乗降客は最も込んでいるときで1両140人超え

京都市の市バスは大きく分けると、循環系統、「Raku Bus」と呼ばれるバスが走る観光系統、郊外から市内への系統の3つ。
観光系統は、たとえば、京都駅から清水、祇園、岡崎公園、銀閣寺のルートや京都駅から
四条堀川、二条城、北野白梅町、金閣寺道のルートなどだ。
1日の乗降客数は、2013年度の平均約32万6000人から2017年度は36万3000人に増加。これに合わせて路線も2012年度の74系統から
2017年度は84系統に、車両数も2012年度の764両から現在は818両に増えた。
現在、混雑が最も深刻な観光系統は京都駅から銀閣寺ルート。最も混んでいるときで1両あたりの乗降客数は平均146人。
定員は70人だが、60人も乗れば満杯状態というから、いかに混雑しているかが伺える。
一番混雑する時期は3月、ゴールデンウィーク、11月。しかし、最近は混雑が平準化してきたという。
京都市では、毎年紅葉シーズンに東山や嵐山で一般車両の交通規制を実施しているが、地元からは
「年中混んでいる。通年でやってほしい」という声も聞こえるという。

「前乗り先払い、後降り」を来年3月から本格導入
京都市交通局自動車部担当部長の高見孝幸氏は、「交通事業者として実施する混雑緩和は、輸送力の強化、市バスから地下鉄への分散化
そして交通局だけでできることではないが、手ぶら観光の普及の3本柱」と話す。
そのうち輸送力の強化については、昨年10月と12月に「後乗り、前降り後払い」から「前乗り先払い、後降り」
に移行する実証実験を実施した。「その結果は、当初の想定通りになった」と高見氏。「先払いにすることで
前と後の両方のドアから降車する動線をつくった。前のドアは狭いが、観光系統の場合、京都駅から乗車する乗客が圧倒的に多いため
それほど途中バス停での支障はなかった」と明かす。結果は実数でも表れ、京都駅を除くと、各バス停の停車時間は12秒ほど縮まり
バスのスムーズな乗降に加えて、交通渋滞の緩和にもつながったという。
交通局では、この実証によって有効性が確認されたことから、2019年3月からこれまでの「前乗り先払い、後降り」を
均一230円の観光100系統で本格導入する。まずは100系統で始め、バスの改良の進捗に合わせて、他の観光系統にも導入していきたい考えだ。