看護学生が苦境 新型コロナ感染防止で病院実習できず
https://news.yahoo.co.jp/articles/64c9aab2970189af92a4be678d4c0ffa3997fdc9

 新型コロナウイルスの感染拡大で、次代の医療を担う看護学生が苦境に立たされている。感染を防ぐため、病院実習が困難になっているためだ。
広島県内の看護学校も相次ぎ実習を見合わせており、学生は不安を抱えている。

 看護師、准看護師を育てる広島市医師会看護専門学校(西区)では本来、約230人が週2〜4日の実習に入っているはずだった。
しかし、三次市の介護施設で4月、県内初のクラスター(感染者集団)が出た直後、中断に踏み切った。
学生が実習先で感染したり、感染源になったりするのを避けるためだ。授業も全て、自宅での課題学習に切り替えた。

 実習先の病院側から当面の受け入れ見送りを言い渡されたケースもある
不安や戸惑いを口にする学生もおり、教職員のジレンマも大きい。
副校長は「実習で学べることは大きく残念だが、やむを得ない」と受け止める。

 看護師の養成校は通常、最終学年のカリキュラムが実習中心となる。病院や介護施設で患者や利用者と接し、ケアの実践を積む。
本来は所定時間をこなさないと、来年2月の試験の受験資格が得られない。ただ、それではさまざまな支障が生じる。
厚生労働省は今回、学内演習に切り替えても受験資格を認めるとの通知を出した。

 市医師会看護専門学校は「教育の質は下げないよう、できる限り知恵を絞る」として、今月から分散登校とオンライン授業を本格化し、遅れをカバーしている。
看護師を志す医療専門課程3年の学生(33)は
「実習再開後、短期間で多くを吸収しないといけないのは不安だが、コロナは誰のせいでもなく、仕方がないこと。今できる学習を深めたい」と話す。

 各校も試行錯誤する。市立看護専門学校(中区)は課題学習に加え、オンライン授業をスタートした。休校中の県立三次看護専門学校(三次市)も遠隔授業の準備を進めている。