中拳オタは、働き者との評判こそ持ってはいたが、家も金も女もなく、
字も読めず容姿も不細工などと一般人たちに馬鹿にされる、
社会の最下層の立場にあった。
そして内面では、「精神勝利法」と自称する独自の思考法を頼りに、
一般人たちに罵られたり、日雇い仲間との喧嘩に負けても、
結果を心の中で都合よく取り替えて自分の勝利と思い込むことで、
人一倍高いプライドを守る日々を送っていた。