>>574 (続き)

 特派員はなぜ見誤るのか


 まさか、こうした私的感情のみで広岡が朝日新聞の中国報道を、「追放されるな」と固く取り締まったとまでは
考えにくいし、一方、内戦の勝者に中国を代表させ、そことの国交を正常化すべきだと社長の広岡が主張するのも
本人の信条であろう。しかし、その政治論と報道・言論の自由とは別の話である。広岡はそこを混同してしまった。
 しかし、そんな広岡の言動とは別に、朝日新聞紙面には、その体制の何たるかもよく分からずに、共産主義国家
を美化し、讃えるような記事が目立った。北朝鮮、カンボジア(ポル・ポト派)贔屓の報道もそうだ。従って、あの歪ん
だ中国報道も、社長が広岡だったからというより、仮に広岡が存在しなくても似たような紙面になったと思われる。
 それは、階級闘争による共産主義社会の到来を予告するマルクス主義を善、マルクス命名の資本主義、私の
言う自由経済を悪とし、そのうちにマルクスの発見した階級闘争の歴史法則によって善が悪を滅ぼすという御伽噺
に影響された人が、朝日新聞社内には少なくなかったからである。