2.教師としての権限
 教員と生徒は対等ではない。大人と子どもだからとかそういう次元ではなく、教員は生徒に対して優位に立っている。
何故ならば、教員には「生徒の成績を判定する権限・それにより生徒の進路を左右する権限」が与えられているからだ。
そして、成績というのはテストの点だけで決まる物ではない。出席状況や提出物などの平常点も加味される。
だがこの「平常点」は密室の中……どころか担当教員の脳内基準でつけられる物だったりする。
おかしな点数をつけられた生徒が多かったり、あるいはテストだけなら成績「1」になる生徒に「5」をつけたら
問題になるから、ほとんどの生徒に対しては本来の平常点の精神に則り、
普段の言行から当たり障りの無い点をつける。
だが、特定の生徒に少しだけ加減するだけなら、さじ加減次第では発覚しないことは十分可能だと思う。
やったことはないけど。
(話が多少脱線するが、桜宮高校の部活内体罰事件も、学校の部活という閉鎖空間の中で
”部活のキャプテンを全うすれば大学に行ける”という「進路を左右する権限」を
支配の道具に使った教員が起こした事件だと受け取っている)
 が、読者はここで一度自分の学生時代を思い返し、
「先生は僕の成績決める権力があるんだから言うこと聞いておこう」のように意識して教員に接していたかどうかを思い出して欲しい。
みんなしてなかっただろうし、実際、そんなことを意識していない生徒が大多数である。
というか、生徒がそれを分かってやりとり出来る相手だったらどれだけ楽だろうか(愚痴)。
「平常点下げるぞ?」という脅しは、問題を起こすような生徒にはまず通用しないし、
平常点を下げる方向に使うと保護者の抗議が来やすい。
だがその逆……つまり、”普通に平常点をつけると赤点になるが、贔屓して平常点多めにつけて赤点脱出”のような使い方なら……
問題にはなりにくい。そういう生徒に対して、有り体に言うなら『赤点脱出の代わりに体を提供する』ような取引を持ちかけ、
本人が秘密を続ければ発覚しないことも可能である。平常点で行うとは限らない。
その生徒にだけ問題を教えることも考えられる。
そうやって、教師としての権限を使って、教え子に手を出すことが教師には可能になってくる。