中学時代は生きづらさのかたまりだった。

誰とも噛み合わない会話や、集団行動への嫌悪感からは、自分の社会性のなさを突きつけられるようだった。
学校も地獄、きっと大人になってからも私は社会で生きていけない人間なのだろう。

あの頃の恐怖は、大人になって居場所を見つけてからも拭いきれない。私は手放しで安心することはないし、何年も文章にすらすることができなかった。
中学生の時、なにもかもすべてがダメ、という感じだった。誰だって多かれ少なかれそうだったのかもしれないし、「そんなことない、楽しかった」という人もいるのかもしれない。
私にとって学校生活をそつなく送れる子たちは少し変で、ものすごく特別に見えた。

その子たちも、本当のところは何を思っていたのかわからないけど、もし本心は辛かったのだとしたら、私には辛抱強さが足らないのだと思う。
いずれにせよ、誰かと中学時代の話をすることはないので、私はいまだに少しだけ孤独だ。

●姫乃たま
1993年2月12日、下北沢生まれの地下アイドル/ライター。
アイドルファンよりも、生きるのが苦手な人へ向けて活動している、地下アイドル界の隙間産業。
16才よりフリーランスで地下アイドル活動を始め、ライブイベントへの出演を中心に、文筆業も営む。
そのほか司会、DJとしても活動。音楽作品に『First Order』『僕とジョルジュ』、著書に『潜行〜地下アイドルの人に言えない生活』(サイゾー社)がある。
7インチレコード「恋のすゝめ」「おんぶにダッコちゃん」をリリース。