結局は、その功績を利用してJRを牛耳るのだが。

松崎は他にも様々な謀略にも関与していたと見られており、全容までは明らかにされていないものの、某会社に手下を送り込んで情報収集に当たらせたり、自らを批判した記者の自宅に手下を不法侵入させるなど、やりたい放題であった。

現代ではもはや革マル派の影響力はほぼ無く、労働組合も不要論が根強くなっている。大規模なデモ・闘争もほとんど聞かなくなった。春闘なんて会社と組合の八百長のようなもので、闘いとは呼べない。

たった数十年でも時代は物凄く変わるものだと思う。その変化の原因の1つは、内ゲバや権力争いしかできない活動家に対する世間の失望・幻滅ではないだろうか。反権力を気取っても、いざ自分が権力の座に就けば、批判していた権力者と同じ事をしてしまうから。

松崎やJR労使問題に関する書籍は他にも数多く存在する。本書を読んで興味が湧いたら、巻末の参考文献を基に、他の書籍にもチャレンジすべきだ。