学校を休んで、もう三日か」
トウジ「あれ?イインチョやんか」
ヒカリ「三バカトリオの二人…」
トウジ「なんでイインチョがここにおるんや?」
ヒカリ「惣流さんのお見舞い。あなたたちこそどうしてここに?」
ケンスケ「碇君のお見舞い」
トウジ「なんでここで止まるんや?」
ケンスケ「なんでここで止まるんだ?」
ヒカリ「なんでここで止まるのよ?」
シンジ・アスカ「はーい!」
トウジ「う、う、裏切りも〜ん!」
ケンスケ「またしても今時ペアルック、イヤ〜ンな感じ!」
シンジ・アスカ「こ、これは、日本人は形から入るものだって、無理矢理ミサトさんが…」
ヒカリ「ふ、不潔よっ!二人とも!」
シンジ「誤解だよ!」
アスカ「誤解だわ!」
ヒカリ「誤解も六階もない〜!」
ミサト「あら、いらっしゃい」
トウジ「ん?これは、どういう事か、説明してください」 トウジ「そうならそうと、はよ言うてくれたらよかったのに」
ヒカリ「で、ユニゾンはうまく行ってるんですか?」
ミサト「それが見ての通りなのよ…」
トウジ・ケンスケ・ヒカリ・ミサト「はぁ〜…」
アスカ「当たり前じゃない。このシンジに合わせてレベルを下げるなんて、うまく行くわけないわ!どだい無理な話なのよ!」
ミサト「じゃ、やめとく?」
アスカ「他に人、いないんでしょ?」
ミサト「レイ」
レイ「はい」
ミサト「やってみて」
レイ「はい」
アスカ「…」
トウジ・ケンスケ・ヒカリ・ミサト「おぉ〜!」
ミサト「これは作戦変更して、レイと組んだほうがいいかもね」
アスカ「ええっ…もう、イヤッ!やってらんないわ!」
シンジ「あっ…!」
ヒカリ「アスカさん!」
トウジ「鬼の目ェにも涙や」
ヒカリ「い〜か〜り〜く〜ん!」
シンジ「はぁ?」
ヒカリ「追いかけて!」
シンジ「え?」
ヒカリ「女の子泣かせたのよ!責任取りなさいよ!」 シンジ「あのぉ〜」
アスカ「何も言わないで!分かってるわ。私はエヴァに乗るしかないのよ。やるわ、私」 アスカ「こーなったら、何としてもレイやミサトを見返してやるのよ!」
シンジ「そんな、見返すだなんて…」
アスカ「なぁ〜に甘い事言ってんのよ!男の癖に!傷付けられたプライドは、じゅぅ〜倍にして返してやるのよ!」
シンジ「…」 アスカ「ミサトは?」
シンジ「仕事。今夜は徹夜だって、さっき電話が」
アスカ「じゃあ、今夜は二人っきり、ってわけね。これは決して崩れる事のないジェリコの壁!」
シンジ「はぁ…」
アスカ「この壁をちょっとでも越えたら死刑よ!子供は夜更かししないで寝なさい!
どうして日本人は床の上で寝られるのかしら、信じらんない」 シンジ「はっ!」
アスカ「んっ…ママ…ママ……」
シンジ「…自分だって子供の癖に…」 ミサト「やっだ、見てる!」
加持「誰が?」
ミサト「誰って…もう、加持君とは何でもないんだから、こういうのやめてくれる?」
加持「でも、君の唇はやめてくれ、とは言わなかったよ。君の唇と君の言葉、どっちを信用したらいいのかな?」 リツコ「はい」
ミサト「あ、ありがとう…」
リツコ「今日は珍しく素面じゃない?」
ミサト「う、うーん、ちょっち、ね…」
リツコ「仕事?それとも、男?」
ミサト「う…いろいろ」
リツコ「ふーん。まだ好きなのかしら?」
ミサト「ぶっ!変な事言わないでよ!誰が、あんな奴と!
はぁ…いくら若気の至りとはいえ、あんなのと付き合っていたなんて、我が人生最大の汚点だわ」
リツコ「私が言ったのは加持君が、よ。動揺させちゃった?」
ミサト「あんたねぇ〜!」
リツコ「怒るのは図星を突かれた証拠よ」
ミサト「むぅぅ…」
リツコ「今度はもう少し素直になったら?8年前とは違うんだから」
ミサト「変わってないわ。ちっとも。大人になってない。さぁ〜て、仕事仕事!明日は決戦だもんねぇ〜!」 シゲル「目標は、強羅絶対防衛線を突破」
ミサト「来たわね、今度は抜かりないわよ。
音楽スタートと同時に、A.T.フィールドを展開。後は作戦通りに。2人とも、いいわね?」
シンジ・アスカ「了解!」
シゲル「目標は、山間部に侵入」
アスカ「いいわね、最初からフル稼動、最大戦速で行くわよ!」
シンジ「分かってるよ。62秒でケリをつける」
シゲル「目標、ゼロ地点に到達します!」
ミサト「外電源、パージ。
発進!」 マヤ「エヴァ両機、確認!」
ミサト「あっちゃぁ〜」
リツコ「無様ね」
アスカ「ちょっとぉ〜っ!あたしの弐号機に何てことすんのよ!」
シンジ「そんな!そっちが突っ掛かってきたんじゃないか!」
アスカ「最後にタイミング外したの、そっちでしょ!普段からボケボケっとしてるからよ!昨日の夜だって、寝ないで何してたの!?」
シンジ「今日の戦いのためのイメージトレーニングだよ!」
アスカ「嘘ばっかし!寝てるすきに私の唇奪おうとしたくせに!」
シンジ「…ずるいよ、起きてたなんて!」
アスカ「ひっどぉ〜い、冗談で言っただけなのに、ほんとだったの!?キスしたのね〜!」
シンジ「してないよ、途中でやめたんだよ!」
アスカ「エッチ!チカン!ヘンタイ、信じらんない!」
発令所職員「アハハハハ…」
シンジ「そっちこそ、寝言と寝相が悪いのが悪いんじゃないか!」
冬月「また恥をかかせおって…」 羽化直前の使徒が眠る浅間山火口。
ネルフは初の捕獲を試みる。
極地仕様のエヴァ弐号機が、灼熱の地獄へ挑む。
次回、『マグマ・ダイバー』。
この次も、サービス、サービスゥ! アスカ「フンフフンフンフンフ〜ン、ラッキー!加持さんにショッピングを付き合ってもらえるなんて!」
加持「何だぁ…ここ、水着コーナーじゃないか…」
アスカ「ねぇねぇ、これなんかどう?」
加持「いやはや、中学生にはちと早すぎるんじゃないかな?」
アスカ「加持さんおっくれてるぅ〜。今時こんくらい、あったりまえよぉ」
加持「ほぉ…そうなんだ」
アスカ「せっかくの修学旅行だもん。パーっと気分を開放しなきゃ」
加持「修学旅行、どこ?」
アスカ「「オ・キ・ナ・ワ!メニューにはね、スキューバーダイビングも入ってるの」
加持「スキューバねぇ…そう言や、もう3年も潜ってないなぁ」
アスカ「ねぇ、加持さんは修学旅行、どこ行ったの?」
加持「ああ、俺達そんなのなかったんだ」
アスカ「どうして?」
加持「セカンドインパクトがあったからな」 アスカ「えーっ、修学旅行に行っちゃ駄目ぇ!?」
ミサト「そ」
アスカ「どうして!」
ミサト「戦闘待機だもの」
アスカ「そんなの聞いてないわよ!」
ミサト「今言ったわ」
アスカ「誰が決めたのよ!」
ミサト「作戦担当のあたしが決めたの」
シンジ「…」
アスカ「あんた!お茶なんかすすってないで、ちょっとなんか言ってやったらどうなの!男でしょう!」
シンジ「いや、僕は多分こういうことになるんじゃないか、と思って…」
アスカ「諦めてた、ってわけ?」
シンジ「うん」
アスカ「情けない。飼い慣らされた男なんて、サイテー」
シンジ「そういう言い方はやめてよ」
ミサト「気持ちは分かるけど、こればっかりは仕方ないわ。あなたたちが修学旅行に行っている間に、使徒の攻撃があるかもしれないでしょ?」
アスカ「いつもいつも、待機、待機、待機、待機!いつ来るか分かんない敵を相手に、守る事ばっかし!たまには敵の居場所を突き止めて、攻めに行ったらどうなの?」
ミサト「それができればやってるわよ。ま、二人ともこれをいい機会だと思わなきゃ。クラスのみんなが修学旅行に行っている間、少しは勉強ができるでしょ?」
あたしが知らないとでも思ってるの?」
シンジ「う…」
ミサト「見せなきゃばれないと思ったら、大間違いよ。あなたたちが学校のテストで何点取ったかなんて情報くらい、筒抜けなんだから」
アスカ「ふん、バッカみたい。学校の成績が何よ。旧態依然とした減点式のテストなんか、何の興味もないわ」
ミサト「郷に行っては郷に従え。日本の学校にも慣れてちょうだい」
アスカ「イーーーーーッだ!」 ヒカリ「アスカ!お土産買ってくるからね!」
ケンスケ「あぁーっ、二人とも残念だったなぁ!」
トウジ「お前らの分まで、楽しんできたるわ、ナハハハハー!」
オペレータ「浅間山の観測データは、可及的速やかにバルタザールからメルキオールへ、ペーストしてください」
マヤ「…………(:_;)」
マコト「ヒヒ、イヒヒヒ!」
シゲル「フフンフンフンフンフンギュン!」
リツコ「修学旅行?こんなご時世に呑気なものね」
ミサト「こんなご時世だからこそ、遊べるときに遊びたいのよ、あの子達」 ヒカリ「アスカ!お土産買ってくるからね!」
ケンスケ「あぁーっ、二人とも残念だったなぁ!」
トウジ「お前らの分まで、楽しんできたるわ、ナハハハハー!」
オペレータ「浅間山の観測データは、可及的速やかにバルタザールからメルキオールへ、ペーストしてください」
マヤ「…………(:_;)(絵コンテによると、感涙に咽んでいるらしい)」
マコト「ヒヒ、イヒヒヒ!」
シゲル「フフンフンフンフンフンギュン!」
リツコ「修学旅行?こんなご時世に呑気なものね」
ミサト「こんなご時世だからこそ、遊べるときに遊びたいのよ、あの子達」 アスカ「何してんの?」
シンジ「理科の勉強」
アスカ「ったく、お利口さんなんだからぁ」
シンジ「そんな事言ったって、やらなきゃいけないんだから…ウッ!」
アスカ「ジャーン!オキナワでスキューバーできないから、ここで潜るの」
シンジ「そ、そう!?」
アスカ「どれどれ、何やってんの?ちょっと見せて…この程度の数式が解けないの?はい、できた。簡単じゃん」
シンジ「どうしてこんな難しいのができて、学校のテストが駄目なの?」
アスカ「問題に何が書いてあるのか、分からなかったのよ」
シンジ「それって、日本語の設問が読めなかった、って事?」
アスカ「そ。まだ漢字全部覚えてないのよね、向こうの大学じゃ、習ってなかったし」
シンジ「大学?」
アスカ「あ、去年卒業したの。でぇ、こっちのこれはなんて書いてあるの?」
シンジ「あ、熱膨張に関する問題だよ」
アスカ「熱膨張?幼稚な事やってるのね。とどのつまり、ものってのはあたためれば膨らんで大きくなるし冷やせば縮んで小さくなる、って事じゃない」
シンジ「そりゃそうだけど…」
アスカ「あたしの場合、胸だけ暖めれば、少しはオッパイが大きくなるのかなぁ?」
シンジ「そ、そんな事聞かれたって、わかんないよ!」
アスカ「つまんない男…」
アスカ「見て見て、シンジ!」
シンジ「ん?」
アスカ「バックロールエントリー!」
シンジ「はぁ…」 冬月「これではよく分からんな」
シゲル「しかし、浅間山地震研究所の報告通り、この影は気になります」
冬月「もちろん無視はできん」」
リツコ「MAGIの判断は?」
マヤ「フィフティーフィフティーです」
冬月「現地へは?」
シゲル「すでに、葛城一尉が到着しています」 所員「もう限界です!」
ミサト「いえ、後500、お願いします」
アナウンス「深度1200、耐圧隔壁に亀裂発生」
所員「「葛城さん!」
ミサト「壊れたらうちで弁償します。後200」
マコト「モニターに反応」
ミサト「解析開始」
マコト「ハイ」
アナウンス「観測機圧壊、爆発しました」
ミサト「解析は?」
マコト「ぎりぎりで間に合いましたね。パターン青です」
ミサト「間違いない、使徒だわ」
ミサト「これより当研究所は完全閉鎖、ネルフの管轄下となります。一切の入室を禁じた上、過去6時間以内の事象は、すべて部外秘とします。
碇司令当てにA-17を要請して!大至急!」
シゲル「気をつけてください、これは通常回線です」
ミサト「分かっているわ。さっさと守秘回線に切り替えて!」 委員「A-17?こちらから打って出るのか?」
ゲンドウ「そうです」
委員「駄目だ、危険過ぎる!15年前を忘れたとは言わせんぞ!」
ゲンドウ「これはチャンスなのです。これまで防戦一方だった我々が、初めて攻勢に出るための」
キール「リスクが大きすぎるな」
ゲンドウ「しかし、生きた使徒のサンプル、その重要性は、すでに承知の事でしょう」
キール「失敗は、許さん」
冬月「失敗か…その時は人類そのものが消えてしまうよ。本当にいいんだな?」
ゲンドウ「…」 シンジ「これが使徒?」
リツコ「そうよ。まだ完成体になっていない蛹の状態みたいなものね。
今回の作戦は使徒の捕獲を最優先とします。できうる限り原形をとどめ、生きたまま回収すること」
アスカ「できなかったときは?」
リツコ「即時殲滅。いいわね?」
シンジ・アスカ・レイ「はい」
リツコ「作戦担当者は…」
アスカ「はいは〜い、私が潜る!」
シンジ「(でも、また僕なんだろうな…)」
リツコ「アスカ。弐号機で担当して」
アスカ「はーい!こんなの楽勝じゃん!」
レイ「私は?」
マヤ「プロトタイプの零号機には、特殊装備は規格外なのよ」
リツコ「レイと零号機には本部での待機を命じます」
レイ「はい」
アスカ「残念だったわねぇ〜、温泉行けなくて」
リツコ「A-17が発令された以上、すぐに出るわよ。支度して」
シンジ・アスカ「はい!」 アスカ「うん?耐熱仕様のプラグスーツと言っても、いつものと変わらないじゃない」
リツコ「右のスイッチを押してみて」
アスカ「うわぁー、いやぁー!何よ、これぇ!」
リツコ「弐号機の支度もできてるわ」 アスカ「いやぁぁぁ!なによ、これぇ!」
リツコ「耐熱・耐圧・耐核防護服。局地戦用のD型装備よ」
アスカ「これがあたしの、弐号機?
嫌だ!あたし降りる!こんなので人前に出たくないわ!こーいうのはシンジのほうがお似合いよ!」
加持「そいつは残念だな。アスカの勇姿が見れると思ってたんだけどな」
アスカ「いやーっ!でもこんなださいの着て、加持さんの前に出る勇気なんてないわ」
マヤ「困りましたねぇ…」
リツコ「そうね…」
シンジ「あの…僕が…」
レイ「あたしが弐号機で出るわ」
アスカ「あなたには私の弐号機に触ってほしくないの、悪いけど。
ファーストが出るくらいなら私が行くわ。
カッコ悪いけど、我慢してね…」 アナウンス「エヴァ初号機、および弐号機、到着しました」
ミサト「両機はその場にて待機、レーザーの打ち込みとクレーンの準備、急いで」
マコト「了解」 アスカ「あれ?加持さんは?」
ミサト「あのバカは来ないわよ、仕事無いもの」
アスカ「ちぇーっ、せっかく加持さんにもいいとこ見せようと思ったのに」 謎の女性「A-17の発令ね。それには現資産の凍結も含まれているわ」
加持「お困りの方も、さぞ多いでしょうな」
女性「なぜ止めなかったの?」
加持「理由がありませんよ。発令は正式なものです」
女性「でもネルフの失敗は、世界の破滅を意味するのよ」
加持「彼らはそんなに傲慢ではありませんよ」 シンジ「何ですか、あれ」
リツコ「UNの空軍が空中待機してるのよ」
マヤ「この作戦が終わるまでね」
アスカ「手伝ってくれるの?」
リツコ「いいえ、後始末よ」
マヤ「私たちが失敗したときのね」
アスカ「どういう事?」
リツコ「使徒をN2爆雷で熱処理するのよ。私たちごとね」
アスカ「ひっどぉーい!」
シンジ「そんな命令、誰が出すんですか!?」
リツコ「碇司令よ」
シンジ「…」 アナウンス「レーザー、作業終了」
アナウンス「進路確保!」
アナウンス「D型装備、異常無し!」
マコト「弐号機、発進位置」
ミサト「了解。アスカ、準備はどう?」
アスカ「いつでもどうぞ」
ミサト「発進!」
アスカ「うっわぁ〜、あっつそぉ〜!」
マヤ「弐号機、溶岩内に入ります」
アスカ「見て見てシンジ!」
シンジ「?」
アスカ「ジャイアントストロングエントリー!」
シンジ「はぁぁ…」 アスカ「現在、深度170、沈降速度20。各部問題なし。視界は…ゼロ。何にも分かんないわ。CTモニターに切り替えます。
これでも透明度120か…」 マヤ「深度、400、450、500、550、600、650。
900、950、1000、1020、安全深度、オーバー。
深度1300、目標予測地点です」
ミサト「アスカ、何か見える?」
アスカ「反応なし、いないわ」
リツコ「思ったより対流が早いようね」
マコト「目標の移動速度に誤差が生じています」
ミサト「再計算、急いで。作戦続行。再度沈降、よろしく」
マコト「えぇっ?」 マヤ「深度、1350、1400」
オペレータ「第2循環パイプに亀裂発生」
マヤ「深度、1480、限界深度、オーバー!」
ミサト「目標とまだ接触していないわ。続けて。アスカ、どう?」
アスカ「まだ持ちそう。さっさと終わらせてシャワー浴びたい」
ミサト「近くにいい温泉があるわ。終わったら行きましょ。もう少しがんばって」
マヤ「限界深度、プラス120」
アスカ「!」
オペレータ「エヴァ弐号機、プログナイフ喪失」
マヤ「限界深度、プラス200」
マコト「葛城さん!もうこれ以上は!今度は人が乗っているんですよ!」
ミサト「この作戦の責任者は私です。続けてください」
アスカ「ミサトの言う通りよ。大丈夫、まだいけるわ」 マヤ「深度、1780。目標予測修正地点です」
アスカ「………いた…」
マコト「目標を映像で確認」
ミサト「捕獲準備」
リツコ「お互いに対流で流されているから、接触のチャンスは一度しかないわよ」
アスカ「分かってる。任せて」
マコト「目標接触まで、後30(サンマル)」
アスカ「相対速度2.2。軸線に乗ったわ。
電磁柵展開、問題なし。
目標、捕獲しました」
マコト「はぁ〜」
ミサト「ナイス、アスカ!」
アスカ「捕獲作業終了、これより浮上します」 シンジ「アスカ、大丈夫?」
アスカ「あったり前よ、案ずるより生むが易し、ってね。やっぱ楽勝じゃん?
でもこれじゃあプラグスーツと言うよりサウナスーツよ。あぁ、早いとこ温泉に入りたい」
リツコ「緊張がいっぺんに解けたみたいね」
ミサト「そう?」
リツコ「あなたも今日の作戦、恐かったんでしょ?」
ミサト「まぁね。下手に手を出せば、あれの二の舞ですものね」
リツコ「そうね。セカンドインパクト。二度とごめんだわ」 アスカ「何よ、これぇー!」
リツコ「まずいわ、羽化を始めたのよ。計算より早すぎるわ」
ミサト「キャッチャーは?」
マコト「とても持ちません!」
ミサト「捕獲中止、キャッチャーは破棄!
作戦変更、使徒殲滅を最優先、弐号機は撤収作業をしつつ戦闘準備!」
アスカ「待ってました!しまった!ナイフは落としちゃったんだわ」
正面!バラスト放出!
は、早い!
まずいわね、見失うなんて。おまけに視界は悪い、やたらと暑い、スーツがべったりしてて気持ち悪い!もぉ、サイテイね!」
ミサト「アスカ、今のうちに初号機のナイフを落とすわ。受け取って!」
アスカ「了解!ハッ!ヤバーッ!まだなの、シンジ!」
シンジ「ふぬぅーーーーっ!」 オペレータ「ナイフ到達まで、後40(ヨンマル)」
マコト「使徒、急速接近中!」
アスカ「嫌ぁ!来ないでぇ!
あーん、早く来てぇ!
もーぉ、遅いぃ!
しまった!」
リツコ「まさか、この状況下で口を開くなんて!」
マヤ「信じられない構造です!」
アスカ「う…ぐっ」
マヤ「左足損傷!」
アスカ「耐熱処置!こんちきしょーっ!」
リツコ「高温高圧、これだけの極限状態に耐えているのよ。プログナイフじゃ駄目だわ」
マコト「では、どうすれば?」
シンジ「そうだ!」
アスカ「さっきの奴!
このぉぉぉ!」
リツコ「なるほど、熱膨張ね!」
アスカ「冷却液の圧力をすべて三番にまわして!早く!
でぇぇぇぇい!
ううっ、ぐぐぐぐっ!」 アスカ「せっかくやったのに…やだな、ここまでなの?
!…シンジ…?
バカ、無理しちゃって…」 宅配屋「ごめんくださーい、ネルフの人、いますかー?」
シンジ「はーい!」
宅配屋「では、ここにサインをお願いします。
はい、どうもありがとうございました」
シンジ「加持さんから?何だろう?
風呂はそこを左だよ」 シンジ「はぁ〜ぁ、極楽極楽。
風呂がこんなに気持ちいいものだなんて、知らなかったなぁ…」
ミサト「シンジくーん、聞こえる〜?」
シンジ「は、はい!」
ミサト「ボディーシャンプー、投げてくれる?」
アスカ「持ってきたの、無くなっちゃった」
シンジ「うん…行くよ!」
アスカ「りょーかい!」
シンジ「フンッ!」
アスカ「痛っ!バカねぇ。どこ投げてんのよ、ヘタクソ!」
シンジ「う…ごめん!」
アスカ「もーぉ、変なとこに当てないでよね…」
ミサト「どれどれ〜?」
アスカ「あ、あん!」
ミサト「あー、アスカの肌って、すっごくプクプクしてて面白ーい!」
アスカ「やーだ!くすぐったーいぃ!」
ミサト「じゃ、ここはー?」
アスカ「きゃは!そんなとこ触んないでよぉ!」
ミサト「いーじゃない、減るもんじゃないし」
シンジ「…」
ペンペン「?」
シンジ「わぁっ!
膨張してしまった…恥ずかしい…」 ミサト「ああ、これね?セカンドインパクトのとき、ちょっち、ね」
アスカ「……知ってるんでしょ、私のことも、みんな」
ミサト「ま、仕事だからね…。お互いもう昔のことだもの。気にすること無いわ」 ネルフを快く思わない人々が、第3新東京市全ての電源を止める。
近代設備が何も動かないネルフに、使徒が迫る。
次回、『静止した闇の中で』。
この次も、サービスしちゃうわよ。 磯「エヴァの中盤でかなり構成や脚本をやってるのに庵野さんは1円も払ってくれなかった」 生皮の金儲けのためのくだらねー企画で生まれた産廃同然のこのパンのスレを成仏させる意味でも、
もはや生皮アンチスレと化したこのスレをコピペ、AA、スクリプト等(コピペ、AAは生皮関連のものを使うとなお良し!!)、
手段は選ばなくていいので
>>1001まで徹底的にage埋めて落としちゃってください!お願いします!
【中川翔子】スカシカシパン【ローソン】
http://hanabi.2ch.net/test/read.cgi/bread/1201569146/ 一方通行
「今日に限って、クラシックカーのフォードT型だなんて…。
停電でめっきり交通量が少なくなった国道864号線を走るには都合がいい。」
国道864号
顕金街道を支える一般国道。
新国道94号バイパスが全線開通に伴い、かつての国道94号の
旧道区間(蚕棚町〜筑豊甘城市〜筑豊小金澤市〜
来栖宮市までの区間)が国道864号へと編入された。
主要幹線道路でもあるので交通量は非常に多く、
朝夕の通勤時間帯などではよく渋滞する。 国道864号と交差する道路
・国道765号(来栖宮環状線)
・国道657号(高架橋による立体交差になっている)
・国道954号(筑豊甘城-繭崎拡幅) 「静止した闇の中で」からの書き起こしまだかな?
本編思い出せて助かってたんだけど
時間ができたら再開よろしく 第拾話「マグマダイバー」
アスカ「コンチクショオオオオオオオオ!!」
ペンペンの目玉にナイフを刺すアスカ
のシーンを観ているシンジとヒカリ
シンジ「Airでアスカがカヲル君達に
槍で目を刺されたけど」
ヒカリ「うん」
シンジ「あれは、拾話の仕返しを
されたんだ」
ヒカリ「やられたら槍返すって
コトなのかな」
シンジ「そうだね・・・」
ヒカリ「エヴァって、怖いんだね」
シンジ「うん」 ばーさんはしつこい
ばーさんは用済みだ
(初めて見たよ)
昔から聞いてはいたけど・・・なんじゃこりゃー?!
20年前の夕方日本中の子供らがこれを見てたの??
もはや完全に深夜アニメの世界じゃん
うーむいままで安易に若いヲバを罵るようにばーさんを連呼してたが
これからは慎むことにしよう あの頃は深夜アニメはまだなかったんじゃなかったっけ?
今の注目されてる深夜アニメをやる枠が当時はあの枠だったんだよ
同じくセックスシーンがあるウテナもあの前後の枠だったし ずっと眠ってる私の愛のゆりかご
あなただけが夢の使者に呼ばれる朝が来る
細い首筋を月明りが映してる
世界中の時を止めて閉じ込めたいけど
もしも二人会えたことに意味があるなら
私はそう 自由を知るためのバイブル
残酷な天使のテーゼ 悲しみがそして始まる
抱きしめた命の形 その夢に目覚めたとき
誰よりも光を放つ 少年よ神話になれ 子供「わーい、当たった当たったぁ〜!」
リツコ「これじゃあ毎回のクリーニング代も、バカにならないわね」
マヤ「せめて、自分でお洗濯できる時間くらい、ほしいですね」
シゲル「家に帰れるだけ、まだマシっすよ」 リツコ「あら、副司令。おはようございます」
マヤ・シゲル「おはようございます!」
冬月「ああ、おはよう」
リツコ「今日はお早いですね」
冬月「碇の代わりに上の町だよ」
リツコ「ああ、今日は評議会の定例でしたね」
冬月「下らん仕事だ。碇め、昔から雑務はみんな私に押し付けおって、MAGIがいなかったらお手上げだよ」
リツコ「そう言えば、市議選が近いですよね。上は」
冬月「市議会は形骸に過ぎんよ。ここの市政は事実上MAGIがやっとるんだからな」
マヤ「MAGI?3台のスーパーコンピューターがですか!?」
冬月「3系統のコンピュータによる多数決だ。きちんと民主主義の基本に乗っ取ったシステムだ」
マヤ「議会はその決定に従うだけですか?」
冬月「最も無駄の少ない、効率的な政治だよ」
マヤ「さすがは科学の町、まさに科学万能の時代ですね!」
シゲル「ふーるくさいセリフ」
冬月「そう言えば、零号機の実験だったかな、そっちは」
リツコ「ええ、本日10:30(ヒトマルサンマル)より第2次稼動延長試験の予定です」
冬月「朗報を期待しとるよ リツコ「実験中断、回路を切って!」
マヤ「回路切り替え」
オペレータ「電源、回復します」
リツコ「問題はやはりここね」
マヤ「はい、変換効率が理論値より0.008も低いのが気になります」
オペレータ「ぎりぎりの計測誤差の範囲内ですが、どうしますか?」
リツコ「もう一度同じ設定で、相互変換を0.01だけ下げてやってみましょう」
マヤ「了解」
リツコ「では、再起動実験、始めるわよ」 加持「おーい、ちょいと待ってくれぇ〜っ!」
ミサト「チッ…」
加持「イヤー、走った走った!!こんちまたご機嫌斜めだねぇ」
ミサト「来た早々、あんたの顔見たからよ!」 オペレータ「はい、しばらくお待ちください」
ゲンドウ「なんだ?」
シンジ「あ、あの…父さん…」
ゲンドウ「どうした!早く言え!」
シンジ「あぁ…あの…実は今日、学校で進路相談の面接があることを父兄に報告しとけって、言われたんだけど…」
ゲンドウ「そういう事はすべて葛城君に一任してある。下らんことで電話をするな。こんな電話をいちいち取り次ぐんじゃない!」
シンジ「ん?」 ミサト「あら?」
加持「停電か?」
ミサト「まさか、ありえないわ。変ねぇ、事故かしら?」
加持「赤木が実験でもミスったのかな?」 マヤ「主電源ストップ、電圧、ゼロです」
オペレータ達「…」
リツコ「あ、あたしじゃないわよ…」 加持「どうだろうなぁ」
ミサト「でもまぁ、すぐに予備電源に切り替わるわよ」 シゲル「だめです、予備回線つながりません」
冬月「バカな!生き残っている回線は!」
職員「全部で1.2%、2567番からの9回線だけです!」
冬月「生き残っている電源はすべてMAGIとセントラルドグマの維持に廻せ!」
シゲル「全館の生命維持に支障が生じますが…」
冬月「構わん最優先だ!」 マコト「ほんと、ズボラな人だな、葛城さんも。自分の洗濯物くらい自分で取りに行きゃいいのに…ん?」 アスカ「それは碇司令、本当に忙しかっただけじゃないの?」
シンジ「そっかなぁ…途中で切ったって言うより、なんか故障した感じだったんだけど」
アスカ「もーう、男の癖に、いちいち細かいこと気にするの、やめたら?」 シンジ「あれ?」
レイ「?」
アスカ「何やってんの、ほら、替わりなさいよ!
