ちょっとイイ話。
「小島先生の少年時代」

作家小島一志先生の小学生時代と言えば教師を銃剣で刺して教護院に贈られたエピソードが有名だ。
だが今回はちょっとほんのりする話をしよう。
コジの同級生に牛乳が飲めない女の子がいた。
少女は牛乳を飲むと蕁麻疹ができてしまうのだった。
だが当時は医学が進歩しておらず食品アレルギーという病気が発見されていなかった。
馬鹿な教師は少女に牛乳の一気飲みを毎日強制していたという。
そんなある日。またしても馬鹿教師に強制されて少女は牛乳を飲まされそうになっていた。
「もう嫌!吐きそう」その呟きを一人の少年が耳にした。
隣の席の小島少年だ。
小島少年はいきなり少女の席に駆け寄り「へへへ!牛乳は俺様の大好物だ!よこせ!」
と叫んで少女の牛乳を一気に飲み干してしまった。
周囲のクラスメートが怯えながらも叫んだ。
「先生!小島くんが傍若無人な態度で隣の少女の牛乳を奪いました!」
激怒する教師。そして小島少年は職員室に呼び出された。
だが牛乳を奪われた少女にはわかっていた。
「小島くん、あなた私を助けるためにわざと傍若無人な態度で牛乳を奪いとるふりを・・・」

その日の放課後。
仲良く手をつないで帰る小島少年と少女の姿があったという。
「ふふ、小島くんって偽悪者なんだね」
そう呟いた少女の頬が赤く染まっていたのは夕日のせいだけではなかったという。