学校の子供にフェイスシールド、の怪|オオカミ少女に気をつけろ!(3)

■「若い人でも重症化し、死亡する可能性がある」という呪文

そもそも、新型コロナは、高齢者や基礎疾患のある人が重症化しやすいというのが基本的な情報だった。
それなのに、なぜここまで子どもに感染対策を強いる必要があるのだろう。

自粛要請が出されていた4月から5月の間、「フランスで9歳児死亡」「ベルギーで12歳少女の死」「韓国で17歳高校生が死亡」など、たびたび若者や子どもの死亡は報じられたが、いずれも海外の事例だった。

日本では、大相撲の若手力士が死亡した際に「20代以下で初めての死者」という部分が強調された
そして、こういった報道の際は、必ず「若い人でも重症化し、死亡する可能性がある」という言葉がくり返された。

この言葉は市中でも使われており、40代の私に対しても、よほど危機感がなさそうだから言ってやらねばならないと思われたのか、
真顔で「若くてもコロナで死ぬ人はいるんですよ」と言う人もいた。
同じく、SNS上にも似たような言葉は無数に確認され、まるで呪文のように広がっていった。

この呪文によって委縮してしまった人は少なくないだろう。
「あなたも死ぬ可能性がある」と言われたら、怖いと感じるのは自然な反応だと思う。
けれども、あくまでも稀なケースだ。

それに、少し視野を広げてみれば、例えば私のまわりには、10代から40代までの間に、すでにがんや心疾患、脳腫瘍、くも膜下出血、不慮の事故などで亡くなった人が何人もいる。
2日前に会う約束をしていたのに、急に心臓が止まって死んだ友人もいる。
その時はひどくショックを受けたが、そのたびに「こうやって老人になる前に死んでしまうことがあるんだ」
「自分だって絶対に死ぬのだし、それがいつ訪れるかはわからないんだな」と考えなおしてきた。
それを思うと、コロナで云々と強調されること自体がおかしいと感じるのだ。