?もぉーっ!壊れてんじゃないの、これぇ!?」 リツコ「とにかく、発令所へ急ぎましょ。7分たっても復旧しないなんて、」 ミサト「ただ事じゃないわ」
加持「ここの電源は?」
ミサト「正・副・予備の3系統、それが同時に落ちるなんて、考えられないわ」
加持「となると…」 ゲンドウ「やはり、ブレーカーは落ちたと言うより落とされた、と見るべきだな」
冬月「原因はどうであれ、こんな時に使徒が現れたら大変だぞ」 戦自「索敵レーダーに正体不明の反応あり!予想上陸地点は旧熱海方面!」
戦自司令官「おそらく、8番目の奴だ」
司令官「ああ、使徒だろう」
司令官「一応、警報シフトにしておけ。決まりだからな」
司令官「どうせまた奴の目的地は、第3新東京市だ」
司令官「そうだな。俺達がすることは何も無いさ」 戦自「使徒、上陸しました!」
戦自「依然、進行中」
司令官「第3進東京市は?」
戦自「沈黙を守っています」
司令官「一体ネルフの連中は、何をやってるんだ!」 リツコ「タラップなんて、前時代的な飾りだと思っていたけど、まさか使うことになるとはね」
マヤ「備えあれば憂い無し、ですよ」 アスカ「これも動かないわ」
レイ「どの施設も動かない。おかしいわ」
アスカ「下で何かあったってこと?」
レイ「そう考えるのが自然ね」
シンジ「とにかく、ネルフ本部へ連絡してみようよ」 レイ「駄目、連絡付かない」
アスカ「こっちも駄目、有線の非常回線も切れちゃってる」
シンジ「どうしよう…」
レイ「…」
アスカ「!」
シンジ「何してるの?」
アスカ「あんたバカぁ!?緊急時のマニュアルよ!」
レイ「とにかく本部へ行きましょう」
アスカ「そうね。じゃあ、行動を開始する前に、グループのリーダーを決めましょ」
シンジ「?」
アスカ「で、当然私がリーダー。異議無いわね?」
シンジ・レイ「…」
アスカ「じゃあ行きましょう!」
レイ「こっちの第7ルートから下に入れるわ」
アスカ「…」 シンジ「でも、ドアは動かないんじゃ……手動…ドア…」
アスカ「ほらシンジ、あんたの出番よ」
シンジ「こんな時だけ、人に頼るんだもんなぁ!」 戦自司令官「統幕会議め、こんな時だけ現場に頼りおって!」
司令官「政府は何と言ってる?」
司令官「フン、第2東京の連中か?逃げ支度だそうだ」
戦自「使徒は依然健在、進行中」
司令官「とにかく、ネルフの連中と連絡を取るんだ」
司令官「しかし、どうやって?」
司令官「直接行くんだよ」 セスナ「こちらは第3管区航空自衛隊です。ただいま正体不明の物体が本所に対し移動中です。
住民の皆様は速やかに指定のシェルターに避難してください」
マコト「ヤバイ!急いで本部に知らせなきゃ!でもどうやって…」
選挙カー「こういった非常時にも動じない、高橋、高橋覗をよろしくお願いいたします!」
マコト「…!?ラッキー!」
司令官「直接行くんだよ」 セスナ「こちらは第3管区航空自衛隊です。ただいま正体不明の物体が本所に対し移動中です。
住民の皆様は速やかに指定のシェルターに避難してください」
マコト「ヤバイ!急いで本部に知らせなきゃ!でもどうやって…」
選挙カー「こういった非常時にも動じない、高橋、高橋覗をよろしくお願いいたします!」
マコト「…!?ラッキー!」 ミサト「それにつけても暑いわねぇ…」
加持「空調も止まってるからねぇ。葛城、暑けりゃシャツくらい脱いだらどうだ?今更恥ずかしがることもないだろう?」
ミサト「こういう状況下だからって、変なこと考えないでよ!」
加持「へいへい」 リツコ「まずいわね、空気がよどんできたわ…はぁ…これが近代科学の、粋を凝らした施設とは…」
マヤ「でも、さすがは司令と副司令、この暑さにも動じませんね」
冬月「……ぬるいな」
ゲンドウ「ああ」 ウグイス嬢「当管区内における非常事態宣言に伴い緊急車両が通ります…って、あの、行き止まりですよぉ!」
マコト「いいから突っ込め!なんせ非常時だからなぁ!」
運転手「リョーカイッ!」
ウグイス嬢「いやぁ、もう止めてぇ!」 冬月「このジオフロントは外部から隔離されても自給自足できるコロニーとして作られている。
そのすべての電源が落ちると言う状況は、理論上はありえない」
リツコ「誰かが故意にやったと言うことですね」
ゲンドウ「おそらくその目的はここの調査だな」
リツコ「復旧ルートから本部の構造を推測するわけですか」
冬月「シャクな奴等だ」
リツコ「MAGIにダミープログラムを走らせます。全体の把握は困難になると思いますから」
ゲンドウ「頼む」
リツコ「はい」
冬月「本部初の被害が使徒によるものではなく、同じ人間にやられたものとは、やり切れんな」
ゲンドウ「所詮、人間の敵は人間だよ」 シンジ「いつもなら2分で行けるのに…ここ、ほんとに通路なの?」
アスカ「あそこまで行けば、きっとジオフロントに出られるわ」
シンジ「さっきから4回も聞いたよ、そのせりふ」
アスカ「あんたってほんと細かい男ね!つまんないことばっか拘ってさぁ!」
レイ「黙って」
アスカ「何よ、優等生!」
レイ「人の声よ」
アスカ「?」
マコト「使徒、接近中!使徒、接近中!」
アスカ・シンジ「日向さんだ!おぉーい!」
マコト「使徒、接近中、繰り返す、現在、使徒、接近中!」
アスカ・シンジ「使徒接近!?」
レイ「時間が惜しいわ。近道しましょう」
アスカ「リーダーは私よ。勝手に仕切らないで!…で、近道ってどこ?」 アスカ「いくら近いからって、これじゃカッコ悪すぎるわ…」
シンジ「ねぇ、使徒って何なのかなぁ?」
アスカ「何よ、こんな時にぃ!」
シンジ「使徒。神の使い。天使の名を持つ僕らの敵。なんで戦うんだろう」
アスカ「あんたバカぁ!?訳わかんない連中が攻めてきてんのよ、降りかかる火の粉は払い除けるのがあったりまえじゃない!」 アスカ「うーん、右ね」
レイ「私は左だと思うわ」
アスカ「うるさいわねぇ!シンジはどうなのよ!」
シンジ「あの……どっちかな?」
アスカ「もう!私がリーダーなんだから、黙って付いてくればいいのよ!」 シンジ「やっぱり変だよ、上り坂だよ、ここ」
アスカ「やっぱりとは何よ、いちいちうるさい男ねぇ!
ほら、今度こそ間違いないわ。
デーェいッ!
!!!
?…使徒を肉眼で確認、これで急がなきゃいけないのが分かったでしょう?」 マコト「現在、使徒接近中!直ちにエヴァ発信の要有りと認む!」
マヤ「大変!」
ゲンドウ「冬月、後を頼む」
冬月「碇!」
ゲンドウ「私はケイジでエヴァの発信準備を進めておく」
冬月「まさか、手動でか?」
ゲンドウ「緊急用のディーゼルがある」
冬月「しかし…(パイロットがいないぞ)」 シンジ「まただ…」
レイ「こっちよ」
アスカ「あんた、碇司令のお気に入りなんですってね」
レイ「…」
アスカ「やっぱ可愛がられてる優等生は、違うわね」
シンジ「こんな時に、やめようよ」
アスカ「いつもすまし顔でいられるしさぁ…」
レイ「…」
アスカ「あんた、ちょっと贔屓にされてるからって、なめないでよ!」
レイ「なめてなんかいないわ。それに、贔屓もされてない。自分で分かるもの」 作業員「いよーいしょ、よーいしょ、よーいしょ、よーいしょ!」
作業員「了解、停止信号プラグ、排出終了」
ゲンドウ「よし、3機ともエントリープラグ挿入準備」
作業員「しかし、いまだにパイロットが!」
リツコ「大丈夫。あの子達は必ず来るわ」 シンジ「これは、手じゃ開けられないよ」
レイ「仕方ないわ。ダクトを破壊してそこから進みましょう」
アスカ「ファーストって恐い子ね。目的のためには手段を選ばないタイプ。いわゆる独善者ね」 作業員+ゲンドウ「いよーいしょ、よーいしょ、よーいしょ、よーいしょ!」
マヤ「プラグ、固定準備完了」
リツコ「後はあの子達ね」 アスカ「ぜぇーったい、前見ないでよ!見たら殺すわよ!」
シンジ「え?」
アスカ「バカ!バカ!バカ!見るなって言ったでしょう!」
シンジ「仕方ないだろ!前見なきゃ進め…」
シンジ・アスカ「わぁーっ!」
リツコ「あんたたち!」
ゲンドウ「各機、エントリー準備!」
作業員「了解、手動でハッチ開け」
シンジ「エヴァは?」
リツコ「スタンバイできてるわ」
シンジ「何も動かないのに…?」
リツコ「人の手でね。司令のアイディアよ」
シンジ「父さんの?」
作業員+ゲンドウ「ふぬーっ、ふぬーっ、ふぬーっ…」
リツコ「碇司令は、あなたたちが来ることを信じて、準備してたのよ」 マヤ「プラグ挿入」
リツコ「全機、補助電源にて起動完了」
ゲンドウ「第一ロックボルト、外せ」
作業員「2番から32番までの油圧ロックを解除」
マヤ「圧力ゼロ、状況フリー」
ゲンドウ「構わん。各機実力で拘束具を除去、出撃しろ!」 マコト「目標は直上にて停止の模様!」
リツコ「作業、急いで!」
オペレータ「非常用バッテリー搭載完了!」
リツコ「よし、行けるわ!発進!」 アスカ「もぉ〜お、かっこわるーい!」
レイ「縦穴に出るわよ」 アスカ「あ〜、またしてもかっこわるーい!
!?」
レイ「いけない、よけて!」
アスカ「いやぁぁ!」
シンジ「うわ!」 レイ「目標は、強力な溶解液で本部に直接侵入を図るつもりね」
シンジ「どうすんの?」
アスカ「決まってるじゃない、やっつけるのよ!」
シンジ「だからどうやってだよ!ライフルは落としちゃったし、背中の電池は切れちゃったし、後3分も動かないよ!」
アスカ「…作戦はあるわ」 アスカ「ここにとどまる機体がディフェンス。A.T.フィールドを中和しつつ奴の溶解液からオフェンスを守る。
バックアップは下降。落ちたライフルを回収しオフェンスに渡す。そしてオフェンスはライフルの一斉射にて目標を破壊。これでいいわね?」
レイ「いいわ。ディフェンスは私が」
アスカ「おあいにくさま。あたしがやるわ」
シンジ「そんな、危ないよ」
アスカ「だからなのよ。あんたにこの前の借りを返しとかないと、気持ち悪いからね。
シンジがオフェンス、優等生がバックアップ、いいわね?」
レイ「分かったわ」
シンジ「………うん!」
アスカ「じゃ、行くわよ!Gehen!」 シンジ「綾波!
アスカ、よけて!」
アスカ「これで借りは返したわよ!」
シンジ「うん!」 ミサト「も〜ぅ、何で開かないのよ〜!非常事態なのよ〜!!
はぁっ、もう、もれちゃう!こら、もう!上見ちゃ駄目、って言ってるでしょ!」
加持「はいはい…お?」
ミサト「やだ、ちょっと!」
加持「おっとっと!」
リツコ「…」
マヤ「…不潔」 シンジ「電気…人工の光が無いと、星がこんなにきれいだなんて、皮肉なもんだね」
アスカ「でも、明かりが無いと人が住んでる感じがしないわ。
ほら、こっちのほうが落ち着くもの」
レイ「人は闇を恐れ、火を使い、闇を削って生きてきたわ」
アスカ「てっつがくぅ〜!」
シンジ「だから人間って特別な生き物なのかなぁ。だから使徒は攻めてくるのかなぁ」
アスカ「あんたバカぁ?そんなのわっかるわけないジャン」 使徒殲滅に己の業をぶつけるミサト。
語られる過去。
だが、成層圏より飛来する最大の使徒は、人々に希望を捨てさせた。
次回、『奇蹟の価値は』
み〜んなで見てね。 トウジ 「済まんなぁ、シンジ、雨宿りさせてもろて」
ケンスケ「ミサトさんは?」
シンジ「まだ寝てるのかなぁ。最近徹夜の仕事が多いんだ」
トウジ「あー、大変な仕事やからなぁ」
ケンスケ「ミサトさんを起こさないように、静かにしていようぜ、静かに」
トウジ・ケンスケ「シィーッ!」
アスカ「あーっ!あんたたち、何してんのよ!」
シンジ「雨宿り」
アスカ「ハン、私目当てなんじゃないのォ!着替えてんだから、見たら殺すわよ!」
トウジ「チックショー、アホンダラ!誰がおまえの着替えてんのをみたいっちゅうんじゃ!」
ケンスケ「自意識過剰な奴」 トウジ「ん?お、おおおおお…」
ケンスケ「お邪魔してます!」
ミサト「あら、2人とも、いらっしゃい。お帰りなさい、今夜はハーモニクスのテストがあるから、遅れないようにね」
シンジ「はい」
ミサト「アスカも、わかってるわね?」
アスカ「はーい!」
ケンスケ「あぁん?わぁっ!このたびはご昇進、おめでとうございます!」
トウジ「お、おめでとうございます!」
ミサト「ありがとう…」
ケンスケ「いえ、どういたしまして!」
ミサト「じゃ、行ってくるわね」
トウジ・ケンスケ「いってらっしゃ〜い!」
シンジ「どうしたの?ミサトさんに何かあったの?」
ケンスケ「ミサトさんの襟章だよ!線が2本になってる。一尉から三佐に昇進したんだ!」
アスカ「へぇー、知らなかった」
シンジ「いつのまに…」
トウジ「マジにいうとるんけぇ?情けないやっちゃなぁ」
ケンスケ「ぬぁぁ!君たちには人を思いやる気持ちはないのだろうか!あの若さで中学生二人を預かるなんて、大変なことだぞぉ!」
トウジ「わしらだけやなぁ、人の心持っとるのは」 マヤ「0番2番、ともに汚染区域に隣接。限界です」
リツコ「1番にはまだ余裕があるわね。プラグ深度を後0.3下げてみて」
マヤ「汚染区域ぎりぎりです」
リツコ「それでこの数値?たいした物だわ」
マヤ「ハーモニクス、シンクロ率もアスカに迫ってますね」
リツコ「これを才能というのかしら?」
オペレータ「まさに、エヴァに乗るために生まれてきたような子供ですね」
ミサト「本人が望んでいなくてもね。きっとあの子は嬉しくないわよ」 リツコ「3人ともお疲れさま。
シンジ君、よくやったわ」
シンジ「何がですか?」
リツコ「ハーモニクスが前回より8も伸びているわ。たいした数字よ」
アスカ「でも私より50も少ないじゃん?」
リツコ「あら、10日で8よ。たいした物だわ」
アスカ「たいした事ないわよ!良かったわねぇ、お褒めの言葉を頂いて」
シンジ「はぁ…」
アスカ「先に帰るわ!バーカ!」 シンジ「あ、あの、昇進おめでとうございます」
ミサト「ありがとう。でも、正直あまり嬉しくないのよね」
シンジ「それ分かります。僕もさっきみたいに誉められてもあまり嬉しくないし、逆にアスカを怒らせるだけだし…
どうして怒ったんだろう…何が悪かったんだろう…?」
ミサト「さっきの気になる?」
シンジ「はい…」
ミサト「そうして、人の顔色ばかり気にしているからよ」 トウジ・ケンスケ・ヒカリ・アスカ「おめでとうございまーす!」
ミサト「ありがとう。ありがとう、鈴原君!」
トウジ「ちゃうちゃう、言い出しっぺはこいつですねん」
ケンスケ「そう!企画立案はこの相田ケンスケ、相田ケンスケです!」
ミサト「ありがとう、相田君」
ケンスケ「いぇ、礼を言われるほどのことは何も。とーぜんのことですよ!」
トウジ「せやけど、なんで委員長がここにおるんや?」
アスカ「私が誘ったのよ」
アスカ・ヒカリ「ねー!」
ミサト「レイは?」
アスカ「誘ったわよ、ちゃんと。でも付き合い悪いのよね、あの子。ふぅー、加持さん遅いわねぇ」
ヒカリ「そんなにかっこいいの、加持さんって?」
アスカ「そりゃぁもう!ここにいるイモの塊とは月とスッポン、比べるだけ加持さんに申し訳ないわ」
トウジ「なんやてぇ?もう一遍いうてみぃや!」 ミサト「まだだめなの?こういうの」
シンジ「いえ、ただ苦手なんです。人が多いのって。なんでわざわざ、大騒ぎしなきゃならないんだろう。
…昇進ですか。それってミサトさんが人に認められたって事ですよね」
ミサト「ま、そうなるわね」
シンジ「だから、みんなこうして喜んでいるわけですよね。でも嬉しくないんですか?」
ミサト「ぜんぜん嬉しくないって事はないのよ。少しはあるわ。でもそれが、ここにいる目的じゃないから」
シンジ「じゃあなんでここに…ネルフに入ったんですか?」
ミサト「さって、昔のことなんて忘れちゃった」 アスカ「きっと加持さんだわ!
ん?」
加持「本部から直なんでね。そこで一緒になったんだ」
ミサト・アスカ「怪しいわね」
リツコ「あらやきもち?」
ミサト「そんなわけないでしょ!」
加持「いや、このたびはおめでとうございます。葛城三佐。これからはタメ口聞けなくなったな」
ミサト「何言ってんのよ、ばーか」
加持「しかし、司令と副司令がそろって日本を離れるなんて、前例のなかったことだ。これも、留守を任せた葛城を信頼してるって事さ」
シンジ「父さん、ここにいないんですか?」
リツコ「碇司令は今、南極に行ってるわ」 冬月「いかなる生命の存在も許さない、死の世界、南極。いや、地獄というべきかな」
ゲンドウ「だがわれわれ人類はここに立っている。生物として生きたままだ」
冬月「科学の力で護られているからな」
ゲンドウ「科学は人の力だよ」
冬月「その傲慢が15年前の悲劇、セカンドインパクトを引き起こしたのだ。
結果このありさまだ。与えられた罰にしてはあまりに大きすぎる。まさに死海そのものだよ」
ゲンドウ「だが、原罪の汚れなき、浄化された世界だ」
冬月「俺は罪にまみれても、人が生きている世界を望むよ」
オペレータ「報告します。ネルフ本部より入電。インド洋上、空衛星軌道上に使徒発見」 マコト「二分前に突然現れました」
オペレータ「第6サーチ、衛星軌道上へ」
オペレータ「接触まで後2分」
シゲル「目標を映像で捕捉」
職員「おおっ…」
マコト「こりゃすごい!」
ミサト「常識を疑うわね」
シゲル「目標と、接触します」
オペレータ「サーチスタート」
オペレータ「データ送信、開始します」
オペレータ「受信確認」
ミサト「A.T.フィールド?」
リツコ「新しい使い方ね」 ミサト「たいした破壊力ね。さすが、A.T.フィールド」
マヤ「落下のエネルギーをも、利用しています。使徒そのものが爆弾みたいなものですね」
リツコ「とりあえず、初弾は太平洋に大外れ。で、2時間後の第2射がそこ。後は確実に誤差修正してるわ」
ミサト「学習してる、ってことか」
マコト「N2航空爆雷も、効果ありません」
シゲル「以後、使徒の消息は不明です」
ミサト「来るわね、多分」
リツコ「次はここに、本体ごとね」
ミサト「その時は第3芦ノ湖の誕生かしら?」
リツコ「富士五湖が一つになって、太平洋とつながるわ。本部ごとね」
ミサト「碇司令は?」
シゲル「使徒の放つ強力なジャミングのため、連絡不能です」
ミサト「MAGIの判断は?」
マヤ「全会一致で撤退を推奨しています」
リツコ「どうするの?今の責任者はあなたよ」
ミサト「日本政府各省に通達。ネルフ権限における特別宣言D-17。半径50キロ以内の全市民は直ちに避難。松代にはMAGIのバックアップを頼んで」
マコト「ここを放棄するんですか?」
ミサト「いいえ。ただ、みんなで危ない橋を渡ることはないわ」
放送「政府による特別宣言D-17が発令されました」
放送「市民の皆様は速やかに指定の場所へ避難してください」
放送「第6、第7ブロックを優先に、各区長の指示に従い、速やかに移動願います」
放送「市内における避難はすべて完了」
放送「部内警報Cによる、非戦闘員およびD級勤務者の待避、完了しました」 リツコ「やるの?本気で?」
ミサト「ええ、そうよ」
リツコ「あなたの勝手な判断で、エヴァを3体とも棄てる気?勝算は0.00001%。万に一つもないのよ」
ミサト「ゼロではないわ。エヴァに賭けるだけよ」
リツコ「葛城三佐!」
ミサト「現責任者は私です!
やることはやっときたいの。使徒殲滅は私の仕事です」
リツコ「仕事?笑わせるわね。自分のためでしょ?あなたの使徒への復讐は」 アスカ「えーっ、手で、受け止める!?」
ミサト「そう。落下予測地点にエヴァを配置、A.T.フィールド最大で、あなたたちが直接、使徒を受け止めるのよ」
シンジ「使徒がコースを大きく外れたら…?」
ミサト「その時はアウト」
アスカ「機体が衝撃に耐えられなかったら?」
ミサト「その時もアウトね」
シンジ「勝算は?」
ミサト「神のみぞ知る、と言ったところかしら」
アスカ「これでうまく行ったら、まさに奇跡ね」
ミサト「奇跡ってのは、起こしてこそ初めて価値が出るものよ」
アスカ「つまり、何とかして見せろ、って事?」
ミサト「すまないけど、ほかに方法がないの。この作戦は」
アスカ「作戦と言えるの!?これが!」
ミサト「ほんと、言えないわね。だから、いやなら辞退できるわ」
アスカ・レイ・シンジ「…」
ミサト「みんな、いいのね?一応規則だと遺書を書くことになってるけど、どうする?」
アスカ「別にいいわ。そんなつもりないもの」
レイ「私もいい。必要、ないもの」
シンジ「僕もいいです」
ミサト「すまないわね。終わったらみんなにステーキおごるから!」
アスカ「えぇっ、ほんと!?」
ミサト「約束する!」
シンジ「ワァーイ!」
アスカ「忘れないでよ!」
ミサト「期待してて!」 シンジ「ご馳走といえばステーキで決まりか…」
アスカ「今時の子供がステーキで喜ぶと思ってんのかしら。これだからセカンドインパクト世代って、貧乏臭いのよねぇ」
シンジ「仕方がないよ、そんなの」
アスカ「フン、何が「ワァーイ」よ、大袈裟に喜んだりしちゃってさ」
シンジ「それでミサトさんが気持ちよく指揮できるんなら、いいじゃないか!」
アスカ「さてと、せっかくご馳走してくれるって言うんだもの、ど・こ・に・し・よ・う・か・なっと!
あんたも今度はいっしょに来るのよ」
レイ「私、行かない」
シンジ「どうして?」
レイ「肉、嫌いだもの」 マヤ「使徒による電波撹乱のため、目標喪失」
ミサト「正確な位置の測定ができないけど、ロスト直前までのデータから、MAGIが算出した落下予想地点が、これよ」
アスカ「こんなに範囲が広いの?」
シンジ「端っこまで随分ありますよ」
リツコ「目標のA.T.フィールドをもってすれば、そのどこに落ちても本部を根こそぎえぐることができるわ」
ミサト「ですから、エヴァ全機をこれら三個所に配置します」
レイ「この配置の根拠は?」
ミサト「勘よ」
シンジ・アスカ「カン?」
ミサト「そう。女の勘」
アスカ「何たるアバウト、ますます奇跡ってのが遠くなっていくイメージね」
シンジ「ミサトさんのクジって、当たった事ないんだ…」
アスカ「ゲェ!」 シンジ「ねぇ」
アスカ「何よ!」
シンジ「アスカはなぜエヴァに乗ってるの?」
アスカ「決まってるじゃない、自分の才能を世の中に示すためよ」
シンジ「自分の存在を?」
アスカ「まぁ、似たようなものね。あの子には聞かないの?」
シンジ「綾波には、前聞いたんだ」
アスカ「ふーん。仲のおよろしいこと」
シンジ「そんなんじゃないよ」
アスカ「シンジはどうなのよ」
シンジ「分からない」
アスカ「分からないって…あんた、バカぁ!?」
シンジ「…そうかもしれない」
アスカ「…ほんとにバカね」 オペレータ「落下予測時間まで、後120分です」
ミサト「みんなも待避して。ここは私一人でいいから」
シゲル「いえ、これも仕事ですから」
マコト「子供たちだけを危ない目に逢わせられないっすよ」
ミサト「あの子達は大丈夫、もしエヴァが大破してもA.T.フィールドがあの子達を護ってくれるわ。エヴァの中が一番安全なのよ」 ミサト「シンジ君、昨日聞いてたわね。私がどうしてネルフへ入ったのか。
私の父はね、自分の研究、夢の中に生きる人だったわ。そんな父を許せなかった。憎んでさえいたわ」
シンジ「(父さんと同じだ…)」
ミサト「母や私、家族のことなど、構ってくれなかった。周りの人たちは繊細な人だといってたわ。
でもほんとは心の弱い、現実から、私たち家族という現実から、逃げてばかりいた人だったのよ。子供みたいな人だったわ。
母が父と別れたときも、すぐ賛成した。母はいつも泣いてばかりいたもの。
父はショックだったみたいだけど、その時は自業自得だと笑ったわ。
けど、最後は私の身代わりになって、死んだの。セカンドインパクトのときにね。
私には分からなくなったわ。父を憎んでいたのか好きだったのか。
ただ一つはっきりしているのは、セカンドインパクトを起こした使徒を倒す。そのためにネルフへ入ったわ。
結局、私はただ父への復讐を果たしたいだけなのかもしれない。父の呪縛から逃れるために」
シンジ「(逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ!)
(そう、逃げちゃだめだ)」 シゲル「目標を最大望遠で確認!」
マコト「距離、およそ2万5千!」
ミサト「おいでなすったわね…エヴァ全機、スタート位置!
目標は光学観測による弾道計算しかできないわ。よって、MAGIが距離1万までは誘導します。その後は各自の判断で行動して。あなたたちにすべて任せるわ」
シゲル「使徒接近、距離、およそ2万!」
ミサト「では、作戦開始!」
シンジ「行くよ!」
レイ・アスカ「…」
シンジ「スタート!」
シゲル「距離、1万2千!」
シンジ「フィールド全開!
うっ、ぐぁぁ…」
レイ「弐号機、フィールド全開!」
アスカ「やってるわよ!」
シンジ「今だ!」
アスカ「こんのぉーーーーーっ!」 アスカ「ふふーん!」
シゲル「電波システム、回復。南極の碇司令から、通信が入っています」
ミサト「お繋ぎして」
シゲル「はい」
ミサト「申し訳ありません。私の勝手な判断で、初号機を破損してしまいました。責任はすべて私にあります」
冬月「構わん。使徒殲滅がエヴァの使命だ。その程度の被害はむしろ幸運と言える」
ゲンドウ「ああ、よくやってくれた、葛城三佐」
ミサト「ありがとうございます」
ゲンドウ「ところで初号機のパイロットはいるか?」
シンジ「あ、はい」
ゲンドウ「話は聞いた。よくやったな、シンジ」
シンジ「え?はい…」
ゲンドウ「では葛城三佐、後の処理は任せる」
ミサト「はい」 車内放送「次は新宮ノ下、新宮ノ下、お出口、左側に変わります」
アスカ「さぁ、約束は守ってもらうわよ」
ミサト「はいはい、大枚おろしてきたから、フルコースだって耐えられるわよ。(…給料前だけどね)」 アスカ「ミサトの財布の中身くらい、分かってるわ。無理しなくていいわよ。優等生も、ラーメンなら付き合うって言うしさ」
レイ「私、ニンニクラーメンチャーシュー抜き」
アスカ「私は鱶鰭チャーシュー、大盛りね!」
店主「へい、鱶鰭チャーシュー、お待ち!」
シンジ「ねぇ、ミサトさん…」
ミサト「なぁに?」
シンジ「さっき、父さんの言葉を聞いて、誉められることが嬉しいって、初めて分かったような気がする。
それに、分かったんだ。僕は、父さんのさっきの言葉を聞きたくて、エヴァに乗ってるのかもしれないって」
アスカ「あんた、そんな事で乗ってるの?」
シンジ「…」
アスカ「ほんとにバカね」 シュミレーションプラグの実験中に起こった事件。
次々と侵されていく地下施設。
遂に自爆決議を迫られるネルフ。
次回、『使徒、侵入』
この次もサービス、サービスゥ! オペレータ「エヴァ三体のアポトーシス作業は、MAGI-SYSTEMの再開後予定通り行います」
オペレータ「作業確認。450より670は省略」
マコト「発令所、承認」
リツコ「さすがマヤ、早いわね」
マヤ「それはもう、先輩の直伝ですから」
リツコ「あ、待って、そこ。A8の方が早いわよ。ちょっと貸して」
マヤ「さっすが先輩…」
ミサト「どぉ?MAGIの診察は終わった?」
リツコ「大体ね。約束通り、今日のテストには間に合わせたわよ」
ミサト「さすがリツコ。同じ物が3つもあって、大変なのに」
リツコ「冷めてるわよ。それ」
ミサト「ぐっ!」 オペレータ「MAGI-SYSTEM、再起動後、自己診断モードに入りました」
マヤ「第127次、定期検診異常無し」
リツコ「了解。お疲れさま。みんな、テスト開始まで休んでちょうだい」 リツコ「異常無し、か…母さんは今日も元気なのに、私はただ年を取るだけなのかしらね…」 アスカ「えぇ〜?また脱ぐのォ?」
リツコ「ここから先は超クリーンルームですからね。シャワーを浴びて下着を替えるだけでは済まないのよ」
アスカ「なんでオートパイロットの実験で、こんなことしなきゃいけないのよ〜」
リツコ「時間はただ流れているだけじゃないわ。エヴァのテクノロジーも進歩しているのよ。新しいデータは常に必要なの」
シンジ・アスカ「えぇ〜!?」
アスカ「ほら、お望みの姿になったわよ。17回も垢を落とされてね!」
リツコ「では3人とも、この部屋を抜けてその姿のままエントリープラグに入ってちょうだい」
アスカ「えー!」
リツコ「大丈夫。映像モニターは切ってあるわ。プライバシーは保護してあるから」
アスカ「そーいう問題じゃないでしょう!気持ちの問題よ!」
リツコ「このテストは、プラグスーツの補助無しに、直接肉体からハーモニクスを行うのが趣旨なのよ」
ミサト「アスカ、命令よ」
アスカ「もぉ〜う、絶対見ないでよ!」 オペレータ「各パイロットエントリー準備完了しました」
リツコ「テストスタート」
オペレータ「テストスタートします。オートパイロット、記憶開始」
オペレータ「シミュレーションプラグを挿入」
オペレータ「システムを、模擬体と接続します」
マヤ「シミュレーションプラグ、MAGIの制御下に入りました」
ミサト「おぉ〜、早い早い!MAGI様様だわ。初実験のとき、一週間もかかったのが嘘のようね」
オペレータ「テストは約3時間で終わる予定です」 リツコ「気分はどう?」
レイ「何か違うわ」
シンジ「うん。いつもと違う気がする」
アスカ「感覚がおかしいのよ、右腕だけはっきりして、後はぼやけた感じ」
リツコ「レイ、右手を動かすイメージを描いてみて」
レイ「はい」
オペレータ「データ収集、順調です」
リツコ「問題はないようね…MAGIを通常に戻して。
ジレンマか…作った人間の性格が伺えるわね」
ミサト「何言ってんの、作ったのはあんたでしょう?」
リツコ「あなた何も知らないのね」
ミサト「リツコが私みたくベラベラと自分の事話さないからでしょ」
リツコ「…そうね…私はシステムアップしただけ。基礎理論と本体を作ったのは、母さんよ」 冬月「確認しているんだな」
シゲル「ええ、一応。
3日前に搬入されたパーツです。ここですね、変質しているのは」
冬月「第87蛋白壁か」
シゲル「拡大するとシミのようなものがあります。何でしょうね、これ」
マコト「浸蝕だろ?温度と伝導率が若干変化しています。無菌室の劣化はよくあるんです。最近」
シゲル「工期が60日近く圧縮されてますから。また気泡が混ざっていたんでしょう。杜撰ですよ、B棟の工事は」
冬月「そこは、使徒が現れてからの工事だからな」
マコト「無理ないっすよ、みんな疲れてますからね」
冬月「明日までに処理しておけ。碇がうるさいからな」
マコト「了解」 リツコ「また水漏れ?」
マヤ「いえ、浸蝕だそうです。この上の蛋白壁」
リツコ「参ったわね。テストに支障は?」
マヤ「今のところは何も」
リツコ「では続けて。このテストはおいそれと中断するわけにいかないわ。碇司令もうるさいし」
マヤ「了解。
シンクロ位置、正常」
オペレータ「シミュレーションプラグを模擬体経由でエヴァ本体と接続します」
オペレータ「エヴァ零号機、コンタクト確認」
オペレータ「A.T.フィールド、出力2ヨクトで発生します」 リツコ「どうしたの?」
オペレータ「シグマユニットAフロアに汚染警報発令」
オペレータ「第87蛋白壁が劣化、発熱しています」
オペレータ「第6パイプにも異常発生」
マヤ「蛋白壁の浸蝕部が増殖しています。爆発的スピードです!」
リツコ「実験中止、第6パイプを緊急閉鎖!」
マヤ「はい!」
オペレータ「60、38、39、閉鎖されました!」
オペレータ「6の42に浸蝕発生!」
マヤ「だめです、浸蝕は壁伝いに進行しています!」
リツコ「ポリソーム、用意!
