【手続きの2段階化】
特別養子縁組の成立には、子どもの実親の同意が必要です。
さらに、「実親による養育が著しく困難又は不適当であること」などを家庭裁判所で審理
する必要があります。
従来は、長い審理期間の間に実親が一旦同意していても、審判が確定するまでに同意が
撤回されると、縁組ができない仕組みになっていました。
また、審判が出る前に6ヶ月以上の試験養育の期間をとる必要があります。
養親側にとっては、審判の行方が分からないまま試験養育に踏み切るというリスクの高い
仕組みになっていました。

問題の解消を図るため、今回の改正により、審判が次の2段階に分けられます。
第1段階:適格性確認(実親による養育状況と、実親の同意の有無などを判断する審判)
第2段階:縁組成立(養親子のマッチングを判断する審判)

実親は第1段階の手続きで縁組に同意した場合、2週間経過した後は撤回ができなくなります。
また、試験養育は第1段階の審判が出た後に行うことになります。

2つの段階を同時に審判することも可能で、手続きの長期化を防ぐとしています。

【児童相談所の関与】
従来、特別養子縁組の申し立ては養親側が自ら行う必要があり、負担になっていました。
今回の改正で、児童相談所長が第1段階の手続きの申し立てを行ったり、審理に参加して
実親の養育状況を立証したりできるようになります。


【成立件数と国の数値目標】
特別養子縁組の成立件数は、年間300〜500件前後で推移してきました。
政府は2017年以降、「概ね5年以内に、現状の約2倍である年間1,000人以上の成立を目指す」
という数値目標を掲げています[3a-3c]。