現役教員に聞く「9月入学制導入」の“多過ぎる課題”
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200504-00000015-it_nlab-soci

〈要約〉

■1:“学年が切り替わる時期”が変わって、先輩/後輩が同級生になる?■
学年の切り替わりが9/2になると、これまで同学年だった人の一部が別学年になってしまうため、次の移行措置が考えられる。
・既にいる生徒は「4/2生まれ〜翌年の4/1生まれ」が同学年
・今年度の小1は「4/2生まれ〜翌年の9/1生まれ」が同学年
・来年度以降の小1は「9/2生まれ〜翌年の9/1生まれ」が同学年
今年度の小1だけ同学年になる人を5カ月分増やすと、教室の確保の問題が生じる。

■2:入学時期が5カ月間先送り→学校関連業者の体力が持つか■
学校に教材を納入している業者、給食業者などは5カ月間収入がなくなる。

■3:“卒業式が体育館で行えない学校”が出てくる?■
卒業シーズンは7月。暑い体育館で従来のような長時間にわたる卒業式を行うのは熱中症のリスクがある

■4:入学時期と一緒に、卒業時期が変わると起こること■
部活動の大会や教員採用試験など、長期休暇中に行われているものは大幅な日程変更を要する。

■5,6:入学時期と一緒に、受験シーズンが変わると起こること■
6〜7月頃が受験シーズンになると、学校行事の時期の再考を要する。修学旅行は学校外との調整が必要で、簡単にはいかない。学校内でも、日程調整は難しい。数が多く、季節の問題もある。

■7:本当に9月入学制の導入で「学習機会の格差是正」はできるのか■
既に今年度授業をしている学校もあり、9月入学制の導入だけでは格差是正できない。

■8:日本社会が9月入学制に移行することは並大抵のことではない■
昔から議論されているが、進んでいない。大学などは5か月分の学費はどうするのか、企業では新入社員の入社後ろ倒しによる人手不足、といった課題がある。

■9:「現状が良くないからとにかく変えたい」という感情論■
感情論だけで、リスクにまで頭が回っていない人もいるのではないか