レーザー、出力最大!侵入と同時に、発射!」
マヤ「浸蝕部、6の58に到達、来ます!」 一同「…」
レイ「きゃあっ!」
リツコ「レイ!?」
マヤ「レイの模擬体が、動いています!」
リツコ「まさか!」
マヤ「浸蝕部、さらに拡大、模擬体の下垂システムを侵しています」 ミサト「レイは!?」
マヤ「無事です!」
リツコ「全プラグを緊急射出!レーザー急いで!」
ミサト「A.T.フィールド!?」
リツコ「まさか!」
ミサト「何、これ…?」
リツコ「分析パターン、青。間違いなく、使徒よ」 冬月「使徒?使徒の侵入を許したのか!?」
リツコ「申し訳ありません」
冬月「言い訳はいい。セントラルドグマを物理閉鎖、シグマユニットと隔離しろ!」 シゲル「セントラルドグマを物理閉鎖、シグマユニットと隔離します」
ミサト「ボックスは破棄します!総員待避!
何してるの!早く!」
アナウンス「シグマユニットをBフロアより隔離します。全隔壁を閉鎖、該当地区は総員待避」 ゲンドウ「分かっている。よろしく頼む。
警報を止めろ!」
シゲル「け、警報を停止します!」
ゲンドウ「誤報だ。探知器のミスだ。日本政府と委員会にはそう伝えろ」
シゲル「は、はい!」
マコト「汚染区域はさらに下降!プリブノーボックスからシグマユニット全域へと広がっています!」
冬月「場所がまずいぞ!」
ゲンドウ「ああ、アダムに近すぎる。
汚染はシグマユニットまでで抑えろ。ジオフロントは犠牲にしても構わん。エヴァは?」
マコト「第7ケイジにて待機、パイロットを回収次第、発進できます」
ゲンドウ「パイロットを待つ必要はない。すぐ地上へ射出しろ」
シゲル・マコト「え?」
ゲンドウ「初号機を最優先だ。そのために他の二機は破棄しても構わん」
マコト「初号機を、ですか?」
シゲル「しかし、エヴァ無しでは、使徒を物理的に殲滅できません!」
ゲンドウ「その前にエヴァを汚染されたらすべて終わりだ。急げ!」
シゲル・マコト「はい!」 アナウンス「シグマユニット以下のセントラルドグマは、60秒後に完全閉鎖されます。真空ポンプ作動まで、後30秒です」
加持「あれが使徒か…仕事どころじゃなくなったな…
よっ!」 オペレータ「セントラルドグマ、完全閉鎖。大深度施設は、侵入物に占拠されました」
冬月「さて、エヴァ無しで、使徒に対し、どう攻める?」 リツコ「ほら、ここが純水の境目、酸素の多いところよ」
マヤ「好みがハッキリしてますね」
シゲル「無菌状態維持のため、オゾンを噴出しているところは汚染されていません」
ミサト「つまり、酸素に弱い、ってこと?」
リツコ「らしいわね」
マコト「オゾン注入、濃度、増加しています」
シゲル「効いてる効いてる」
冬月「いけるか?」
マヤ「0Aと0Bは回復しそうです」
シゲル「パイプ周り、正常値に戻りました」
マコト「やはり、中心部は強いですね」
冬月「よし、オゾンを増やせ」
リツコ「変ね…」
シゲル「あれ?増えてるぞ」
マコト「変です…発熱が高まってます」
シゲル「汚染域、また拡大しています!」
マヤ「だめです、まるで効果が無くなりました」
マコト「今度はどんどんオゾンを吸っています!」
リツコ「オゾン止めて!」 リツコ「すごい…進化しているんだわ」
ミサト「どうしたの!」
シゲル「サブコンピューターがハッキングを受けています!侵入者不明!」
マコト「こんな時に!くそっ!Cモードで対応!」
シゲル「防壁を解凍します!疑似エントリー、展開!」
オペレータ「疑似エントリーを回避されました」
シゲル「逆探まで18秒!」
オペレータ「防壁を展開!」
オペレータ「防壁を突破されました!」
オペレータ「疑似エントリーをさらに展開します!」
マコト「こりゃあ人間技じゃないぞ…」
シゲル「逆探に成功…この施設内です…B棟の地下…プリブノーボックスです!」
マヤ「光学模様が変化しています」
シゲル「光ってるラインは電子回路だ。こりゃあコンピューターそのものだ」
マコト「疑似エントリー展開…失敗、妨害されました!」
ミサト「メインケーブルを切断」
オペレータ「だめです、命令を受け付けません!」
ミサト「レーザー打ち込んで!
マヤ「A.T.フィールド発生、効果無し!」
シゲル「保安部のメインバンクにアクセスしています。パスワードを走査中、12桁、16桁、D-WORDクリア!」
マコト「保安部のメインバンクに侵入されました!
メインバンクを読んでます、解除できません!」
冬月「奴の目的は、何だ!?」
シゲル「メインバスを探っています…このコードは…やばい、MAGIに侵入するつもりです!」 ゲンドウ「I/Oシステムをダウンしろ」
シゲル「カウント、どうぞ!」
マコト「3、2、1!」
マコト「電源が切れません!」
マヤ「使徒、さらに侵入、MELCHIORに接触しました!
だめです!使徒にのっとられます!
MELCHIOR、使徒にリプログラムされました!」
アナウンス「人工知能、MELCHIORより、自律自爆が提訴されました。否決、否決、否決、否決」
シゲル「今度は、MELCHIORがBALTHASARをハッキングしています!」
マコト「くそぉ、早い!」
シゲル「なんて計算速度だ!」
リツコ「ロジックモードを変更!シンクロコードを15秒単位にして!」
シゲル・マコト・マヤ「了解!」
冬月「どのくらい持ちそうだ?」
シゲル「今までのスピードから見て、2時間くらいは」
ゲンドウ「MAGIが、敵に廻るとはな…」
リツコ「…」 リツコ「彼らはマイクロマシン、細菌サイズの使徒と考えられます。
その個体が集まって群を作り、この短時間で知能回路の形成にいたるまで、爆発的な進化を遂げています」
冬月「進化か」
リツコ「はい。彼らは常に自分自身を変化させ、いかなる状況にも対処するシステムを模索しています」
冬月「まさに、生物の生きるためのシステムそのものだな」
ミサト「自己の弱点を克服、進化を続ける目標に対して、有効な手段は死なばもろとも。MAGIと心中してもらうしかないわ。
MAGI-SYSTEMの物理的消去を提案します」
リツコ「無理よ、MAGIを切り捨てることは、本部の破棄と同義なのよ」
ミサト「では、作戦部から正式に要請するわ」
リツコ「拒否します。技術部が解決すべき問題です」
ミサト「なに意地張ってんのよ!」
リツコ「私のミスから始まったことなのよ」
ミサト「あなたは昔っからそう。一人で全部抱え込んで、他人を当てにしないのね」
リツコ「…使徒が進化しつづけるのなら、勝算はあります」
ゲンドウ「進化の促進かね」
リツコ「はい」
ゲンドウ「進化の終着地点は自滅、死、そのものだ」
冬月「ならば、進化をこちらで促進させてやればいいわけか」
リツコ「使徒が死の効率的な回避を考えれば、MAGIとの共生を選択するかもしれません」
マコト「でも、どうやって?」
リツコ「目標がコンピューターそのものなら、CASPERを使徒に直結、逆ハックを仕掛けて、自滅促進プログラムを送り込むことができます。が」
マヤ「同時に使徒に対しても防壁を開放することにもなります」
ゲンドウ「CASPERが早いか、使徒が早いか、勝負だな」
リツコ「はい」
ミサト「そのプログラム、間に合うんでしょうね。CASPERまで侵されたら、終わりなのよ」
リツコ「約束は守るわ」 アナウンス「R警報発令、R警報発令、ネルフ本部内部に緊急事態が発生しました。D級勤務者は、全員待避してください」
マヤ「な、何ですか、これ」
リツコ「開発者の悪戯書きだわ」
マヤ「すごい、裏コードだ!MAGIの裏コードですよ、これ!」
ミサト「さながら、MAGIの裏技大特集、ってわけね」
マヤ「わぁ〜、こんなの見ちゃっていいのかしら…わぁ!びっくり!これなんて、intのCよぉ!
これなら、意外と早くプログラムできますね、先輩!」
リツコ「うん…ありがとう、母さん…確実に間に合うわ」 リツコ「レンチ取って」
ミサト「大学のころを思い出すわね…」
リツコ「25番のボード」
ミサト「ねぇ、少しは教えてよ、MAGIのこと」
リツコ「長い話よ。その割に面白くない話。
人格移植OSって知ってる?」
ミサト「ええ、第7世代の有機コンピュータに個人の人格を移植して思考させるシステム。エヴァの操縦にも使われている技術よね」
リツコ「MAGIがその第1号らしいわ。母さんが開発した、技術なのよ」
ミサト「じゃ、お母さんの人格を移植したの?」
リツコ「そう。
言ってみれば、これは、母さんの脳味噌そのものなのよ」
ミサト「それでMAGIを守りたかったの?」
リツコ「違うと思うわ。母さんのこと、そんなに好きじゃなかったから。科学者としての判断ね」 マコト「きたっ!
BALTHASARが、乗っ取られました!」
アナウンス「人工知能により、自律自爆が決議されました」
ミサト「始まったの!?」
アナウンス「自爆装置は、三者一致の後、02(ゼロニ)秒で行われます。
自爆範囲は、ジオイド深度マイナス280、マイナス140、ゼロフロアーです。
特例582発令下のため、人工知能以外によるキャンセルはできません」
シゲル「BALTHASAR、さらにCASPERに侵入!」
冬月「押されてるぞ!」
シゲル「なんて速度だ!」
アナウンス「自爆装置作動まで、後、20秒」
冬月「いかん!」
シゲル「CASPER、18秒後に乗っ取られます!」
アナウンス「自爆装置作動まで、後、15秒」
ミサト「リツコ、急いで!」
アナウンス「自爆装置作動まで、10秒、」
リツコ「大丈夫、一秒近く余裕があるわ」
アナウンス「9秒、8秒、」
ミサト「一秒って…」
リツコ「ゼロやマイナスじゃないのよ」
アナウンス「7秒、6秒、5秒」
リツコ「マヤ!」
マヤ「行けます!」
アナウンス「4秒、3秒」
リツコ「押して!」
アナウンス「2秒、1秒、0秒」 アナウンス「人工知能により、自律自爆が解除されました」
シゲル・マコト「いゃったぁーッ!」
アナウンス「なお、特例582も解除されました。MAGI-SYSTEM、通常モードに戻ります」 アナウンス「R警報解除、R警報解除、総員、第一種警戒態勢に移行してください」
シンジ「何がどうなっているんだろう?」
レイ「……」
アスカ「もぉーう、裸じゃどこにも出れないじゃないのぉ!早く誰か助けてー!」 アナウンス「シグマユニット開放、MAGI-SYSTEM再開まで、マイナス、03(ゼロサン)です」
リツコ「もう年かしらね、徹夜がこたえるわ」
ミサト「また約束守ってくれたわね。お疲れさん」
リツコ「ありがとう。
ミサトが入れてくれたコーヒーを、こんなに美味いと思ったのは始めてだわ」
ミサト「う…ふ…ふん…」
リツコ「死ぬ前の晩、母さんが言ってたわ。MAGIは三人の自分なんだって。
科学者としての自分、母としての自分、女としての自分。その3人がせめぎあってるのが、MAGIなのよ。
人の持つジレンマをわざと残したのね。
実はプログラムを微妙に変えてあるのよ。
私は母親にはなれそうも無いから、母としての母さんは分からないわ。
だけど、科学者としてのあの人は尊敬もしていた。
でもね、女としては憎んでさえいたの」
ミサト「今日はお喋りじゃない…」
リツコ「偶にはね…
CASPERにはね、女としてのパターンがインプットされていたの。最後まで女でいることを守ったのね、ほんと、母さんらしいわ」 ネルフ、そして人類補完計画を裏で操る秘密結社ゼーレ。
碇指令の行動は、その死海文書の実現に過ぎないのか。
次回、『ゼーレ、魂の座』
この次も、サービス、サービスゥ! ミサト「その結果として、われの損害がきわめて大なりとはいえ、未知の目標に対し、経験ゼロの少年が初陣に挑み、
これを完遂せしめた事実、碇シンジ君の功績は特筆に値するものである。
ただ、作戦課としては、更なる問題点を浮き彫りにし、多々の反省点を残す、苦汁の戦闘であった」 トウジ「わしの妹はまだ小学2年生です。こないだの騒ぎで怪我しました。
敵やのうて、味方が暴れて怪我したんです。
わしはそないなアホな話、とても許せません!
あのロボットを作った大人に、妹の苦しみを、わしの怒りを教えたろう思います」 ヒカリ「いつもは友達と学校とかで避難訓練ばかりやってたから、今更、って感じで、実感なかったです。
男の子は遠足気分で騒いでいたし、私たちも、恐い、って感じはしませんでした」 ケンスケ「碇は何も言わないけど、あの時目標の荷粒子砲から零号機が身を挺して初号機を守ったんだと思う。
いや、そう確信する。その理由は一つ。綾波だ。綾波は自分の存在を希薄に感じているように見えるからだ。
ペシミズムとも違う何かを、彼女はすでに持っていると思う。同じ14歳とは思えないほどに」 キール「シナリオから少しはなれた事件だな」
ゲンドウ「しかし、結果は予測範囲内です。修正は利きます」 委員「この遭遇戦で、国連海軍は全艦艇の1/3を失ったな」
委員「失ったのは、君の国の艦だろう。本来は取るに足らん出来事だ」
委員「左様。この程度ですんだのは、またしても幸運だよ」 委員「いかんな、これは」
委員「早すぎる」
委員「左様。使徒がネルフ本部に侵入するとは、予定外だよ」
委員「ましてセントラルドグマへの侵入を許すとはな」
委員「もし接触が起これば、すべての計画が水泡と化したところだ」
ゲンドウ「委員会への報告は誤報、使徒侵入の事実はありません」
委員「では碇、第11使徒侵入の事実はない、と言うのだな」
ゲンドウ「はい」
委員「気をつけてしゃべり給え、碇君。この席での偽証は死に値するよ」
ゲンドウ「MAGIのレコーダーを調べてくださっても結構です。その事実は記録されておりません」
委員「笑わせるな。事実の隠蔽は、君の十八番ではないか!」
ゲンドウ「タイムスケジュールは、死海文書の記述通りに進んでおります」
キール「まあいい。今回の君の罪と責任は言及しない。だが、君が新たなシナリオを作る必要はない」
ゲンドウ「分かっております。すべてはゼーレのシナリオ通りに」 レイ「山、重い山。時間をかけて変わるもの。
空、青い空。目に見えないもの、目に見えるもの。
太陽。一つしかないもの。
水。気持ちのいいこと。碇司令。
花。同じ物がいっぱい。いらないものもいっぱい。
空。赤い、赤い空。
赤い色。赤い色は嫌い。流れる水。血。
血の匂い、血を流さない女。
赤い土から作られた人間。男と女から作られた人間。
街。人の作り出したもの。
エヴァ。人の作り出したもの。
人は何?神様が作り出したもの。人は人が作り出したもの。
私にあるものは命、心。心の入れ物。
エントリープラグ。それは魂の座。
これは誰?これは私。私は誰?私は何?私は何?私は何?私は何?
私は自分。この物体が自分。自分を作っている形。目に見える私。
でも、私が私でない感じ。とても変。体が融けていく感じ。私が分からなくなる。
私の形が消えていく。私でない人を感じる。誰かいるの?この先に。…碇君?
この人知ってる。葛城三佐。赤木博士。みんな。クラスメイト。弐号機パイロット。碇司令。
あなた誰?あなた誰?あなた誰?」 リツコ「どう、レイ?初めて乗った初号機は?」
レイ「…碇君の匂いがする」
リツコ「シンクロ率は、ほぼ零号機のときと変わらないわね」
マヤ「パーソナルパターンも酷似してますからね。零号機と初号機」
リツコ「だからこそ、シンクロ可能なのよ」
マヤ「誤差、プラスマイナス0.03。ハーモニクスは正常です」
リツコ「レイと初号機の互換性に問題点は検出されず。
では、テスト終了。レイ、あがっていいわよ」
レイ「はい」 オペレータ「弐号機のデータバンク、終了」
オペレータ「ハーモニクス、すべて正常値」
シゲル「パイロット、異常無し」
アスカ「あったりまえでしょ…」 リツコ「零号機のパーソナルデータは?」
マヤ「書き換えはすでに終了しています。現在、再確認中」
リツコ「被験者は?」
マコト「若干の緊張が見られますが、神経パターンに問題なし」
ミサト「初めての零号機。ほかのエヴァですもの。無理ないわよ」
アスカ「バッカねぇ、そんなの気にせずに気楽にやればいいのに」
ミサト「それができない子なのよ。シンジ君は」
アスカ「知ってるわ。だからバカなのよ」
ミサト「ふふふ〜ん…」
アスカ「ところで、あの二人の機体交換テスト、私は参加しなくていいの?」
ミサト「どうせアスカは、弐号機以外乗る気ないでしょ?」
アスカ「ま、そりゃそうだわ」
ミサト「(確かに、エヴァ弐号機の互換性、効かないわね)」 マヤ「エントリー、スタートしました」
オペレータ「L.C.L.電化」
マヤ「第一次接続開始」
リツコ「どう、シンジ君。零号機のエントリープラグは?」
シンジ「なんだか、変な気分です」
マヤ「違和感があるのかしら?」
シンジ「いえ、ただ、綾波の匂いがする…」
アスカ「何が匂いよ、変態じゃないの?」
マヤ「データ受信、再確認。パターングリーン」
オペレータ「主電源、接続完了」
オペレータ「各拘束具、問題なし」
リツコ「了解。では、相互間テスト、セカンドステージへ移行」
マヤ「零号機、第2次コンタクトに入ります」
ミサト「どう?」
リツコ「やはり初号機ほどのシンクロ率は、出ないわね」
マヤ「ハーモニクス、すべて正常位置」
リツコ「でもいい数値だわ。
これであの計画、遂行できるわね」
マヤ「ダミーシステムですか?先輩の前ですけど、私はあまり…」
リツコ「感心しないのは分かるわ。しかし備えは常に必要なのよ。人が生きていくためにはね」
マヤ「先輩を尊敬してますし、自分の仕事はします。でも、納得はできません」
リツコ「潔癖症はね、辛いわよ。人の間で生きていくのが。汚れた、と感じたとき分かるわ。それが」
マヤ「…」 オペレータ「第3次接続を開始」
マコト「セルフ心理グラフ、安定しています」
アスカ「どーぉ、シンちゃん、ママのおっぱいは!それともおなかの中かなぁ?」
リツコ「アスカ、ノイズが混じるから邪魔しないで」
アスカ「はいはい!
何よ、みんなしてシンジばっかり甘やかしちゃってさぁ…」
リツコ「A10神経接続開始」
マヤ「ハーモニクスレベル、プラス20」
シンジ「!?…何だこれ、頭に入ってくる…直接…何か…
綾波?綾波レイ?綾波レイだよな、この感じ…綾波…違うのか…?」 ミサト「どうしたの!」
オペレータ「パイロットの神経パルスに異常発生」
マヤ「精神汚染が始まっています!」
リツコ「まさか!このプラグ深度ではありえないわ!」
マヤ「プラグではありません、エヴァからの侵蝕です!
零号機、制御不能!」
リツコ「全回路遮断、電源カット!」
マヤ「エヴァ、予備電源に切り替わりました」
オペレータ「依然稼働中」
ミサト「シンジ君は?」
マコト「回路断線、モニターできません!」
リツコ「零号機がシンジ君を拒絶?」
マヤ「だめです、オートエジェクション、作動しません!」
リツコ「また同じなの?あの時と。シンジ君を取り込むつもり?」
ミサト「レイ、下がって!」
マヤ「零号機、」
ミサト「レイ!」
マヤ「活動停止まで、後10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0!
零号機、活動を停止しました」
ミサト「パイロットの救出急いで!
まさか、レイを殺そうとしたの?零号機が…」 ミサト「この事件、先の暴走事故と関係があるの?あのレイのときと」
リツコ「今はまだ何も言えないわ。ただ、データをレイに戻して、早急に零号機との追試、シンクロテストが必要ね」
ミサト「作戦課長として、火急的速やかにお願いするわ。仕事に支障が出ないうちにね」
リツコ「分かっているわ。葛城三佐」 リツコ「(零号機が殴りたかったのは、私ね。間違いなく)」 シンジ「はっ!」
ラジオ(TV)「それでは、次の万国びっくりさんは、何と、算数のできるワンちゃんの登場です!」
ラジオ(TV)「おお、それはすごい!」
ラジオ(TV)「はい!新潟からお越しの、天才ワンワン、ハナちゃんです!」
ラジオ(TV)「ワン!」
ラジオ(TV)「いいお返事ですね、言葉が分かるのかしら?」
ラジオ(TV)「ワン!」
ラジオ(TV)「あら、ほんとに?では、さっそく問題に答えてもらいましょうね」
ラジオ(TV)「ウー、ワン!」
ラジオ(TV)「325引く324は?」
ラジオ(TV)「ワン!」
ラジオ(TV)「すっごい、合ってます!そう、答えは1ですね!」
ラジオ(TV)「ワン!」
シンジ「嫌だな、またこの天井だ」 マコト「シンジ君の意識が戻りました。汚染の後遺症はなし。彼自身は何も覚えてないそうです」
ミサト「そう」 ラジオ(TV)「はーい、私は元気にやってんだけど、世間では南沙諸島をめぐってのテロが…」
アスカ「ミサトも加持さんも教えてくれない。シンジは知りもしない。ファーストって、どんな子なの?」 冬月「予定外の使徒侵入。その事実を知った人類補完委員会による突き上げか。ただ文句を言うことだけが仕事のくだらない連中だがな」
ゲンドウ「切り札はすべてこちらが擁している。彼らは何もできんよ」
冬月「だからといってじらすこともあるまい。今、ゼーレが乗り出すと面倒だぞ。いろいろとな」
ゲンドウ「すべて、われわれのシナリオ通りだ。問題ない」
冬月「零号機の事故はどうなんだ?俺のシナリオにはないぞ、あれは」
ゲンドウ「支障はない。レイと零号機の再シンクロは成功している」
冬月「(レイに拘り過ぎだな、碇…)アダム計画はどうなんだ?」
ゲンドウ「順調だ。2%も遅れていない」
冬月「では、ロンギヌスの槍は?」
ゲンドウ「予定通りだ。作業はレイが行っている」 友人が次々と結婚していく中、一人焦りを感じるミサト。
果たして、加持との再会は彼女に与えられたラストチャンスなのか。
次回、『嘘と沈黙』 友人が次々と結婚していく中、一人焦りを感じるミサト。
果たして、加持との再会は彼女に与えられたラストチャンスなのか。
次回、『嘘と沈黙』 冬月「第2、第3芦ノ湖か。これ以上増えない事を望むよ。
昨日キール議長から、計画遅延の文句が来たぞ。俺のところに直接。
相当苛ついてたなぁ。仕舞いにはおまえの解任も仄めかしていたぞ」
ゲンドウ「アダムは順調だ。エヴァ計画もダミープラグに着手している。ゼーレの老人は何が不満なのだ」
冬月「肝心の人類補完計画が遅れてる」
ゲンドウ「全ての計画はリンクしている。問題はない」
冬月「レイもか?」
ゲンドウ「…」
冬月「まあいい。
…ところで、あの男はどうする?」
ゲンドウ「好きにさせておくさ。マルドゥック機関と同じだ」
冬月「もうしばらくは、役に立ってもらうか」 謎のオバサン「私だ」
加持「ああ、あんたか」
オバサン「シャノンバイオ。外資系のケミカル会社。9年前からここにあるが、9年前からこの姿のままだ。
マルドゥック機関と繋がる108の企業のうち、106がダミーだったよ」
加持「ここが107個目、と言うわけか」
オバサン「この会社の登記簿だ」
加持「取締役の欄を見ろ、だろ?」
オバサン「もう知っていたか」
加持「知ってる名前ばかりだしな。マルドゥック機関。エヴァンゲリオン操縦者選出のために設けられた、人類補完委員会直属の諮問機関。組織の実体は未だ不透明」
オバサン「貴様の仕事はネルフの内偵だ。マルドゥックに顔を出すのはまずいぞ」
加持「ま、何事もね、自分の目で確かめないと、気が済まない質だから」 加持『はい、加持です。ただいま外出しています。ご用の方は、お名前とメッセージをどうぞ』
アスカ「キャァ〜あ!助けて!加持さん!何すんのよヘンタイ!キャー!
なんちゃって…」
ヒカリ「どうしたの?」
アスカ「明日の日曜にさ、加持さんにどっか連れてって貰おっかな〜と思って電話したんだけども、ずっといないの。ここんとこ、いつかけても留守」
ヒカリ「てことは、明日、暇なのね?」
アスカ「残念ながら、そういう事」
ヒカリ「じゃぁさぁ、ちょっと頼みがあるんだけど…」
アスカ「は?」
ヒカリ「実はさ…」
アスカ「え〜!デートぉ?」
ヒカリ「コダマお姉ちゃんの友達なんだけど、どうしても紹介してくれって頼まれちゃってさぁ、お願い!」 レイ「…」
シンジ「…」
トウジ「メーン!!まじめにやらんかい!」
シンジ「ごめん…」
ヒカリ「まじめにやるのは、掃除でしょ!」 マヤ「ネクローシス作業、終了」
オペレータ「可逆グラフ、測定完了」
オペレータ「3機とも、シンクロ維持に問題なし」
リツコ「明日何着てく?」
ミサト「あぁ、結婚式ね。ピンクのスーツはキヨミのとき着たし、紺のドレスはコトコのとき着たばっかだし…」
リツコ「オレンジのは?最近着てないじゃない」
ミサト「あれね…あれはちょっち訳ありで…」
リツコ「きついの?」
ミサト「…そうよ!あぁ…帰りに新調すっか…
ふぁ〜あ、出費がかさむなぁ」
リツコ「こう立て続けだと、ご祝儀もバカにならないしねぇ」
ミサト「ケッ!三十路前だからって、どいつもこいつも焦りやがって」
リツコ「お互い最後の一人にはなりたくないわねぇ。
三人とも、あがっていいわよ。
お疲れさま」
アスカ「あ〜ぁ、テストばっかでつまんな〜い!」
リツコ「そう言えば、今日はまた一段と暗いわね、シンジ君」
ミサト「明日だからね」
リツコ「そうね。明日ね」 シンジ「明日、父さんに会わなきゃならないんだ。
何話せばいいと思う?」
レイ「どうして私にそんな事聞くの?」
シンジ「いつか、綾波が父さんと楽しそうに話ているのを見たから…
ねぇ、父さんって、どんな人?」
レイ「分からない」
シンジ「…そう」
レイ「それが聞きたくて昼間から私のほうを見てたの?」
シンジ「うん…あ、掃除のときさ、今日の…雑巾絞ってただろ?あれって、何か、お母さん、って感じがした」
レイ「お母さん?」
シンジ「うん。何か、お母さんの絞り方、って感じがする。案外、綾波って主婦とかが似合ってたりして。あは、は…」
レイ「何を言うのよ…」 ミサト「ただいまー」
アスカ「おかえりー」
ミサト「もう寝なさいよー。明日デートなんじゃなかったの?」
アスカ「そう。美形と。ああ、そうだ、ねぇ、あれ貸してよ。ラベンダーの香水」
ミサト「だめ」
アスカ「ちぇっ!ケチぃ!」
ミサト「子供のするもんじゃないわ。シンジ君は部屋?」
アスカ「篭りっぱなしよ。父親に会うのがイヤみたい。嫌ならいやって言えばいいのに。日本人てのはねぇ〜」
ミサト「嫌、って言うわけでもないのよ。それが問題なのよね」 (ゲンドウ「帰れ!」)
(ゲンドウ「よくやったなぁ、シンジ」)
ミサト「シンジ君?」
シンジ「!」
ミサト「開けるわよ。
恐いの?お父さんと二人で会うのが。逃げてばかりじゃだめよ。自分から一歩を踏み出さないと、何も変わらないわ」
シンジ「分かってるよォ!」
ミサト「これから分かるのよ、最初の一歩だけじゃなく、その後に続ける事も大切だって言う事が。
とにかく、明日は胸を張っていきなさい。お母さんにも会うんだから。じゃ、お休み」 アスカ「ねぇ、明日の服、買ったんでしょ?見せてよ!」
ミサト「フフーン。見たい?高かったんだから」
アスカ「値段よりセンスよ」
ミサト「ほれ!バッチリだから!うん!」
アスカ「やっぱり、加持さんの趣味に合わせたりする?」
ミサト「それはないっしょ、もはや」 ミサト「じゃあ」
アスカ「行って」
シンジ「きます」
ペンペン「クギュウッ!」 スピーチ「三つの袋と言うものを心に…」
挿入歌:てんとう虫のサンバ
司会者「では、しばしご歓談のほどを」
ミサト「フーッ!」
リツコ「来ないわね、リョウちゃん」
ミサト「あのバカが時間通りに来た事なんて、一遍もないわよ!」
リツコ「デートのときは、でしょ?仕事は違ってたわよ」
加持「いやー、お二人とも!今日は一段とお美しい!時間までに仕事抜けられなくてさ」
ミサト「いつもプラプラ暇そうにしてるくせに。どうでもいいけど何とかならないの、その無精ひげ。ほら、ネクタイ曲がってる!」
加持「お、お、お…これは、どうも」
リツコ「夫婦みたいよ、あなたたち」
加持「いいこと言うねぇ、リッちゃん!」
ミサト「誰がこんな奴と!」 ゲンドウ「3年ぶりだな。2人でここに来るのは」
シンジ「僕は、あの時逃げ出して、その後は来てない。ここに母さんが眠ってるって、ピンと来ないんだ。顔も覚えてないのに」
ゲンドウ「人は思い出を忘れる事で生きていける。だが、決して忘れてはならない事もある。
ユイはそのかけがえのないものを教えてくれた。私はその確認をするためにここへ来ている」
シンジ「写真とかないの?」
ゲンドウ「残ってはいない。この墓もただの飾りだ。遺体はない」
シンジ「…先生の言ってた通り、全部捨てちゃったんだね」
ゲンドウ「すべては心の中だ。今はそれでいい。
時間だ。先に帰るぞ」
シンジ「父さん!
