長身でありながら身のこなしが軽く、抜群の強肩を持ち、
クイックリリースでショートパスからロングパスまで正確に投げ分ける。
フィールドを瞬時に見極める広いビジョンを持つ。
D#の狙いを見抜く能力が優れている。
02年ハイズマントロフィーを受賞し、03年のドラフトで永らく低迷していた
CINのフランチャイズQBとして全体1位で指名される。
ルーキーイヤーはサイドラインで勉強し、
04年満を持してジョン・キトナに代わりスターターに昇格。
期待にこたえ05年には11勝をあげ、チームを15年ぶりのプレイオフに導く。
05年、06年と連続してプロボウルに選出された。

10年オフにパーマーはトレードを志願し、容れられなければ引退すると公言。
CINは11年ドラフトでダルトンを1巡指名し、パーマーは11年途中で
ジェイソン・キャンベルが故障離脱したOAKにトレードされた。
しかし高給に見合った成績を残せたとはいえず、
12年コルブの不振から4人の先発QBで5勝に終わり、翌年アリアンズ新体制に
変革したCARDSにスタントンとともに迎え入れられた。

13年前半はO#が噛み合わず「パーマーが1人で試合を壊している」などと
酷評されたりもしたが、RBエリントンの神懸かりの活躍にも助けられて、
W8から7勝2敗の快進撃を演出。惜しくもプレイオフ進出はならなかったが、
カート・ワーナー引退後負け慣れてしまっていたCARDSに希望の明りが灯った。
14年はW2〜W5まで負傷欠場したが、CARDSはW9まで7勝1敗と絶好調。
しかしW10のラムズ戦で膝の靭帯を断裂してしまい、NFL初の「プレイオフから
スーパーボウルまでポストシーズン全試合ホームゲーム」の実現の夢は潰えた。
15年は2年連続スーパーボウル出場のSEAの対抗一番手と期待され、
パーマーはパス4,671yd、RTG104.6のCARDS史上最高成績をマークして、
プロボウル(3回目)、オールプロセカンドチームに選出される。
シーズン13勝もCARDSレコードでチームを6年ぶりの地区優勝に導いた。
しかしシーズン終盤にパーマーが右手人差指脱臼の不運に見舞われ、
NFCチャンピオンシップで敗退しスーパーボウル進出はならなかった。
16年CARDSは初めてスーパーボウル候補に挙げられたが、スペシャルチームの
不出来でスタートで躓き、パーマーがW4ラムズ戦でサックされ脳震盪で退場。
W6から復帰したものの前年から軒並み成績を落とし、CARDSはまさかの
負け越しに終わり期待を裏切る不本意なシーズンとなってしまった。
17年W7ラムズ戦で腕を骨折し、これがパーマーの最後のゲームとなった。
CINの末期やOAKの時は我儘なトラブルメーカーのようなイメージがあったが、
残りのキャリアを納得いく形でプレーしたいという気持ちが強かったのかもしれない。
パーマーはまぎれもなくCARDS史上最強チームを牽引した立役者といえるだろう。