まだ滑り始めてもいない915に集められた視線の訳は、他でもなく彼の次の行動に対する好奇であった。
915が大袈裟にボードを地面になげつけた後、青い観衆達の視線の先は、915からそのボードの腹へと移った。
ボードは青魚の鱗のように、乾いたワックスで覆われていたのだ。
その光景は、アブラがのってしまったそのボードの所有者を連想させるに十分であった。