あの、今日は嬉しかった。父さんと話せて」
ゲンドウ「そうか…」 ペンペン「クゥ〜クッ…クゥゥゥ…」
シンジ「ん?」
アスカ「結構いけるじゃない。そんなの持ってたの?」
シンジ「5歳のときから始めてこの程度だからね…才能なんて別にないよ」
アスカ「継続は力か。少し見直しちゃった」
シンジ「先生に言われて始めた事だし、すぐやめてもよかったんだ」
アスカ「じゃあ、なんで続けてたのよ」
シンジ「誰もやめろ、って言わなかったから…」
アスカ「やっぱりね…」
シンジ「早かったんだね、夕飯、食べてくるんだと思った」
アスカ「退屈なんだもん、あの子。だからさ、ジェットコースター待ってるあいだに、帰ってきちゃった」
シンジ「それはないと思うな…」
アスカ「あ〜ぁ、まともな男は加持さんだけね」 ミサト「今更何言ってんだか。ちょっち、お手洗い」
加持「とか言って、逃げんなよ」
ミサト「ベー!」
加持「ヒールか…何年ぶりかな。3人で飲むなんて」
リツコ「ミサト、飲みすぎじゃない?なんだかはしゃいでるけど」
加持「浮かれる自分を抑えようとして、また飲んでる。今日は逆か」
リツコ「やっぱり一緒に暮らしてた人の言葉は重みが違うわね」
加持「暮らしてたっていっても、葛城がヒールとか履く前の事だからなぁ」
リツコ「学生時代には想像できなかったわよねぇ」
加持「俺もガキだったし、あれは暮らしって言うより共同生活だな。ままごとだよ。現実は甘くないさ。
そうだ、これ、ネコのみやげ」
リツコ「あらありがとう。マメねぇ」
加持「女性にはね。仕事はズボラさ」
リツコ「どうだか。ミサトには?」
加持「一度敗戦してる。負ける戦はしない主義だ」
リツコ「勝算はあると思うけど?」
加持「リッちゃんは?」
リツコ「自分の話はしない主義なの。面白くないもの」
加持「遅いなぁ、葛城。化粧でも直してんのか?」 リツコ「京都、何しに行ってきたの?」
加持「あれ?松代だよ、そのみやげ」
リツコ「とぼけてもムダ。あまり深追いすると、火傷するわよ。これは友人としての忠告」
加持「真摯に聞いとくよ。どうせ火傷するなら、君との火遊びでね」
ミサト「花火でも買ってきましょうか?」
加持「あー、おかえり」
ミサト「変わんないわね、そのお軽いとこ」
加持「いやぁ、変わってるさ。生きるって事は、変わる、って事さ」
リツコ「ホメオスタシスとトランジスタシスね」
ミサト「何それ?」
リツコ「今を維持しようとする力と変えようとする力。その矛盾する二つの性質を一緒に共有しているのが、生き物なのよ」
加持「男と女だな」
リツコ「そろそろおいとまするわ。仕事も残ってるし」
ミサト「そぉ?」
リツコ「うん」
加持「残念だな」
リツコ「じゃあね」
ミサト「うん…」 ミサト『あ〜、シンちゃん?あたし。今加持君と飲んでるの。そ。三次会でね』
シンジ「はい、はい。じゃ」
アスカ「ミサト?」
シンジ「うん。遅くなるから先に寝ててって」
アスカ「ええっ!朝帰り、って事じゃ、ないでしょうね」
シンジ「まさか。加持さんも一緒なのに」
アスカ「あんたバカぁ!?だからでしょ」 加持「いい年して、戻すなよ」
ミサト「悪かったわね、いい年で…」
加持「年はお互い様か…」
ミサト「そーよー…」
加持「葛城がヒール履いてるんだもんなぁ。時の流れを感じるよ」
ミサト「無精ひげ、剃んなさいよ」
加持「へいへい」
ミサト「後歩く。ありがと」
加持「ん」 ミサト「加持君、私変わったかな?」
加持「きれいになった」
ミサト「ごめんね、あの時、一方的に別れ話して。他に好きな人ができたって言ったのは、あれ、嘘。ばれてた?」
加持「…」
ミサト「気付いたのよ、加持君が、私の父に似てるって。
自分が、男に、父親の姿を求めてたって、それに気付いたとき、恐かった。どうしようもなく、恐かった。
加持君と一緒にいる事も、自分が女だと言う事も、何もかもが恐かったわ。
父を憎んでいた私が、父によく似た人を好きになる。すべてを吹っ切るつもりでネルフを選んだけれど、でも、それも父のいた組織。
結局、使徒に復讐する事でみんな誤魔化してきたんだわ」
加持「葛城が自分で選んだ事だ。俺に謝る事はないよ」
ミサト「違うのよ、選んだわけじゃないの。ただ、逃げてただけ。父親と言う呪縛から逃げ出しただけ!
シンジ君と同じだわ!臆病者なのよ…ごめんね、ほんと。酒の勢いでいまさらこんな話」
加持「もういい」
ミサト「子供なのね。シンジ君に、何も言う資格ない」
加持「もういい!」
ミサト「「その上こうして都合のいいときだけ男にすがろうとする、ずるい女なのよ!
あの時だって、加持君を利用してただけかもしれない!嫌になるわ!」
加持「もういい!やめろ!」
ミサト「自分に、絶望するわよ!」
加持「…」
ミサト「…」 アスカ「ねぇシンジ、キスしようか?」
シンジ「え?何?」
アスカ「キスよ、キス。した事ないでしょ?」
シンジ「うん…」
アスカ「じゃあ、しよう」
シンジ「!!!…どうして?」
アスカ「退屈だからよ」
シンジ「退屈だからって、そんな…」
アスカ「お母さんの命日に、女の子とキスするの嫌?天国から見てるかもしれないからって」
シンジ「別に」
アスカ「それとも、恐い?」
シンジ「恐かないよ!キスくらい!」
アスカ「歯、磨いてるわよね」
シンジ「うん…」
アスカ「行くわよ。
鼻息こそばゆいから、息しないで」
シンジ「ああっ、あっ、グッ!」
ペンペン「クギュッ、クギュルルルルルル、クッ。クゥッ?クゥゥ、クゥ、ク」
シンジ「ぶはぁぁっ!はぁ…」
アスカ「ガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラガラ、プハッ!
うぇぇぇっ!やっぱ暇つぶしにやるもんじゃないわ!
ガラガラガラガラガラガラガラガラガラ……」 加持「ほら、着いたぞ!しっかりしろ!」
シンジ「加持さん!」
アスカ「えーっ!あ、加持さん!」
加持「じゃあ、俺は帰るから」
アスカ「加持さんも泊まっていけば?」
加持「この格好で出勤したら、笑われちゃうよ」
アスカ「えー?大丈夫よ!ねーぇ、加持さんてばぁ…」
加持「またな」
アスカ「………ラベンダーの、香りがする」
加持「すまないが二人とも、葛城の事、頼んだぞ」
シンジ「はい!」
加持「お休み」
シンジ「おやすみなさい。
どうしたの?元気ないね」
アスカ「あんたとキスなんかしたからよ!」 老教師「えー、では、続いて女子。
綾波…おお?綾波は、今日も休みか?」 加持「やー、二日酔いの調子はどうだ?」
ミサト「おかげでやっとさめたわ」
加持「そりゃよかった」
ミサト「これがあなたの本当の仕事?それともアルバイトかしら?」
加持「どっちかな?」
ミサト「特務機関ネルフ特殊監査部所属加持リョウジ。同時に、日本政府内務省調査部所属、加持リョウジでもあるわけね」
加持「バレバレか」
ミサト「ネルフを甘く見ないで」
加持「碇司令の命令か?」
ミサト「私の独断よ。これ以上バイトを続けると、死ぬわ」
加持「碇司令は俺を利用してる。まだいけるさ。だけど葛城に隠し事をしてたのは、謝るよ」
ミサト「昨日のお礼に、チャラにするわ」
加持「そりゃどうも。
ただ、司令やリッちゃんも、君に隠し事をしている。
それが、これさ!」 ミサト「これは…
エヴァ?…いえ、まさか…」
加持「セカンドインパクトからその全ての要であり、始まりでもある…アダムだ」
ミサト「アダム?あの第1使徒がここに?
確かに、ネルフは私が考えているほど、甘くないわね」 社会現象 wwwww
こんなの 放送しなくていいのに 増長したシンジは、ディラックの海に取り込まれてしまう。
残されたわずかな時間が、彼に絶望を教える。
次回、『死に至る病、そして』
この次も、サービス、サービスゥ! アスカ「フフフンフッフ〜…フフッ!」
ミサト「あれ?シンちゃん、おだし変わった?」
シンジ「ええ、カツオだし。リツコさんのお土産」
アスカ「きゃぁ〜ぁ!あっつぅ〜いぃ!」
シンジ「ごめん…」
アスカ「ううっ!そうやってすぐ謝って!ほんとに悪いと思ってんの?」
シンジ「うん…」
アスカ「シンジってなんだか条件反射的に謝ってるように見えんのよね〜。人に叱られないようにさ!」
シンジ「ごめん」
アスカ「ほらぁ!内罰的過ぎるのよ、根本的に!」
ミサト「まぁまぁ、それもシンちゃんの生き方なんだから」
アスカ「彼の生き方を容認するなんて、甘い!最近ミサト、シンジに甘すぎるんじゃない?」
ミサト「そぉ?」
アスカ「加持さんとよりが戻ったからって、他人に幸せ押し付けないでよね」
ミサト「加持なんかとは何でもないわよ」
加持『よぉ、葛城。酒の旨い店見つけたんだ。今晩どう?じゃ』
アスカ「どーせ私は不潔な大人の付き合いなんて、した事ないわよ。何さ、保護者ぶったりしてさ。偽善的!反吐が出るわ!」 マヤ「B型ハーモニクステスト、問題なし」
オペレータ「深度調整数値をすべてクリア」
マコト「ミサトさん、なんだか疲れてません?」
ミサト「いろいろとね、プライベートで」
リツコ「加持君?」
ミサト「うるさいわねぇ!どう?サードチルドレンの調子は?」
マヤ「見てくださいよ」
ミサト「どれどれ…
お〜!これが自信につながればいいんだけどねぇ」 ミサト「聞こえる?シンジ君」
シンジ「ミサトさん!今のテストの結果、どうでした?」
ミサト「は〜い、ゆーあーナンバーワン!」 アスカ「参っちゃったわよねぇ。あっさり抜かれちゃったじゃない?
ここまで簡単にやられると、正直ちょっと悔しいわよねぇ。
すごい!すばらしい!強い!強すぎる!あ〜無敵のシンジ様ぁ!これであたし達も楽できるってもんじゃないの。
ね〜!?まぁね〜、私たちもせいぜい置いてけぼり食わないように、頑張らなきゃ!」
レイ「さよなら」
アスカ「…」 バスのアナウンス『次は、セイショウカノセ、セイショウカノセ。古本、中古ソフトの店、バシャール前』
シンジ「……よし!」
子供たち「ケッケッケ…」
シンジ「ハッ…」 オペレータ「西区の住民避難、後5分かかります」
オペレータ「目標は微速で進行中。毎時2.5キロ」
リツコ「遅いわよ」
ミサト「ごめん、どうなってんの?富士の電波観測所は?」
シゲル「探知してません、直上にいきなり現れました」
マコト「パターンオレンジ、A.T.フィールド反応無し!」
ミサト「どういうこと?」
リツコ「新種の使徒?」
マヤ「MAGIは判断を保留しています」
ミサト「もー、こんな時に碇司令はいないのよねー」 ミサト「みんな聞こえる?目標のデータは送った通り。今はそれだけしか分からないわ。
慎重に接近して反応をうかがい、可能であれば市街地上空外への誘導も行う。
先行する一機を残りが援護。よろしい?」
アスカ「はーい、先生!先鋒はシンジ君がいいと思いまーす!」
シンジ「はぁ?」
アスカ「そりゃもう、こういうのは、成績優秀、勇猛果敢、シンクロ率ナンバーワンの殿方の仕事でしょう?
それともシンちゃん、自信無いのかなぁ?」
シンジ「行けるよ!」
アスカ「ううっ!」
シンジ「お手本見せてやるよ、アスカ!」
アスカ「なっ、なっ、なんですってぇ!?」
ミサト「ちょっと、あなたたち…」
シンジ「言ったでしょ、ミサトさん?ユーアーナンバーワン、って」
ミサト「いや、あれは…」
シンジ「戦いは男の仕事!」
アスカ「前時代的〜!弐号機、バックアップ!」
レイ「零号機も、バックアップに廻ります」
ミサト「あの子達、勝手に…」
リツコ「シンジ君、ずいぶん立派になったじゃない?」
ミサト「だめよ、帰ったら叱っておかなきゃ」
リツコ「あなた、いい保護者になれるわよ」 シンジ「綾波、アスカ!そっちの配置はどう?」
レイ「まだよ」
アスカ「そんなに早く移動できるわけ無いでしょ!
チッ!
いよっ」
シンジ「(まだか…)
(こっちで、足止めだけでもしとく!)」 リツコ「消えた!?」
ミサト「何?」
マコト「パターン青、使徒発見!初号機の直下です!」
シンジ「はっ!か、影が!
何だよこれ、おかしいよ!!」
ミサト「シンジ君逃げて!シンジ君!」
レイ「碇君!」
アスカ「バカ!何やってんのよ!」
シンジ「ミサトさん!どうなってるんですか!ミサトさん!アスカ、綾波、援護は!?ミサトさん!聞こえてます!?ミサトさん!」
ミサト「プラグを強制射出!信号送って!」
マヤ「だめです!反応ありません」
シンジ「ミサトさん!ミサトさん」
ミサト「シンジ君!」 ミサト「アスカ、レイ!初号機を救出!急いで!」
アスカ「あのバカ!模試だけ満点とったって、しょうがないじゃない!」
マヤ「また消えた!」
リツコ「アスカ、気をつけて!」
アスカ「影?
いやぁぁ!
街が…」 ミサト「アスカ、レイ。後退するわ」
アスカ「ちょっ…」
レイ「待って!まだ初号機と碇君が!」
アスカ「…」
ミサト「命令よ、下がりなさい」 マヤ「葛城三佐、辛いでしょうね」
リツコ「アンビリカルケーブルを引き上げてみたら、先はなくなっていたそうよ」
マヤ「それじゃあ…」
リツコ「内臓電源に残された量はわずかだけど、シンジ君が闇雲にエヴァを動かさず、生命維持モードで耐える事ができれば、16時間は生きていられるわ」
マヤ「…」 オペレータ「第二戦車小隊、配置完了」
オペレータ「了解、現在位置のまま待機」
オペレータ「サブレーザー、回線開きます。情報送る」
オペレータ「確認、C回線にて発信」
シゲル「国連軍の包囲、完了しました」
ミサト「影は?」
マコト「動いてません。直径600mを超えたところで停止したままです。でも、地上部隊なんて役に立つんですか?」
ミサト「プレッシャーかけてるつもりなのよ、私たちに」
アスカ「やれやれだわ。独断専行、作戦無視。まったく、自業自得もいいとこね。
昨日のテストでちょっといい結果が出たからって、お手本を見せてやる?ははぁ〜、とんだお調子もんだわ」
レイ「…」
アスカ「な、何よ、シンジの悪口を言われるのが、そんなに不愉快!?」
レイ「あなたは、人に誉められるためにエヴァに乗ってるの?」
アスカ「違うわ。他人じゃない。自分で自分をを誉めてあげたいからよ!」
ミサト「やめなさい、あなたたち。
そうよ、確かに独断専行だわ。
だから、帰ってきたら叱ってあげなくちゃ」 シンジ「眠る事がこんなに疲れるなんて、思わなかったな…
やっぱり真っ白か…レーダーやソナーが返ってこない。空間が広すぎるんだ。
生命維持モードに切り替えてから12時間…僕の命も後4、5時間か…お腹空いたな…」 ミサト「じゃああの影の部分が使徒の本体なわけ?」
リツコ「そう、直径680メートル、厚さ約3ナノメートルのね。
その極薄の空間を、内向きA.T.フィールドで支え、内部はディラックの海と呼ばれる虚数空間。
多分、別の宇宙につながっているんじゃないかしら?」
ミサト「あの球体は?」
リツコ「本体の虚数回路が閉じれば消えてしまう。上空の物体こそ、影に過ぎないわ」
ミサト「初号機を取り込んだ、黒い影が目標か…」
アスカ「そんなの、どうしようもないじゃん」 シンジ「ん?…水が濁ってきてる!?浄化能力が落ちてきてるんだ!
うっ!…生臭い!血?血の匂いだ!
嫌だ!ここは嫌だ!なんでロックが外れないんだよ!
開けて!ここから出して!ミサトさんどうなってるんだよ、ミサトさん!アスカ!綾波!…リツコさん……父さん…………
お願い、誰か、助けて…」 ミサト「エヴァの強制サルベージ?」
リツコ「現在、可能と思われる、唯一の方法よ」
992個、現存する全てのN2爆雷を、中心部に投下」
タイミングを合わせて残存するエヴァ2体のA.T.フィールドを使い、使徒の虚数回路に1000分の1秒だけ干渉するわ。
その瞬間に、爆発エネルギーを集中させて、使徒を形成するディラックの海ごと破壊する」
ミサト「でもそれじゃあエヴァの機体が…シンジ君がどうなるか…救出作戦とは言えないわ」
リツコ「作戦は初号機の機体回収を最優先とします。たとえボディーが大破しても構わないわ」
ミサト「ちょっと待って!」
リツコ「この際、パイロットの生死は問いません」
ミサト「!」
リツコ「シンジ君を失うのは、あなたのミスなのよ!それ、忘れないで!」
ミサト「碇司令やあなたが、そこまで初号機にこだわる理由は何?
エヴァって何なの!?」
リツコ「あなたに渡した資料が全てよ!」
ミサト「嘘ね!」
リツコ「ミサト、私を信じて。
この作戦に付いての一切の指揮は、私が執ります。
関空には便を廻すわ。航空管制と空自の戦略輸送団にも連絡を」
ミサト「(セカンドインパクト。補完計画。アダム。まだ私の知らない秘密があるんだ…)」 シンジ「誰?」
シンジ「誰?」
シンジ「碇シンジ」
シンジ「それは僕だ!」
シンジ「僕は君だよ。人は自分の中にもう一人の自分を持っている。自分と言うのは常に2人でできているものさ」
シンジ「2人?」
シンジ「実際に見られる自分とそれを見つめている自分だよ。碇シンジと言う人物だって何人もいるんだ」
シンジ「君の心の中にいるもう一人の碇シンジ、葛城ミサトの心の中にいる碇シンジ、惣流アスカの中のシンジ、綾波レイの中のシンジ、碇ゲンドウの中のシンジ。
みんなそれぞれ違う碇シンジだけど、どれも本物の碇シンジさ。君はその他人の中の碇シンジが恐いんだ」
シンジ「他人に嫌われるのが恐いんだよ!」
シンジ「自分が傷つくのが恐いんだよ」
シンジ「悪いのは誰だ?」
シンジ「悪いのは父さんだ!僕を捨てた父さんだ!」
シンジ「悪いのは自分だ!」
(アスカ:そうやってすぐに自分が悪いんだ、と思い込む!それが内罰的だって言うのよ!)
シンジ「何もできない自分なんだ!」
(ミサト「何もできないと思っている自分でしょ?)」
(レイ「お父さんの事、信じられないの?」)
シンジ「嫌いだと思う。でも今は分からない。
(ゲンドウ「よくやったな、シンジ」)
シンジ「父さんが、僕の名前を呼んだんだ。あの父さんに誉められたんだよ!」
シンジ「その喜びを反芻して、これから生きていくんだ?」
シンジ「その言葉を信じたら、これからも生きていけるさ!」
シンジ「自分をだましつづけて?」 シンジ「みんなそうだよ、誰だってそうやって生きてるんだ」
シンジ「自分はこれでいいんだ、と思いつづけている。でなければ生きていけないよ」
シンジ「僕が生きていくには、この世界には辛い事が多すぎるんだ」
シンジ「たとえば、泳げないこと?」
シンジ「人間は浮くようにはできていないんだよ!」
シンジ「自己欺瞞だね」
シンジ「呼び方なんか、関係ないさ」
シンジ「嫌なことには目をつぶり、耳をふさいできたんじゃないか!」
(ケンスケ「あいつの妹、こないだの騒ぎで」)
(ミサト「人のことなんか関係ないでしょ!」)
(ゲンドウ「帰れ!」)
シンジ「嫌だ!聞きたくない!」
シンジ「ほら、また逃げてる」
シンジ「楽しいことだけを数珠のように紡いで生きていられるはずが無いんだよ、特に僕はね」
シンジ「楽しいこと見つけたんだ。楽しいこと見つけて、そればっかりやってて、何が悪いんだよ!」 マコト「エントリープラグの予備電源、理論値ではそろそろ限界です」
マヤ「プラグスーツの生命維持システムも危険域に入ります」
リツコ「12分予定を早めましょう。
シンジ君が生きている可能性が、まだあるうちに」 シンジ「父さん、僕はいらない子供なの?父さん!」
シンジ「自分から逃げ出したくせに」
男「そうだ。この男は自分の妻を殺した疑いがある!」
男「自分の妻を殺したんだ!」
シンジ「違う!母さんは…笑ってた…」
(ミサト「あなたは人に誉められる立派なことをしたのよ」)
(ゲンドウ「シンジ、逃げてはいかん」)
(ミサト「頑張ってね」)
シンジ「ここは嫌だ…一人はもう、嫌だ…
保温も、酸素の循環も切れてる…寒い…だめだ、スーツも限界だ…ここまでか…もう、疲れた…何もかも…
……………………」
シンジ「お母さん!?」
ユイ「もういいの?そう、よかったわね」 シゲル「エヴァ両機、作戦位置」
マヤ「A.T.フィールド、発生準備よし」
リツコ「了解」
マコト「爆雷投下、60秒前」
アスカ「何が始まったの!?」
ミサト「状況は?」
マコト「分かりません!」
マヤ「全てのメーターは、振り切られています!」
リツコ「まだ何もしていないのに!」
ミサト「まさか、シンジ君が!」
リツコ「ありえないわ!初号機のエネルギーは、ゼロなのよ!」
オペレータ「おおっ!」
アスカ「私、こんなのに乗ってるの?」
レイ「…」
リツコ「何て物を…何て物をコピーしたの?私たちは…」
ミサト「エヴァがただの第1使徒のコピーなんかじゃないのは分かる。
でも、ネルフは使徒をすべて倒した後、エヴァをどうするつもりなの?」
アスカ「…」
レイ「…」 ミサト「シンジ君…シンジ君!シンジ君!
シンジ君、大丈夫!?シンジ君!」
シンジ「…ただ会いたかったんだ、もう一度…」
アスカ「叱るんじゃなかったの?」 リツコ「私は今日ほど、このエヴァが恐いと思ったことはありません。
ほんとにエヴァは味方なのでしょうか。
私たちは、憎まれているのかもしれませんね。
葛城三佐、何か感付いているかもしれません」
ゲンドウ「そうか、今はいい」
リツコ「レイやシンジ君がエヴァの秘密を知ったら、許してもらえないでしょうね」
ゲンドウ「…」 レイ「今日は寝ていて。後は私たちで処理するわ。
シンジ「うん…でも、もう大丈夫だよ」
レイ「そう、よかったわね」
シンジ「はっ!」
アスカ「うっ…」
シンジ「クククククッ…
…取れないや、血の匂い」 アメリカで建造中だったエヴァ四号機が、ネルフ第二支部ごと消失する。
この事件が、新たなエヴァパイロットを選出させる。
次回、『四人目の適格者』 訂正
25話と26話は余計だなどう考えても。
今思えばこれが終わる詐欺の始まりだったんだな。
あと10年は引っ張るつもりか。 たぶん私は3人目だからってやっぱりすげえセリフだよなw
すでにスカイクロラじゃんw
こりゃ売れるわな キール「今回の事件の唯一の当事者である初号機パイロットの直接尋問を拒否したそうだな、葛城三佐」
ミサト「はい。彼の情緒は大変不安定です。今ここに立つことが良策とは思えません」
委員「では聞こう、代理人葛城三佐」
委員「先の事件、使徒がわれわれ人類にコンタクトを試みたのではないのかね?」
ミサト「被験者の報告からはそれを感じ取れません。イレギュラーな事件だと、推定されます」
委員「彼の記憶が正しいとすればな」
ミサト「記憶の外的操作は認められませんが」
委員「エヴァのACレコーダーは作動していなかった。確認はとれまい」
委員「使徒は人間の精神、心に興味を持ったのかね?」
ミサト「その返答はできかねます。果たして使徒に、心の概念があるのか、人間の思考が理解できるのか、まったく不明ですから」
委員「今回の事件には、使徒がエヴァを取り込もうとしたという新たな要素がある。これが予測されうる第13使徒以降とリンクする可能性は?」
ミサト「これまでのパターンから、使徒同士の組織的なつながりは否定されます」
委員「さよう。単独行動であることは明らかだ。これまではな」
ミサト「それは、どういうことなのでしょうか?」
キール「君の質問は許されない」
ミサト「はい」
キール「以上だ。下がりたまえ」
ミサト「はい」
キール「どう思うかね、碇君?」
ゲンドウ「使徒は知恵を身につけ始めています。残された時間は、」
キール「後わずか、と言うことか」 看護婦「12号室のクランケ?」
看護婦「例のE事件の救急でしょ?ここに入院してからずいぶん経つわね」
看護婦「なかなか難しいみたいよ、あの怪我」
看護婦「まだ小学生なのに」
看護婦「今日もきてるんでしょ、あの子」
看護婦「そうそう。週2回は必ず顔出してるのよ、妹思いのいいお兄さんよねぇ」
看護婦「ほんと、今時珍しいわね、あんな男の子」 ゲンドウ「レイ、今日はいいのか?」
レイ「はい。明日、赤木博士のところへ行きます。明後日は学校へ」
ゲンドウ「学校はどうだ?」
レイ「問題ありません」
ゲンドウ「そうか、ならばいい」 >>635-637
そういうレスすると
自分で興奮してくるんだろ? ヒカリ「起立、礼、着席!」
老教師「あ、ああ…今日の休みはいつもの綾波と、相田か。後、今日は小池先生がお休みで、4時限目の現国が自習となります」
シンジ「ケンスケ、どうしたの?」
トウジ「新横須賀。今日も軍艦の追っかけや。ミョウコウとかいうんが入港しとるんやと」
老教師「鈴原!」
トウジ「は、はい!」
老教師「後で、綾波にプリントを届けておくように」
トウジ「はい!」 冬月「消滅!?確かに、第2支部が消滅したんだな?」
シゲル「はい、すべて確認しました。消滅です」 ミサト「まいったわねー」
マコト「上の管理部や調査部は大騒ぎ、総務部はパニクってましたよ!」
ミサト「で、原因は?」
リツコ「未だ分からず。手がかりはこの静止衛星からの映像だけで、後は何も残ってないのよ」
マヤ「テンマイナス、エイト、セブン、シックス、ファイブ、フォア、スリー、ツー、ワン、コンタクト」
ミサト「ひどいわね」
マヤ「エヴァンゲリオン四号機ならびに半径89キロ以内の関連研究施設はすべて消滅しました」
リツコ「数千の人間を道連れにね」
シゲル「タイムスケジュールから推測して、ドイツで修復したS2機関の搭載実験中の事故と思われます」
マヤ「予想される原因は、材質の強度不足から設計初期段階のミスまで、32768通りです」
ミサト「妨害工作の線もあるわね」
マコト「でも爆発でなく消滅なんでしょう?つまり、消えた、と」
リツコ「多分、ディラックの海に飲み込まれたんでしょうね、先の初号機みたく」
ミサト「じゃあせっかく直したS2機関も?」
リツコ「パーよ。夢は潰えたわね」
ミサト「訳の分からないものを無理して使うからよ」
リツコ「(…それはエヴァも同じだわ)」 ミサト「で、残った参号機はどうするの?」
リツコ「ここで引き取ることになったわ。米国政府も第1支部までは失いたくないみたいね」
ミサト「参号機と四号機はあっちが建造権を主張して強引に作っていたんじゃない!いまさら危ないところだけうちに押し付けるなんて、虫のいい話ね」
リツコ「あの惨劇の後じゃ誰だって弱気になるわよ」
ミサト「で、起動試験はどうするの?例のダミーを使うのかしら?」
リツコ「…これから決めるわ」 リツコ「試作されたダミープラグです。レイのパーソナルが移植されています。
ただ、人の心、魂のデジタル化はできません。あくまでフェイク、擬似的なものです。
パイロットの思考の真似をする、ただの機械です」
ゲンドウ「信号パターンをエヴァに送り込む。エヴァがそこにパイロットがいると思い込み、シンクロさえすればいい。
初号機と弐号機にはデータを入れておけ」
リツコ「まだ問題が残っていますが」
ゲンドウ「構わん。エヴァが動けばいい」
リツコ「はい」 ゲンドウ「機体の運搬はUNに一任してある。週末には届くだろう。
後は君のほうでやってくれ」
リツコ「はい。調整ならびに起動試験は、松代で行います」
ゲンドウ「テストパイロットは?」
リツコ「ダミープラグはまだ危険です。現候補者の中から、」
ゲンドウ「4人目を選ぶか」
リツコ「はい。一人、速やかにコアの準備が可能な子供がいます」
ゲンドウ「任せる」
リツコ「はい」
ゲンドウ「レイ、上がっていいぞ」
レイ「はい」
ゲンドウ「食事にしよう」
レイ「はい」
リツコ「…」 ヒカリ「起立!礼!」
トウジ「さ〜って、メシやメシ、学校最大の楽しみやからなぁ!」
アスカ「え〜〜〜〜〜〜っ、お弁当、持ってきてないの!?」
シンジ「き、昨日は宿題で作る暇なかったんだよ」
アスカ「だからって、この私にお昼無しで過ごせってえの?あんたは!」
トウジ「なんや、また夫婦喧嘩かいな!」
クラスメイト「ワハハハハ!」
シンジ「…違うよっ!」
アスカ「…違うわよ!」 ミサト「何よ改まって」
リツコ「松代での参号機の起動実験、テストパイロットは4人目を使うわよ」
ミサト「4人目?フォースチルドレンが見つかったの?」
リツコ「昨日ね」
ミサト「マルドゥック機関からの報告は受けてないわよ」
リツコ「正式な書類は明日届くわ」
ミサト「赤木博士。また私に隠し事してない?」
リツコ「別に」
ミサト「まあいいわ、で、その選ばれた子って誰?」
ミサト「えっ、寄りにもよって、この子なの?」
リツコ「仕方ないわよ、候補者を集めて保護してあるのだから」
ミサト「話づらいわね、このこと。
アスカはいいのよ、エヴァに乗ることにプライド賭けてるから。レイは例外としてもね。
いい事ないもの、私たちとエヴァに関わったって。それを一番よく知っているのがシンジ君だものね。
これ以上辛い思いは、させたくないわ」
リツコ「でも、私たちにはそういう子供たちが必要なのよ、みんなで生き残るためにはね」
ミサト「奇麗事はやめろ、と言うの?」 男子「じゃぁな〜」
ヒカリ「鈴原、今日から週番なんだから、ちゃんとやりなさいよ」
トウジ「何の事や?」
ヒカリ「プリント!届けてくれって先生が言ったでしょう!」
トウジ「なんやイインチョ、相方がおるやろう」
ヒカリ「綾波さんは今日休み!」
トウジ「綾波とワシなんか。そりゃしゃーないなぁ。
でも、女の家に一人じゃ行けへんしなぁ」
ヒカリ「それなら私が一緒に…」
トウジ「シンジ!帰り頼むわ」
ヒカリ「…」 シンジ「綾波、入るよ」
トウジ「女の部屋に黙って入るんは良うないと思うで」
シンジ「しょうがないよ、ここに入れても見ないだけだし。
お邪魔するよ」
トウジ「なんや、これが女の部屋かいな!無愛想やなぁ。
なんや、かってにいじって、叱られるで」
シンジ「片づけてるだけだよ」
トウジ「ワシは手伝わんで!男のする事やない!」
シンジ「うん…でもミサトさんに嫌われるよ、そういうの」
トウジ「かまへん!ワシの信念やからなぁ!
