北九州市“小学校クラスター”で「やはり9月入学」となるか? 学びの遅れ取り戻すため夏冬休み削減、土曜・7時間授業も (2)

■分散登校の教員不足に学習指導員6万人超追加へ

さらに、学校を再開しても地域によっては少人数編成が必要となり、教員の不足が予想される。

文科省では第2次補正予算案に、小中学校最終学年のための非常勤教員として約3000人の加配、学習指導員約6万1000人、
学校の業務サポートスタッフ約2万人の追加配置に必要な310億円を盛り込んだ

こうした人材は、退職教員や学習塾の講師、大学生、NPO教育関係者、地域の人材を雇用することで確保する。

これによって、例えば分散登校で学級を2つに分ける場合は、学級担任に2〜3人程度の学習指導員が補助としてつくことになる。


■13都道府県は7月末までの「1人1端末」配備を急ぐ

しかし、こうしたシミュレーションは、あくまでこのまま収束に向かうことが前提で、第2波、第3波が到来した場合は、再び学校を休校とすることも視野に入れなければいけない。
その場合に必要となるのが、すべての児童生徒が自宅でオンライン学習できる体制整備だ。

現在、文科省では「1人1端末」のGIGAスクール構想を加速させている。
端末整備については、4月7日に緊急事態宣言が発令された7都府県と、4月16日に7都府県とともに特定警戒都道府県に指定された6道府県、合わせて13都道府県を先行させ、遅くても7月末までに整備する予定だ。

その他34県についても、小6と中3は優先的に7月末までに整備、他の学年も今年度中できるだけ早くに全国で端末を配備する予定だ。


■北九州クラスターで「やはり9月入学」となる?

今、学校現場は子どもの安全確保と学びの遅れを取り戻すことに注力している。
ある教育関係者は次のように話す。
「この一例で、やはり9月入学だという意見が広がらないことを祈ります。このタイミングでこれを言い出したら、公教育がとまってしまいます」

9月入学となれば、さらなる負担がのしかかることを教育現場は危惧している。