小林信彦が「極東セレナーデ」という小説で映画の内幕を色々バラしているけれど、
映画って初日2回目の興行でおおよその勝ち負けが決まったとみなされる。
で、興行がコケたとなるとその日の夜にはもう戦犯探しが始まるんだけれど、
真っ先に誰が戦犯に「仕立て上げ」られるかというと、ポッと映画に入ってきた
俳優など「よそ者」「外様」の人間が生け贄にされるんだと。

なんでかと言うと、脚本家や監督、その周りで「一家」を組んでいる映画スタッフは
業界に巣食っているいわば内部の人間で、その人たちは今後も一緒になって
仕事をもらって歩く「身内」なので、その人たちの責任は問われない。

切り捨ててしまっても構わない「外様」「よそ者」を見つけて、全部そいつが悪い!
ということに初日の晩には話が決まって、以後劇的に興行が盛り返さない限り、
そのストーリーに沿って「戦犯叩き」の記事が身内のライターや記者によって
外に流され宣伝して回られるのが「戦後処理」なんだと。

公開するまで「絶賛コメント」を書きまくっていた身内ライターが、手のひらを返して
「こいつが戦犯だ!」という捏造話をあちこちに書かせまくる。

日頃在日業界人から睨まれるような発言していた奴なんかは、恰好のスケープゴートとして
いいように晒し物にされるだろうなあ