2006年 第165回 国会(臨時会)
質問本文
http://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a165256.htm
答弁本文
http://www.shugiin.go.jp/Internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b165256.htm

Q=吉井英勝
A=安倍晋三

Q:海外では二重のバックアップ電源を喪失した事故もあるが日本は大丈夫なのか
A:海外とは原発の構造が違う。日本の原発で同様の事態が発生するとは考えられない

Q:冷却系が完全に沈黙した場合の復旧シナリオは考えてあるのか
A:そうならないよう万全の態勢を整えているので復旧シナリオは考えていない

Q:冷却に失敗し各燃料棒が焼損した場合の復旧シナリオは考えてあるのか
A:そうならないよう万全の態勢を整えているので復旧シナリオは考えていない

Q:原子炉が破壊し放射性物質が拡散した場合の被害予測や復旧シナリオは考えてあるのか
A:そうならないよう万全の態勢を整えているので復旧シナリオは考えていない


これは、日本共産党の吉井英勝衆院議員(当時)の質問主意書(2006年12月13日提出)に対する第1次安倍晋三内閣
による答弁書(同月22日付)の一節です。
津波や地震によって原発の炉心冷却機能が失われ、メルトダウン(炉心溶融)をもたらす危険性を警告した吉井氏に、
答弁書はことごとく「安全神話」にもとづいて回答したのです。
質問主意書は、地震による送電鉄塔の倒壊などで外部電源が失われたさいに、内部電源=ディーゼル発電機やバッテリーなどの
非常用電源も働かなくなった場合には「機器冷却系は動かないことになる」と警告。
スウェーデンのフォルスマルク原発で2系列の非常用電源が同時に故障した例も示し、全国の全原発についての検討状況をただしました。
これに対し答弁書は、過去にも落雷や鉄塔倒壊で送電が止まり、原子炉が非常停止した実例が日本にあることを認めながら、
日本の原発はフォルスマルク原発と「異なる設計になっている」から「同様の事態が発生するとは考えられない」と断言し、警告を一切無視しました。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-13/2013011301_04_1.html