高校受験後の3月に修学旅行も 文科省がコロナ対策「学びの保障パッケージ」公表
(毎日新聞)

 新型コロナウイルスの影響で学校の学習の遅れが深刻化している問題で、文部科学省は5日、
遅れを取り戻すための対応策をまとめた「『学びの保障』総合対策パッケージ」を公表した。
これまでに通知で認めた特例措置などを活用すれば、
5月末まで休校が続いた地域でも運動会などの学校行事を中止せずに遅れを取り戻すことが可能としている。

 パッケージでは、4〜5月の2カ月間は休校が続き、6月中は分散登校を余儀なくされる地域を念頭に、
6月末までに45日ほど授業の遅れが発生している場合の中学3年の年間計画のモデルを提示した。
遅れのうち約20日を、教科書の内容の一部を家庭などで履修する「学習活動の重点化」によって取り戻し、
夏休みの短縮や土曜授業の実施などで35日ほど挽回すれば、運動会や文化祭などの日程を確保できるとしている。
修学旅行については、高校受験が終わった後の3月に実施することもあり得るとの考えを示した。

 この一環で、学習活動の重点化を進める際に役立ててもらおうと、学校の対面授業で扱うべき内容と、
家庭学習など学校の授業以外でも履修できる内容を教科書ごとに分類し、文科省の専用サイトで公表する。
(中略)
使用する教科書や教科によってばらつきはあるものの、時間ベースで平均2割ほどは家庭学習などで済ませられるとしている。
6月中に小中学校の全学年分の公表を目指す。

 また、夏休みの短縮などによって教員免許の更新に必要な講習を受けることが難しくなる事態を想定し、更新業務を所管する都道府県教育委員会に対し、
2021年度末までに期限を迎える教員については、22年度末まで更新手続きの延期が認められると通知した。

 ◇「学びの保障」総合対策パッケージの主な内容
・授業を協働学習などに重点化し、限られた時間で効果的に指導
・最終学年以外は学習内容を翌年度以降に繰り越すことも可能
・3100人の教員加配など人的・物的体制を緊急に整備
・ICT(情報通信技術)環境が整っていない家庭に端末を優先配備する

 などオンライン学習の体制を確立

https://mainichi.jp/articles/20200605/k00/00m/040/299000c