「ウンコ水」と大騒ぎ…武蔵小杉を襲った茶色い水の“正体”
公開:19/10/18 14:50 更新:19/10/18 16:34
増水した多摩川(12日・東京都大田区)/(C)共同通信社

 マンホールから下水があふれ、最大1.5メートルの高さで街が浸水した川崎市の
武蔵小杉駅周辺。この地域の下水道は生活排水と雨水を同じ管で流す合流式だ。そ
のため、浸水した水には糞尿が混じっているのではないか、と日刊ゲンダイが報じ
、ネットなどでも大騒ぎになった。

 あらためて、川崎市上下水道局に電話取材し、駅周辺に広がった茶色い水が「ウ
ンコ混じり」なのかどうかを問うと、担当者はこう答えた。

「半分は合っているし、半分は合ってない。雨が降ると、合流管から雨水に希釈
された汚水を川に放流するが、雨水が汚水の100倍になるよう計画している。今回の
台風では、多摩川が高水位となったため下水管に逆流し、川の水と雨水と汚水が噴
出した。逆流した水にトイレの汚水が混じっているとしても、プールに子どもがお
漏らしをした程度の薄さ。また、ネットなどで道に積もった泥がウンコなどと書か
れていますが、あれの大部分は多摩川から逆流した泥です」

 東京都下水道局によると、東京23区のほとんどの地域の下水も合流式だ。都内で
も大雨が降れば「ウンコ水」はあふれ出てくる可能性がある。

(ジャーナリスト・若林亜紀)

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/263470