当時の小島一志ブログ


今年に入ってある出版社の専務から電話が入った。専務は挨拶も程々に言った。

「大山泰彦師範から、自分と兄の故大山茂兄弟の一代記を出したいと言われました。
ところが今は格闘技・武術関係が冷え込んでいまして、どんなにやっても1万部も売れません。
去年、小島さんの芦原英幸本のマネをした本が出ましたが、あの芦原さんだからいくら小島さんの
コピー本だとしても売れていると思って版元の日貿出版に探りを入れたら『売れている』と!
印刷所を通して刷り部数を調べたらなんと8千部だという。今の時代は、まあまあとも言えるけど、
ひと昔なら失敗です。

だから、大山泰彦師範に小島さんのことを話したら、是非小島さんに頼みたいというので
話だけでも聞いてもらえませんか」

3月7日に帰国するといっていたが、例の武漢ヴィルスの影響で日本に帰れないと。専務は更に言った。

「帰国が伸びるし、いつ帰れるかわからない。その間に俺が原稿を書くよ。
小島とは親しいがアイツは芦原英幸に惚れ込んでいるし、噂では梶原一騎のことを書いてるらしいじゃないか。
梶原とは猪木とウィリー戦でトラブったから嫌なんだ。だから、いいよ小島は!と言うんだけど、
私も大山兄弟とは40年の付き合いですが、だから泰彦師範の文章が素人なのは知っています。
泰彦さんは司法試験を狙ってインテリだというプライドがあるのでしょうが---。
なんとか私が説得しますし、まずはこちらで一席設けますから、相談に乗って頂けますか?」

何度か書いているが昔は大山泰彦先生の、あの独善的で悪趣味かつ言葉の連打には辟易していた。