マスク着用で授業「子どもに表情伝わらない」 フェースシールドのみで臨む学校(1)
西日本新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/1a587ae01d6e7aa4cf568b61eabfe817b80b559e

■表情が分かりにくいマスクへの不安

 福岡県糸島市の市立東風(はるかぜ)小は、教員が口元が隠れるマスクはせずに、自作のフェースシールドを着用して授業に臨むことにしている。
「子どもたちは先生の表情から、多くのことを読み取る」。
そんな現場感覚を重視した対応で、校長が試作を重ねた末に、医師が飛沫(ひまつ)拡散の防止効果を認めた独自モデルを手作りで導入。
コロナ禍の学校はどうあるべきか−。試行錯誤が続く。

 「喜怒哀楽が伝わりにくいマスク着用のままでは、教師の指示は子どもには伝わらない。学級経営がいずれ行き詰まる」。
校長(56)は、新型コロナウイルスの広がりで臨時休校中だった4月上旬の段階で、こうした懸念を強めていた。

 校長によると、人間は相手からの情報の大部分を動作や表情から受け取っていて、子どもはその傾向が顕著。
「マスク着用だと、冗談で言っているのか、怒っているのか児童には分からない」(1年担任)という実態がある。

 そこで医療現場などで活用が進んでいた、顔全体を覆う透明のフェースシールドに着目。
クリアファイルやラミネートフィルム、農業用ビニールといった材料で試作を重ね、透明度や加工のしやすさ、耐久性などを比較した。
その中で、ペット樹脂製の「鉢盛りのふた」を流用したものがベストだったという。

 地元の開業医にも効果を確認。
“校長特製”は通常の市販品よりも縦長で顎まで隠れ、上を向いても飛沫が前方に散らないように工夫されており、
「一般的なマスクの着用と同等以上の効果がある」という評価を得た。