当然ウォンという名が一番多かった事、そして彼の師の名がなかなか見つからなかった
事など、歴史の真実を知ってしまったのです。多分彼はその時、落胆したでしょう。
真実を知った時の私の様に。彼って人は本当に師祖が大好きだし、非常に尊敬しているし、
師祖のアートを本心から学び習得したいと思っているんです。
そのために様々な努力もしてきたはずなのです。ですからおそらくあの時は彼の
正直な気持ちに従ったのだと私なりに思っています。しかし結果的には裏目に
出てしまいました。ですから彼にとって自分の正直な気持ちを押し殺してでも、
今までの団体に存続するしかなかったのです。しかも自分は自らが創った
団体の代表なのです。今まで得てきた名誉としてきた努力を水の泡にしたくは
なかったのだと思います。私の場合は水の泡と化しましたが、
結果的には良い方向に向かいました。彼は一から修行し直す事が出来なかったのでしょう。
私としてはその時に私に相談をしていれてれば、何とか助けてあげらえたのにと
思っています。もし私が元の師にこの件の全てを話してしまったらどうなるでしょう。
当然インストラクター証を剥奪され、多くの弟子は去るでしょう。
その後私はどこにも行き場がなくなるのです。
もう他流派へ行くしか取るべき手段はなくなるでしょう。
自業自得と言うやつがまさにそれです。