参考書籍

学歴封建体制を破壊する方法

巷では、憲法改正にかこつけて「高等教育の無償化」が叫ばれ、選挙の争点にもなっている。
それにしても、なぜ今頃になって(高校や専門学校ならまだしも)大学無償化の話が出て来るのか、少子化(2018年問題)を前に、大学の延命を図っているとしか思えない。

たしかに日本は、教育に関する公的支出は少ないが、私的な支出も含めれば、結構な額を使っている。
もっとも「私的支出の割合が高い」事が教育格差につながっていると言えなくもないが、とはいえ単純に公的支出を増やし「ばらまけば解決する」ものでもない。
火に油を注ぎ、ますますの高学歴化を招く結果とならないように、慎重にブレーキをかけながらの対処が必要である(それが本書の主張する学歴税)。

また、教育投資を否定する訳ではないが、教育に関する、コスト、効率、生産性についての議論も抜きにしてはならない。
本書は、従来の教育論の枠にとらわれることなく、より広い視野でもって、これらの問題を総括的に扱い、教育だけでなく、社会・経済を改善して行くものである。

―――《多元連立方程式》――――――
給付型奨学金の導入が叫ばれているが、それに相当する制度は昔から存在する。ただ成績やその他の条件が非常に厳しい。
大学全入時代を迎えた今日、金持ちはバカでも大学に行けるのに、貧乏人ばかり厳しい事を言われるのは不公平であり、これも格差問題の一種であるとの観点から、条件の緩和あるいは撤廃を求める動きは理解できる。
だが一方では高卒で就職する人もいるわけで、そのような人たちは安易に公金を投入して欲しくないという立場である。
あちらを立てればこちらが立たずという意味から、この問題は「多元連立方程式」とも呼ばれている。
本書はマトリクス累進によりこれを調整し一挙に解決するものである。

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