学校の子供にフェイスシールド、の怪|オオカミ少女に気をつけろ!(2)

■科学的根拠より「安全に見える」というイメージに頼る人々

学校以外でも、営業を再開した百貨店やホームセンターなどの店舗で、従業員がフェイスシールド姿で接客するケースが全国で見られる。
いずれも「安心・安全」が名目だ。
5月16日には、大分県から、感染防止に取り組む飲食店を支援するという名目で、フェイスシールドを装着した「新しい飲み会」が発信され、度肝を抜かれた。

だが、その効果について調べてみると、販売業者が「飛沫を防止できます」「この材質はウイルスを通しません」と説明しているものはあっても、
「フェイスシールドを装着すれば、感染症を予防できる」という科学的データを示した論文は見つけられなかった
医療現場では、あくまでも医療用マスクや防護衣、手袋などと併用されているものだ。
それでも、至近距離で咳き込んだ患者の飛沫が耳や髪に付着したという報告もあるほどだった。

厚生労働省のガイドラインによれば、フェイスシールドは、主に眼の結膜からの感染を防ぐために用いるという。
医療現場などで感染者に直接接するリスクの高い場所で使用するものであり、「一般の企業で使用する場はそれほど多くない」とされている
学校や一般企業で中途半端に使用することは、科学的根拠よりも「ここまでしていれば安心・安全に見える」というイメージの問題に過ぎず、過剰対応ではないのだろうか。