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「ジョーにライバルができた。力石っていうんだ。おまえがモデルだ」。
梶原一騎にそう告げられてから50年以上が経った。
名作漫画「あしたのジョー」の力石徹のモデルになった、天才空手家・山崎照朝。
極真の第1回全日本選手権大会で初代チャンピオンとなり、「極真」の看板を背負ってキックボクシングのリングに上がり、ムエタイ戦士を撃破する。
引退後は全日本女子プロレス(全女)でクラッシュ・ギャルズらを指導した。
梶原から寵愛され、大山倍達の空手を体現し、一時期「キックの鬼」沢村忠と並び称された山崎照朝とは一体何者なのか。
これまで語ることのなかった本人の証言とともに、梶原の長男、極真空手、キックボクシング、全女の関係者ら30人を超える周辺取材で初めて明かされる真実の数々。
群れない。金もいらない。スターになりたくない。
独特の勝負哲学を持ち、己の信じる強さだけを追い求めてきた孤高の空手家の半生を描く。
2013年に東京中日スポーツ(中日スポーツ)で連載した「山崎照朝空手バカ一代記」を大幅に加筆、再構成した。
インタビューでは師・大山、先輩・芦原英幸への偽らざる思い、後継者、理想の空手道を熱く語っている。
巻末には山崎空手の真髄「待ち拳」「前羽の構え」などの動画を収録した。
書籍の帯は漫画「刃牙」シリーズの板垣恵介。
板垣の漫画に山崎が与えた影響を本書で初めて明かしている。