【フランスのコロナ休校「在宅授業」が「用意周到なのに失敗」したワケ】
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/72148
(要約)

フランスの全学校に休校措置が取られたのは3月16日(月)。同日からオンライン授業開始。
しかし休校からひと月経った今、「むしろオンライン授業はやめたほうがいい」という意見が出ている。

実は1月末の時点で既に、パンデミックを想定した遠隔授業の準備を水面下で開始。この予測は見事的中し、教育省お墨付きの遠隔授業の出番となった。

子どもの学年と名前を登録すれば誰もが該当する学年のソースにアクセス。
練習問題(PDF)や電子本での読書を提供。教師が子どもたちの各パソコンと接続してオンライン授業を行なえるプラットフォームも用意。
サーバーへの負荷もあらかじめ綿密にテスト。同時に1500万人までのアクセスを保障。
ここまでは用意周到。

〈開始後明らかになった問題点〉
・アクセスは各家庭の裁量によるところが大きく、小学生ではその使用がまばら。
・カリキュラムの内容のレベルが高く、一人で難なく勉強できる生徒ばかりではなかった。
・課題の膨大なプリントアウトにより用紙が不足、品薄に。
・課題を提出しても個別の返信はなく、一斉に解答が送られてくるだけの一方通行で、子どもが孤独。
・教師がカメラ越しに生徒たちと会話をする学校もあるが、やりたがらない教師が多い。やり方は各教師の好み次第。
・教師とスムーズにやり取りできず、親がサポートしなければ成立しない。
・親がフランス語を話せない、貧困、兄弟が多い、などの理由により勉強できる環境ではない家庭の子ども達が、切り捨てられてしまう。

休校中もカリキュラム通りに授業はやったことにされ、「やったつもり」弊害が顔をのぞかせている。
仮に休校中の遠隔授業がなければ、「授業は全ての子どもに対して平等に止まり、学校再開と同時に平等にスタートされる」
その方がいいのではないかという声が沸き起こっている。

ある教師の声。
「現在、遠隔授業についてきているのは、自力でできる生徒か、親が勉強を見てくれる生徒だけ。
生徒や家庭環境による格差がある以上、無理に推進せず、
9月の新学期から遅れを取り戻すよう授業カリキュラムを組み直すことを考えた方がいいのではないか」