めくるめく幸福感を、安心感を、浮遊感を想像してみたかな?



では、次。
そこから叩き落される苦しみ、それがこの生の始まりだった。

誰一人として例外じゃない。この生は苦しみと痛みから始まったんだ。

狭い産道をくぐり、産まれる、
それだけでも母子ともに命がけだ。
それで命を落とすこともある。

まず、 死の恐怖だ。 それがあなたがこの世で最初に味わうものだ。

で、無事に産まれてきたはいいものの、
休む間もなく大仕事が山積みだ。
生まれ落ちたこの世界は安泰だった胎内とは、
なにもかも違っている。

まず呼吸をしなくてはならない。できないとしぬ。
つぎに授乳だ。できないとしぬ。

暑いとか寒いとか、なんかむずがゆいとか、
身体が不快という感覚を知る。

子どもってのは眠いとグズるけど、
眠い、ということすら知らないからそうなる。
不快な感覚があるけど、
それがなんでなのか分からないんだ。

空腹とか眠いとか体の欲求は不快感で表れる。
欲求を満たさなければ不快はつづく。
不快が肉体の限界までつづくとしぬ。

死の恐怖と、肉体の不快感、

まだまだ序の口だww
この世界に渦巻く苦しみはそれしきじゃないぜ。

でも、そう。
生まれる前はあまりにも安らかで奇跡を感じているばかりだったから、
ギャップがひどい。だからトラウマになるんだ。

これをバーストラウマという。生まれてきた時の精神的外傷だ。

普段は思い出すことすらないこのトラウマは、
あなたの心の根底に今も横たわっている。