ほんま、変わったなぁ」
シンジ「何が?」
トウジ「シンジや」
シンジ「え?」
トウジ「初めて会うたときは、正直いけ好かんやっちゃと思うとったけど、人のために何かやる奴とも思えんかったし。
ま、要するに余裕なんやろなぁ、そないなことは。
お邪魔しとるで」
レイ「何?」
トウジ「あれが溜まってたプリントや」
レイ「…?」
シンジ「ごめん、かってに片づけたよ、ごみ以外は触ってない」
レイ「あ、ありがとう…」 トウジ「ほんま、エヴァのパイロットって変わりもんばっかりやなぁ」 レイ「ありがとう…感謝の言葉、初めての言葉。
あの人にも言った事なかったのに…」 冬月「街。人の作り出したパラダイスだな」
ゲンドウ「かつて楽園を追い出され、死と隣り合わせの地上と言う世界に逃げるしかなかった人類。
そのもっとも弱い生物が、弱さゆえ手に入れた知恵で作り出した自分達の楽園だよ」
冬月「自分を死の恐怖から守るため、自分の快楽を満足させるために自分達で作ったパラダイスか。
この街がまさにそうだな。自分達を守る、武装された街だ」
ゲンドウ「敵だらけの外界から逃げ込んでいる臆病者の街さ」
冬月「臆病者のほうが長生きできる。それも良かろう。
第3新東京市、ネルフの偽装迎撃要塞都市、遅れに遅れていた第7次建設も終わる。いよいよ、完成だな。
四号機の事故、委員会にどう報告するつもりだ?」
ゲンドウ「事実の通り、原因不明さ」
冬月「しかし、ここにきて大きな損失だな」
ゲンドウ「四号機と第2支部はいい。S2機関もサンプルは失ってもドイツにデータが残っている。
ここと初号機が残っていれば十分だ」
冬月「しかし、委員会は血相を変えていたぞ」
ゲンドウ「予定外の事故だからな」
冬月「ゼーレも、慌てて行動表を修正しているだろう」
ゲンドウ「死海文書にない事件も起こる。老人にはいい薬だよ」 アナウンス「第三管区の形態移行ならびに指向兵器試験は予定通り行われます。
技術局3課のニシザイ博士、ニシザイ博士、至急開発2課までご連絡ください」
加持「せっかくここの迎撃システムが完成するのに、祝賀パーティーの一つも予定されていないとは、ネルフってお堅い組織だねぇ」
マヤ「碇司令がああですもの」
加持「君はどうなのかな?」
マヤ「いいんですかぁ、加持さん。葛城さんや赤木先輩に言っちゃいますよぉ?」
加持「その前にその口をふさぐよ…」
ミサト「お仕事進んでるぅ?」
加持「ま、ぼちぼち、だな」
マヤ「では、私は仕事がありますので、これで…」 ミサト「あなたのプライベートに口出すつもりはないけど、この非常時にうちの若い娘に手ぇ出さないでくれる?」
加持「君の管轄ではないだろう?葛城ならいいのかい?」
ミサト「これからの返事次第ね。
地下のアダムとマルドゥック機関の秘密、知ってるんでしょ?」
加持「ハテ?」
ミサト「とぼけないで!」
加持「他人に頼るとは、君らしくないな」
ミサト「なりふり構ってらんないの、余裕ないのよ、今!
都合よくフォースチルドレンが見つかる。この裏は何?」
加持「一つ教えとくよ。マルドゥック機関は存在しない。影で操っているのは、ネルフそのものだ」
ミサト「ネルフそのもの…碇司令が?」
加持「コード707を調べてみるんだな」
ミサト「707…シンジ君の学校を?」 おまえって、そういうコピペしてると興奮してくるんだろ? シンジ「ミサトさん」
ミサト「なに?」
シンジ「リツコさんが、明日からの出張の打ち合わせだって」
ミサト「分かったわ、ありがとう。
また今度ね」
加持「はいはい。
たまにはどうだ?お茶でも」
シンジ「僕、男ですよ」 シンジ「加持さんって、もっとまじめな人だと思ってました」
加持「安心してる相手だと、遠慮がないな。碇シンジ君」
シンジ「あ、すみません!」
加持「いや、こっちこそすまない。嫌味のつもりはないんだ。
そうだ、一つ、いいものを君に見せよう」 シンジ「スイカ、ですか?」
加持「ああ、可愛いだろう?俺の趣味さ。みんなには内緒だけどな。
何かを作る、何かを育てるのはいいぞ。いろんな事が見えるし分かってくる。楽しい事とかな」
シンジ「辛い事もでしょ」
加持「…辛いのは、嫌いか?」
シンジ「好きじゃないです」
加持「楽しい事、見つけたかい?」
シンジ「…」
加持「…それもいいさ。けど、辛い事を知っている人間のほうがそれだけ他人(ひと)に優しくできる。それは弱さとは違うからな。
はい、もしもし?
葛城から。今からシンクロテストをやるそうだ」 マヤ「プラグ深度は3.2で固定。L.C.L.濃度は現状を維持。
ハーモニクスレベルはマイナス1.2、1.5、1.6、1.8、1.9、限界指数は0.2。 データはレベル3を消去。以下はメルキオールに保存されます」
リツコ「やはりそうだわ。シンジ君のシンクロ率が落ちてきている」
ミサト「どういう事?」
リツコ「何とも言えないわ。ただ、先の事件のとき何かがあったんでしょうね、精神的なものが」
ミサト「ますます参号機のパイロット、話づらいわね」
リツコ「でも、本人には明日、正式に通達されるわよ」
ミサト「…」 ヒカリ「きりーつ、気を付け、礼!」
放送『2年Aクラスの鈴原トウジ、鈴原トウジ、至急、校長室まで』
トウジ「さーって、メシやメシ!
何や?」
ケンスケ「なんかやったの?」
トウジ「いや、心当たり、ないわ」
シンジ「…?」 トウジ「鈴原トウジ、入ります!」
リツコ「鈴原 トウジ君ね?」 シンジ「昨日の新横須賀、どうだったの?」
ケンスケ「バッチシ!ところで、ちょいと気になる情報を仕入れたんだけど…」
シンジ「エヴァ参号機?」
ケンスケ「そう。アメリカで建造中だった奴さ。完成したんだろ?」
シンジ「知らないなぁ」
ケンスケ「隠さなきゃならない事情も分かるけど、なぁ、教えてくれよ!」
シンジ「ほんとに聞いてないよ!」
ケンスケ「松代の第2実験場で起動試験をやるって噂、知らないのか?」
シンジ「知らないよ」
ケンスケ「パイロットはまだ決まってないんだろ?」
シンジ「分からないよ、そんなの…」
ケンスケ「俺にやらしてくんないかなぁ、ミサトさん。なぁ、シンジからも頼んでくれよ!乗りたいんだよ、エヴァに!」
シンジ「ほんとに知らないんだよ…」
ケンスケ「じゃあ、四号機が欠番になったって言う話は?」
シンジ「何それ?」
ケンスケ「ほんとにこれも知らないの?第2支部ごと吹っ飛んだって、パパのところは大騒ぎだったみたいだぜ」
シンジ「ほんとに?」
ケンスケ「おそらくは」
シンジ「ミサトさんからは何も聞いてない…」
ケンスケ「やっぱ、末端のパイロットには関係ないからな、言わないって事は、知らなくてもいいことなんだろ?シンジにはさ」
シンジ「…」
ケンスケ「すまなかったな、変な事聞いて。しかし、トウジの奴、遅いなぁ」 老教師「われわれはセカンドインパクトと言うこの世の地獄から再び立ち上がったのです。今、年々子供の数も減ってきています」
トウジ「遅れて、すまんです…」
老教師「話は聞いてる。席に着きなさい。あー、これからの次代をになう君たち若い世代が…」 ケンスケ「さっ、帰ろうぜ」
シンジ「トウジは?」
ケンスケ「あいつは遅くなるよ、当番だからな」 放送『下校の時刻です。教室に残っている生徒は、早く帰りましょう』
ヒカリ「鈴原!」
トウジ「ん?」
ヒカリ「あの、週番なんだから、ちゃんと机ならべて、日誌付けなさいよ」
トウジ「ワシ、昼飯まだやったんやで。終わったらやるわ」
ヒカリ「鈴原っていつも購買部のお弁当だね」
トウジ「作ってくれる奴もおらんからなぁ」
ヒカリ「鈴原…君」
トウジ「ん?」
ヒカリ「私姉妹が二人いてね、名前はコダマとノゾミ。いつもお弁当あたしが作ってるんだけど…」
トウジ「そら難儀やなぁ」
ヒカリ「だから、こう見えても、あたし意外と料理上手かったりするんだ」
トウジ「へぇ〜」
ヒカリ「だからあたし、いつもお弁当の材料、余っちゃうの…」
トウジ「そらもったいないなぁ」
ヒカリ「え?」
トウジ「残飯処理なら、いくらでも手伝うで」
ヒカリ「え…うん、手伝って!」 アスカ「はぁ〜あ…加持さん!」
加持「アスカか?すまない、今ちょっと忙しいんだ、後にしてくれ」
アスカ「ふぅ〜ん…ミサトには会ってるくせに…
わっ!」
加持「こら!今はだめだ!」
アスカ「これ私たちのシンクロデータね…え…4人?…何これ、どういう事?フォースチルドレンがなんでこいつなの?
イヤ、わかんないわ、何なのこれぇ!」
加持「…」 おまえ、こういうコピペしてるだけでムラムラしてくるんだろ?
ヘンタイだな。おまえ。 てかリマスターって、マズルフラッシュとかチカチカする光とかの多重露光が潰れてグレーになってるじゃん。
黒く潰れるべきところが妙にくっきりしたり良いことなにもないな。 アメリカから、起動試験のためエヴァ参号機が松代に届く。
人々は明日の惨劇も知らず、最後の日常を謳歌していた。
次回、『命の選択を』 ECTA 6-4「This is ECTA 6-4 calling NEO PAN 4-0-0. Confirm cumulonimbus clouds in your immediate flight path, over.」
NEO PAN 4-0-0「This is NEO PAN 4-0-0. Cumulonimbus clouds confirmed. Barometer indicate no hazard.
Will maintain course....expect to arrive on schedule.」
ECTA 6-4「This is ECTA 6-4, roger and out.」 シンジ「あの、アスカは?」
ミサト「もう先に出てるわ。徹底して私と顔を合わせないつもりね」
シンジ「どうしてですか?」
ミサト「シンちゃんにはまだ女心は分からないか」
シンジ「あの、ところで」
ミサト「あはっ、どうぞ」
シンジ「四号機が欠番っていう噂、本当ですか?何か事故があって爆発したって」
ミサト「ええ、本当よ。肆号機はネルフ第二支部と共に消滅したわ。S2機関の実験中にね。
ここは大丈夫よ。3体ともちゃんと動いてるじゃない。パイロットもスタッフも優秀だし」
シンジ「でも、アメリカから参号機が来るって。松代でするんでしょ、起動実験」
ミサト「うーん、ちょっち4日ほど留守にするけど、加持が面倒見てくれるから心配ないわよ」
シンジ「でも実験は…」
ミサト「リツコも立ち会うんだし、問題ないわよ」
シンジ「でもパイロットは…?」
ミサト「その、パイロットなんだけど…………」
シンジ「ん?はーい!」
ケンスケ「おはようございます!今日は、葛城三佐にお願いにあがりました!
自分を、自分をエヴァンゲリオン参号機のパイロットにしてください!」
ミサト「へ?」 リツコ「じゃあまだシンジ君は知らないの?」
ミサト「なかなか言い出すきっかけがね…恐いのよ、時々、何考えてるのか分からないし」
リツコ「しっかりしなさいよ。自分で保護者役を買って出たんじゃない」
ミサト「そう…なんだけどねぇ…
で、いつ呼ぶの?パイロット」
リツコ「そうね。明日になるわね。準備もいろいろあるし」
ミサト「彼が自分で言い出すかもしれないわ」
リツコ「それはないわね。人に自慢するほど、喜んでなかったもの。
入院中の妹を本部の医学部に転院させてくれっていうのが彼の出した例の条件だったのよ」 ケンスケ「ミサトさんも冷たいよ、まったく。やる気なら俺が一番なんだし、
予備でもいいから使ってくれりゃあいいのに。なぁ、トウジ?」
トウジ「あ?ああ」
シンジ「どうしたの?先に出たのに、ずいぶん遅かったじゃない」
トウジ「なんや、今日は夫婦喧嘩はなしかい…」
アスカ「あんた達の顔、見たくなかっただけよ!この3バカトリオが!」 ケンスケ「さーて、飯メシ…あれ?トウジは?」
シンジ「いないんだよ」
ケンスケ「飯も食わずに?あいつが?ありえない話だぞ」
シンジ「うん…変だよね、このごろ」 レイ「鈴原君」
トウジ「ん?なんや、綾波か。シンジやったらここにはおらんで」
レイ「…」
トウジ「知っとんのやろ?ワシのこと。惣流も知っとるようやし」
レイ「うん」
トウジ「知らんのはシンジだけかぁ。人の心配とは珍しいなぁ」
レイ「そう?良く分からない」
トウジ「おまえが心配しとんのは、シンジや」
レイ「そう…そうかもしれない」
トウ「そや」
ヒカリ「……」
アスカ「ヒッカリー!お弁当食べよ!」 ミサト「遅れること2時間。ようやくお出ましかぁ。私をここまで待たせた男は、初めてね」
リツコ「デートのときは待たずにさっさと帰ってたんでしょう?」 老教師「でありまして、これが世に言うセカンドインパクトであります。
私はそのころ根府川に住んでいたのですが、南極大陸の溶解に伴う水位の上昇により、今では海の底になってしまいました…」 (トウジ「済まんなぁ、転校生。ワシはおまえを殴らないかん。殴っとかな気が済まへんのや」)
トウジ「…」 ヒカリ「ごめんねアスカ。いつもなら碇君と一緒に帰ってるのに」
アスカ「いいのよ、シンジとは義務でいるだけだし、今日は顔見たくない気分だったし。
鈴原のことでしょ」
ヒカリ「分かる?」
アスカ「見え見えよ。分かんないのは、あの3バカトリオくらいね」
ヒカリ「でも、碇君ってナイーブそうだけど?」
アスカ「あれが一番鈍感、おまけにバカよ。人との付き合い方、知らないもの」
ヒカリ「そう?
鈴原の好きな子って、綾波さんかもしれない…」
アスカ「鈴原が!?あの優等生を!?」
ヒカリ「お昼、仲良さそうだったし…」
アスカ「安心してヒカリ!それはないわ!あの女はシンジの1万倍も、人との付き合い方知らないもの」
ヒカリ「そう?」
アスカ「そう!」
アスカ「一つ聞いていい?」
ヒカリ「何?」
アスカ「あの熱血バカのどこがいいわけ?」
ヒカリ「優しい…ところ…」
アスカ「 (--;」 シンジ「そういえばさぁ…」
アスカ「加持さんお風呂長いのねぇ…」
シンジ「参号機って、誰が乗るのかな?」
アスカ「えっ、まだ聞いてないの?」
シンジ「誰?」
アスカ「………知らない」
加持「あーぁ、いい湯だったなぁ。んぁ?なんだ、またやりあってんのか?
しょうがないなぁ。葛城がいないと、いつもこうなのか?」
アスカ「違うわよ!私だって加持さんと夜を過ごすんですもの、ニコニコ笑っていたいわよ。でも、今日はだめなの、できないの!」
加持「……分かった。もう寝よう。こういう時は早めに寝ちまうのが一番だ」 シンジ「もう寝ました?加持さん?」
加持「いや、まだ」
シンジ「僕の父さんって、どんな人ですか?」
加持「こりゃまた唐突だな。葛城の話かと思ってたよ」
シンジ「加持さん、ずっと一緒にいるみたいだし」
加持「一緒にいるのは副司令さ。君は自分の父親のことを聞いて回っているのかい?」
シンジ「ずっと、一緒にいなかったから…」
加持「知らないのか」
シンジ「でも、このごろ分かったんです、父さんのこといろいろと。仕事のこととか。母さんのこととか。だから…」
加持「それは違うなぁ。分かった気がするだけさ。人は他人を完全には理解できない。
自分自身だって怪しいもんさ。100%理解し合うのは、不可能なんだよ。
ま、だからこそ人は、自分を、他人を知ろうと努力する。だから面白いんだなぁ、人生は」
シンジ「ミサトさんとも、ですか?」
加持「彼女というのは遥か彼方の女と書く。女性は向こう岸の存在だよ、われわれにとってはね。
男と女の間には、海よりも広くて深い川があるって事さ」
シンジ「僕には大人の人は分かりません」 アナウンス「参号機、起動実験まで、マイナス、300(サンマルマル)分です」
アナウンス「主電源、問題なし」
アナウンス「第二アポトーシス、異常無し」
アナウンス「各部、冷却システム、順調なり」
アナウンス「左腕圧着ロック、固定終了」
リツコ「了解。Bチーム作業開始」
アナウンス「EVA初号機とのデータリンク、問題なし」
リツコ「これだと即、実戦も可能だわ」
ミサト「そう、良かったわね」
リツコ「気のない返事ね。この機体も納品されれば、あなたの直轄部隊に配属されるのよ」
ミサト「EVAを4機も独占か…その気になれば世界を滅ぼせるわね」
リツコ「…シンジ君に話はしたの?」
ミサト「実験が終わったらね」
アナウンス「フォースチルドレン、到着。第2班は、速やかにエントリー準備に入ってください」 ヒカリ「まだ来てないよねぇ、アスカ?」
アスカ「あぁ、今日は来ないかもね」
ヒカリ「今日こそはと思ったのに…食べる?」 ケンスケ「参号機って、もう日本に到着してんだろ?」
シンジ「うん…昨日着いたみたいだけど…」
ケンスケ「いいなぁ、誰が乗るのかなぁ?トウジの奴かなぁ。今日休んでるしなぁ」
シンジ「まさか!」 オペレータ「エントリープラグ、固定完了。第一次、接続開始」
オペレータ「パルス送信。グラフ正常位置。リスト、1350(イチサンゴーマル)までクリア。初期コンタクト、問題なし」
リツコ「了解。作業をフェイズ2へ移行」
オペレータ「オールナーブリンク、問題なし。リスト、2550(ニーゴーゴーマル)までクリア。ハーモニクス、すべて正常位置」
オペレータ「絶対境界線、突破します」
リツコ「実験中止、回路切断!」
オペレータ「だめです、体内に高エネルギー反応!」
リツコ「まさか…
使徒!?」 シゲル「松代にて、爆発事故発生」
オペレータ「被害、不明!」
冬月「救助、および第3部隊を直ちに派遣、戦自が介入する前にすべて処理しろ」
マコト「了解!」
シゲル「事故現場に未確認移動物体を発見」
マコト「パターンオレンジ、使徒とは確認できません」
ゲンドウ「第一種、戦闘配置」
シゲル「総員、第一種戦闘配置!」
マコト「地、対地戦用意!」
マヤ「EVA全機、発進!迎撃地点へ緊急配置!」
オペレータ「空輸開始は20(フタマル)を予定」 シンジ「松代で事故?そんな、じゃ、ミサトさん達は…」
レイ「まだ連絡取れない」
シンジ「そんな、どうしよう…」
アスカ「何グジグジ言ってんのよ!今私らが心配したって、何にもならないでしょう!?」
シンジ「でも、使徒相手に僕らだけで…」
レイ「今は碇司令が、直接指揮を執っているわ」
シンジ「父さんが?」 シゲル「野辺山で映像を捉えました。主モニターに廻します」
職員「おおっ…」
冬月「やはりこれか」
ゲンドウ「活動停止信号を発信。エントリープラグを強制射出」
マヤ「だめです、停止信号およびプラグ排出コード、認識しません」
ゲンドウ「パイロットは?」
マコト「呼吸・心拍の反応はありますが、おそらく…」
ゲンドウ「エヴァンゲリオン参号機は現時刻をもって破棄。目標を第13使徒と識別する」
マコト「しかし!」
ゲンドウ「予定通り野辺山で戦線を展開、目標を撃破しろ」 シゲル「目標接近!」
マコト「全機、地上戦用意!」
シンジ「えっ?まさか、使徒…?これが使徒ですか?」
ゲンドウ「そうだ。目標だ」
シンジ「目標って、これはEVAじゃないか…」
アスカ「そんな、使徒に乗っ取られるなんて…」
シンジ「やっぱり、人が…子供が乗ってるのかな…同い年の…」
アスカ「あんたまだ知らないの!?参号機にはね…」
シンジ「アスカ?」
アスカ「きゃあぁぁぁ!」
シンジ「アスカッ!?」 マコト「EVA弐号機完全に沈黙!」
マヤ「パイロットは脱出、回収班向かいます」
シゲル「目標移動、零号機へ」
ゲンドウ「レイ、近接戦闘は避け、目標を足止めしろ。今初号機をまわす」
レイ「了解」 レイ「(乗っているのは、彼…)
きゃっ!」
マヤ「零号機、左腕に使徒侵入!神経節が侵されて行きます!」
ゲンドウ「左腕部切断。急げ!」
マヤ「しかし、神経接続を解除しないと!」
ゲンドウ「切断だ」
マヤ「はい…」
レイ「ひっ!」 マヤ「零号機中破、パイロットは負傷」
シンジ「そんな…」
ゲンドウ「目標は進行中だ。後20(フタマル)で接触する。おまえが倒せ」
シンジ「でも目標って言ったって…
人が乗ってるんじゃないの…?
同い年の子供が…
…」 シンジ「エントリープラグ…やっぱり、人が乗ってるんだ!
ぐっ、ぐあっ!」
マコト「生命維持に支障発生!」
マヤ「パイロットが危険です!」
冬月「いかん、シンクロ率を60%にカットだ!」
ゲンドウ「待て!」
冬月「しかし碇!このままではパイロットが死ぬぞ!」
ゲンドウ「シンジ、なぜ戦わない!?」
シンジ「だって、人が乗っているんだよ、父さん!!」
ゲンドウ「構わん。そいつは使徒だ。我々の敵だ」
シンジ「でも…でも、できないよ!…助けなきゃ…人殺しなんてできないよ!!」
ゲンドウ「おまえが死ぬぞ!」
シンジ「いいよ、人を殺すよりはいい!」
ゲンドウ「構わん。パイロットと初号機のシンクロ率を全面カットだ!」
マヤ「カットですか?」
ゲンドウ「そうだ。回路をダミープラグに切り替えろ!」
マヤ「しかし、ダミーシステムはまだ問題も多く、赤木博士の指示もなく!」
ゲンドウ「今のパイロットよりは役に立つ!やれ!」
マヤ「はい…」 シンジ「何だ…?何をしたんだ、父さん!」
マコト「信号、受信を確認」
マヤ「官制システム切り替え完了」
オペレータ「全神経、ダミーシステムへ直結完了」
オペレータ「感情素子の32.8%が不鮮明、モニターできません」
ゲンドウ「構わん、システム開放、攻撃開始」 マヤ「これが、ダミープラグの力なの…?」
オペレータ「システム正常!」
オペレータ「さらにゲインがあがります!」 シンジ「やめてよ!!!!!
父さん、やめてよ、こんなのやめてよ!!!!!
クッソォ…止まれよ、止まれ、止まれ、止まれ、止まれ!止まれ!
やめろーッ!
やめろーーーーーーーーーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!!!!」 シゲル「エ、EVA参号機、あ、いえ、目標は、完全に、沈黙しました…」 ヒカリ「フンフフンフンフンフ〜ン…これにしよっと。
コダマお姉ちゃんとノゾミとあたし。4人分かぁ。明日は食べてくれるかなぁ…」 男「こっちにもいたぞーっ!生存者だ!息はある!急いで救護を廻してくれ!」
男「そうだ。レコーダーのプラグは、ペースト作業終了後、すべて、焼却処分にしろ!」
ミサト「生きてる……加持?」
加持「よかったな、葛城」
ミサト「リツコは…?」
加持「心配ない。君よりは軽傷だ」
ミサト「そう…EVA参号機は!?」
加持「使徒、として処理されたそうだ。初号機に」
ミサト「………私、私シンジ君に何も話てない…」 ミサト「シンジ君…?」
シンジ「ミサトさん…無事だったんですね…?」
ミサト「あたしはね…ごめんなさい、あたしあなたに大事なこと伝えなきゃいけなかったのに、こんなことに…」
シンジ「ミサトさん…僕は…僕は人を…父さんが…やめてって頼んだのに…」
ミサト「シンジ君、ごめんね、ごめんね…」
マヤ「エントリープラグ回収班より連絡。パイロットの生存を確認」
シンジ「生きてた!?」
男「了解。変形部はレーザーで切断」
男「L.C.L.の変質サンプルは最優先で…」
ミサト「あの参号機のパイロットは…フォースチルドレンは…」
女「付着している生体部品は破棄処分、熱処理を準備!」
シンジ「トウジ…?」
ミサト「シンジ君…シンジ君…シンジ君?…シンジ君!?…シンジ君!!?」
シンジ「うわぁあああああああああ!」 >>671
それはポケモン処理だな
リマスターでそうなってるわけじゃなくて放送規定でそうしなきゃいけないってだけ
ちゃんと見たけりゃBD買えって話 >>707
それはソフトのリマスターと見比べた上で言ってる?
というかサブリミナル処理だけでなく、画像自体が隅々までくっきりして色味も鮮やかすぎて全然印象変わって得を感じない。 シンジは遂に、自らの意思でエヴァを降りる。
だが、彼に関係なく侵攻する最強の使徒が、次の惨劇を生むのだった。
次回、『男の戰い』 マヤ「初号機の連動回路、カットされました」
冬月「射出信号は?」
マヤ「プラグ側からロックされています。受信しません」
マコト「しかしシンジ君、ああしなければ、君がやられていたぞ!」
シンジ「そんなの関係ないよ」
マコト「だが、それも事実だ」
シンジ「そんなこと言って、これ以上僕を怒らせないでよ。
初号機に残されている後185秒、これだけあれば、本部の半分は壊せるよ!」
シゲル「今の彼なら、やりかねませんね」
マヤ「シンジ君、話を聞いて!
碇司令の判断がなければ、みんな死んでいたかもしれないのよ!」
シンジ「そんなの関係ないって言ってるでしょう!
父さんは、あいつは、トウジを、殺そうとしたんだ!この僕の手で!」 シンジ「父さん!そこにいるんだろ!何か言ってよ、答えてよ!」
ゲンドウ「L.C.L.圧縮濃度を限界まで上げろ」
マヤ「ええっ?」
ゲンドウ「子供の駄々に付き合っているヒマはない」
シンジ「まだ直結回路が残っ…がはっ!
チクショウ…チクショウ…チクショウ…………」 作業員「ライトブレストの溶解処理、完了しました」
作業員「体液の洗浄は予定通り、30(サンマル)から始めます」
作業員「第6パーツは熱処理されます。エリア内の作業員は待避してください」
リツコ「もういいの?」
ミサト「仕事ができれば問題ないわ…
休んでらんないわよ、この非常時に…
シンジ君は?」
リツコ「あの後レーザーカッターで非常ハッチを切断。強制排除されたらしいわ」
ミサト「参ったわねー、今度は…」 アスカ「だめかもしれないわね、あのバカ。立ち直れないわよ。きっと」
レイ「碇君は?」
アスカ「怪我はしてないんだし、そのうち気付くわよ。今ごろ夢でも見てんじゃないの?」
レイ「夢?」
アスカ「そう。あんた、見たこと無いの?」
レイ「……」 トウジ「シンジ…なんでシンジが横に寝とんのや…ここは…どこやろ…妹の病院か…」 トウジ「何や、シンジと綾波やないか」
レイ「碇君、どうしてあんなことしたの?」
シンジ「許せなかったんだ、父さんが。僕を裏切った父さんが。
せっかくいい気持ちで父さんと話ができたのに、父さんは僕の気持ちなんか分かってくれないんだ」
レイ「碇君は分かろうとしたの?お父さんの気持ちを」
シンジ「分かろうとした」
レイ「なぜ分かろうとしないの?」
シンジ「分かろうとしたんだよ!」
レイ「そうやって、いやなことから逃げているのね」
シンジ「いいじゃないか!いやなことから逃げ出して、何が悪いんだよ!」
トウジ「なに口喧嘩しとんのや、あの二人…」 看護婦「面会は特別だから、5分だけよ」
ヒカリ「はい、ありがとうございます」
トウジ「なんや、イインチョやんか…」
ヒカリ「鈴原、大丈夫?」
トウジ「ああ、生きとるみたいやな。
なんや、シンジがおったような気がしとったけど、夢やったんかいな」
ヒカリ「碇君は昨日退院したそうよ。3日も寝てたんだから、鈴原は」
トウジ「そうか…3日もか…………イインチョは…」
ヒカリ「ああっ、ここに来たのは委員長として、公務で来たのよ!それ以外の何でもないのよ…」
トウジ「ああ、分かっとるわ…」
ヒカリ「分かってないわよ…」
トウジ「済まんかったな…弁当、食えへんで」
ヒカリ「いいのよ、そんなこと…でもごめんね、ここでお弁当食べさせちゃいけないんだって…」
トウジ「イインチョ…」
ヒカリ「なに?」
トウジ「一つ、頼んでええか?」
ヒカリ「うん…」
トウジ「妹に、わしは何でもあらへん、と言うといてんか?」
ヒカリ「うん」 ネルフ職員「出たまえ、碇シンジ君。総司令がお会いになる」 ゲンドウ「命令違反、エヴァの私的占有、稚拙な恫喝。
これらはすべて犯罪行為だ。
何か言いたいことがあるか」
シンジ「はい、僕はもう、エヴァに乗りたくありません。ここにもいたくありません」
ゲンドウ「では出て行け」
シンジ「はい。先生のところへ戻ります」
ゲンドウ「また逃げ出すのか」
シンジ「………」
ゲンドウ「おまえには失望した。もう会うこともあるまい」
シンジ「はい、そのつもりです」 ゲンドウ「私だ。サードチルドレンは抹消、
初号機の専属パイロットはレイをベーシックに、ダミープラグをバックアップに廻せ」 ケンスケ『シンジか?ここから出てくってほんと?……ほんとなんだな?でもなぜだよ、なぜいまさら逃げんだよ。
俺はおまえに憧れてたんだ。羨ましいよ、おれたちとは違うんだからな。
畜生、トウジまでエヴァに乗れるって言うのに、俺は!…』
オペレータ『この電話は盗聴されています。機密保持のため回線を切らせていただきました。ご協力を感謝いたします』 シンジ「アスカはあきれてこないでしょうね」
ミサト「ええ、よろしく、とも言ってなかったわ」
シンジ「彼女らしいです。安心しました」
ミサト「そうやって愛想ばかりついてると、これから先辛いわよ」
シンジ「それはミサトさんの生き方です。僕にはできません」
ミサト「分かってると思うけど、これから先、あなたの行動にはかなりの制限がつくから」
シンジ「はい……あの…」
ミサト「なに?」
シンジ「一つだけ教えてください。なぜトウジなんですか?フォースチルドレンが」
ミサト「第4次選抜候補者は、全てあなたのクラスメートだったのよ。私も最近知ったわ。全て、仕組まれていたことだったの」
シンジ「みんなが…クラスのみんなが…」
ミサト「鈴原君のことは、いくら言葉で謝っても取り消されるミスではないわ。
でもシンジ君、正直私は、あなたに自分の夢、願い、目的を重ねていたわ。それがあなたの重荷になってるのも知ってる。
でも私たちは、ネルフのみんなは、あなたに未来を託すしかなかったのよ。それだけは、覚えておいてね」
シンジ「勝手な言い分ですよね…」
ミサト「それは分かってるわ…本部までのパスコードとあなたの部屋はそのままにしておくから」
シンジ「無駄ですよ、片付けておいてください。
僕はもう、エヴァには乗りません」 ミサト「(積極的に話をしている…初めてね、こんなの…)」 放送『ただいま東海地方を中心に、非常事態宣言が発令されました。住民の皆さまは、速やかに指定のシェルターへ避難してください。繰り返します、ただいま…』
シンジ「使徒だ…」 オペレータ「総員第一種戦闘配置、地対空迎撃戦用意」
冬月「目標は?」
シゲル「現在、侵攻中です。駒ケ岳防衛線、突破されました!」 オペレータ「第1から18番装甲まで損壊!」
マコト「18もある特殊装甲を、一瞬に?」
ミサト「エヴァの地上迎撃は間に合わないわ。弐号機をジオフロント内に配置、本部施設の直縁に廻して!
