学校は6月末に同級生の保護者から連絡を受けるまで、把握していなかった。
学校は対策委員会を開くとともに警察に通報し、市教委にも報告。警察は
児童相談所に通告した。

 調査した市いじめ問題専門委員会は被害生徒の精神的ケアも含め、学校、
教育関係者らだけでの対応には限界があると指摘。被害生徒側が申し立てるまで、
市教委がいじめ重大事態として扱わなかった点も問題視した。

 小学校の1件は、15年当時小学2年だった男児を巡る事案で、学校関係者と
弁護士ら第三者でつくる「市立学校いじめ防止対策委員会」は、被害児童の
保護者が申し立てた12件のうち、3件をいじめと認定。保護者が学校に
不信感を抱いた背景に「組織対応の遅れ」を挙げた。

 小学校のもう1件は、17年当時小学4年だった女児が、同じ学年の女児に
前髪を切らされるなどし、不登校になった。専門委は担任がほぼ一人で対応
していたとし、学校や市教委がチームで対応していれば、事態が改善した可能性が
あると指摘した。
神奈川新聞社