『霊学講座』
 聖者は眉間の上丹田で呼吸して益々その叡智霊能を進めるのであるが、中丹田(
みぞおち)に力を入れて呼吸する時は第一胃拡張を起こす憂ひがあり、又「仁が過ぎれば
弱くなる」で喜怒哀楽憎愛欲など情の発動が盲目的過敏になり、ヒステリー癪持などの
如く病的に陥り易い。然るに下丹田に氣を充実する時は、意思が強くなって勇気が出で、
一切の恐怖心が無くなり、神経衰弱や弱虫は忽ち治って強健となり、「泰山前に崩るる
とも妟如たり」と云ふ風な泰然自若たる偉丈夫が出来上がり、又気合を発しても真に
『抱朴子』に謂ふ如き偉大なる霊能を発揮するのである。是に於いて整腹気合の必要が
起こって来る。