ほぼ全ての娯楽が自粛に追い込まれました。お笑いライブ、演劇、音楽イベント、敢行しようものなら「え、やるんだ」「このご時世に?」「空気読めよ」と不謹慎者扱い。
辛うじてチャリティの名目でイベントが再開されるまでの数ヶ月間、我々エンタメ要員は世間の顔色を窺いながらコソコソと活動するしかなかった。
被災者の皆さんが過酷な生活を強いられている今、僕らはこうしてステージに立たせて頂いているだけで幸せなんです。その名残りだと思うんです。
好感度がものを言う時代に、一旦「立たせて頂く」までへりくだった者が「立つ」に戻すのは勇気がいる。やがて言葉は形骸化し、何に、誰に感謝しているのかも忘れ、ただ空虚な「させて頂く」が蔓延している……のではないかと。仮説ですが。

今回の敵はウイルス。災害時の自粛ムードとは事情が違います。集まることで実害が出るからチャリティすらNG。
そもそも衣食住に比べたらエンタメは優先度が低い「無くても困らないもの」かもしれない。
お芝居を観に行くなんて不要不急の外出に違いないけど、それで飯を食ってる我々は仕事が無くて困っている。
文句や愚痴ぐらい吐き出さないと生きていけないよ。

もし安倍首相がイベント自粛要請を撤回してくれた暁には、我々は粛々と舞台に立たせて頂きます。
全力でボケさせて頂き、倍の力でつっこませて頂き、顔面の筋肉がつるほどの変顔や、ここには書けないような下ネタで爆笑を取らせて頂きます。