どうしようもなく腹が立つことがある。
あの野郎は完全に俺をコケにしやがった。
無意識か悪意あってのことかわからねえ。
ただ確実にアイツは俺の尊厳を軽んじた。
だから俺は当然のように腹を立てた。
徹底的に痛めつけた。
手段は選ばない。
スポーツでも試合でもない。
ノールールマッチでもない。
だから俺はどんなに汚ねえ手段もつかう。
野郎がズタズタになって土下座をする前に俺は止める。
「殺しちゃダメ、完全に潰したらダメ。逃げ道を一個だけ作ってやる。これがケンカの作法じゃけん」
芦原英幸からの教訓だ。
だから俺は今日もちっちゃな逃げ道を作ってやった。
そんな俺を見て皆んなが俺を責め立てた。
やり過ぎだ! 卑怯だ! 陰湿だ! キチガイだ!
何を言いやがる。