本当に必要? 保護者が払った4500万円でPTA組織が学校に体温計を「寄付」〈2〉

 念のため、学校への寄付が全部ダメというわけではありません。
ただ、これまでに何度も書いてきた通り
加入意思確認を行っていないPTAによる「寄付」は、本当の「寄付」とは言い難いということは、よく考えてもらいたい点です。

 「いいことに使うんだから、いいじゃない」と言いたい気持ちはわかるのですが、みんながみんな余裕のある生活をしているわけではありません。
学校への「寄付」にあてられる、そのお金(PTA会費)を払ったなかには、一日の食事回数を減らし、食費を切り詰めている家庭もあるでしょう。

 実際のところ、繰越金を貯めすぎて持て余しているPTAやP連は、非常にたくさんあります。
貯め込んだお金を減らすには何かに使わざるを得ませんが、それより先に、今すぐやるべきことは、会費(分担金)や手数料の減額でしょう。

 そして既に溜まってしまった分は、今年度くらい徴収を休むことで調整してはどうでしょう。

 学校教育にかかるお金は社会全体で負担するものであり、保護者だけで負担する性質のものではありません。
この当たり前のことを、みんなの常識にしていきたいものです