大山先生は組手では決して後ろに下がることはなく、攻撃を捌きながら側面に回って反撃する動きを身上としていた。

剛柔流の型を生かし、
掛け受けからの掌底打ち、手刀上段受けから正拳回し打ちまたは手刀打ち、
相手の肘関節の逆を取る弓張受けからの孤拳[注釈 5]受け猫足立ち[注釈 6]

から下突き[注釈 7]に繋ぐ掛け受け、
猫足立ちから逆技につなぐ掛け受け
など、円型逆突きを基本にした掛け受けからの手技を多用し、手刀・回し打ち・掌底打ちなどの円の攻撃、また、相手の攻撃をかわしながら入る柔の歩法などに長じていた。

しかも、その動きは剛柔流の型の中に見出せるものが多く、大山先生は、ある意味で伝統の空手の動きを組手でそのまま体現できる数少ない達人のひとりであった。[8]