まじやめて
保護費から出せよ

「生活保護受給者の医療費は、全額を医療扶助で負担していますが、これを国保料に移行させるという案が、今年6月に閣議決定された『骨太の方針2022』に記載されたのです。以前から財務省などがこのアイデアを時々打ち上げているのですが、もしこれが現実に実行されるということになれば、国保料は今よりもとんでもなく高騰します。生活保護費の半分を占めているのが医療扶助であり、これを国保で面倒みよ、ということなのです」

生活保護費負担金は全体で約3.7兆円(令和4年度)。そのうちここ10年はたしかに医療扶助が半分近くを占め、その額、約1.8兆円。

「今は主に国庫負担でまかなっている生活保護の医療費を国保に移行するのは、つまりは国庫負担の抑制でしょう。ただでさえ“所得なし”の層が3割を占める国保で、現在の支払いさえ苦しむ人たちに負担を押し付けるのは無理があります。しかも『骨太の方針2022』の“脚注”にそれが記されているのが姑息だと思いました」(長友氏)