アスカには目標がジオフロント内に侵入した瞬間を狙い撃ちさせて!
零号機は?」
マヤ「A.T.フィールド中和地点に、配置されています」
リツコ「左腕の再生がまだなのよ」
ミサト「戦闘は無理か…」
ゲンドウ「レイは初号機で出せ。ダミープラグをバックアップとして用意」
ミサト「はい」 オペレータ「エントリースタート」
マヤ「L.C.L.電化」
リツコ「A10神経、接続開始」
レイ「うっ………だめなのね、もう」
オペレータ「パルス逆流!」
マヤ「初号機、神経接続を拒絶しています!」
リツコ「まさか、そんな…」
冬月「碇…」
ゲンドウ「ああ、私を拒絶するつもりか。
起動中止、レイは零号機で出撃させろ。初号機はダミープラグで再起動」
ミサト「しかし零号機は!」
レイ「構いません。行きます」
ミサト「レイ!」
レイ「私が死んでも、代わりはいるもの」 シンジ「(僕はもう、乗らないって決めたんだ…)」
男「君、何をしている!早くシェルターに避難しなさい!」 シゲル「だめです、後一撃ですべての装甲が突破されます!」
ミサト「頼んだわよ、アスカ…」 アスカ「来たわね…シンジなんかいなくったって、あんなの私一人で御茶の子サイサイよ…
このぉ!!
チッ、次!
A.T.フィールドは中和しているはずなのに…
なんでやられないのよー!
もう二度と負けらんないのよ、この私は!
うそ!
くぅぅっ!
こんちくしょーっ!」
ミサト「アスカ!全神経接続をカット、早く!」 (アスカ「避難訓練?あんたバカぁ!?私たちパイロットには関係ないじゃん」)
シンジ「うわっ!」
男「第8区に直撃!」
男「第6シェルターは放棄、生きてるものは第3シェルターへ急げ!」 シゲル「弐号機大破、戦闘不能!」
ミサト「アスカは!?」
マコト「無事です!生きてます!」
アスカ「チッキショウ…」
シゲル「使徒、移動開始!」
ミサト「初号機の状況は?」
オペレータ「ダミープラグ、搭載完了!」
マヤ「探査針、打ち込み終了!」
リツコ「コンタクト、スタート!」
マヤ「了解!」
リツコ「何!?」
マヤ「パルス消失、ダミーを拒絶、だめです!EVA初号機、起動しません!」
リツコ「ダミーを、レイを、」
冬月「受け入れないのか…」
ゲンドウ「冬月、少し、頼む…」 男「怪我人は第6ブロックへ!」
男「無事なものは第3シェルターへ集合しろ!」
男「こっちだ!」
男「早く!」
男「急げ!」
男「早く!」
男「おい君!何をしている!死にたいのか!」
シンジ「アスカ…」
加持「シンジ君じゃないか」 シンジ「加持さん…。何やってるんですか、こんなところで」
加持「それはこっちのせりふだよ。何やってるんだ、シンジ君は」
シンジ「僕は、僕はもうEVAには乗らないから…そう決めたから…」
加持「そうか…アルバイトが公になったんでね。戦闘配置に俺の居場所はなくなったんだ。以来ここで水を撒いてる」
シンジ「こんな時にですか?」
加持「こんな時だからだよ。葛城の胸の中もいいが、やはり死ぬ時はここにいたいからね」
シンジ「死ぬ…」 加持「そうだ。使徒がここの地下に眠るアダムと接触すれば、人は全て滅びるといわれている。サードインパクトで。
それを止められるのは、使徒と同じ力を持つエヴァンゲリオンだけだ」
シンジ「綾波!?ライフルも持たずに!」 リツコ「自爆する気!?」
ゲンドウ「レイ!」
レイ「A.T.フィールド、全開…」
シンジ「う、ぐっ!」
マコト「零号機は…」
ミサト「レイっ!」
リツコ「何てこと…」 加持「シンジ君、俺はここで水を撒くことしかできない。だが、君には君にしかできない、君にならできることがあるはずだ。
誰も君に強要はしない。自分で考え、自分で決めろ。自分が今、何をすべきなのか。
ま、後悔のないようにな」 シゲル「第三基部に、直撃!」
マコト「最終装甲版、融解!」
ミサト「まずい、メインシャフトが丸見えだわ!」
リツコ「初号機はまだなの?」
オペレータ「ダミープラグ、拒絶」
オペレータ「だめです、反応ありません!」 ゲンドウ「続けろ。もう一度108(ヒトマルハチ)からやり直せ」
シンジ「乗せてください!
僕を、僕をこの初号機に乗せてください!
父さん…」
ゲンドウ「なぜここにいる」
シンジ「僕は…僕はエヴァンゲリオン初号機のパイロット、碇シンジです!」 シゲル「目標は、メインシャフトに侵入、降下中です!」
ミサト「目的地は!?」
マコト「そのまま、セントラルドグマへ直進しています!」
ミサト「ここに来るわ…総員待避!急いで!」
マコト「総員待避!繰り返す、総員待避!」 ミサト「エヴァ初号機!?…シンジ君?」
シンジ「うわあああああ!
わああああああ!
わあああああ!」
シンジ「ミサトさん!」
ミサト「5番射出、急いで!」
シンジ「うおおおおお!
うわああああ!」 シンジ「エネルギーが切れた!?」
マヤ「初号機、活動限界です!予備も動きません!」
ミサト「シンジ君…」 ミサト「シンジ君!」
シンジ「動け、動け、動け!動け、動いてよ!今動かなきゃ、何にもならないんだ!」
ミサト「あれは…」
シンジ「動け、動け、動け!動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動け、動いてよ!
今動かなきゃ、今やらなきゃ、みんな死んじゃうんだ!もうそんなの嫌なんだよ!
だから、動いてよ!」 マヤ「エ、エヴァ、再起動…」
ミサト「すごい…」
マヤ「まさか…信じられません、初号機のシンクロ率が400%を超えています!」
リツコ「やはり目覚めたのね、彼女が」 ミサト「使徒を…食ってる…」
リツコ「S2機関を自ら取り込んでいるというの?エヴァ初号機が…」
マヤ「ううっ!」
リツコ「拘束具が!」
マコト「拘束具?」
リツコ「そうよ。あれは装甲板ではないの。エヴァ本来の力を私たちが押え込むための拘束具なのよ。
その呪縛が今、自らの力で解かれていく…私たちには、もうエヴァを止めることはできないわ…」 加持「初号機の覚醒と開放。ゼーレが黙っちゃいませんな。
これもシナリオの内ですか?碇司令」
冬月「始まったな」
ゲンドウ「ああ、全てはこれからだ」 >>708
お前が望んでるのは放送版ボックスが出てるからそれ買えばいいだけの話
BDのリマスターはテレビ放送時の技術では表現出来なかったフィルムの質感や色合いをHD画質で再現してるんだから印象が変わって当たり前だろバカ >>748
だからマズルフラッシュとかのサブリミナル表現はBDではちゃんと露光して見えるのか?と。 オリジナルネガは編集時の物理的なセロハン留めが汚くて、カットが変わるたびにダメージが画面でわかった。
それを補正したDVD版が1番安定してると思うわ、 NERVとヴィレ
ヴィレは第四新栃木市へ移転すると同時に
NERVは来栖宮事業所へ移転することが決まった。
特務機関NERV来栖宮れとろステーション エヴァの覚醒により、人類は救われた。
だが、シンジは初号機に取り込まれ、物理的融合してしまう。
失敗する彼のサルベージ。
号泣するミサトが見た物は?
次回、『心のかたち 人のかたち』 ミサト「使徒を、食ってる…」
リツコ「拘束具が、今自らの力で解かれてゆく。私たちにはもう、エヴァを止める事はできないわ」
加持「初号機の覚醒と開放。こいつはゼーレが黙っちゃいませんな」 ゼーレ「エヴァシリーズに生まれいずる筈のないS2機関」
ゼーレ「まさかかのような手段で自ら取り込むとはな」
ゼーレ「我らゼーレのシナリオとは大きく違った出来事だよ」
ゼーレ「この修正、容易ではないぞ」
ゼーレ「碇ゲンドウ。あの男にネルフを与えたのがそもそもの間違いではないのかね?」
キール「だがあの男でなければ、全ての計画の遂行はできなかった。碇、何を考えている?」 冬月「始まったな」
ゲンドウ「ああ、すべてはこれからだ」 マヤ「エヴァ両機の損傷は、ヘイフリックの限界を超えています」
リツコ「時間がかかるわね。全てが戻るには」
マヤ「幸い、MAGIシステムは移植可能です。明日にも作業を開始します」
リツコ「でも、ここはだめね」
シゲル「破棄決定は、もはや時間の問題です」
リツコ「そうね…とりあえずは、予備の第2発令所を使用するしかないわね」
マヤ「MAGIはなくとも、ですか?」
リツコ「そうよ。埃を払って、午後には仕事を始めるわよ」
マヤ「椅子はきついし、センサーは硬いし、やりづらいんですよね、ここ」
シゲル「見慣れた第1発令所と造りは同じなんですが、」
マヤ「違和感ありますよね」
リツコ「今は使えるだけマシよ。
使えるかどうか分からないのは、初号機ね」 ミサト「ケイジに拘束。大丈夫でしょうね」
マコト「内部に熱、電子、電磁波ほか、化学エネルギー反応無し。S2機関は完全に停止しています」
ミサト「にもかかわらず、この初号機は3度も動いたわ。
目視できる状況だけでは迂闊に触れないわよ」
マコト「迂闊に手を出すと何をされるか分からない。葛城さんと同じですね」
ミサト「…」
マコト「す、すみません…」 キール「だが事態はエヴァ初号機の問題だけではない」
ゼーレ「さよう、零号機と弐号機の大破、本部施設の半壊、セントラルドグマの露呈。被害は甚大だよ」
ゼーレ「われわれがどの程度の時と金を失ったか、見当も付かん」
ゼーレ「これも、碇の首に鈴を付けておかないからだ」
ゼーレ「鈴は付いている。ただ、鳴らなかっただけだ」
キール「鳴らない鈴に意味はない。今度は鈴に動いてもらおう」 加持「いやはや、この展開は予想外ですな。
委員会、いえ、ゼーレの方にどう言い訳つけるつもりですか?」
冬月「初号機はわれわれの制御下ではなかった。これは不慮の事故だよ」
ゲンドウ「よって初号機は凍結。委員会の別命あるまでは、だ」
加持「適切な処置です。しかし、ご子息を取り込まれたままですが?」
ゲンドウ「…」 マヤ「やはりだめです、エントリープラグ排出信号、受け付けません」
リツコ「予備と疑似信号は?」
マヤ「拒絶されています。 直轄回路もつながりません」
マコト「プラグの映像回線つながりました。主モニターに廻します」
ミサト「何よ、これ!」
リツコ「これがシンクロ率400%の正体」
ミサト「そんな、シンジ君は一体どうなったのよ!」
リツコ「エヴァ初号機に取り込まれてしまったわ」
ミサト「何よそれ!エヴァって何なのよ!」
リツコ「人の作り出した、人に近いカタチをした物体、としか言いようがないわね」
ミサト「人の作り出した?あの時南極で拾ったものをただコピーしただけじゃないの!オリジナルが聞いてあきれるわ!」
リツコ「ただのコピーとは違うわ。人の意思が込められているもの」
ミサト「これも誰かの意志だって言うの?」
リツコ「あるいはエヴァの」
ミサト「!
何とかなさいよ!あんたが作ったんでしょう!?最後まで責任取りなさいよ!!」 テレビ(ラジオ)「…であり、南沙諸島の問題に対し、政府と内務省はこれを公式に否定しました。
次のニュースです。第2東京市で起きたセクトによるテロ事件から一ヶ月が過ぎた今日、新たなテロ行為に対し再発防止を第一に政府による…」
レイ「…まだ生きてる…」 アスカ「あの女が無事だって言うのは分かったわよ!ミサトもいちいちそんな事で私に電話しないでよ、もう!
何も、何もできなかったなんて…あのバカシンジに負けたなんて…悔しい…」 ミサト「シンジ君のサルベージ計画?」
リツコ「そう。シンジ君の生命と言うべき物は、まだ存在しているわ」
ミサト「今度は人命尊重?」
リツコ「今はシンジ君を失うわけにはいかないのよ」
ミサト「どーだか。ネルフがほしいのは彼の命ではなく、道具としての初号機でしょ?」
リツコ「否定はしないわ」
マヤ「シンジ君の肉体は、自我境界線を失って、量子状態のまま、エントリープラグ内を漂っていると推測されます」
ミサト「つまりシンジ君は私たちの目では確認できない状態に変化していると?」
マヤ「そうです。プラグの中のL.C.L.成分は、化学変化を起こし、現在は原始地球の海水に酷似しています」
ミサト「生命のスープか」
リツコ「シンジ君を構成していた物質は、すべてプラグ内に保存されているし、魂と言うべき物もそこに存在している。
現に彼の自我イメージが、プラグスーツを擬似的に実体化させているわ」
マヤ「つまりサルベージとは、彼の肉体を再構成して精神を定着させる作業です」
ミサト「そんな事できるの?」
リツコ「MAGIのサポートがあれば」
ミサト「理論上は、でしょ?何事も、やってみなくちゃ分からないわよ」 シンジ「なんだ、これ?どこだ、ここ?エントリープラグ?初号機の?でも誰もいない。僕もいない。
なんだこれ、何だこれ、何だこれ?よくわかんないや…
この人達…そう、僕の知っている人たち、僕を知っている人たち。
そうか、みんな僕の世界なんだ。
これは?僕の世界のはずなのに、良く分からない、外からのイメージ、嫌なイメージ。
そうだ、敵だ!
敵、テキ、てき、敵!使徒と呼ばれ天使の名を冠する僕らの敵!
エヴァの…そしてネルフの目標…ミサトさんのお父さんの仇…
なんで僕が戦うんだろう…こんな目に遭ってまで…」
(アスカ「あんたバカぁ!?わけわかんない連中が攻めてきてんのよ。降りかかる火の粉は払いのけるのが、あったりまえじゃない!」)
シンジ「理由なんて要らないのかな…考えちゃいけないのかな…
敵、テキ、てき、敵、みんな敵!僕を…僕らを脅かすもの、つまり敵。
そうさ、自分の命を、自分達の命を、自分で守って、何が悪いんだ!
敵、テキ、てき、敵、僕の敵!僕の敵!
畜生、チクショウ、ちくしょう、よくもトウジを傷つけ、母さんを殺したな!
父さん!
うわぁぁああああ!」 レイ「なぜお父さんが嫌いなの?」
シンジ「当たり前だよ!あんな父親なんて」
レイ「お父さんが分からないの?」
シンジ「当たり前だよ…ほとんど会った事もないんだもの…」
レイ「だから嫌いなの?」
シンジ「そうさ、父さんは僕がいらないんだ、父さんが僕を捨てたんだ!」
レイ「その代わりが私なの?」
シンジ「そうさ!そうに決まってる!綾波がいるから僕は捨てられたんだ!」
レイ「自分から逃げ出したくせに」
シンジ「うるさい、うるさい、うるさい!父さんがみんな悪いんじゃないか!あの時だって、ほんとは父さんに嫌いだって言うつもりで!」 シンジ「これに乗って、恐い目に遭えって言うの?父さん」
ゲンドウ「そうだ」
シンジ「なんだよ、嫌だよ、何を今更なんだよ、父さんは僕がいらないんじゃなかったの?」
ゲンドウ「必要だから呼んだまでだ」
シンジ「なぜ、僕なの?」
ゲンドウ「他の人間には無理だからなぁ」
シンジ「無理だよそんなの、見た事も聞いた事もないのにできるわけないよ!」 シンジ「違う、僕は知っていた。
そうだ、僕はエヴァを知ってた!
そしてあの時、僕は逃げ出したんだ!
父さんと母さんから!」 アナウンス「現在、L.C.L.の温度は36を維持、酸素密度に問題なし」
アナウンス「放射電磁パルス異常無し。波形パターンはB」
アナウンス「各計測装置は正常に作動中」 マヤ「サルベージ計画の要綱。たった一ヶ月でできるなんて、さっすが先輩ですね!」
リツコ「残念ながら原案は私じゃないわ。10年前に実験済みのデータなのよ」
マヤ「そんなことあったんですか?エヴァの開発中に?」
リツコ「まだここに入る前の出来事よ。母さんが立ち会ったらしいけど、私はデータしか知らないわ」
マヤ「その時の結果は、どうだったんですか?」
リツコ「失敗したらしいわ」 シンジ「優しい…あったかい…
人の温もりなのかな、これが…知らなかったな…」 レイ「サビシイって何?」
シンジ「これまで分からなかった。でも今は分かるような気がする」
レイ「シアワセって何?」
シンジ「これまでは分からなかった。でも今は分かる気がする」
レイ「優しくしてくれる?他の人が」
シンジ「うん」
レイ「どうして?」
シンジ「それは、僕がエヴァのパイロットだから。
僕がエヴァに乗っているから、大事にしてくれる。それが、僕がここにいてもいい理由なんだ。僕を支えている全てなんだ。
だから僕は、エヴァに乗らなきゃいけない」
レイ「乗って?」
シンジ「敵…そう、みんなが敵と呼んでいるものと戦わなきゃいけない」
レイ「戦って?」
シンジ「勝たなきゃいけない…そう、負けちゃいけないんだ。
みんなの言う通りにエヴァに乗って、みんなの言う通りに勝たなきゃいけないんだ。
そうじゃないと、誰も、誰も…誰も……」 (ミサト「がんばってね」)
(リツコ「がんばってね」)
(アスカ「なにやってんの、ちゃんとしなさいよ」)
(トウジ「がんばれや〜!」)
(ケンスケ「がんばれよ!」)
(ゲンドウ「よくやったな、シンジ」)
シンジ「ミサトさんも、リツコさんも、アスカも、トウジも、ケンスケも、父さんも、誉めてくれるんだ。
エヴァに乗ると誉めてくれるんだ!…こんな僕を。
みんなも乗れ、って言ってるんだ、父さんを…僕を捨てた父さんを見返してやるんだ!」
(ミサト「がんばってね」)
シンジ「僕はがんばってる。がんばってるんだ!
…誰か僕に優しくしてよ。こんなにまで戦ったんだ。こんなに一生懸命戦っているんだ。
僕の事を大事にしてよ、僕に優しくしてよ!」 ミサト「優しくしてるわよ?」
ミサト「ねえシンジ君、私と一つになりたい?心も体も一つになりたい?
それは、とてもとても気持ちいいことなのよ。いいのよ、私はいつだっていいの」
アスカ「ほらぁバカシンジ。私と一つになりたくない?心も体も一つになりたくない?
それはとてもとても気持ちのいいことなんだからさぁ。この私が言ってんのよ。さっさと来なさいよ」
レイ「碇君、私と一つになりたい?心も体も一つになりたい?それは、とてもとても気持ちいいことなのよ。碇君」
ミサト「私と一つになりたい?」
アスカ「心も体も一つになりたい?」
レイ「とてもとても気持ちいいことなのよ」
ミサト「ほら、安心して、心を解き放って」 オペレータ「全探査針、打ち込み終了」
オペレータ「電磁波形、ゼロマイナス3で固定されています」
マヤ「自我境界パルス、接続完了」
リツコ「了解、サルベージ、スタート」
マコト「了解、第1信号を送ります」
シゲル「エヴァ、信号を受信。拒絶反応無し」
マヤ「続けて、第2、第3信号送信開始」
オペレータ「対象カテクシス異常無し」
オペレータ「デストルドー、認められません」
リツコ「了解、対象をステージ2へ移行」
ミサト「……シンジ君!」 シンジ「はっ!」
(アスカ「バカシンジ!」)
シンジ「はっ!」
(リツコ「シンジ君!?」)
シンジ「はっ!」
(トウジ「おぅ、シンジ!」)
シンジ「はっ!」
(ケンスケ「やぁ、シンジ!」)
シンジ「はっ!」
(レイ「碇君」)
(ミサト「シンジ君!」)
(アスカ「バカシンジ!」)
(リツコ「シンジ君!?」)
(トウジ「おい、シンジ!」)
(ケンスケ「やぁ、シンジ!」)
(レイ「碇君」) マヤ「だめです、自我境界がループ上に固定されています!」
リツコ「全波形域を全方位で照射してみて!
だめだわ…発信信号がクライン空間に捕われている…」
ミサト「どういう事?」
リツコ「つまり、失敗」
ミサト「えっ…」
リツコ「干渉中止、タンジェントグラフを逆転、加算数値をゼロに戻して」
シゲル「Qエリアにデストルドー反応、パターンセピア」
マコト「コアパルスにも変化が見られます!プラス0.3を確認!」
リツコ「現状維持を最優先、逆流を防いで!」
マヤ「はい!」
オペレータ「体内アポトーシス作業、予定数値オーバー、危険域に入ります!」
マヤ「シナプス0.5、0.8。変です、塞き止められません!」
リツコ「これは…なぜ…帰りたくないの?シンジ君…」 シンジ「分からない、分からない…僕は…僕は…」
ミサト「何を願うの?」
アスカ「何を、願うの?」
レイ「何を願うの?」
ユイ「何を願うの?」 マヤ「エヴァ、信号を拒絶!」
シゲル「L.C.L.の自己フォーメーションが分解していきます!」
マコト「プラグ内、圧力上昇!」
リツコ「現作業中止、電源落として!」
マヤ「だめです、プラグがイクジットされます!」
ミサト「シンジ君!!!」 シンジ「はっ…
ここは…」
シンジ「エヴァの中だよ」
シンジ「エヴァの中?僕はまた、エヴァに乗ったのか…どうして…」 ミサト「もうエヴァには乗らないの?」
シンジ「僕はエヴァにはもう乗らないって、決めたんです」
ミサト「でもあなたは乗ったわ。エヴァンゲリオン初号機に」
シンジ「はっ!」
ミサト「シンジ君。あなたはエヴァに乗ったから、今ここにいるのよ。
エヴァに乗ったから今のあなたになったのよ。
その事を、エヴァに乗っていた事実を、今までの自分を、自分の過去を、否定する事はできないわ。
ただ、これからの自分をどうするかは、自分で決めなさい」
シンジ「僕は…僕は……」 ミサト「人一人、人一人助けられなくて、何が科学よ…
シンジ君を返して…返してよ!」 シンジ「匂い…人の匂い…
ミサトさん…?
綾波…?
いや、違う…
そうだ、お母さんの匂いだ…」 ゲンドウ「セカンドインパクトの後に生きていくのか、この子は。この地獄に」
ユイ「あら、生きていこうと思えば、どこだって天国になるわよ。だって、生きているんですもの。幸せになるチャンスは、どこにでもあるわ」
ゲンドウ「そうか…そうだったな」
シンジ「母さん…」
ユイ「決めてくれた?」
ゲンドウ「男だったらシンジ、女だったらレイと名づける」
ユイ「シンジ…レイ…ウフフフッ」
シンジ「母さん…」 カーラジオ『そりゃ分かるんだけど、オーラルステージの…心理学者が…つまり、母親といつまでも一緒にいたがる…
いつも何かに頼って生きているのね。そういう奴が私の知り合いにもいてさぁ、良く似てるんだよね、そいつと』
リツコ「初号機の修復、明後日には完了するわ」
ミサト「結局、神様の力まで道具として使っちゃうのね、人間って奴は」
リツコ「どうかしら。委員会では凍結案も出ているそうよ」
ミサト「人造人間エヴァンゲリオン。人が作ったにしては、未知のブラックボックスが大きすぎない?
ま、結果としてシンジ君が助かったからいいけどさ」
リツコ「私の力じゃないわ、あなたの力ね、多分…どぉ?久しぶりに飲んでかない?」
ミサト「ん、ごめん!今日は、ちょっち、ね…」
リツコ「そう…」 ミサト「じゃ」
リツコ「シンジ君が無事と分かったら、男と密会とはね…
人の事は言えないか…」 ミサト「リツコは今ごろ、いやらしい女だって軽蔑してるわね。きっと」
加持「情欲に溺れている方が、人間としてリアルだ。少しは欺けるさ」
ミサト「うちの諜報部を?それとも碇司令やリツコ?それともあたし?」
加持「いや、自分を」
ミサト「他人を、でしょ?あなた、人の事には興味ないもの。そのくせ寂しがる。ほんとお父さんと同じね」
加持「たばこ、まだ吸ってたんだな」
ミサト「こういう事の後にしか吸わないわ。だから、知ってるのは加持君だけよ」
加持「そいつは…光栄だな」
ミサト「で、人類補完計画。どこまで進んでるの?人を滅ぼすアダム。なぜ地下に保護されてるの?」
加持「それが知りたくて、俺と会ってる?」
ミサト「それもあるわ。正直ね」
加持「ご婦人に利用されるのも光栄の至りだが、こんな所じゃ喋れないよ」
ミサト「今は私の希望が伝わればいいの。ネルフ、そして碇司令の本当の目的は何?」
加持「こっちが知りたいよ…」
ミサト「ちょっと…誤魔化さないでよ…こんな事で…」 ミサト「やだ!変なもの入れないでよ!こんな時に、もぉ!何?」
加持「プレゼントさ、8年ぶりの」
ミサト「?」
加持「最後かもしれないがな…」 ゼーレにより拉致される冬月。
その脳裏を横切る過去の記憶。
1999年の京都から全てが始まった。
ネルフは果たして、人類の砦たりうるのか。
次回、『ネルフ、誕生』 ミサト(留守番電話)『はい、ただいま留守にしております。発信音の後にメッセージをどうぞ』
加持「最後の仕事か…まるで血の赤だな」 ミサト「拉致されたって、副指令が?」
諜報部員「今より2時間前です。西の第8管区を最後に、消息を絶っています」
ミサト「うちの署内じゃない。あなたたち諜報部は何やってたの!?」
諜報部員「身内に内報、および先導したものがいます。その人物に裏をかかれました」
ミサト「諜報2課を煙に巻ける奴?…まさか!」
諜報部員「加持リョウジ。この事件の首謀者と目される人物です」
ミサト「で、私のところにきたわけね」
諜報部員「ご理解が早く、助かります。作戦課長を疑うのは、同じ職場の人間として心苦しいのですが、これも仕事ですので」
ミサト「彼と私の経歴を考えれば、当然の処置でしょうね」
諜報部員「ご協力感謝します。お連れしろ」 冬月「久しぶりです、キール議長。まったく手荒な歓迎ですな」
キール「非礼を詫びる必要はない。君とゆっくり話をするためには、当然の処置だ」
冬月「相変わらずですねぇ、私の都合は関係無しですか」
ゼーレ「議題としている問題が急務なのでね。やむなくの処置だ」
ゼーレ「分かってくれたまえ」
冬月「委員会ではなく、ゼーレのお出ましとは」
ゼーレ「われわれは、新たな神を作るつもりはないのだ!」
ゼーレ「ご協力を願いますよ、冬月先生」
冬月「(冬月先生…か…)」 学生「先生!冬月先生!」
冬月「ん?ああ、君たちか」
学生「これからどないです?鴨川でビールでも」
冬月「またかね」
学生「リョウコらが先生と一緒なら行くゆうとりますんや」
学生「教授もたまには顔出せゆうてはりましたで」
冬月「ああ、分かったよ」 教授「たまにはこうして外で飲むのも良かろう」
冬月「はぁ」
教授「君は優秀だが、人の付き合いというものを軽く見ているのがいかんな」
冬月「恐れ入ります」
教授「ところで冬月君、生物工学で面白いレポートを書いてきた学生がいるんだがね、碇と言う学生なんだが、知ってるかね?」
冬月「碇?…いいえ」
教授「君の事を話たら、ぜひ会いたいと言っていた。そのうち連絡があるだろうからよろしく頼むよ」
冬月「碇君ですね、分かりました」 冬月「これ読ませてもらったよ、2、3疑問は残るが、刺激のあるレポートだねぇ」
ユイ「ありがとうございます」
冬月「碇、ユイ君だったね、この先どうするつもりかね、就職か?それともここの研究室に入るつもりかね?」
ユイ「まだそこまで考えていません。それに、第3の選択もあるんじゃありません?」
冬月「ん?」
ユイ「家庭に入ろうかとも思っているんです。いい人がいればの話ですけど。
冬月「…」 ゼーレ「S2機関を自ら搭載し、絶対的存在を手にしたエヴァンゲリオン初号機!」
ゼーレ「われわれには具象化された神は不要なのだよ」
キール「神を作ってはいかん」
ゼーレ「まして、あの男に神を手渡すわけにはいかんよ!」
ゼーレ「碇ゲンドウ。信用に足る人物かな?」 冬月「六分儀ゲンドウ?聞いた事はあります。いぇ、面識はありませんが…いろいろと噂の絶えない男ですから。
えぇっ、私を身元引受人に?いえ、うかがいます。いつうかがえばよろしいでしょうか?」 ゲンドウ「ある人物からあなたの噂を聞きましてね、一度お会いしたかったんですよ」
冬月「酔って喧嘩とは、意外と安っぽい男だな」
ゲンドウ「話す間もなく一方的に絡まれましてね。人に好かれるのは苦手ですが、疎まれるのは慣れてます」
冬月「まぁ私には関係のない事だ」
ゲンドウ「冬月先生、どうやらあなたは、僕が期待した通りの人のようだ」 冬月「そう。彼の第一印象は、嫌な男だった。
そしてあの時はこの国に季節、秋があった」 冬月「本当かね!」
ユイ「はい、六分儀さんと、お付き合いさせていただいてます」
冬月「それを聞いた時、私は驚きを隠せなかった」
冬月「君があの男と並んで歩くとは…」
ユイ「あら、冬月先生、あの人はとても可愛い人なんですよ。みんな知らないだけです」
冬月「知らない方が幸せかも知れんな」
ユイ「あの人に紹介した事、ご迷惑でした?」
冬月「いや…面白い男である事は認めるよ。好きにはなれんがね」 冬月「だが彼は、ユイ君の才能とそのバックボーンの組織を目的に近づいたというのが仲間内での通説だった。
その組織は、ゼーレと呼ばれるという噂を、その後耳にした。
セカンドインパクト。20世紀最後の年に、あの悲劇は起こった。
そして、21世紀最初の年は、地獄しかなかった。他に語る言葉を持たない年だ」 冬月「これがかつての氷の大陸とはな。見る影もない!」
ゲンドウ「冬月教授」
冬月「君か。よく生きていたな。君は例の葛城調査隊に参加していたと聞いていたが?」
ゲンドウ「運良く事件の前日、日本に戻っていたので、悲劇を免れました」
冬月「そうか…六分儀君、君は…」
ゲンドウ「失礼、今は名前を変えてまして」
冬月「はがき?名刺ではないのかね?
