「元徴用工」の主張に違和感を感じる人たち
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/08/post-94164.php

「元徴用工」の主張に反論を述べる人も少なくない

「元徴用工」とその遺族は、強制的に連行されて十分な給金を受け取ることはなく、また食事や住環境が
劣悪で奴隷のような扱いを受けたと主張する。一方、この主張に反論を述べる人も少なくない。

当時、朝鮮半島の農家は貧困を抱えており、現金収入を求めて多くの若者が日本に渡った。なかでも日本
の炭鉱や金属鉱山は高額な現金収入を得られる出稼ぎだった。

実態を裏付ける書がある。統治時代の賃金を研究した李宇衍(イ・ウヨン)氏は、著書『ソウルの中心で真実
を叫ぶ』(扶桑社刊)で実態を明らかにし、日本企業に賠償金の支払いを命じた判決を誤審だと述べている。

同書によると、1939年7月から朝鮮半島労働者の「募集」がはじまり、42年2月には「官斡旋」、戦況が押し
迫った44年9月から「徴用」がはじまった。労働条件や賃金形態は同一で、日本人と同じ労働条件の適用が
義務付けられていた。企業による「募集」や朝鮮総督府が選抜する「官斡旋」は本人の意思が重要視され、
応募者は契約書に署名して日本に渡った。

炭鉱や金属の平均賃金は韓国人より日本人の方が高かったが、同書はその理由も明らかにしている。
ある鉱山の半島出身労働者は全員が2年未満で、日本人は46.2%が2年を超えており、経験の差が歩合給
の多寡につながったと李氏は考える。