5.接近戦
 ある空手系雑誌にトラッピング技法で間合を縮めていって、あいた隙を攻撃するのが
攻撃するのがジークンドーにおける接近戦であると書いてありましたが、
これは詠春拳と初期の頃のジュンファン・グンフーのもので、
ジークンドーの接近戦(クローズ・レインジ・ファイティング)とは全く異なるものです。

 師祖のジークンドーにおける接近戦でもシンプル&ダイレクトを表現しなければ
ならないため、全くと言ってよい程トラッピングの技法は必要としません。
さらに加えて非常に修得困難なのは、”我は打ち込み可能、
しかし相手は打ち込み不可能”という表現をしなければならない事です。
これは全ての間合で表現していくことなのですが、
特にジークンドーの接近戦のパンチは最高に破壊力のあるものであると伝えておきます。

6.一撃必殺と連打
 ブルース・リー ズ ジークンドーの打撃において最終的に目指すポイントは
一撃必殺/一撃必倒であり、それは師祖が目指した事です。師祖の様に超人的、
達人レベルに至ればこそこれが可能になるわけですが、そこに至るまでは三連打程で
倒せる努力もするべきです。ただしジークンドーにおいてはトラッピングを使うような事はしません。トラッピングを表現するのはあくまでもジュンファン・グンフーであるというのが事実です。
 また連打していく場合、一番大事に表現しなければならないのが第一打目であると
師祖は教えてます。ですから相手にわざと受けさせて接点を作る古典的な表現はしません。
最終的に進化したジュンファン・グンフーの技法中にある、”究極のトラッピング”という
技術を使う時でさえ上記のような古典的な方法は一済とりません。
詠春拳のトラッピングとジュンファン・グンフーのトラッピングを混同しており、その違いを表現出来ないという事は、ジークンドーの思想を理解出来ていない事になるのです。