碇!碇ゲンドウ!」
ゲンドウ「妻が、これを冬月教授に、とうるさいので。あなたのファンだそうです」
冬月「それは光栄だな。ユイ君はどうしてる?このツアーには参加しないのかね?」
ゲンドウ「ユイも来たがっていましたが、今は子供がいるのでね」 冬月「君の組織、ゼーレ、とか言ったかな、いやな噂が絶えないねぇ。力で理事会を押え込むのは、感心できん」
ゲンドウ「変わらずの潔癖主義だ。この時代に、きれいな組織など生き残れませんよ」
冬月「今回のセカンドインパクトの正式調査。これも、ゼーレの人間だけで調査隊を組めば、いろいろと面倒な事になる。
そのための間に合わせだろ、私たちは」
ゲンドウ「…」 ミサト「暗いとこは、まだ苦手ね…いやな事ばかりを思い出すわ」 冬月「彼女は?」
男「例の調査団ただ一人の生き残りです。名は、葛城ミサト」
冬月「葛城?葛城博士のお嬢さんか!」
男「はい、もう2年近くも口を開いていません」
冬月「ひどいな」
男「それだけの地獄を見たのです。体の傷は治っても、心の傷はそう簡単には治りませんよ」
冬月「…そうだなぁ」
冬月「こっちの調査結果も簡単には出せないなぁ。この光の巨人、謎だらけだよ」 冬月「その後国連は、セカンドインパクトは大質量隕石の落下によるものと正式発表した。
だが、私の目から見れば、それはあからさまに情報操作をされたものだった。
その裏にはゼーレ、そして、キールと言う人物が見え隠れしていた。
私は、あの事件の闇の真相を知りたくなった。
その先に、たとえ碇ユイの名があろうとも」 冬月「なぜ巨人の存在を隠す!セカンドインパクトを知っていたんじゃないのかね、君らは。その日、あれが起こる事を」
ゲンドウ「…」
冬月「君は運良く事件の前日に引き揚げた、と言っていたな。全ての資料を一緒に引き揚げたのも、幸運か?」
ゲンドウ「こんな物が処分されずに残っていたとは意外です」
冬月「君の資産、いろいろと調べさせてもらった。子供の養育に金はかかるだろうが、個人で持つには額が多すぎないかね?」
ゲンドウ「さすが冬月教授。経済学部に転向なさったらどうです?」
冬月「セカンドインパクトの裏に潜む、君たちゼーレと、死海文書を公表させてもらう。あれを起こした人間たちを、許すつもりはない!」
ゲンドウ「お好きに。ただ、その前にお目にかけたいものがあります」 冬月「随分潜るんだなぁ」
ゲンドウ「ご心配ですか?」
冬月「多少ね。
これは…」
ゲンドウ「われわれではない、誰かが残した空間ですよ。89%は埋まっていますがね」
冬月「もとはきれいな球状の地底空間か…」
ゲンドウ「あれが、人類がもてる全てを費やしている施設です」 ナオコ「あら、冬月先生」
冬月「赤木君、君もかね」
ナオコ「ええ、ここは目指すべき生体コンピュータの基礎理論を模索する、ベストな所ですのよ」
冬月「ほぉ」
ナオコ「MAGIと名づけるつもりですわ」
冬月「MAGI?東方より来たりし三賢者か。見せたいものとは、これか?」
ナオコ「いいえ、こちらです。リツコ、すぐ戻るわ」
リツコ「…」 冬月「これは…まさか、あの巨人を!?」
ナオコ「あの物体をわれわれゲヒルンではアダムと呼んでいます。が、これは違います。オリジナルのものではありません」
冬月「では…」
ナオコ「そうです。アダムより人の造りしもの、エヴァです」
冬月「エヴァ!」
ゲンドウ「われわれのアダム再生計画、通称E計画の雛形たる、エヴァ零号機だよ」
冬月「神のプロトタイプか」
ゲンドウ「冬月。俺と一緒に人類の新たな歴史を作らないか」 リツコ「…」
マヤ「あの、先輩!」
リツコ「あぁ、ごめんなさい、レイの再テスト、急ぎましょ」
マヤ「葛城さん、今日見ませんね」
リツコ「そうね」 リツコ「葛城さん?」
ミサト「そー。葛城ミサト、よろしくね!」 リツコ「母さん、先日葛城と言う子と知り合いました。
他の人たちは私を遠巻きに見るだけで、その都度母さんの名前の重さを思い知らされるのですが、
なぜか彼女だけは私に対しても屈託がありません。
彼女は例の調査隊ただ一人の生き残りと聞きました。
一時失語症になったそうですが、今はブランクを取り戻すかのようにベラベラと良く喋ります」 ナオコ「リッちゃん、こっちは変わらず地下に潜りっぱなしです。支給のお弁当にも飽きました。
上では第二遷都計画による第三新東京市の計画に着工したようです」 リツコ「このところミサトが大学に来ないので、理由を白状させたら、バカみたいでした。
ずっと彼氏とアパートで寝ていたそうです。
飽きもせず、一週間もだらだらと!彼女の意外な一面を知った感じです。
今日紹介されました。顔はいいのですが、どうも私はあの軽い感じが馴染めません」 ナオコ「昔から男の子が苦手でしたね、リッちゃんは。やはり女手一つで…ごめんなさい、ずっと放任してたものね。
嫌ね、都合のいい時だけ母親面するのは。
…母親か…」 オペレータ「L.C.L.変化、圧力、プラス0.2」
オペレータ「送信部にデストルドー反応無し」
オペレータ「疑似回路、安定しています」
冬月「なぜここに子供がいる!」
ナオコ「碇所長の息子さんです」
冬月「碇、ここは託児所じゃない。今日は大事な日だぞ」
ユイ「ごめんなさい冬月先生、私が連れてきたんです」
冬月「ユイ君。今日は君の実験なんだぞ」
ユイ「だからなんです。この子には明るい未来を見せておきたいんです」 ナオコ「それがユイさん最後の言葉でした。イレギュラーな事件は彼女をこの世から消し去ってしまいました。
私の、願いそのままに。何て嫌な女なんでしょうね。
リッちゃん、この日を境に碇所長は変わったわ」 冬月「この一週間どこへ行っていた。傷心もいい。だが、もうおまえ一人の体じゃない事を自覚してくれ」
ゲンドウ「分かっている。冬月、今日から新たな計画を推奨する。キール議長には提唱済みだ」
冬月「まさか、あれを!」
ゲンドウ「そうだ。かつて誰もが為し得なかった神への道、人類補完計画だよ」 リツコ「母さん、MAGIの基礎理論、完成おめでとう。
そのお祝いと言うわけでもないけど、私のゲヒルンへの正式入所が内定しました。
来月から、E計画勤務となります」 警備員「誰だ!」
リツコ「技術開発部赤木リツコ。これID。発令所の躯体ができたそうだから見にきたんだけど、迷路ね、ここ」
警備員「発令所なら今、所長と赤木博士が見えてますよ」 ナオコ「本当にいいのね?」
ゲンドウ「ああ、自分の仕事に後悔はない」
ナオコ「嘘!ユイさんの事忘れられないんでしょ。でもいいの。私は」
ゲンドウ「…」
リツコ「…」 ゲンドウ「あれがゲヒルン本部だよ」
ナオコ「所長、おはようございます。お子さん連れですか?あら、でも確か男の子…」
ゲンドウ「シンジではありません。知人の子を預かる事になりましてね、綾波レイと言います」
リツコ「レイちゃん、今日は」
レイ「…」
ナオコ「(この子、誰かに…ユイさん?)」 ナオコ「綾波レイに関する全ファイル、抹消済み?白紙だわ。どういう事?」 ナオコ「MAGI-CASPER、MAGI-BALTHASAR、MAGI-MELCHIOR。MAGIは三人の私。科学者としての私、母親としての私、女としての私。
その3つがせめぎあってるの」
リツコ「3つの母さんか。後は電源を入れるだけね。
今日、先帰るわね。ミサトが帰ってくるのよ」
ナオコ「そうそう、彼女、ゲヒルンに入ってたのねぇ。確か、ドイツ」
リツコ「ええ、第三支部勤務」
ナオコ「じゃあ、遠距離恋愛ね」
リツコ「別れたそうよ」
ナオコ「あら、お似合いのカップルに見えたのに」
リツコ「男と女は分からないわ。ロジックじゃないもの」
ナオコ「そういう醒めたところ、変わらないわね。自分の幸せまで、逃しちゃうわよ」
リツコ「幸せの定義なんて、もっと分からないわよ。さてと、飲みに行くの久しぶりだわ」
ナオコ「お疲れさま」
リツコ「お疲れさま」 ナオコ「…?何かご用?レイちゃん」
レイ「道に迷ったの」
ナオコ「あらそう。じゃあ私と一緒に出ようか?」
レイ「いい」
ナオコ「でも、一人じゃ帰れないでしょ?」
レイ「大きなお世話よ、ばあさん」
ナオコ「…何?」
レイ「一人で帰れるから放っといて、ばあさん」
ナオコ「人の事ばあさん、なんて言うもんじゃないわ」
レイ「だってあなたばあさんでしょ?」
ナオコ「怒るわよ、碇所長に叱ってもらわなきゃ」
レイ「所長がそう言ってるのよ、あなたの事」
ナオコ「嘘!」
レイ「ばあさんはしつこいとか、ばあさんは用済みだとか」
レイ(エコー)「ばあさんはしつこいとか、ばあさんは用済みだとか」
レイ「ばあさんは用済み。所長が言ってるのよ」
ユイ「あなたの事。ばあさんは用済みだとか」
レイ(エコー)「所長が言ってるのよ、あなたの事」
レイ(エコー)「あなたの事」
ナオコ「…あんたなんか、あんたなんか死んでも代わりはいるのよ、レイ。私と同じね」
ナオコ「はっ…」 冬月「キールローレンツを議長とする人類補完委員会は、調査組織であるゲヒルンを即日解体。
全計画の遂行組織として特務機関ネルフを結成した。
そしてわれわれは、そのまま籍をネルフへと移した。ただ一人、MAGIシステム開発の功績者、赤木博士を除いて」 冬月「君か…」
加持「ご無沙汰です。外の見張りには、しばらく眠ってもらいました」
冬月「この行動は、君の命取りになるぞ」
加持「真実に近づきたいだけなんです。僕の中のね」 諜報部員「ご協力、ありがとうございました」
ミサト「もういいの?」
諜報部員「はい、問題は解決しましたから」
ミサト「そう…彼は?」
諜報部員「存じません」 ミサト「ただいま…」
シンジ「…」
ミサト「……………!」
加持『葛城、俺だ。多分この話を聞いている時は、君に多大な迷惑をかけた後だと思う。
すまない。リッちゃんにもすまないと謝っておいてくれ。
後、迷惑ついでに俺の育てていた花がある。俺の代わりに水をやってくれると嬉しい。場所はシンジ君が知ってる。
葛城、真実は君とともにある。迷わず進んでくれ。
もし、もう一度会える事があったら、8年前に言えなかった言葉を言うよ。じゃ』
電話『午後、0時、2分、です』
ミサト「バカ…あんた、ほんとにバカよ…」
シンジ「…」 シンジ「(その時僕は、ミサトさんから逃げる事しかできなかった。
他には何もできない、何も言えない子供なんだと、僕は分かった)」 シンジに負けた事で、精神の落し穴に落ち込むアスカ。
更に使徒の放つ精神攻撃が、彼女の心にとどめを刺す。
シンジはアスカに慰めの言葉を持たなかった。
次回、『せめて、人間らしく』 男「仮定が現実の話になった。因果なものだな、提唱した本人が実験台とは」
男「では、あの接触実験が直接の原因と言うわけか」
男「精神崩壊。それが接触の結果か」
男「しかし、残酷なものさ。あんな小さな子を残して自殺とは」
男「いや、案外それだけが原因でもないかも知れんな」 キョウコ「アスカちゃん、ママねぇ、今日あなたの大好物を作ったのよ。ほら、好き嫌いしているとあそこのお姉ちゃんに笑われますよ」
女医「毎日あの調子ですわ。人形を娘さんだと思って話かけてます」
アスカ父「彼女なりに責任を感じているのでしょう、研究ばかりの毎日で、娘を構ってやる余裕もありませんでしたから」
女医「ご主人のお気持ちはお察しします」
父「しかしあれではまるで人形の親子だ。いや、人間と人形の差なんて、紙一重なのかも知れませんが」
女医「人形は、人間が自分の姿を模して作ったものですから。
もし神がいたとしたら、われわれはその人形に過ぎないのかもしれません」
父「近代医学の担い手とは、思えないお言葉ですな」
女医「私だって医師の前にただの人間、一人の女ですわ」 女「偉いのね、アスカちゃん、いいのよ、我慢しなくても」
アスカ「いいの、私は泣かない、私は自分で考えるの」 リツコ「聞こえる?アスカ。シンクロ率8も低下よ。いつも通り、余計な事は考えずに」
アスカ「やってるわよ!」 マヤ「最近のアスカのシンクロ率、下がる一方ですね」
リツコ「困ったわね、この余裕のない時に。
やはりレイの零号機を優先させましょう、今は同時に修理できるだけのゆとりはないわ」 アナウンス「弐号機左腕のマイトーシス作業は数値目標をクリア」
アナウンス「ネクローシスは、現在0.05%未満」
アナウンス「アポトーシス作業、問題ありません」 アナウンス「零号機の形態形成システムは、現状を維持」
アナウンス「各レセプターを第2シグナルへ接続してください」 ミサト「(…あのアダムより生まれし物、EVAシリーズ。
セカンドインパクトを引き起こした原因たるものまで流用しなければ、私たちは使徒に勝てない。
逆に生きるためには、自分たちを滅ぼそうとしたものをも利用する。
それが人間なのね。
やはり私はEVAを憎んでいるのかもしれない。父の仇か)」
マコト「葛城さん!」 ミサト「EVA13号機までの建造開始?世界七個所で?」
マコト「上海経由の情報です。ソースに信頼は置けます」
ミサト「なぜこの時期に量産を急ぐの?」
マコト「EVAを過去に2機失い、現在は2機も大破ですから。第2次整備に向けて予備戦力の増強を急いでいるのでは?」
ミサト「どうかしら…ここにしてもドイツで建造中の5、6号機のパーツを廻してもらってるのよ。最近、ずいぶんと金が動いてるわね」
マコト「ここに来て、予算倍増ですからね。それだけ上も、せっぱ詰まってる、って事でしょうか」
ミサト「委員会の焦りらしきものを感じるわね」
マコト「では、今までのような単独ではなく、使徒の複数同時展開のケースを設定したものでしょうか?」
ミサト「そうね…でも、非公式に行う理由がないわ。何か別の目的があるのよ」 一同「…」
ミサト「(久しぶりに3人揃ったってのに、ギスギスしてるわねぇ〜…)」
アスカ「ごちそうさま」
ミサト「アスカ!」
アスカ「嫌よ、どうせ加持さんからミサト宛てのTELでしょ?ミサトが出なさいよ」
ミサト「…それはないわ」
アスカ「あら、無敵のシンジ様にそのような雑務を。申し訳ないですわねぇ〜」
シンジ「はい、もしもし?」
アスカ「何よ、すまし面しちゃってさ…」
シンジ「ドイツから国際電話。アスカに。お母さんから」
アスカ「あたしに?ママから?…貸しなさいよ!」
シンジ「(知らない言葉で話ていると、まるでアスカが知らない人みたいだ)
母さんか…)
ずいぶん長電話だったじゃない」
アスカ「ま、いつものコミュニケーションってやつ」
シンジ「いいなぁ、家族の会話」
アスカ「まぁ上っ面はね。表層的なものよ。本当の母親じゃないし、でも嫌いって訳じゃないのよ、ちょっと苦手なだけ…
なんであんたにこんな事話さなきゃなんないのよ!」
シンジ「ごめん」
アスカ「へん、あんたなんかに同情されたら、この私もおしまいだわ!」 マヤ「シンクログラフ、−12.8。起動指数ギリギリです」
リツコ「ひどいものね。昨日より更に落ちてるじゃない」
ミサト「アスカ、今日調子悪いのよ、二日目だし」
リツコ「シンクロ率は表層的な身体の不調に左右されないわ。問題はもっと、深層意識にあるのよ。
弐号機のコア、変更もやむなしかしらね。
アスカ、上がっていいわ」 アナウンス「第8動力システムの復旧作業は、本日18:00より再会の予定です」
リツコ「アスカのプライドガタガタね」
アナウンス「第1発令所処理問題に関する定例会議は、定刻より行われます」
ミサト「無理もないわよ、あんな負け方しちゃ。て言うよりシンジ君に負けたって思っている方が大きいわね」
アナウンス「総務担当者は第2会議室にお集まりください」
ミサト「もう限界かしらね。3人で暮らすのも」
リツコ「臨界点突破?楽しかった家族ごっこもここまで?」
ミサト「ネコで寂しさ紛らわせてた人に、言われたかないわね。そんなセリフ」
リツコ「…」
ミサト「ごめん…余裕ないのね、あたし」 アスカ「女だからって、何でこんな目に遭わなきゃいけないのよ、子供なんて絶対いらないのに!」 アナウンス「第7環状ルートは現在事故のため閉鎖中です。迂回ルートは12号線を利用してください」
アスカ「!」
アスカ・レイ「…」
レイ「心を開かなければ、EVAは動かないわ」
アスカ「心を閉ざしてるってえの?この私が!」
レイ「そう、EVAには心がある」
アスカ「あの人形に?」
レイ「分かってるはずよ」
アスカ「はん、あんたから話掛けてくるなんて、明日は雪かしらね!?」
レイ「…」
アスカ「何よ、私がEVAに乗れないのが、そんなに嬉しい?心配しなくっても、使徒が攻めてきたら無敵のシンジ様がやっつけてくれるわよ!
私たちは何にもしなくていいのよ、シンジだけがいればいいのよ!
あ〜ぁ、シンジだけじゃなく、機械人形みたいなあんたにまで同情されるとは、この私もヤキが廻ったわね〜」
レイ「私は人形じゃない」
アスカ「うるさい!人に言われたまま動くくせに!あんた碇司令が死ねといったら死ぬんでしょ!?」
レイ「そうよ」
アスカ「!
やっぱり人形じゃない!あんたって人形みたいで、ほんと昔っから大っ嫌いなのよ!
みんな、みんな、大っ嫌い!」 ケンスケ「シンジ、今日も来ないな。綾波はいつもの事として、」
ヒカリ「アスカも来ない。鈴原もまだ退院できないし、」
ケンスケ「学校どころじゃないんだな、今や」 アナウンス「EVA弐号機のシグナル、問題なし」
アナウンス「VAの接合および融合は正常。増殖範囲は予定通りです」
アスカ「あなたは私の人形なんだから、黙って私の言う通りに動けばいいのよ!」
弐号機「…」
アスカ「なんで兵器に心なんか要るのよ、邪魔なだけなのに」
弐号機「…」
アスカ「とにかく、私の命令に逆らわなきゃいいのよ」
弐号機「…」
アスカ「ん…?バッカみたい」
シゲル「総員、第一種戦闘配置。対空迎撃戦用意!」
アスカ「使徒!?まだ来るの?」 シゲル「使徒を映像で確認、最大望遠です!」
マコト「衛星軌道から動きませんねぇ」
シゲル「ここからは、一定距離を保っています」
ミサト「てことは、降下接近の機会をうかがっているのか、その必要もなくここを破壊できるのか」
マコト「こりゃ迂闊に動けませんね」
ミサト「どの道目標がこちらの射程距離内にまで近づいてくれないと、どうにもならないわ。EVAには衛星軌道の敵は、迎撃できないもの」
ミサト「レイは?」
マヤ「零号機共に順調。行けます!」
ミサト「了解、零号機発進、超長距離射撃用意、弐号機、アスカは、バックアップとして発進準備!」
アスカ「バックアップ?私が?零号機の?」
ミサト「そうよ、後方に廻って」
アスカ「冗談じゃないわよ…EVA弐号機、発進します!」
リツコ「アスカ!」
ミサト「いいわ、先行してやらせましょ」
マコト「葛城三佐!」
リツコ「ここでだめなら、アスカもこれまでと言う事ね」
マヤ「ラストチャンス、ですか?」
リツコ「弐号機パイロットの変換、考えとくわよ」
マヤ「…はい」
マコト「あの〜、初号機は出さないんですか?」
ミサト「凍結なのよ、碇司令の絶対命令でね。
(あんな事の後じゃ、無理ないか)」 アスカ「これを失敗したら、多分弐号機を降ろされる。
ミスは許されないわよ、アスカ!」
シゲル「目標、未だ射程距離外です」
アスカ「もぉ、さっさとこっちに来なさいよ!じれったいわねぇ!
!」 ミサト「敵の指向性兵器なの?」
シゲル「いえ、熱エネルギー反応無し」
マヤ「心理グラフが乱れています、精神汚染が始まります!」
リツコ「使徒が心理攻撃…まさか、使徒に人の心が理解できるの?」
アスカ「こんちくしょーっ!」
オペレータ「陽電子消滅」
シゲル「だめです、射程距離外です!
弐号機、ライフル残弾ゼロ!」
ミサト「光線の分析は?」
マコト「可視波長のエネルギー波です!A.T.フィールドに近いものですが、詳細は不明です!」
リツコ「アスカは?」
マヤ「危険です、精神汚染、Yに突入しました!」 アスカ「イヤぁあああああ!
私の、私の中に入ってこないで!
痛い!
ひっ!
イタイ!
痛い!
いやぁ!
イヤぁ!
嫌ぁ!
私の心まで覗かないで!お願いだから、これ以上心を侵さないで!」
ミサト「アスカ!」 マヤ「心理グラフ限界!」
リツコ「精神回路がズタズタにされている…これ以上の過負荷は危険過ぎるわ」
ミサト「アスカ戻って!」
アスカ「イヤよ!」
ミサト「命令よ、アスカ、撤退しなさい!」
アスカ「嫌、絶対に嫌!今戻るなら、ここで死んだ方がマシだわ!」
ミサト「アスカ…」
オペレータ「加速器、同調スタート」
オペレータ「電圧上昇中、加圧域へ」
オペレータ「強制収束機、作動」
オペレータ「地球自転および重力誤差、修正0.03」
オペレータ「薬室内、圧力最大」
マコト「最終安全装置、解除!全て、発射位置!」
レイ「クッ!」 シゲル「だめです!この遠距離で、A.T.フィールドを貫くには、エネルギーがまるで足りません!」
マコト「しかし、出力は最大です!もう、これ以上は!」
マヤ「弐号機、心理グラフシグナル微弱!」
リツコ「L.C.L.の精神防壁は?」
マヤ「だめです、触媒の効果もありません!」
リツコ「生命維持を最優先、EVAからの逆流を防いで!」
マヤ「はい!」
リツコ「(この光はまるでアスカの精神波長を探っているみたいだわ…まさか、使徒は人の心を知ろうとしているの?)」 アスカ「なんで私泣いてるんだろう。もう泣かない、って決めたのに」
(アスカ父「どうしたんだアスカ?新しいママからのプレゼントだ。気に入らなかったのか?」)
(アスカ「いいの」)
(父「何がいいのかな?」)
アスカ「私は子供じゃない!早く大人になるの。ぬいぐるみなんて、私には要らないわ!」
(アスカ「だから私を見て!ママ!お願いだからママを辞めないで!)
(キョウコ「一緒に死んでちょうだい!)
(アスカ「(ママ!ママ!お願いだから私を殺さないで!嫌ぁ!私はママの人形じゃない!自分で考え、自分で生きるの!
パパもママも要らない、一人で生きるの!)
アスカ「嫌っ!こんなの思い出させないで!せっかく忘れてるのに掘り起こさないで!
そんな嫌な事もういらないの!もうやめて!やめてよぉ…」 アスカ「…汚された…私の心が…加持さん!…汚されちゃった…どうしよう…汚されちゃったよぉ……」 オペレータ「弐号機、活動停止!生命維持に問題発生!」
マヤ「パイロット、危険域に入ります!」
シゲル「目標、変化無し、相対距離、依然変わらず!」
マコト「零号機の射程距離内に移動する可能性は、0.02%です」
ミサト「零号機を空輸、空中から狙撃するか…?いえ、だめね、接近中に撃たれたら、おしまいだわ」
シンジ「僕が初号機で出ます!」
冬月「いかん!目標はパイロットの精神を侵蝕するタイプだ!」
ゲンドウ「今、初号機を侵蝕される事態は、避けねばならん」
シンジ「だったら、やられなきゃいいんでしょう!?」
ゲンドウ「その保証はない」
シンジ「でも、このままじゃアスカが!」
ゲンドウ「構わん。レイ、ドグマを降りて、槍を使え」
冬月「ロンギヌスの槍をか!碇、それは…」
ゲンドウ「A.T.フィールドの届かぬ衛星軌道の目標を倒すには、それしかない。急げ!」
ミサト「しかし、アダムとEVAの接触は、サードインパクトを引き起こす可能性が!あまりに危険です、碇司令、やめてください!」
ゲンドウ「…」
ミサト「(嘘…欺瞞なのね?セカンドインパクトは使徒の接触が原因ではないのね?)」 アナウンス「セントラルドグマ10番から15番までを開放、第6マルボルジェ、零号機、通過。続いて、16番から20番、開放」 ミサト「(サードインパクトは起きないと言うわけね、そんな事では。だったらセカンドインパクトの原因は、何?)」 冬月「碇、まだ早いのではないか?」
ゲンドウ「委員会はEVAシリーズの量産に着手した。チャンスだ、冬月」
冬月「しかし、だが…」
ゲンドウ「時計の針は元には戻らない。だが、自らの手で進める事はできる」
冬月「老人たちが黙っていないぞ!」
ゲンドウ「ゼーレが動く前にすべて済まさねばならん。
今、弐号機を失うのは得策ではない」
冬月「かと言って、ロンギヌスの槍をゼーレの許可なく使うのは面倒だぞ」
ゲンドウ「理由は存在すればいい。それ以上の意味はないよ」
冬月「理由?おまえがほしいのは、口実だろ?」 マコト「弐号機のパイロットの脳波、0.06に低下!」
マヤ「生命維持、限界点です!」
シゲル「零号機、二番を通過、地上に出ます!」
ミサト「あれがロンギヌスの槍…」
シゲル「零号機、投擲体制!」
マコト「目標確認、誤差修正よし!」
マヤ「カウントダウン入ります、10秒前、8、7、6、5、4、3、2、1、0!」 シゲル「目標、消滅!」
マヤ「EVA弐号機、開放されます」
冬月「ロンギヌスの槍は!?」
マコト「第一宇宙速度を突破、現在、月軌道に移行しています」
冬月「回収は不可能に近いな…」
マコト「はい、あの質量を持ち帰る手段は、今のところ、ありません」 マヤ「弐号機健在、グラフ正常位置」
シゲル「機体回収は、2番ケイジへ」
オペレータ「第67番ルートを使用してください」
ミサト「アスカは?」
マコト「パイロットの生存は確認。汚染による防疫隔離は解除されています」
ミサト「そう…」 シンジ「…良かったね、アスカ!」
アスカ「うるさいわね、ちっとも良くないわよ!
よりにもよって、あの女に助けられるなんて!あんな女に助けられるなんて…そんな事なら死んだ方がマシだったわよ!
嫌い嫌い、みんな嫌い、大っ嫌い!」 使徒に取り憑かれ犯されていく零号機。
その浸食からシンジを守るため、レイは自らの死を希望する。
第3新東京市と共に光と熱となり、彼女は消えた。
次回、『涙』 人は愛を紡ぎながら歴史をつくる
女神なんてなれないまま私は生きる
残酷な天使のテーゼ 窓辺からやがて飛び立つ
ほとばしる熱いパトスで 思い出を裏切るなら
この空を抱いて輝く 少年よ神話になれ 加持『葛城、俺だ。多分この話を聞いている時は、君に多大な迷惑をかけた後だと思う。すまない。リッちゃんにもすまないと謝っておいてくれ。
後、迷惑ついでに俺の育てていた花がある。俺の代わりに水をやっといてくれると嬉しい。場所はシンジ君が知ってる。
葛城、真実は君とともにある。迷わず進んでくれ。もし、もう一度会える事があったら、8年前に言えなかった言葉を言うよ。じゃ』
ミサト「鳴らない、電話、か…」 シンジ「(ミサトさん、今日も篭りっぱなしだ。
アスカ、今日も戻らないつもりかな…)」 ヒカリ「(学校にも行かず、家にも帰らず、ずっとゲームばっかり…)」
アスカ「ヒカリ…」
ヒカリ「ん、何?」
アスカ「寝よっか?」 アスカ「…ごめんね、私、邪魔かな?」
ヒカリ「そんな事ないわよ」
アスカ「私、勝てなかったんだ、EVAで。もう私の価値なんてなくなったの。どこにも。
嫌い…大っ嫌い…みんな嫌いなの。でも一番嫌いなのは私。何かもう、どうでも良くなっちゃったわ」
ヒカリ「…私は、アスカがどうしたっていいと思うし、何も言わないわ。アスカはよくやったと思うもの…」 リツコ「そう、いなくなったの、あの子。
ええ、多分ね。ネコにだって寿命はあるわよ、もう泣かないで、おばあちゃん。
うん、時間ができたら一度帰るわ。母さんの墓前にももう三年も立ってないし。
今度私から電話するから。じゃ、切るわよ。
…そう、あの子が死んだの…」 ゼーレ「ロンギヌスの槍、回収はわれらの手では不可能だよ」
ゼーレ「なぜ使用した」
ゼーレ「EVAシリーズ。まだ予定には揃っていないのだぞ」
ゲンドウ「使徒殲滅を優先させました。やむを得ない事情です」
ゼーレ「やむを得ないか。言い訳にはもっと説得力を持たせたまえ」
ゼーレ「最近の君の行動には、目に余るものがあるな」
ゲンドウ「冬月、審議中だぞ!
