7.ワンインチ・パンチとリード・ストレート
 ジークンドーにおけるリード・ストレートとジュンファン・グンフーにおけるジク・チュンチョイの違いが解らず混同しているインストラクターが居り、
更に悪い事に詠春拳のジク・チュンチョイとジュンファン・グンフーのジク・チュンチョイ間でも混同して伝えてしまっている者が存在する事は真に残念な事です。
目標に当たる瞬間に下から上にしゃくり上げる、手首のスナップを利かせる直突きは
詠春拳のものであり、この様な技術は短打(短い間合)でこそ効力を発揮するのです。
従ってこれはトラッピングの中で使っていく技法であるので、ジュンファン・グンフー
でもジークンドーでも長距離と中距離から直突きする場合は使用しません。
特にジークンドーのリード・ストレートはフック・キックの間合いから放つことが
出来る長距離砲となるので、手首のスナップをきかせるような小ざかしいまねは
一切しないのです。この様なことをしなくても非常に大きな破壊力を出す原理が、
ジークンドーには存在するのです。たとえば師祖が自宅で弟子にレッスンをしている際に、
ジュンファン・グンフーのブラストパンチ(ジク・チュンチョイ)をサンドバックに
連打して手本を示しているフィルムがありますが、あのとき一切上記のような方法を使用していないのが見て取れます。