校内での感染予防策、どこまでやれば? 過剰な対応には弊害も 医師2人に聞く(2)

手洗いは、「流水とせっけんでしっかり洗うことが基本で、特殊な菌でなければアルコールなどによる消毒は不要」と南医師。
ただ、手をきれいにしてもウイルスで汚染されている蛇口ハンドルを触ってしまっては効果がありません。
できれば、ひじなどで開け閉めできるレバー式や、センサーが反応して水が出たり止まったりするタイプが望ましいそうです。
回して開け閉めするタイプの場合、医療者は、ペーパータオルでつかみ、その都度捨てることもあると言います。

登校後、トイレの後、給食前などのタイミングで洗うと効果的で、洗った後は、なるべく目や鼻、口などを触らないようにと注意を呼びかけます。

教室の座席配置は、隣との距離が1〜2メートルあるのが望ましいものの、向かい合って大声で話すのでなければ、厳密でなくてもいいそうです。
クラスを二つに分けて人数を減らすといった対応も効果はあるのですが、「地域によって、可能な範囲で」とのこと

フェースシールドについては、「マスクをしていれば、子どもがそこまでする必要はありません」と話します。
医療者の場合、主に目からの感染を防ぐ意味もありますが、
子どもたちは、目の前にシートがあることで視界がおかしくなったり、長時間使っているとシートが汚れて見にくくなったりするという弊害が大きいそうです。

教職員によるアルコールなどを使った消毒は、ドアノブやトイレの鍵、階段などの手すり、ロッカーの手で触る部分など、多くの子どもたちが触る部分で推奨されると言います。
教室の中など空間全体を除菌するような製品で、学校で使えて効果的と言えるものはないので、例えば何かを噴霧するといった必要はないとのことです。

登下校中は「屋外ですし、マスクをして静かに話す程度なら集団登校でも問題ないはず。
ただ、マスクをせずに大勢が大声で話しながら移動するのは避けた方がいいでしょう」。