685可愛い奥様2020/09/08(火) 22:44:20.78ID:+7tbDXLz0
>>684
「殉愛」p331
(2013年)
十月二十一日、瀬田クリニックで樹状細胞ワクチン療法を受けるために東京に向かった。
たかじんが「時計が欲しい」と言ったので、さくらは結婚の記念にプレゼントすることにした。
二人は渋谷のヨシダ時計店に行った。たかじんはそこで気に入った時計を見つけた。「HUBLOT」
(ウブロ)の「クラシック・フュージョン・トゥールビヨン」という、世界に九十九個しかない
モデルだった。店に置いてあった品のシリアルナンバーが「8」だったので、「末広がりで縁起が
いい」とたかじんは喜んだ。
さくらが値段を訊くと、八百四十万円だった。あまりの高額に驚いたが、たかじんと二年間夫婦と
して貯金してきたお金で購入した。
帰りは時計店のスタッフがロールスロイスで六本木のマンションまで送ってくれた。