教科書の一部は家庭学習で 文科省、学校再開へ指導内容仕分け
(産経新聞)

 新型コロナウイルスによる休校で生じた学習の遅れを取り戻すため、文部科学省は5日、小学6年と中学3年の教科書の内容を精査し、
学校の授業で取り扱うべき部分と、家庭学習などで対応できる部分に分け、全国の教育委員会に通知した。
(中略)

 文科省は各教科書会社と連携し、グループワークなどを伴う対面授業でなければ難しい学習内容を抽出。
教育課程のうち2割程度を家庭学習でも可能な内容に分類した。
全ての教科書が仕分け対象となり、結果を参考資料としてまとめた。

 例えば、小6の国語については「人との関わりの中で、伝え合う力を高めること」は授業で行うことを推奨する一方、
「伝えたいことを書いたり、文章を読んだりする」ことは家庭学習の対象にできるとする。

 この基準を短歌を作ってグループで詠み合う授業に当てはめると、教科書を参考に自宅でノートに歌を書いて登校し、
授業では互いの作品の発表や鑑賞に絞り込む。
その結果、通常3時間かかる授業時間を50分ほど短縮できるという。

 文科省が平均的な事例として示した中3の例では、年間200日程度となる授業日数のうち、
4〜5月が休校になり、6月も分散登校になった場合、約5分の1にあたる約45日が不足する。
しかし、今回の参考資料に沿って授業を行えば約20日分を確保可能
さらに夏休みの短縮や土曜授業で補える約35日分と合わせ、不足分を上回る計約55日分を確保できるとしている。

 仮に年度内に学習の遅れが解消できない場合でも、文科省は小6や中3、高3など最終学年以外は2〜3年かけて学習の遅れを取り戻すことを容認している。

 家庭学習での対応を可能とした内容は、増員が予定されている学習指導員らを活用し、放課後などの授業時間外に子供の習熟度を確認する。
また、家庭学習が困難とされる児童生徒に対しては、各地の教委に学校での個別指導を行うなどの配慮も求めた。

 また、文科省は同日、学校現場の多忙化を考慮し、教員免許状の有効期間を最長2年間延長するとして、都道府県教委に通知した。

https://www.sankei.com/smp/life/news/200605/lif2006050026-s1.html