(つづき)
15年前まで、毎日のようにワシに怒鳴られド突かれし続けてきたオマエじゃけん。
他のスタッフはみ〜んな逃げ出していきよった。けどオマエは耐えて耐えて一人前になった。
出世して編集長になり、ワシが出社すれば必ず自分の机を離れ、会議テーブルに一緒に並んで仕事するのが習慣やったな。
あの頃は楽しかった。いっつも、どこ行くのも一緒やったけん。
オマエも元気にニコニコしとったやないか。
また15年前の気持ちに戻って、お互いもう1度素直になってみようやないか。
ワシが抱える色んな問題が心配なのは分かるけん。けど身辺の問題は必ずケジメ付ける。
ワシは今までオマエに嘘ついた事は一度もないけんね。
オマエを守る為に「嘘も方便」みたいな言い方した事はあるけん…、
ワシはオマエを一度でも裏切った事はない。オマエもそれは認めてくれよる。
大山総裁や芦原先生みたいな未練遺してなあ、ワシは死にとうないんよ。
本当に愛し抜いた相手に看取られず地獄に行きとうはありません。
寂し過ぎるやろ!?
せめて、せめて1回だけでええ。
気分が向いた時で構わんけえ、オマエから「結婚しよ」言ってくれんさい。

唇を噛み締めて…。

ワシと一緒に生きていってくれんさい。

早々