また、脱・メタボのために、野菜中心の食生活を心がけている読者も多いだろうが、これにダメ出しをするのは前出の藤田博士。

「100歳以上で元気な方は皆肉食。(4)週2日以上は肉を食べるべきです。(5)コレステロール値も少し高めでいいんです。コレステロールは性ホルモンや脳細胞のもとになります。それゆえ不足すると認知症やがんになりやすくなるんです」
武田教授も口を揃える。
「そもそもコレステロールは、体内で合成量を調整しているので、食品の影響を受けるものではありません。油も肉も問題ないんです」

こうした勘違いは(6)プリン体の多い食事についても当てはまるという。
「イクラは食べない、プリン体ゼロ飲料を選ぶという心掛けも痛風予防には無意味です。ビールで痛風になるというのも、アルコールは確かに尿酸値を上げますが、プリン体はあまり関係ありません」(武田教授)

加えて、(7)血圧も高めでいいのだとか。
「元気なご長寿のほとんどは、コレステロール値、血圧がともに正常値より高めです。最近は血圧のために減塩するという方も多いですが、塩を摂ると血圧が上がる"塩感受性"タイプは人口の約6割。その他4割は塩分を摂っても血圧は上がりません」(同)

どうやら、(8)しょっぱい味付けを健康のために我慢する必要はないようだ。
「日本一の長寿県として知られる長野県ですが、塩分摂取量は他県と比較しても多いほう。塩にはアドレナリンの分泌を増やし、元気を出すという健康効果もあるんですよ」(同)

仕事中に(9)コーヒーをよく飲むという方も多いだろうが、実は、これも健康に良い習慣。
「全日本コーヒー協会は、コーヒーは脂肪肝の発生を抑制すると発表しています。また、国立がんセンターは"コーヒーを多く飲む人ほど肝臓がんを予防する"というデータを発表。13年10月に発表された最新の解析では"コーヒーを1日3杯飲むと肝細胞がんのリスクが半分になる"ということまでわかっています」(医療ジャーナリスト)
さらに、心筋梗塞や脳血栓の予防にも効果大。
「コーヒーを飲む量が多いほど、まだら認知症の原因にもなる微小脳出血を持つ人が少ないというデータもあります」(前同)

また、外回りの営業マンなら(10)日焼けが気になるという人も少なくないだろう。
「日焼け=皮膚がんという認識は誤り。英国の医学誌では、屋外でよく日光を浴びている人よりも、日中ほとんど日光に当たらないオフィス勤務者に皮膚がん患者が多いという研究結果が発表されました」(日本セーフティ・タンニング協会)
その理由にはビタミンD不足が関係しているという。

「皮膚が紫外線を浴びると、体内ではビタミンDが生成されます。このビタミンDには骨を強くするほか、1型の糖尿病や、結腸がん、乳がん、前立腺がん、子宮がんを予防する効果があります」(前同)
さらに紫外線には、皮膚の免疫能力を維持する働きもあるという。
「日傘や日焼け止めで日光を避け続けていると、免疫力が低下するばかりか、免疫システムが異常を起こして、アトピー性皮膚炎や花粉症にかかりやすい体質になります」(同)