これがネカマが決定的にバレて半狂乱になってた去年1月1日のこと
もうすぐ2年経つのか


Kazushi Kojima

俺は死ぬかもしれない。ただいまとなれば妻にだけは何でも守ってやりたい。独立した倅にはMugen を渡さない。一切の財産も残さない。この天守閣と呼ばれるマンションもゆずらない。

この数ヶ月、頭の中は梶原一騎と芦原英幸だけ。寝る時も睡眠導入剤が効き出して頭が茫洋となるまで「文章」と「構成」を考えている。
好きな音楽を聴いていても、ハッとすると「仕事」の事を考えている。朝、9時には何故か目を覚まし、その瞬間から梶原一騎か芦原英幸が頭の中で動いている。
そのくせ、仕事をしていると突然眠くなる。
映画やドラマは観られない、観ながら頭は梶原と芦原。気がつくと寝ている。

気が狂いそうだ。
女房との会話の70%は梶原と芦原の話題。
特に今回書いている『梶原一騎正伝』は天地がひっくり返る内容だ。だからこそ綿密な取材をしたきたし、今も続けている。警察関係者、医療関係者、芸能関係者、法律関係者---。徹底的に「裏」を取っている。
ただ唯一、どうしても解けない謎がある。客観的な証拠は十分過ぎるほどあるが、決め手がない。

毎回、作品に取り掛かると身が削られるようで辛い。だが今回は今までの疲労感とは確実に異なる不思議な疲労に毎日包まれている。
一方で気持ちはこの上なく前向きだ。苦しいが、この作品が世に出たならば、過去訳知り顔で梶原一騎という人物を評していた評論家やコメンテーターには腹を切るか、指でも詰めて貰いたい。それを天ぷらにしてカリカリと食ってやろうじゃねえか!