…分かった。
使徒が現在接近中です。続きはまた後ほど」
ゼーレ「その時君の席が残っていたらな」
キール「碇、ゼーレを裏切る気か?」 ミサト「後15分でそっちに着くわ。零号機を32番から地上に射出、弐号機はバックアップに廻して。
そう、初号機は碇司令の指示に。私の権限じゃ凍結解除はできないわよ。じゃぁ。
使徒を肉眼で確認…か…」 オペレータ「零号機発進、迎撃位置へ!」
マコト「弐号機は現在位置で待機を!」
ゲンドウ「いや、発進だ」
マコト「司令!」
ゲンドウ「構わん、囮くらいには役に立つ」
マコト「はい…」 オペレータ「EVA弐号機、発進準備!」
アスカ「(のこのことまたこれに乗ってる…未練たらしいったらありゃしない…)」
マヤ「弐号機、第8ゲートへ。出現位置決定次第、発進せよ」
アスカ「(ふん、私が出たって足手まといなだけじゃないの?)」
シゲル「目標接近、強羅絶対防衛線を通過」
アスカ「(どうでもいいわよ、もう…)」 シゲル「目標は、大涌谷上空にて滞空。定点回転を続けています」
マコト「目標のA.T.フィールドは依然健在」
リツコ「何やってたの?」
ミサト「言い訳はしないわ、状況は!?」
シゲル「膠着状態が続いています」
マコト「パターン青からオレンジへ、周期的に変化しています!」
ミサト「どういう事?」
マヤ「MAGIは回答不能を提示しています!」
シゲル「答えを導くには、データ不足ですね」
リツコ「ただあの形が固定形態でない事は確かだわ」
ミサト「先に手は出せないか…」 ミサト「レイ、しばらく様子を見るわよ」
レイ「いえ、来るわ!」
ミサト「レイ、応戦して!」
マコト「だめです、間に合いません!」
シゲル「目標、零号機と物理的接触!」
ミサト「零号機のA.T.フィールドは?」
マヤ「展開中、しかし、使徒に侵蝕されています!」
リツコ「使徒が積極的に一次的接触を試みているの?零号機と!」
マヤ「危険です!零号機の生体部品が侵されて行きます!」
ミサト「EVA弐号機、発進、レイの救出と援護をさせて!」
マヤ「目標、さらに侵蝕!」
リツコ「危険ね、すでに5%以上が生体融合されているわ」 ミサト「アスカ、後300接近したらA.T.フィールド最大で、パレットガンを目標後部に撃ち込んで!いいわね?
EVA弐号機、リフトオフ!
出撃よ、アスカ、どうしたの?弐号機は?」
マヤ「だめです、シンクロ率が二桁を切ってます!」
ミサト「アスカ!」
アスカ「動かない…動かないのよ…」
ミサト「このままじゃ餌食にされるわ。戻して、早く!」 レイ「誰?私。EVAの中の私。いいえ、私以外の誰かを感じるあなた誰?使徒?私たちが使徒と呼んでいる人?」
使徒「私と一つにならない?」
レイ「いいえ、私は私、あなたじゃないわ」
使徒「そう。でもだめ、もう遅いわ。
私の心をあなたにも分けてあげる。この気持ち、あなたにも分けてあげる。
痛いでしょう?ほら、心が痛いでしょう?」
レイ「痛い…いえ、違うわ…サビシイ…そう、寂しいのね…」
使徒「サビシイ?分からないわ」
レイ「一人が嫌なんでしょ?
私たちはたくさんいるのに、一人でいるのが嫌なんでしょ?
それを、寂しい、というの」
使徒「それはあなたの心よ。悲しみに満ち満ちている。あなた自身の心よ」 ミサト「レイっ!」
ゲンドウ「初号機の凍結を現時刻をもって解除、直ちに出撃させろ」
ミサト「え…」
ゲンドウ「出撃だ」
ミサト「…はい」 ミサト「A.T.フィールド展開、レイの救出急いで!」
シンジ「はい!」 レイ「碇君!」
シンジ「はっ!」
レイ「これは私の心…碇君と一緒になりたい…?
だめ!」 マヤ「A.T.フィールド反転、一気に侵蝕されます!」
リツコ「使徒を押え込むつもり!?」
ミサト「レイ、機体は捨てて、逃げて!」
レイ「だめ、私がいなくなったらA.T.フィールドが消えてしまう。だから、だめ…」 ミサト「レイ、死ぬ気?」
マヤ「コアが潰れます、臨界突破!」 シゲル「目標、消失…」
ミサト「現時刻をもって作戦を終了します。第一種警戒態勢へ移行」
マコト「了解、状況イエローへ、速やかに移行」
ミサト「零号機は!?」
マヤ「エントリープラグの射出は、確認されていません…」
ミサト「生存者の救出、急いで…」
リツコ「もしいたら、の話ね…」
ミサト「!」
リツコ「……」 男「赤木博士…」
リツコ「この事は極秘とします。プラグは回収、関係部品は処分して」
男「了解。作業、急げ!」 ゼーレ「ついに第16の使徒までを倒した」
ゼーレ「これで、ゼーレの死海文書に記載されている使徒は、後一つ」
キール「約束の時は近い。その道のりは長く、犠牲も大きかったな」
ゼーレ「左様。ロンギヌスの槍に続き、EVA零号機の損失」
ゼーレ「碇の解任には十分すぎる理由だな」
ゼーレ「冬月を無事に返した意味の分からない男でもあるまい」
ゼーレ「新たな人柱が必要ですな、碇に対する」
キール「そして事実を知るものが必要だ」 ミサト「シンジ君、開けるわよ」
シンジ「ミサトさん…出ないんだ、涙。悲しいと思ってるのに、出ないんだよ。涙が」
ミサト「シンジ君…今の私にできるのは、このくらいしかないわ…」
シンジ「やめてよ!やめてよ、ミサトさん!」
ミサト「ごめんなさい…」 ミサト「(さみしいはずなのに、女が恐いのかしら…いえ、人との触れ合いが、恐いのね…)
ペンペン、おいで…」
ペンペン「…」
ミサト「(そっか、誰でもいいんだ…さみしかったのは私の方ね…)」 ミサト「はい…もしもし………なんですって!?
シンジ君!」 アナウンス「第一内科のウガイ先生、ウガイ先生、至急、第二会議室へご連絡ください」
シンジ「綾波!」
レイ「…」 シンジ「良かった、綾波が無事で…」
レイ「…」
シンジ「あの、父さんは来てないんだ…」
レイ「…」
シンジ「ありがとう、助けてくれて」
レイ「何が?」
シンジ「何がって、零号機を捨ててまで助けてくれたんじゃないか、綾波が」
レイ「そう、あなたを助けたの…」
シンジ「うん…覚えてないの?」
レイ「いいえ、知らないの。
多分私は三人目だと思うから」 レイ「…
これが涙?初めて見たはずなのに、初めてじゃないような気がする。私、泣いてるの?…なぜ、泣いてるの?」 ゲンドウ「そうだ、ファーストチルドレンは現状維持だ。新たな拘束の必要はない。
セカンド、サードに関しても同様だ。監視だけでいい」
冬月「しかし、レイが生きていると分かれば、キール議長らがうるさいぞ」
ゲンドウ「ゼーレの老人たちには別の物を差し出してある。心配ない」 キール「われわれも穏便に事は進めたい。君にこれ以上の陵辱、辛い思いはさせたくないのだ」
リツコ「私は何の屈辱も感じていませんが」
ゼーレ「気の強い女性だ。碇がそばに置きたがるのも分かる」
ゼーレ「だが、君をわれわれに差し出したのは、他でもない、碇君だよ」
キール「零号機パイロットの尋問を拒否、代理人として君を寄越したのだよ。赤木博士」
リツコ「(レイの代わり…私が…)」 加持『君がほしがっていた真実の一部だ。
他に36の手段を講じて君に送っているが、おそらく届かないだろう。
確実なのはこのカプセルだけだ。
こいつは俺の全てだ。君の好きにしてくれ。
パスコードは俺たちの最初の思い出だ。
じゃ、元気でな』
ミサト「鳴らない電話を気にしてイラつくのは、もうやめるわ。
あなたの心、受け取ったもの」 ゼーレ「良いのか?赤木博士の処置」
ゼーレ「冬月とは違う。彼女は返した方が得策だ」
ゼーレ「EVAシリーズの功労者、いま少し役に立ってもらうか」
ゼーレ「さよう、われわれ人類の未来のために」
ゼーレ「エヴァンゲリオン、すでに八体まで用意されつつある」
ゼーレ「残るは後四体か」
キール「第三新東京市の消滅は、計画を進める良き材料になる。
完成を急がせろ。約束の時は、その日となる」 シンジ「はい、もしもし?」
リツコ「そのまま聞いて。あなたのガードを解いたわ。今なら外に出られるわよ」
シンジ「リツコさん…」 リツコ「…?…!」
ミサト「無駄よ。私のパスがないとね」
リツコ「そう、加持君の仕業ね」
ミサト「ここの秘密、この目で見せてもらうわよ」
リツコ「いいわ。ただしこの子も一緒にね」
シンジ「…」
ミサト「…いいわ」 シンジ「…まるで綾波の部屋だ…」
リツコ「綾波レイの部屋よ。彼女の生まれ育ったところ」
シンジ「ここが?」
リツコ「そう、生まれたところよ。
レイの深層心理を構成する光と水は、ここのイメージが強く残っているのね」
ミサト「赤木博士、私はこれを見に来たわけじゃないのよ」
リツコ「分かっているわ、ミサト…」 シンジ「エヴァ?」
リツコ「最初のね。失敗作よ。10年前に破棄されたわ」
シンジ「エヴァの墓場…」
リツコ「ただのゴミ捨て場よ。
あなたのお母さんが消えたところでもあるわ。
覚えてないかもしれないけど、あなたも見ていたはずなのよ。お母さんが消える瞬間を」
シンジ「…」
ミサト「リツコ!」
リツコ「…」 ミサト「これが、ダミープラグの元だというの?」
リツコ「…真実を見せてあげるわ」
シンジ「綾波…レイ…?!!!」
ミサト「まさか、エヴァのダミープラグは!」
リツコ「そう、ダミーシステムのコアとなるもの。その生産工場よ」
ミサト「これが!?」
リツコ「ここにあるのはダミー。そしてレイのためのただのパーツに過ぎないわ。
人は神様を拾ったので喜んで手に入れようとした。だから罰が当たった。それが15年前。
せっかく拾った神様も消えてしまったわ。
でも今度は神様を自分たちで復活させようとしたの。それがアダム。
そしてアダムから神様に似せて人間を作った。それがエヴァ」
シンジ「ヒト…人間なんですか!?」
リツコ「そう、人間なのよ。本来魂のないエヴァには、人の魂が宿らせてあるもの。
みんな、サルベージされたものなの。
魂の入った入れ物はレイ、一人だけなの。あの子にしか魂は生まれなかったのよ。ガフの部屋は空っぽになっていたのよ。
ここに並ぶレイと同じ物には魂がない。ただの入れ物なの。だから壊すの。憎いから。」
レイたち「ウフフフフ…」
ミサト「あんた、何やってるか、分かってんの!?」
リツコ「ええ、分かっているわ。破壊よ。人じゃないもの。人の形をしたものだもの。
でもそんなものにすら私は負けた。勝てなかったのよ。
あの人の事を考えるだけで、どんな、どんな陵辱にだって耐えられたわ!私の体なんてどうでもいいのよ!
でも、でもあの人は、あの人は…分かっていたのに…
バカなのよ、私は!親子揃って大バカ者だわ!
…私を殺したいのならそうして…いえ、そうしてくれると嬉しい…」
ミサト「それこそバカよ、あなたは…」
シンジ「…」
ミサト「エヴァに取り憑かれた人の悲劇……私も…同じか…」 町が消え、友人が去り、傷心のシンジに少年が微笑む。
彼の爽やかな風のような笑顔に溶け込むシンジ。
だが、彼らには苛酷な運命が仕組まれていた。
次回、『最後のシ者』 アスカ「ママーッ!ママッ!私、選ばれたの!人類を守る、エリートパイロットなのよ!世界一なのよ!
誰にも秘密なの!でも、ママにだけ教えるわね!
いろんな人が親切にしてくれるわ。だから、寂しくなんかないの!
だから、パパがいなくっても大丈夫!さみしくなんかないわ!
だから見て!私を見て!
ねぇ、ママ…!
…」 アスカ「シンクロ率ゼロ。セカンドチルドレンたる資格無し。もう私がいる理由もないわ。誰も私を見てくれないもの。パパもママも誰も。
私が生きてく理由もないわ…」
諜報課員「惣流・アスカ・ラングレーだな?」 マコト「諜報二課から、セカンドチルドレンを無事保護したそうです」
ミサト「そう。ロストした挙げ句七日後に発見とは、二課らしくないわね」
マコト「わざと、でしょ。嫌がらせじゃないんですか?作戦課への」
ミサト「かもね…
(で今日、アスカの代わりのフィフス到着。出来過ぎてるわね、シナリオ)」 シンジ「綾波レイ。やっぱりそうなのか?あの感じ。母さんの。
綾波レイを、母さんを、何をしているんだ、父さん!」 リツコ「碇司令…」
ゲンドウ「…」
リツコ「猫が死んだんです。おばあちゃんのところに預けていた。ずっと構っていなかったのに。突然、もう二度と会えなくなるのね」
ゲンドウ「なぜ、ダミーシステムを破壊した?」
リツコ「ダミーではありません。破壊したのはレイですわ」
ゲンドウ「…今一度問う。なぜだ?」
リツコ「あなたに抱かれても嬉しくなくなったから。私の体を好きにしたらどうです!?あの時みたいに!」
ゲンドウ「君には失望した…」
リツコ「失望!?最初っから期待も望みも持たなかったくせに!私には何も!何も!何も…
どうしたらいいの…母さん…」 シンジ:(どこに行ったんだろう…アスカ…
でも会ってどうするんだ…綾波の話でもするのか?) シンジ「(トウジもケンスケもみんな家を失って他のところへ行ってしまった。友達は…友達と呼べる人はいなくなってしまった…誰も…
綾波には会えない…その勇気がない。どんな顔をすればいいのか、分からない。アスカ、ミサトさん、母さん!僕はどうすれば…どうしたらいい?)」
カヲル「フンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフーンフフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフーンフフン…(←第9をハミングで)
歌はいいねぇ」
シンジ「え?」
カヲル「歌は心を潤してくれる。リリンが生み出した文化の極みだよ。そう感じないか?碇シンジ君」
シンジ「僕の名を?」
カヲル「知らないものはないさ。失礼だが、君は自分の立場をもう少しは知ったほうがいいと思うよ」
シンジ「そうかなぁ…?あの、君は?」
カヲル「僕はカヲル。渚カヲル。君と同じ、仕組まれた子供。フィフスチルドレンさ」
シンジ「フィフスチルドレン?君が、あの、渚君?」
カヲル「カヲルでいいよ、碇君」
シンジ「僕も、シンジでいいよ」 マコト「フィフスチルドレンが、今到着したそうです」
ミサト「渚カヲル。過去の経歴は抹消済み。レイと同じくね」
マコト「ただ生年月日は、セカンドインパクトと同一日です」
ミサト「委員会が直で送ってきた子供よ。必ず何かあるわ」
マコト「マルドゥックの報告書も、フィフスの件は非公開となっています。それもあって、ちょいと諜報部のデータに割り込みました」
ミサト「危ない事するわねぇ!」
マコト「その甲斐はありましたよ。
リツコさんの居場所です!
フィフスのシンクロテスト、どうします?」
ミサト「今日のところは小細工をやめて、素直に彼の実力、見せてもらいましょ」 冬月「後、0コンマ3下げてみろ」
このデータに間違いはないな?」
マコト「全ての計測システムは、正常に作動しています」
マヤ「MAGIによるデータ誤差、認められません」
冬月「よもや、コアの変換も無しに弐号機とシンクロするとはな。この少年が」
マヤ「しかし、信じられません!…いえ、システム上、ありえないです…」
ミサト「でも事実なのよ。事実をまず受け止めてから、原因を探ってみて」 カヲル「君がファーストチルドレンだね」
レイ「…」
カヲル「綾波レイ。
君は僕と同じだね」
レイ「…あなた誰?」 冬月「フィフスの少年がレイと接触したそうだ」
ゲンドウ「そうか…」
冬月「今、フィフスのデータをMAGIが全力を挙げて当たっている」 ミサト「にもかかわらず、未だ正体不明。何者なの?あの少年」 マヤ「現在、セントラルドグマは開放中。移動ルートは3番を使用してください」
カヲル「やぁ、僕を待っててくれたのかい?」
シンジ「いや、別に、あ、そんなつもりじゃ…」
カヲル「今日は?」
シンジ「あの、定時試験も終わったし、後はシャワーを浴びて帰るだけだけど…でも、本当はあまり帰りたくないんだ。このごろ」
カヲル「帰る家、ホームがあるという事実は、幸せにつながる。良いことだよ」
シンジ「そうかなぁ」
カヲル「僕は君ともっと話がしたいな。いっしょに行っていいかい?」
シンジ「え?」
カヲル「シャワーだよ。これからなんだろ?」
シンジ「…うん」
カヲル「だめなのかい?」
シンジ「いや、別に、そういうわけじゃないけど…」 カヲル「一時的接触を極端に避けるね、君は。恐いのかい?人と触れ合うのが。
他人を知らなければ裏切られることも互いに傷つくこともない。でも、さびしさを忘れることもないよ。
人間はさびしさを永久になくすことはできない。人は一人だからね。ただ忘れることができるから、人は生きていけるのさ」
シンジ「時間だ…」
カヲル「もう、終わりなのかい?」
シンジ「うん、もう寝なきゃ」
カヲル「君と?」
シンジ「あっ、いや、カヲル君には部屋が用意されていると思うよ。別の…」
カヲル「常に人間は心に痛みを感じている。心が痛がりだから、生きるのも辛いと感じる。
ガラスのように繊細だね。特に君の心は」
シンジ「僕が?」
カヲル「そう。コウイに値するよ」
シンジ「コウイ…?」
カヲル「好きって事さ」 ゼーレ「NERV。われらSEELEの実行機関として結成されし組織」
ゼーレ「われらのシナリオを実践するために用意されたモノ」
ゼーレ「だが、今は一個人の占有機関と成り果てている」
ゼーレ「さよう。われらの手に取り戻さねばならん」
ゼーレ「約束の日の前に」
キール「ネルフとEVAシリーズを本来の姿にしておかねばならん。碇、ゼーレへの背任、その責任は取ってもらうぞ」 ゲンドウ「われわれに与えられた時間はもう残り少ない。
だがわれらの願いを妨げるロンギヌスの槍はすでにないのだ。
まもなく最後の使徒が現れる。それを消せば願いがかなう。
もうすぐだよ、ユイ」 レイ「私、なぜここにいる?
私、なぜまた生きてるの?
何のために?
誰のために?
フィフスチルドレン。あの人、私と同じ感じがする。
どうして?」 ミサト「ここが街外れで良かったわ。あなたが巻き込まれなくて良かったもの。
でも、この次の保証はないの。だから、明日からは洞木さんちのお世話になるのよ。
しばらくお別れね、ペンペン」
ペンペン「クワァッ!」
ミサト「ウウッ!」 カヲル「やはり、僕が下で寝るよ」
シンジ「いいよ、僕が無理言って泊めてもらってるんだ、ここでいいよ」
カヲル「君は何を話たいんだい?」
シンジ「え?」
カヲル「僕に聞いてほしいことがあるんだろう?」
シンジ「いろいろあったんだ、ここに来て。
来る前は、先生のところにいたんだ。穏やかで何にもない日々だった。ただそこにいるだけの。
でもそれでも良かったんだ。僕には何もすることがなかったから。
カヲル「人間が嫌いなのかい?」
シンジ「別に、どうでも良かったんだと思う。
ただ、父さんは嫌いだった。
(どうしてカヲル君にこんな事話すんだろう…)
!」
カヲル「僕は君に逢うために生まれてきたのかもしれない」 ミサト「どう?彼のデータ、入手できた?」
マコト「これです。伊吹二尉から無断で借用したものです」
ミサト「すまないわね、泥棒みたいなことばかりやらせて…何これ!」
マコト「マヤちゃんが公表できないわけですよ。理論上は、ありえないことですから」
ミサト「そうね、謎は深まるばかりだわ。EVAとのシンクロ率を自由に設定できるとはね。それも自分の意志で。
またも、なり振り構ってらんないか…」 リツコ「良く来られたわね」
ミサト「聞きたいことがあるの」
リツコ「ここでの会話、録音されるわよ」
ミサト「構わないわ。あの少年の、フィフスの正体は何?」
リツコ「おそらく、最後のシ者ね」 カヲル「さあ行くよ、おいで、アダムの分身。そしてリリンの僕」 マコト「EVA弐号機、起動!」
ミサト「そんなバカな!アスカは!?」
シゲル「303(サンマルサン)病室です。確認済みです」
ミサト「じゃあいったい誰が…?」
マヤ「無人です、弐号機にエントリープラグは挿入されていません!」
ミサト「誰もいない?フィフスの少年ではないの?」
マコト「セントラルドグマに、A.T.フィールドの発生を確認!」
ミサト「弐号機?」
マコト「いえ、パターン青!間違いありません!使徒です!」
ミサト「何ですって?
使徒…あの少年が?」
オペレーター「目標は第4層を通過、なおも降下中!」
シゲル「だめです、リニアの電源は切れません!」
オペレーター「目標は第5層を通過!」
冬月「セントラルドグマの全隔壁を緊急閉鎖!少しでもいい、時間を稼げ!」
アナウンス「マルボルジェ全層緊急閉鎖、総員待避、総員待避!」
冬月「まさか、ゼーレが直接送り込んでくるとはな…」
ゲンドウ「老人は予定を一つ繰り上げるつもりだ。我々の手で」 SEELE 02「最後の使徒がセントラルドグマに侵入した。現在降下中だ」
SEELE「予定通りだな」
キール「碇。君はよき友人であり、志を共にする仲間であり、理解ある協力者だった。
これが最後の仕事だ。初号機による遂行を願うぞ」 シゲル「装甲隔壁は、EVA弐号機により突破されています!
マコト「目標は、第2コキュートスを通過!」
ゲンドウ「EVA初号機に追撃させろ」
ミサト「はい」
ゲンドウ「いかなる方法をもってしても、目標のターミナルドグマ侵入を阻止しろ」 ミサト「しかし、使徒はなぜ弐号機を?」
冬月「もしや、弐号機との融合を果たすつもりなのか?」
ゲンドウ「あるいは破滅を導くためか、だ」 シンジ「嘘だ嘘だ嘘だ!カヲル君が、彼が使徒だったなんて、そんなの嘘だ!」
ミサト「事実よ。受け止めなさい。
出撃、いいわね」 オペレーター「EVA初号機、ルート2を降下!目標を追撃中!」
シンジ「裏切ったな…僕の気持ちを裏切ったな…父さんと同じに裏切ったんだ!」 オペレーター「初号機、第4層に到達、目標と接触します」
シンジ「いた!」
カヲル「待っていたよ、シンジ君」
シンジ「カヲル君!
アスカ、ごめんよ!」
カヲル「EVAシリーズ。アダムより生まれし人間にとって忌むべき存在。
それを利用してまで生き延びようとするリリン。僕にはわからないよ」
シンジ「カヲル君!やめてよ、どうしてだよ!」
カヲル「EVAは僕と同じ体でできている。僕もアダムより生まれしものだからね。
魂さえなければ同化できるさ。この弐号機の魂は、今自ら閉じこもっているから」
シンジ「ハッ…A.T.フィールド…!?」
カヲル「そう、君たちリリンはそう呼んでるね。なんぴとにも侵されざる聖なる領域、心の光。
リリンもわかっているんだろ?A.T.フィールドは誰もが持っている心の壁だということを」
シンジ「そんなの分からないよ、カヲル君!クッ!
うわぁぁぁ!」 オペレーター「EVA両機、最下層に到達」
オペレーター「目標、ターミナルドグマまで、後20」
ミサト「初号機の信号が消えて、もう一度変化があったときは…」
マコト「分かってます。その時はここを自爆させるんですね。サードインパクトが起こされるよりはマシですから」
ミサト「すまないわね」
マコト「いいですよ、あなたといっしょなら」
ミサト「ありがとう」 カヲル「人の宿命(さだめ)か…人の希望は悲しみに綴られているね…」 ミサト「どういうこと!?」
マコト「これまでにない強力なA.T.フィールドです!」
シゲル「光波、電磁波、粒子も遮断しています!何もモニターできません!」
ミサト「まさに結界か…」
マヤ「目標およびEVA弐号機、初号機共にロスト、パイロットとの連絡も取れません!」 シンジ「う…くっ…カヲル君!」
カヲル「…」
シンジ「待って!うっ!」 シゲル「最終安全装置、解除!」
マコト「ヘヴンズドアが、開いて行きます…」
ミサト「遂にたどり着いたのね、使徒が…
日向君…」
マコト「…」 ミサト「状況は?」
マコト「A.T.フィールドです!」
シゲル「ターミナルドグマの結界周辺に先と同等のA.T.フィールドが発生」
マヤ「結界の中へ侵入していきます!」
ミサト「まさか、新たな使徒?」
シゲル「だめです、確認できません!あ、いえ、消失しました!」 ミサト「状況は?」
マコト「A.T.フィールドです!」
シゲル「ターミナルドグマの結界周辺に先と同等のA.T.フィールドが発生」
マヤ「結界の中へ侵入していきます!」
ミサト「まさか、新たな使徒?」
シゲル「だめです、確認できません!あ、いえ、消失しました!」
ミサト「消えた!?使徒が?」 カヲル「アダム…われらの母たる存在…アダムより生まれしものはアダムに還らねばならないのか?人を滅ぼしてまで…
違う…これは…リリス!そうか、そういうことかリリン!
ありがとう、シンジ君。弐号機は君に止めておいてもらいたかったんだ。そうしなければ彼女と生き続けたかもしれないからね」
シンジ「カヲル君…どうして…」
カヲル「僕が生き続けることが僕の運命だからだよ。結果、人が滅びてもね。
だが、このまま死ぬこともできる。生と死は等価値なんだ、僕にとってはね。
自らの死、それが唯一の絶対的自由なんだよ」
シンジ「何を…カヲル君…君が何を言っているのか分かんないよ!カヲル君!」
カヲル「遺言だよ。
さあ、僕を消してくれ。そうしなければ君らが消えることになる。滅びの時を免れ、未来を与えられる生命体は一つしか選ばれないんだ。
そして、君は死すべき存在ではない」
シンジ「…」
カヲル「君たちには未来が必要だ。
ありがとう。君に逢えて、嬉しかったよ」
シンジ「…」 シンジ「カヲル君が好きだって言ってくれたんだ…僕のこと…初めて…初めて人から好きだっていわれたんだ…
僕に似てたんだ…綾波にも…好きだったんだ。生き残るならカヲル君のほうだったんだ…
僕なんかより、彼のほうがずっといい人だったのに…カヲル君が生き残るべきだったんだ」
ミサト「違うわ。生き残るのは生きる意志を持った者だけよ。
彼は死を望んだ。生きる意志を放棄して見せ掛けだけの希望にすがったのよ。シンジ君は悪くないわ。
シンジ「冷たいね…ミサトさん…」 最後の使徒は消えた。
だが、シンジは苦悩する。
そして、ミサト、アスカも心を吐露する。
人々に救いを求めながら。
これも、終局の一つの形である事を認めながら。
次回、『終わる世界』 >>960
台本長文コピペ荒らしがウザいから次スレいらんよ。
俺ももう見ない。 クソが死んでもかわりはいらない
何処がどんな風に面白いのこのアヌメ?
これが社会現象ってマジ不思議
半年分の録画はさっさと消去した
20年前から恋焦がれてきた相手はとんだクソババァだった…ということを思い知らされたカンジだな
つくづくNHKに払う金が勿体無い 別にNHKはエヴァだけ放送してるわけではないし受信料払うのは国民としての義務みたいなもんなのでそんなアホガキみたいな文句言ってないで他のアニメでも見てろよカス ガンダムもそうだよな。今見ても何にも面白くない。
第一次アニメブームのガンダムも、90年代のエヴァも「え?アニメでこんなことやるの?アニメのクセに」ってのが当時の常識を裏切ったのがウケた。
あとエヴァの場合、その当時他にネガティヴな表現してる作品ってまったくなかったんだ。アニメにも映画にもドラマにも。
まっっったくなかった。今では信じられないくらい。 エヴァ見た後に初めてファーストガンダム見たけどむしろ今見た方が作り込みの凄さを感じるわ DVDで見るのが適切かな。フィルム直写ししたような初期版が最適ではないかな。
BSのリマスターは画質調整最悪。 そもそも放送だとポケモン処理しなきゃいけないから最適になるわけない ポケモン処理ほどの激しい演出でもないよ。
単にマシンガンのマズルフラッシュ程度のチカチカ光がリマスターだと暗くなる。
昨今のデジタルアニメなら普通に放送されてる。
あれは単にリマスターによる改悪。
そのくらい調整しろよ。 そもそもリマスターは商品化のためにやってるわけでBS関係無いし
BSに文句言うならポケモン処理くらいだけどそれは放送規定で仕方のないことでBDボックス買えばいいだけの話 >>973
>BSに文句言うならポケモン処理くらいだけ
画質全体がおかしなことになってたり、フラッシュ、サブリナが明度ぶっ壊れてることに気づけないのか。 >>974
放送がBDと同じクオリティで放送出来ると思ってるお前のバカさにまず気付けよ >>975
おまえがNHKの回し者だってことはすでに気づかれてるけどな。 >>977
「草」って書いてから「w」。
よほど泣いてるのか? __ __
/:ィ―:ゝ―‐:'へ
/:〃/ : :、: : : : ; : ; :ヽ
/:/〃 N^^^^^^^|ハ: :ヽ
/:/イ : :|⌒_ヽ ⌒ |: : :ヽ ト、
、_イ://|: : :!Yf:::} f:::}Y!/: :トゝ _.....-::::: ̄:::Y 〈___それではサンライズ作品であり、小原監督作品のキャラのこの私が代表して・・・
へマ:〃:ハ: : |、、辷)-辷)、イ: : ハ-::::''::::´::::::::::::::::::::::::::: 〉 ニ} >>1000取り合戦始まり〜!
_|_ イハ:|:ヘ__l_ | ̄/ 〃: / 〉:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノ- ニソ
/ ヽヽ ヽf::::::::}、 ー' イ 彳:/_ く::::::::::::::::::::::::::::::_ - ´
| rヽr‐<ヾ ゝ-へ フ´| ヽナ'´ 〉:::::::::::::_::- ´
〉‐ヽ_ゝ、ヽ)Jつ、_ ィ介.、! ヽ ̄ .rv'::::_ - ´
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