“自主的な残業”を強いられる教員〜校舎の清掃は誰の役割なのか?〜 1
https://news.yahoo.co.jp/articles/f5b23b74c3ea6e9a58409240ff278ef8c005675a

■補正予算案によって教育現場にもたらされるもの
新型コロナウイルス(新型コロナ)に対応するための第2次補正予算案が、5月27日に閣議決定された。
一般会計からの歳出総額は31兆9114億円で、1次補正予算(25,6兆円)を上まわっている。

 この中には、ウイルス感染防止策や子どもの学習保障の取り組みをすすめるための経費として
すべての小中学校や高校、特別支援学校などに1校あたり100万〜300万円を支給する予算も含まれているおり、想定しているのは以下の用途だという。

 ●「消毒液や非接触型体温計などの保健衛生用品の購入
 ●集団での検温に必要なサーモグラフィーの購入
 ●家庭学習用教材の購入
 ●空き教室を使った授業に必要な備品の購入−−など」
※『毎日新聞』2020年5月27日付)

 つまり、子どもたちの検温や消毒(=教室の掃除)に必要なものなどを購入する予算ということになる。
では、実際に検温や清掃を行うのは誰か。業者に依頼するとなれば、そのための予算も必要になってくるはずである。
しかし、そういう予算はつけないらしい。これらを行うのは教員なのだ。事実、教員による掃除が常態化している学校も少なくない。
「清掃は教員が行うんだから消毒液代くらいは出そう」というのが、支給の趣旨と思われる。
そこには、「教員がやるのは当然」といった意味合いも含まれていそうだ。

 教員が教室の清掃・消毒をするのは、はたして当然のことなのだろうか。
残業時間が厚生労働省の定める「過労死ライン」(1ヶ月80時間)を超える教員が多いのは、授業以外の「雑務」のせいでもある。
そして、清掃が雑務であることは間違いない。それが残業になってしまっていたら、さらに問題である。